駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

まさかの…? 続・新・澄輝日記??

2022年08月01日 | 澄輝日記
 来年の『刀剣乱舞 禺伝 矛盾源氏物語』なる舞台においてかいちゃんとなぎしょの主演?が発表された際、宝塚OGの活躍の場が広がり俳優のジェンダーレス化が進むと、宝塚歌劇の特異性って薄まるというか弱まるというかむしろ時代遅れになっていくのかな…などと考え出してゴタゴタしたことを書き散らしたものでしたが、なんとこのたび元贔屓(私はこの場合の「贔屓」という言葉は現役生徒に使うものだと考えているので)の澄輝さやとさんが追加刀剣男士なるものとして発表されたそうですよ? 姫鶴一文字なる刀?キャラ??なんだそうで、その名のとおり?姫キャラなんだそうですよ? 男子いや男士なのにね? いやそもそも女性ですけどね? いやもうこうして他人の属性やSOGIに安易に言及することも不作法であるとか人権侵害であるとされる世が来つつあるのかもしれませんけれどね? なのでこういう区分けももはや意味はないのかもしれませんけれどね??
 個人的には、舞台が、というか主にお芝居が観たいと思っていたので、そういうお仕事のご報告があるなら嬉しいなーとは考えていたわけですが、でもなんか興味があるんだかないんだか、厳密に言えば上手いともつかないお歌の中途半端なお仕事の他には(すみませんすみません、私はそう考えているというだけのことです)特段積極的に芸能活動をしていく節がこれまで見られなかったので、でもならばそれはそれで、ヨガと刺繍の綺麗なお姉さんをインスタで愛でていくくらいでも私はいいのよ…とか思っていたわけですよ最近は。なのに、なので、意外な方向にキタねこりゃ!?とは驚きました。
 これまた活動しているんだかなんなんだかナゾですが、確かタカラヅカ・ライブ・ネクストでしたっけ?なんかそんな組織に属していたはずでもありますし、そういう筋からのお声がけとかがあったんでしょうか。それともかいちゃんの推薦? そんなことできるもの??
 他のメンツも、先日卒業したばかりのあやなから始まって(これが卒業後の初仕事になるのでしょうか? 来年2月までに別のお仕事が先に入ることもありえるか)、まおくん、シュウシオツキそしてあきらと、けっこう学年も当時のポジションも退団時期もその後のキャリアもバラバラな気がして、ちょっと不思議な並びではあります。月組がいないねってのと、宙組もあっきーだけなので(もちろんかいちゃんは星組への組替え前は宙組生でしたが)誰ともお友達でなさそう、タカスペとかで関わり合ったことある人いたっけ…とかついモンペが発動してしまいそうにもなりました。
 それでもやってみたい、と思えたから出演を決めたのだろうし、それは純粋に寿ぎたいです。結婚する様子も見えないし、ただ暇ヒマにしているのも人生もったいないもんね。いや芸能活動していなくても、表に出てきていなくても充実した人生を送っているOGもたくさんいるだろうことはわかっているのですが…てかファンといえど所詮他人のセカンドキャリアにガタガタ言う権利なんかないしね。でも心配なわけですよモンペだから(笑)。
 今回も、役の比重と中の人の学年順が逆転していて、タカラヅカ的にはこれまたざらっとくるところですが、それも作品が「矛盾」を謳ったものだからでは?とのご意見もあり、まあ郷に入ればなんとやらでその世界ならではのルールや決まり事があるのでしょうし、まずは心穏やかに続報を待たないとね…と思い直しました。実際、退団直後の人の方が客を呼べる、とかはあると思いますしね…
 イヤしかしホントどうなるんでしょうね? 私がお芝居が観たかった、と言っていたのは当然女優さんとして女性キャラクターを演じるところを観てみたかった、その姿で物語の一部になっている舞台を観たかった、という意味だったわけで、それは男役姿は現役時代にもう十分観たので(と思えて十分納得して楽しく卒業を見送れたわけですし)卒業したらそりゃ今までは観られなかった新しい姿が観たいよね、という意味でもあったわけです(ネフェルティティとか、ありましたけれどね)。だから刀剣男士だろうとなんだろうと、卒業してなお男役めいたことをやるってのは、ならあの卒業はなんだったんだ、ってなっちゃうのでちょっと複雑、というのはあります。でもそこに確かなスキルを今なお保持しているであろうことは本当のことだろうし、それはそんじょそこらのただちょっとイケメンなだけの男優さんより練り上げられているものであろうことも本当のことでしょう。これは別に2.5次元俳優さんを落として言っているのではなくて、でもその分野に関しほぼ素人に近いレベルの人たちから選抜してくるというのなら、そりゃちょっとリードしている部分はあるんだろう、ということです。
 なおかつ今回は、もう企画そのものが、そういうコンセプトでいくんだってことですよね? なのでOG、しかも男役で揃えるってことなんですよね? ならばリアル男性に出番がないのはもう仕方がないことなのでしょう。
 ただ、あきらは刀ではなく、「歴史上の人物」光源氏役、とされています。もちろん光源氏というのは紫式部が書いた『源氏物語』のキャラクターであり架空の人物なわけですが、この作品においては、「歴史」なるものが現実のそれとは違う位相にあるのでしょう。そういういろいろが逆転している世界観での作品、なのでしょうおそらく。まったくミリ知らで語っているので全然違っていたらすみません。そっとご指摘ください&ご指南くださいご教示ください。
 作品には他に、たとえば刀の使い手とかのキャラクターは登場するのでしょうか。それは男優さんが演じるのでしょうか。それとも…? そして女優さんが演じる女性キャラクターは全然出てこないということなのでしょうか。たとえば紫式部も、位相が違うけど葵の上や六条御息所も?
 そのあたりを考えると、やはりこのあきらの位置がけっこうポイントなのかな、とも思います。やはり続報が楽しみです。
 最初は、えーそんな人気で混んでてタイヘンそうなジャンルに関わりたくないよー、今回はスルーでいいかなー、チケット取れないだろうし、とか考えたのですが(わりとすぐ日和る質ですすみません)、コンセプトによっては従来のファンは全然見向きもしなくてハコが埋まらん…ってことになるかもしれないし、ゲームや円盤をせっせと買って抽選に申し込むとかゼッタイ無理だけど近年は出演者先行をやるようになったと聞くので取次があるなら行けるんじゃない?と、思い直しているところです。いずれの作品もしっかりしているので予習も楽しいかもよ?とも言われたのですが、課金嫌いで面倒くさがりなのでどうかな…(笑)ホントこんなんですみません。
 今後も、おそらくいろんな人がいろんなことを言う作品になるんだと思うんですけれど、話題が作れているならそれはもう正解なんでしょうし、わからないなりにそういうご意見もいろいろ聞いてみたいと思っています。お詳しい方、レクチャーしてくださいホント…
 来年2月とか鬼が笑いますけれど、そのころにはなんの憂いもなく予定どおり上演されファンが安心して観劇できる日々が来ていることを、まずは祈って待ちたいと思っています。


 ところで、その後のご贔屓は…と聞かれることがときどきありますが、今のところ次の恋の雷にはまだ打たれていません。あいかわらず全組全演目を生で観るよう努めていますし、好きな生徒や気になる生徒はたくさんいますが、それはただキャッキャウフフニマニマと眺めているだけで、親身になって気を揉むのとは違うのです。もともとそんなに惚れっぽいタイプじゃないし、きっと全然違うところから出会いが訪れたりするのではないかしらん…
 ニマニマ楽しく観ているのは若手男役では花のらいとと星のかりんさんですが(かりんさんはもう中堅カウントされてもいいところではあるかと思いますが…)、ホントそういうんじゃないんです大丈夫です。あとは月ならぱるとか…宙ならナニーロとか…
 でも基本的にホントいつも娘役さんを観ているので…まどか、ひっとん、かのちゃん。糸ちゃん、咲乃深音ちゃん、みこちゃん、あわちゃん、みさこちゃん。みちる、ゆーゆ、りり、みかこ、おはね、みうみん。ひまり、ともか、夢白ちゃん、すわんちゃん。くらっち、水乃ちゃん、るりはな、うたち。ひろこ、さらちゃん…あたりかなあ。
 今は星と宙はお稽古中ですが花も月も本公演がストップして、雪も『心中』はストップでなんと『オデッセイ』のみが出航中という、なかなかしんどい状態ですが、安全第一健康第一で、しかしなんとかやれることはやって、がんばっていっていただきたいものです。それこそ生徒の進退にも関わってくるしんどい状況でしょうが、どうかなるべくみんなに幸多かれ、と願っています。
 てか誕生日観劇、頼むよー!(><)




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新澄輝日記

2019年11月04日 | 澄輝日記
 10月18日に、澄輝さやとさんが『Living Room MUSICAL』vol.11に出演することが発表されました。ご卒業から約3か月、会の解散式から約2か月…早かったような長かったような、な日々でした。
 私の過去のLRM観劇記はこちらこちら。澄輝日記で直近のものはたとえばこちらこちらなど。
 解散式で、その後の予定がないとお別れのご挨拶とか締めの言葉ってなかなかいい定番がなくて難しいものなんだなあ…とか思ったものでしたが、その後もSNSを始める様子もなければ何かの活動の発表があるわけでもなく、たまにOGのインスタに写り込んで観劇したりお茶したりしている様子が窺えて生存確認ができる、だけの日々でした。
 まだまだお片付けが終わらないのかもしれないし(笑)、ゆっくりのんびりできているならそれが一番だし、意外と(オイ)本当に真剣に男役に誇りを持っていてそれ以外にはもうこの芸名を使わない気なのかもしれないな、といって本名とか別の芸名で芸能活動を始めたりとかするタイプにも思えないし(ねねちゃんの卒業直後の名乗りの混乱は私にはなかなか印象的でしたし、さもありなんとも思えたことでした)、お友達のインスタ登場も間遠になっていって、本当に一般人として、ファンからは遠い存在になっていってしまうのかもしれないな…とか思うようになっていた私ですが、いざ本当にインスタ登場が間遠になると、それはそれでなんか妙な恐怖を感じるようになっていたのでした。
 もはやお若い方には通じにくいたとえなのかもしれませんが、これって『めぞん一刻』の惣一郎さんみたいになっちゃうってこと!?という恐怖です。解説するとこれはヒロインの亡くなった夫のことで、主人公にとっては恋のライバルなわけですが、まさしく死んだ人は思い出の中で永遠に美しいままで勝てるわけがないんですよ。なんかホントこのままいくとそういう不可侵の聖域みたいなところにいっちゃって自分がそれに囚われてしまうというか、楽しかった思い出だけが結晶化して永遠に輝き続けてしまってもう何ものもそれを越えられなくなってしまうというか、そんな予感に苛まれ出したのです。
 でもそれって私にはすごく不自然で不健康なことにも思えて、でも自分でもどうしようもないし…とちょっと悶々としていたんですね。私は結局のところ宝塚歌劇自体が好きで、スターが何十人何百人と入れ替わろうと飽きずに(まあ離れ気味な数年は過去にありましたが)観てきたしまた観ていくつもりですし、でも舞台とかシステムとか物語そのものが好きだということとは別に、また特別に好きになり応援したく思う生徒さんはこれからも現れるだろうし、でも今までのような会活動はしないだろうなとか考えていたんですけれど、前の贔屓が(卒業したのだから次がいなくても前と呼ぶことにします)そんな天上の至高の存在みたいになっちゃって私の一部がそこに囚われてしまったままだと、なんかもうどこにも行けなくなっちゃうじゃん…みたいな、別に具体的にどこへ行きたいとか誰を好きになりたいとか好きになりそうとかはないんですけど(ないんです! 本当に! キャイキャイあれこれつぶやいてるのはそういうのとは違うんです!!(笑))、とにかくそういう「囚われてしまう」恐怖がじわじわと湧いてきたのでした。メーテルが自分の身体を凍らせているのに泣く気持ち…は、違うか(^^;)。
 そんなところに活動再開のニュースがあって、私は実はものすごく霧が晴れた気になりました(笑)。言い方が本当にアレで申し訳ありませんが、前の贔屓がただのOG芸能人になってくれるというので私は安心したのです。これなら神じゃありません、ただの人です。
 まあこれで本当に芸能活動再開というか、以後何かしら活動していく気があるのかどうかは謎ですが、1日だけのゲストとかではなくて6日9回の全公演に出演するんですからある程度やる気はあるのかな、と思います。やっぱり毎日あれだけお稽古して上演してってのを繰り返してきた人たちなんだから、急にゼロってのはやはり身体に悪そうですしね(^^;)。かつて歌ったり踊ったりで何かを表現したい、と思って音校を受験したように、今また同じ思いで芸能の世界に戻ってきてくれたなら、それは素直に嬉しいことですし、また観させていただけるのがありがたいです。
 そしてそういうこととは別に、もはや劇レスがあるわけじゃないし何事も鍛え続けなければ衰える一方なのは決まっているので、やるからにはちゃんとやるんでしょうね頼むよ?という思いもあります。私は正直LRMという企画にはちょっと思うところがあって、劇場よりもう少しカジュアルなライブやショー空間を、というコンセプトはすごくわかるしすごくいいと思うのだけれど、集客は毎度OG頼みのように見えて、けれどOGより他のアーティストたちの方が歌唱力は断然あって、でもその人たちだけではこのハコは埋まらないんだろうなという寂しさとか、なのでOGの特に上手くはない歌とでも楽しいトークにお金出している気になって(これまたショーとしては華があったり身のこなしが美しかったりして他アーティストたちとの場数の差を感じるのですよ)、OGをカラオケと楽屋トークみたいのもので儲けさせちゃいかんと思いつつ好きな人が出れば行っちゃうしまだまだあるショー力に魅せられてうっかり満足して終わるというのを繰り返してきた自分に忸怩たる思いがあるので、ご縁もあるだろうし再デビューはことのあたりなのかなと思いつつもいざ本当に発表されるとちょっとしょんぼりもしたのでした。わがままで口うるさくて勝手なことばかり言っていて申し訳ない…でももっとちゃんと丸一年とか準備してのライブとかをこっそり希望していたんですよすみません…
 とまあこう、OGともなるとファンの思いどおりの仕事をしてくれるとは限らなくなるわけですが(現役時代だって振り分けとか配役とかいろいろ思うところはあったけれどそれは当人にはどうにもできないもの、と思えるわけじゃないですか。でもOGになったら当人の選択ですからね)、それでもゆるゆるついていってなんだかんだ好きでい続けていられる…というのは私はヤンさんや大空さんで経験済みなので、今回もそんなふうになっていってくれるなら、私は囚われることなく現役は現役で全身全霊で愛でることができるようになる…!と、ちょっと呪縛から解き放たれたくらいの思いがしたのでした。フランツの浮気を知って「♪私自由になれる」と言ったシシィみたいな…というのもまた違うか(笑)。でも本当に前の贔屓にそんなふうに男役に殉じられたら次になんかいけるわけないじゃん、と思っていたのですよ。でもこの発表で、いつまたお友達のインスタにふらっと登場するかしれない至高の存在を息を潜めてずっと案じ続ける…というようなことからは降りられるのだ、と感じたのです。ホントただのこっちの一方的な重い思い込みで、うざいようるさいよってなもんなんですけれどね。すみません。
 というわけで、まずはお手並み拝見したく思っています。そもそもどんな設定の仕立てになるのかもまだわかりませんし、現役時代の歌を歌ったりショーの一部を再現したりが多いのかもしれませんが、初めて聴かせてもらう曲とかがあるといいなあ。どんなお衣装で来るのかとかも楽しみです。
 チケットの先行予約は友達に頼みすぎ当たりすぎ、けれどダブった分はほぼ元会員、ファン友達の間でハケました。さすがのネットワークですよね。てか毎回ほぼ総見状態になるんじゃなかろうか…私はたまたま仕事が暇な時期で、かつ観劇予定も入れていない週だったので、夜の回はほぼ毎回行けるかなという状況になってきました。でも実はまだ千秋楽チケットが未入手なんです…どこかでダブりが出ましたらお声がけください…(ToT)
 そしてこうしたチケットのやりとりの間に、西の人か東の人かもわからずでもいつも入り出やらなんやらにいておしゃべりしてちょいちょいお茶もしてでもこの3か月さすがに疎遠だった、みたいな方々とも何人か連絡取り合えて楽しかったですし、みんな元気でよかったんだけれど、一方でけっこうみんなそれぞれ状態が違うな、と感じたりもしました。再始動に喜び勇んで全国津々浦々から集結するパワーは共通なんですが(笑)、卒業後はつらすぎてスカステも解約したし卒業記念写真集も買ったけど開封してないし宝塚歌劇はもちろん観ていない…という方もいて、すぐ開封したしなんなら誤字というか誤表記見つけたしその後も全組全演目観てるしお茶会行きまくってるし…な私は鈍感で薄情なんだなあと感じたりもしたのでした。逆に私が知らないだけで、もう次のご贔屓の会にいて精力的に活動している、という方もいらっしゃるのでしょう。みんな違ってみんないい(笑)。
 今回もすみれキッチンのメニュー再現はあるのかな? 好きなメニューはなんだったんだろう。これだけ通うなら全メニュー制覇できる気がします(笑)。
 大空さんのときも初日はわあわあ日記書いたなあ。でも今は好きな女優さんとして、日程の調整がつく演目は行く、行けないものは潔くあきらめる、たいていは一演目一度の観劇、とおちついてきました。大空日記、として書くことはなくなったかな? そんなふうになっていくのかもしれません。
 私としては薄情だとかクールだとかなんかじゃなくて、ファンとしてスターとして、新しいステージに入るんだなという感じです。お友達たちとの再会も楽しみですし、まずは「♪ここは渋谷」をがっつり楽しみたいと思っています。
 ホント考え考えしながら書いたもので、いつにもまして話がまどろっこしくあちこち行く日記で申し訳ございませんでした………


※11月5日追記※
 LRMをクサしたら、ろんろんがあっきーとのツーショを上げてくれました…(ToT)ありがとうろんろん…やっぱめっちゃ好きな顔だわ…女子メイクが安定してきましたよね(^。^)。はー、やっぱり楽しみ!(笑)




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『バルセロナイガイ』初日雑感~澄輝日記番外編

2019年09月01日 | 澄輝日記
 宝塚歌劇宙組全国ツアー公演『追憶のバルセロナ/NICE GUY!!』初日(梅芸31日15時半)を日帰り観劇してきました。現時点でのごく個人的な感想を、再演なのでネタバレ全開で以下語らせていただきます。ちなみにお芝居初演の感想はこちら、ショー初演の感想はこちら

 お芝居は、ここ数年の音校の文化祭の演劇の元ネタとしてご存じの方も多いのではないでしょうか。ブンちゃん&まひるのハローグッバイ公演となった、ハリーには珍しくハッピーエンドの、明るくライトなエンタメを目指して作ったのであろうな…という作品でした。
 私にとっては当初ブンちゃんは星組四番手スターさんだったので、その後よもやこうしたジェンヌ人生(とOG人生)を送ることになろうとは思っていませんでした。そしてまひるが大好きでしたし(今も好き)、このトップコンビやこのときの雪組にはいろいろな可能性がもっとあったと思っているので、残念でしたね。
 セットが簡素になったりお衣装が一部変更になっていた以外は(だがイサベルの赤いシャツドレスみたいなのはママだった…ロマの娘の服としておかしいだろう。トップ娘役として着飾らせるにしてももっといろいろできるはずだよハリー…(ToT))、脚本・演出はほぼ初演ママだったかと思います。アントニオのソロが新曲かな? 当時のおっちょんは専科さんでしたっけ、そして次期トップのコムちゃんがロベルトというバランスでの配役だったので、今回キキちゃんがアントニオに扮するにあたってなんらかの手は入るだろうなと思ってはいましたが、これだけだとちょっとな…という、やはりしょっぱい辛抱役に見えました。
 ただ私はおっちょんアントニオは大好きだったんですよね。そんなにはっきり色分けされているわけではないのだけれど(それは脚本・演出の手ぬるさだとも思うので今回改善されていてほしかったのだけれど)、まっすぐすぎるフランシスコに対してもう少しだけクールでクレバーなところがあるキャラクターで、スペインの王侯貴族であるにもかかわらず、フランスに樹立された共和制に未来を感じちゃったりしているところとか、それでのちに板挟みになるところとかにロマンを感じられるからです。犠牲者を増やすだけの徹底抗戦を不毛だと判断して、ただ寝返っただけに見えようとも今は恭順してやりすごそうとする現実的な政策が取れるところもとても有能だと思うし、好みなのです。
 これまたあまりはっきりと演出されていないのでもったいないのだけれど、親友フランシスコの婚約者(とされているけれど両親への挨拶がまだみたいでもあるようだし、どういうことなんだハリー)セシリアに対して、以前からそこはかとなく好意を抱いていてかつそれを押し殺してきたのか、それとも戦争から帰ってセシリアに頼られて初めてぐらりときちゃったのかとか、あるいはそもそもフランシスコのことが好きすぎてかえって憎くてその女を奪ってやりたいと思うようなホモソーシャルあるあるの愛憎があったのかとかとか、そのあたりもいろいろ考えられるホント萌えキャラだと思うんですよね。
 でも今回は、私がキキちゃんにあまり興味がないからか(なんでもできる素敵なスターさんだとは思っているのですが)、まだ全体的に演技が深まっていないからか、なんかあまり魅力的なキャラクターには思えなくて残念でした。キャンプを訪ねてフランシスコと再会するくだりの芝居は熱くてよかったんですけれどね。ちゃんとまかキキ萌えがある人はちゃんと滾れたのかもしれません。
 ただ全体に、作品として、もうちょっとだけわかりやすくメリハリつけて盛り上がりを作って、何がどうジレンマになっていてどこがせつなくてだけど仕方ないのか、そこからの解決と未来とラストシーンなのか、みたいなことを明示した方が、いいものに仕上がるのではないかしらん…全ツに持っていくんだしさあ。そもそもアウストリア、ヒメネス、オリバレスという名字を最初からきちんと提示して(そもそもフランシスコもアントニオもファーストネームが提示されるのすら遅すぎて不親切です)、彼らがスペイン貴族の子女であることをはっきり表現するところから始めてほしいんですよね。ところでフランシスコパパ・レオポルド(さおはいいおじさん役者になったなあ…)とセシリアパパ(ファーストネームなし。こういうところだよハリー…なっつ、いい仕事してるのに)は出てくるけどアントニオパパは出てこないのは、もう亡くなっていてヒメネス家はアントニオが爵位を継いでいたりするのかしらん? でも「ヒメネス家のお坊ちゃま」みたいな台詞が後半で突然出てきますよね…私はオリバレスがアントニオに家族の安否を尋ねたときに、アントニオパパのことを聞いているのかと思ったくらいでしたが、自分の妻と娘セシリアのことでしたね。ここも台詞としてわかりづらいぞ!
 恭順派だったアントニオが、やっぱフランス信用できねーわ協力とか無理だわってなってレジスタンス活動を始めることにしてバルセロナからマドリッドへ旅立つ、というのはけっこうドラマだなーと思うんですよね。ただこのラストも、「徹底抗戦だ立ち上がろう諸君!」みたいなんじゃなくてすごく現実的というかある意味では消極的なので、史実なのかもしれないし賢明な選択なんだろうけれど、勧善懲悪スッキリ解決ハッピーエンドが求められがちなエンタメ舞台としては消化不良に見えかねない、ってのが問題なんですよね。そもそも主人公のフランシスコが全編通してほとんど活躍らしい活躍をしていないように見えます。記憶を取り戻すきっかけになるタブラオでのチャンバラ立ち回りくらいしかアクションがない構成になっちゃってますからね…アントニオ救出活劇もあっけなさすぎて、盛り上がりに欠けるのです。
 ま、まかまど真骨頂は好きなのにつっぱらかったり好きだから押せ押せになったりするイサベルと応戦一方のフランシスコ、ってところにあるんだと思うので、それでドラマとしては十分っちゃ十分、かなとは思うのですが…ここは奥歯を噛みしめながらニマニマ楽しく観ました。ホントのことを言えばイサベルがいつそんなにフランシスコを好きになったんかい、ってつっこみはあるんですけれど、でも満足です。こういう強いまどかって抜群にいいし(ただし剣を振り回すのは『天河』で見た…となりましたが)、ゆりかちゃんもニンでとてもよかったと思います。まあゆりかちゃんは、ちょっと『黒い瞳』ニコライで見たかな?ってキャラに見えてしまうのが残念なんですけれど、それは近年『バレンシアの熱い花』『黒い瞳』とやっている今のこの組にこの演目を持ってくる劇団が愚かなのです。あと、宝塚歌劇のクラシカルなロマンとして主人公はこういうキャラクターになりがち、というのはありますよね。だからイメージが似通うのは仕方がないのです。でもゆりかちゃんには優しさと誠意と男気があるキャラクターがハマると思うので、フランシスコはよかったな。イサベルにもセシリアに対してもちゃんとしていたと思います。もちろんアントニオに対しても、ロベルトに対してもね。
 まいあセシリアも、貴族の高貴な令嬢感はあまりなかったかもしれませんが、ハートがわかるお芝居でとてもよかったと思いました。悪い女とか軽い女には見えなかったと思うしね。アントニオに頼ったときのキスはやや無理チューだったのかしら、それともあの時点ではすでにある程度の合意ができていたのかしら…萌えますときめきます。
 ロベルトは儲け役なんだけれど、だから劇団がずんちゃんに当てるのは納得なんだけれど、これも『神々の土地』ゾバールで見たよってなっちゃうんでもったいなかったですね。初演のままに、イサベルに惚れているわけではない、というスタンスがとてもいいキャラクターだと思いました。で、ロベルトに気があるのがららアンジェリカになっていて、例のトランクのくだりがすっごいよかった! 初演はエスメラルダがやっていて今回そこはきゃのんだったので、それは違うでしょ!?と案じていたので安心しました。逆にエスメラルダはアンジェリカにロベルトなんぞやめておけ、と言う役まわりになっていて、きゃのんはこれがまた上手くてさすがでした。
 あーちゃんがロマの長で歌手担当で正解。じゅっちゃんもそのペアで正解。ふたりの歌でららが踊るのとか大正解。エンセナダの「行こっ」の芝居がママで嬉しかったしあきもがさすが! こなんくん、いっぷー、いとゆがちゃんとキャラ立てした演技をしているのにも好感を持ちました。そしてほまちゃんは本当に信頼しかない…!
 モンチとりんきらはいわゆるフランス悪役チームでさすがでしたが、特にりんきらは、初演がかしちゃんだった印象が強いせいもあるけれど、もっとド金髪にしてクールビューティーに振りきっちゃってもよかったんじゃないかしらん、とちょっともの足りなく感じました。久々におじさんじゃないりんきらが見られるのかなと期待していたので。
 そらは、『オーシャンズ11』ライナスもそうだったけれど、今回も役不足。あとあんなに笑いを取れちゃダメなんだと思う。エビちゃんは芝居はホント上手くないよなと毎度思うんですけれど、ちょっと天然の困ったセシリアママ役はよかったかな。祭りのセンターでバリバリ踊るカタルーニャの女はもちろん出色。あと市民女でも目立つひろこちゃんの美貌、たまらん。すっしぃさんイアーゴーはもちろん絶品でした。ここ、回収しなくていいんでしたっけ? まりなと澄風くんがもちろんいい仕事をしていました。
 このあとの九州周り、大雨の被害などありませんように。各地で盛り上がりますように。元気に怪我なく行ってきてください。私は次は市川の予定です。

 …と、まとめてしまいかけましたがショー・アトラクトですよ奥さん!(誰?)
 いやーエモかった!! 8年前!? まあでもそれくらい経ちますよね。胆管結石で人生初入院して大劇場遠征を全キャンセルしたので東京公演しか観ていないし、映像もそんなに見返すタイプではないのでまあまあ忘れているかなと思いましたが、先日一応予習にDVD見てみたら歌えるわ手拍子も拍手もタイミング忘れてないわで自分でも笑いました。
 で、Sの法則になるのはともかくとしてどの程度まんまやるのかな、と楽しみにいそいそ出向いたわけですが、まんまのところはほぼまんまだったので、というか全体にホントまんまだったので、だけどゆりかちゃん始めみんなけっこう持ち味違うよね!?と思うとホントおもしろかったです。ワクテカでした滾りましたときめきました楽しかったです!!!
 スミカが白いウェディングドレスに埋まるみたいになっていた(後ろ姿がかまくらとか言われてたんじゃなかったっけ…もはやお母さんですよ月日が経つのはホント早い!)プリンセスをまどかがやるところからちゃんと始めてくれるのね!とまずときめきましたが、下手からピュア・ウイングが走り込んできてパッとジュテしたところでもう決壊しかけましたよね「まんまやん!」と。でも歌詞が「♪やわらかな羽が」が「♪サラサラと羽が」になっていて、ああここもYだったのそんでSにしたの細かいな!?と思ったり。
 で、りくゆうりだった馬(確かペガサスでしたよねごめん)がナニーロと陽彩ちゃんだとはプログラムで把握してたんですけどなんとブルーとピンクじゃなくて、紫とグレーのなんかヘンな格好になっていて思わずぶほってなって(ココ変更する意味ありました!?)、まあここのゆりかちゃんはサワリだからいいとして、ハイ紫スーツのチャラ男たちが来ますよひとりずつピンスポですよハットで顔が隠れて誰だかわかんなくても拍手ですよてかファンならわかるだろ!と拍手をバンバン切り、ギャーゆりかちゃんがまんまの白スーツでキタよ裏地もアレだよギャー!ってなって、肩脱ぎがみんな華麗に綺麗に揃って、アダージョの振りもおんなじで大空さんも全然ダンサーじゃなかったけどゆりかちゃんもホントこういう踊りはアレだよねとニマニマし、でも蹴りはひときわ足が高いんだいいぞいいぞとなって、一度ジャン!とキマってからゆりかが一度ひとりになって主題歌、「♪君の」の次の瞬間から手拍子ですからここから銀橋でしたから!と手拍子切ってSの歌詞にニマニマにして、また男役が勢揃いして、テルの指差しキキちゃんもしてる!みっちゃんのとこのずんちゃんハマりすぎ!ギャー!とテンション爆上がり、もう完コピのブロローグでしたありがとうございますありがとうございます。
 からの痴話喧嘩ソング、まどかがスミカのアシンメトリーの肩出し白ドレスに似たイメージの髪型で出てきてくれて、靴はスミカは白ブーツだった気がしたけどまどかは白サンダルでそれも可愛くて、ギャー歌詞まんま!から突然「大阪まで来たのに喧嘩ばっかり…」とか寸劇が始まってここがご当地アドリブ場面になるんだ!?とおもしろすぎ、かつ「すずほのせいよ!」「まどか、ごめん!」って何事なの萌えまくりでハートが大炎上よ!?ともう大忙しでした。
 てか馬、りくゆうりなら歌なしで正解だったけど(オイ)今のふたりなら歌が欲しかったね…
 次は当時もやや微妙だったけど今やったらマジでポリコレ完全NGだから!と案じていたイケメンオークションがバッサリなくなり、代わりに「ミュージカル場面」があると聞いていたのですが何故宝塚歌劇のショーではこういうややコミカルな場面をミュージカルと呼ぶのだろう、自分たちが芝居でやっているアレはなんだと思っているんだろう…と激しく謎なのです。ともあれなんか『EXCITER!!』チックな新曲が歌われマリンズカンパニーならぬすっしぃズハイスクールが展開されて、なんか星トップのみっちゃんでもなんかこんなんあったけどキキちゃんがイケてない教師からファンキースターに変身するみたいな場面になっていて、チェンジボックスこそ出なかったしチャラ今ドキ生徒たちはみんな可愛くて目が足りなくて楽しかったですけど、結局キキちゃんの変身前後の落差が私にはよくわかりませんでした…大空さんのどピンクのスターもアレがカッコ良かったのかと言われれば謎でしたが、スターの記号としてはわかりやすかったじゃないですか。でもキキちゃんの変化は微妙じゃなかった…? あと、大空さんはここでチャン・グンソクを歌っていたわけですが(時代だわ…)、キキのここの歌も既成のものだったのかなあ? アイドルソング?? 初日はみんな若干ぽかんとしていましたが、今日からは手拍子入れて盛り上げてあげてくださいね。
 続いて棘場面、美穂姉さんだった伯爵夫人はまいあでれーれだった少女はひろこちゃん、大正解! ゆひテルだったところをまかキキでやらずまかずんにする劇団の意図を感じなくはありませんがそれはスルーすることにして、お衣装も振りもまんまでまたまたギャー!でした。大空さんの狭い骨盤にあの赤い変わり燕尾はよく似合っていたんだよなあぁ…ゆりかちゃんの髪型はもう少し似合う美しいものが他にありそうにも思いました。
 中詰めとっぱしはカイちゃんあっきー愛ちゃんだったドアボーイの歌が編曲変わって、まどかとりんきら、モンチに。からのチャールストン、みーちー大だったところがあきもとあーちゃん! えりぃばっか見てたとこにららじゅり! 滾りました。そしてあいかわらずロケットの手拍子は入れにくいままでした…
 カチャとともえさんがやっていたスマート・レディーはさおとまりな。さおの女装は『ホッタイ』でもう見たよダイスケ…なっつかこなんくんあたりでもよかったのでは? ここのみっちゃんの歌はずんちゃん、美穂姉の歌はきゃのんで正解。まどか美女のドレスはポスターにもあったスミカと同じもの。花火の電飾がなかったのは全ツなので仕方ないですね。でもジャズのメドレーにすっしぃさんを歌手で使うとかどういうことなの? 若手スターを起用していこうよホント宙組って…(ToT)ここは辛抱強く裏打ちの手拍子を最後までがんばりましょう。本公演ではなかった客席降りもありました。
 酔って寝ちゃったまどかをおいて客席ハケするゆりかちゃん、激しく見つめられた気がしたのは私がSの字のペンダントをしていたから…? でもこのSは違うのよごめんなさいね…!? (笑)
 風の場面もまんまでした。真風星風コンビだもんね、ダイスケショーあるある場面だけど素敵ですよね。あもたまだっけちや姉だっけ、のソロはモンチで、歌手起用が久しぶりな気がしましたがずんちゃんともあーちゃんとも違う美声で、すごくすごくよかったです。もっと聴きたいぞ!
 セクシャル9は7になっていてそらセンター、赤いスーツがもしもともちんのものならどんだけ丈を…あわわわわ。再演決定時、ここの9人が宙組でどうにもなっていないことを激しく嘆いたものでしたが、今回は他にりんきら、モンチ、さお、まりな、あきもにあーちゃん。みんなキザっていてニマニマしました。
 そしてフィナーレ、新しくゆりかちゃんがららまいあじゅっちゃんのアダルト・ドールと次々絡む場面から。ドールは黒のタコ足ダルマで足下がフサフサの毛のヤツで大正解! ゆりかちゃんと最後に組むのがまいあなのも大正解、高々と上がる美脚が素晴らしくて大正解! からの男役群舞とトリオダンスが曲は違うのに振り一緒ってどういう省エネなの脳が混乱するからやめて!? でもお衣装が黒と銀なのもなかなかオトナで素敵でした。
 パレード、エトワールはまいあで大正解。今回しっかり二番手娘役に見えました。新公ヒロインもバウヒロインも見たかった、大人っぽい持ち味で歌えて踊れて重宝したのにここで卒業させるとはもったいない…ご卒業後の活躍にも期待しています。
 カテコでは大阪以外に兵庫、京都の関西出身者紹介もあり、大空さんへの言及もあって、じんわりほっこりしました。明らかに「せりかちん」に教わったのであろう「あんなー、めっちゃ好きやねん!」と叫ぶゆりかちゃんが、たいそう可愛らしくまた頼もしかったです。熊本公演は盛り上がるでしょうね、元気に行ってらっしゃいませ!


 さて、最後にまさかの澄輝日記番外編を書かせてください。
 Sの法則ならSumikiさんもSorahaneさんもそらSなんでいてほしかったわけですが、そして復習に初演『バルセロナ』映像を見返したときにはこらロマや貴族や兵士の中に探しちゃうなとかつぶやきましたが、実際にはそんなことはまったくありませんでした。
 まず、そんな位置にいる人ではなかったことがもう身に染みてわかっているからです。たとえば『バレンシア』初日は、板付きのシルエットに驚倒しました。本公演と演出が違っていたというのもあるけれど、まぁ様とゆりかちゃんと並んでそこにいさせてもらえるの!?という、配役から考えたら当然なんですけれどそれでもその扱いの良さに改めて驚き感動したのでした。まあ『NW!』を「主な出演者」扱いで主演と認めてくれないというのなら、バウ二番手と全ツ三番手が最高位だったスターだということになるのでしょうが、それで十分ですし私なりに存分に現役時代を堪能させていただききったので、なんの悔いもないし卒業もきちんと受け止め受け入れていて、観に来ることならあれど(なので初日はないだろうと思いつつも1扉をチラチラ見ていましたすみません)もう舞台にはいない、ましてああいう位置には、というのはわかっていて、なのでそういうふうに心が揺れることはまったくなかったのでした。ショーの方は特に、ドアボーイは覚えているので曲が変わったのは残念でしたが、あとはやはり私にとっては真ん中の大空さんを見ていた作品だったので、そこここの場面に出ていたであろう人の幻が過ぎることはなかったのです。
 贔屓のご卒業後も、解散式後も、私はほぼ毎週遠征していて、まあ宙組の観劇回数は他の組と同じに1、2回に減るだろうからこの先の総観劇数は減るにしても、要するにファンはやめていなくて、変わらぬテンションで通っています。でもそれは贔屓を忘れたとか次の贔屓候補がいるとか、そういうことでは全然ないんですね。卒業しても、芸能活動をしていなくても、贔屓は変わらず贔屓です。ずっと勝手に一方的にまだまだ愛し日々想っています。
 解散式後はお友達たちのインスタに登場することすらしていませんが、変わらず片付けの日々なのかしらん、のんびりできているのかしらん、全ツはどこに観に行ってあげるのかしらん…そんなことを毎日毎日案じています。二度と会うことがないとしても、かまわないのです。それがあの人の選択だったからです。
 それは私の希望でもありました。中途半端な仕事はしてもらいたくなかったし、ゆっくりのんびり普通の暮らしをしてほしい。SNSもしてもらいたくない、とにかくあの人らしくいてほしい、何より幸せでいてほしい。現状、とてもあの人らしいと思いますし、だから私は安心して満足しているのです。人の幸せは当人にしかわからないものですし、私は遠くからただ勝手に祈り続けています。それで十分です。
 でも冷めたとか忘れたとかではない。別に誰かに何かを言われたわけでもないのでここでムキになる必要はないのですが、現に初日も宙担友にたくさんバッタリ会って近況を尋ねられ気を遣われ、また会で見知っていた方にも何人かお会いし会釈したりして、逆に責められたり呆れられたりはまったくしていません、なのでこれは私の勝手な予防線です。
 昨日日帰りで帰宅したら、置いていったガラケーに会メールの配信があり、最後の会報か発送されたとのことでした。私のメールはもうGメールか会社のPCメールがほとんどで、ガラケーのメルアドは会メールの配信先くらいにしか使っていない状態です。寂しくなるなあ…
 こういう寂しさをずっと抱えて、私はこれからも生きていくのでした。薄れることは、正直この先あるのかもしれません。でもなかったことにはならないのです。
 いつか忘れてしまう日が来ても、思い出せばいつでも「好きだったなあ」と思い返して幸せになれる、そんな贔屓を得たことは、奇跡のような、尊いことなのかもしれません。





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この世界終わる日まで輝く愛を捧げよう~澄輝日記FINAL(一応、多分)

2019年08月18日 | 澄輝日記
 2019年7月21日、宙組の澄輝さやとさんが宝塚歌劇団をご卒業なさいました。
 ヘンな敬語かもしれません、すみません。でも純然たるファンモードだと生徒さんに対してこういうところ、あるから…ここは、ご容赦ください。
 以後、毎度のことで長い、このひと月あまりの日記です。


 私が自分にファン自認、あるいはファン自称を許したのは(めんどうな人間でホントすんません)会に入ることにして以降だと思うのですが、そのときからずっと、そしてたとえば『オーシャンズ11』集合日以降も、本当に日々楽しくて幸せで、笑ってばかりの尊き日々でした。卒業なるものがいつかは来ることはわかっていましたし、おかげさまでとあるご縁により早くに心構えさせていただけたこともあって、本当に悔いなく、楽しく、元気に走り抜けさせていただきました。
 それでも、いつのころからか、喉がつかえてものがうまく言えないような、胸がつまって何事に対しても自然な反応ができないような、脳の一部が冷たく冷えて凍って固まってものがうまく考えられないような、そんな状態でずっといる気がします。何があっても、何を感じても、すぐさま脳内で言語化して、そのままツイッターなりブログなりお友達との呑み食べ語りなりで吐き出して、それで昇華して取り込んで自分の血肉として、そしてリセットしてまた次に進む…というようなことをずっとずっとやってきたつもりのこの私が、です。
 それくらい、やっぱりショックというか、単純に寂しかったし意外に動揺したし、要するにうまく受け止められない、咀嚼できないでいるんだと思います。もう会えないのだ、ちょっとしたおしゃべりができないのだ、新しい役が観られないのだ、新しい歌やダンスの場面はもうないのだということを、よく理解できないでいるんだと思います。
 サヨナラ公演の演目自体を私が評価できないこと、ハッピーエンドのコメディーだけに泣けないままに終わっていること、もあるのかもしれません。だって私が公演イチうるっとしたのって大劇場初日ラインナップ、すっしぃさんの内側に入ったときの驚きの涙、だったかもしれませんもん。次点は東京大楽、セレモニーのご挨拶で、初めてにして最後、要するに唯一の新公主演をした『クライタ』の歌詞を引いて語り出したとき、かな。嗚咽号泣しそうで、でもオペラグラスの視界を涙で曇らせたくないから、ずっと口腔内を噛みしめて耐えましたが、そんなことは今までの人生で一度もなかったことかもしれません。でもこれも「もう景子先生に足向けて寝られない!」とか言語化してつぶやいたもんな。てか寝るし。『青薔薇』が駄作だったら初日から暴れるし(ちなみに初日から遠征予定ですがチケットはまだ入手できてませんみりお怖い!)。だからこのときも、本当の意味では泣ききれなかったんだと思います。あ、最後のお茶会でのお歌にはけっこう泣きましたけれど、そのあとの退場時のアクシデントがおもしろすぎて見事に引っ込んだからな…(笑)

 大劇場千秋楽に引き続き、東京大楽の楽屋入り出待ちもフェアウェル・パーティーも、笑顔しかない空間でした。愛と幸せに満ちていました。その空気にふわふわとくるまれて、私はやっぱりまだ、喪失感なるものをうまく受け止められず、「澄輝さやと」さんとのお別れがうまくできていないんだと思うのです。この名前の男役スターはもういないとわかってはいて、おそらくこの先この名前で活動する人もいず、当人は本名だけの存在にすっかり戻ってしまうのだろう、と私としては考えている、にもかかわらず、です。
 卒業後も財団時の芸名のまま、芸能活動を続けるOGはたくさんいます。私はどの生徒さんに対してもそうですが、わりと、宝塚歌劇の男役でないと好きじゃない、とか娘役じゃないと好きじゃない、ということはあまりなくて、いわゆる一般的な女優さんとか歌手とかタレントさんになっても好きな人はわりと好きなままです。舞台やコンサートなどけっこうホイホイ行きます。現役時代はあまり好みのスターさんじゃなかったけれど女優さんとしてはすごく好きになった、という人もいます。
 でも、ぶっちゃけ私はこの人に、卒業後にそうした活動を求めていないんですね。というか、この人のことを卒業後になんらかの芸能活動をしそうな人だと思っていないのです。ホント過保護でモンペでかつもしかしたら当のご本人を見くびった発言かもしれず、大変申し訳ないのですが、でも、やっぱり、「…ないんじゃない?」としか思えないでいるのです。
 トップスターでも退団後の芸能活動は山あり谷あり、主役ばかりでないのはもちろん、集客に苦労すること始め、いろいろしょっぱい事態が起きたりすることもままあるわけじゃないですか。ましてやトップでなかった生徒など…あえて言っています、何かを貶めるつもりはないのです。でも、事実そうでしょ? 世の中は世知辛く、しんどいことがたくさんあるでしょ? それでも愛し続けていく自信はあるつもりだけれど、でもやっぱりそういうしんどい思いはさせたくないし自分がしたくない…というこの考えの甘さと卑怯な保身よ…ホント自分で自分が嫌になります。過保護と言って保護しているのは自分の心なのです。傷つくのが嫌なんですね、ホント弱虫でしょーもない人間ですみません。
 当人が荒波に出ていくというのなら、もちろんついていきます。万難を排して全力で通いまくります。でも、ある程度の自己顕示欲とか承認欲求みたいなものとか、あとはいわゆる自己プロデュース力みたいなものがないと、劇団を離れて個人で芸能活動していくって難しいと思うんですよね。たとえ新たに芸能事務所みたいなところに所属しようと、まず本人の意思ありきであって、事務所が何から何までお膳立てしてくれるわけじゃないだろうし。そういう欲が、あるだろうか? あの人に? 私にはあるとは思えなくて…それとも私がへなちょこすぎて上手く想像つかないだけ…?
 別に、すべてをやりきって満足しただろうからもう一切何もしないだろう人だ、と思っているわけではないのです。しばらくはゆっくりできて、何より好きなボーッとできる時間がいっぱい持てて幸せだろうけれど、でも仮にも15年間ほぼ毎日びっしりお稽古やら公演やらの予定がある日々を送ってきた人が、急に毎日が日曜日の楽隠居みたいな暮らしなんてさすがにもの足りなく思うようになるんじゃないのかなとか、それでやっぱり何かの活動はやりたくなったりはするかもしれないよねそれを楽しいと思ってそれこそ15年間もやってきた人なんだからさ、とかは思います。だからやりたくなったときでもやり方がわからない、とかだとかわいそうだなとかまたモンペを発揮して先回りして心配したりもするのですが、そういうあれこれも踏まえて、で、やっぱり、やり方がよくわからないしもういいかやめとくか、とかってなりそう…というのが申し訳ありませんが私のイメージなのです。イヤでも、ともちんとかPちゃんとかえりちゃんとかあいこちゃんとか、いろいろ芸能活動している先輩OG(同期でも先に退団していたら先輩でしょう)が自分のライブやイベント企画にゲストとして誘ってくれたりしたら、もしかしたら…? そこから地道にコツコツ活動していく、とかは、あるのかも…? なんせ毎度低く見積もっては毎度凌駕されて驚き感動しますます好きになる、ということをホント毎度毎度繰り返してきた私ですからね…
 でもなあ…別に単独ライブでも如水くらい瞬殺だろうけど、じゃあ第一ホテルなら? 東京會舘なら? …とか、もうそういうしょっぱい心配をしたくないんだ、という…そして始めに戻るのでした。
 せーこやりくがお仕事の発表をしているのを見るにつけ、偉そうな言い方でアレですが声がかからなかったわけはないとも思うんですね。でもとりあえず断っている、断れているということなんだろうし、もしかしたら会の解散式を何かの一区切りと考えているのかもしれませんが、やはりその先も、特に何もないのではないかしらん…と、思ってしまうのでした。
 だから本当にもう、宝塚歌劇の男役としての「澄輝さやと」はもちろん、芸能人としての、「澄輝さやと」の芸名を持つ存在としてのあの人には、解散式を最後に会わないのだろう、と私は思っているのです。芸名から離れてももちろんあの人はこの世に存在し続けますが、私たちとは「スターとファン」でなければもうどんな関係でもなくなってしまいます。だって友達同士じゃないんだもん。連絡先すら知りません。路上で落ち合って話すような機会もなくなり、手紙を手渡しする機会もなくなる。郵送もできなくなります。会えない、話せない、関われない、想いが伝えられない、CS放送に新しく現れることも機関誌に掲載されることもない、なんでもなくなるのです。
 退団同期が続々とインスタを始めてますが、そういうタイプでもなさそう…だからSNSでつながる道もない、気がするのです。
 あたりまえですが、寂しいです。でも、いかにもだなと思えるし、他人になっちゃうんだからあたりまえなのだとも思うし、だからどうにもならないのだとも思っています。友達になりたいと思っている、というのとも違う気がしますしね…
 ただ、『オーシャンズ11』の歌詞ではないですが、一ファンとしてこのスターを愛した日々に偽りはないし、消えるものでもありません。この先がないならここで終わりで固定されて以後変質しない、それを望んでいる、とも言えるのかもしれません。私は変化を恐れる弱虫なのかもしれません。このままなら、私たちのこの愛はここで凍結されて、以後いつまでも変わりはしないのですからね。
 もちろん、去る者は日々に疎し、ということはある。でも、やっぱり、そのまま変わらず残るものもあるのだと思いたい。今は日々そんなようなことを行ったり来たり考えていて、手段がありさえすれば伝えたいものだとも思っています。今も耳に残るあの伸びやかな歌声に乗せて。
 そんな、日々です。

***

 梅雨が明けることはありませんでしたが、東京大楽は楽屋入り待ちも出待ちも雨が降らずに保ってくれて、助かりました。集合時間もそんなには早くなくて、前乗り宿泊などを特に予定していなかった私としてはこれまた助かりました。
 退団者会のガードが日比谷公園に集まって隊列を組んでいたのと同じ時間に、在団者会のガードは劇場前とシャンテ前に入って場所取りを始めてくれていたんですよね。もちろんこれまで私もそちら側としてずっとやってきたことですが、私は贔屓の入りを見守るついでに退団者の入りも見守れるという、役得みたいなものを感じて楽しかったです。だから苦になっていないと思いたい…けれど、改めて、退団者会としてその前に入らせてもらうとなると、在団者会ガードのありがたさに泣きそうになりました。
 また、列を作っているときには気づかなかったのですが、いざ劇場前のブロックに入ってスタンバイしてみたら後ろの列にお友達がいて、そう組んでくれたんだなと会の気遣いにこれまた泣きそうになりました。誰もが認める貢献会員さん方がちゃんとセンターにいらしていて、そういうのもさすがだなと思いました。こういう振り分け作業みたいなのって本当に大変だと思うんですけれど、本当に丁寧な会でした。感謝しかないです。
 大劇場では軍服ふうの白装束でしたが、東京ではすっきりと白スーツでした。実際には揃いではなかったのかな? 金のラインの入った白いジャケットとつややかな白のパンツ、白のシャツ姿は、過剰な華美さはまるでなく、本当にすっきりと晴れやかですがすがしく、スマートでノーブルでした。
 掛け声がまたよかったと思うんですよね! 自画自賛ではなくて、台本がいい。ガードの声を揃えるために会のスタッフが何度も何度も「せーの!」と合いの手を入れるのをダサいと私はずっと感じてきたのですが、うちの会の掛け声にはそういうことがなく、ひとつの流れの文章のうちスタッフも一文節を担当するような形になっていて、内容も演目を踏まえたもので、長すぎることもなく、とても粋だと思いました。ちょっとしたアクションも含まれていて、それに反応してくれたのがまた嬉しかったです。
 返す言葉はまあ普通だったと思うんですけれど(笑)、ツボだったのは、楽屋に入ろうとしたときに、それまでガード列に対してセンターに立っていたわけですが、そこからまっすぐ楽屋口に向かっちゃうと半分が遠いままになっちゃうから、ちょこちょこと帝国ホテル側に少しだけ戻って手を振り出して、そのまま手を振りながら再び楽屋口側にまたひょこひょこと進んでいき、最後に楽屋口前ではブンブン両腕を振って、それが全然対称に振れてなくて、のちにお遊戯会みたいなばらんばらんの向きの手をしたギャラリー写真がネットに上がったことですね。もっとさっと歩いてもいいのにぴょこぴょこしちゃうところとか、ホント全然ロイヤルじゃないし、でも気遣いがありがたいし、なんかもうイロイロ愛しすぎましたしおもしろすぎました。
 ガードはそのままミッドタウン方向に抜けてゴジラ像あたりで流れ解散になり、私はジョナサンでお友達たちと落ち合って朝ごはんにしました。店内は白いお洋服の人でいっぱいで、他のお友達たちにもたくさん会えました。ここでも笑いっぱなしだったなー。
 ダブル観劇だったので慌ただしくはありましたが、大休憩にもちゃんとシャンテでがっつりごはんして、大楽の開演前にはまたお友達たちと落ち合って記念写真を撮りまくって、売店のソフトクリームのスタンドすら「白着てる! 仲間だ!!」と写真に入れるありさまのテンションで、楽しかったです。まあちょっとおかしかった、とも言えるかもしれません(笑)。

 大楽のソールの演技指導は客席に向けて「愛してるぜ」&ウィンク&投げキス、みたいなもので、ソールがやっているうちからもう「これをあとで自分たちだけでやらされるのか…まあでも短めでよかったかな」みたいな素の顔しているフランクさんがたいそう愛おしかったですが、みんなで一度やったあとゆりかちゃんダニーが「フランクとバシャーとの出会いにも感謝! 愛してるぜ」みたいなことを言い出してふたり以外のイレブンがふたりにウィンク&投げキスしてくれて、ふたりも客席も大喜びでしたね。ここはふたりは聞かされていなかったのでしょう。その後、バシャーそしてフランクがそれぞれ単独でやってみせてくれました。
 でも、せーこダイアナが補正予算3万ドルをせしめるのに、公演バッグの中からさらにゆりかちゃんトートバッグを出してお金を入れさせたところの方がウケたかもしれません(^^;)。公演バッグだけなら大劇場千秋楽と同じだったところを、さすがはせーこちゃんです!
 フィナーレの輝きはもはや夢のようでした。銀橋からの戻り際、会総見のときほどではないにせよ二階の会席あたりに送っただろう視線、たまりませんでした。
 セレモニーでは、キキの手が空くまで組からのお花を大劇場ではアラレが持っていたのが、東京ではあきもになっていておっと思ったのと、お花のグラデーションが大劇場と東京では逆になっていて、白が上に来ていてレフ板代わりになって顔がより明るく見えたのが印象的でした。エビちゃんとはやっぱり会話がなかったようで、それにもにまにましました。
『クライタ』の歌詞はもちろん刺さりましたが、今後の人生に言及したくだりが、まあよくある言い回しではありましたが、私には、ああやはりこの人はここでひと区切りつけるんだな、この名前で芸能活動を続ける気はなくてこの先は全然ちがう生き方をしていこうと考えてるってことなのかな、と思えたのでした。
 雉羽根に刺さることなくゆりかちゃんの大羽根の懐に入れるようになったところに成長を感じました(笑)。カテコで微妙なタイミングの掛け声に気づきつつもおたおたして「ハイ!」とだけ応えて笑うところも愛しかったです。

 出待ちスタンバイの集合も日比谷公園でした。ガードは今度はシャンテ側に入りました。素化粧に袴姿、大劇場千秋楽も美しかったけれどやはり完璧に美しいリーゼント、輝いていました。またまたどこで掛け声を聞くかちょっとおたおたウロウロしたあと、うんうん頷きながら笑顔で聞いてくれて、訥々と応えてくれて。沿道の両側に会釈しながら帝国ホテル側まで去って行くのを、無事にしっかり見送れました。
 そこから私たちガードはまたまたミッドタウン側へ抜けてゴジラ像前で解散になって、私は地下鉄で移動。フェアウェル・パーティーの会場ではまたまたご配慮いただきお友達と同じテーブルになれて、前菜に手をつけ始めたところでもう当人が登場しちゃいましたが、大劇場フェアウェルよりゲストの現役生の数を絞っていて当人の話がたくさん聞けて、当人もよりリラックスしているようで、楽しかったです。時間もたっぷりかけていて、遠征の人や関東でも遠方住まいの人は宿泊手配をしていた人が大半だったと思いますが、終電を気にしているような人はドキドキしたでしょうね。私はこんなにたっぷりやってくれるものだとは思っていなかったので、とても嬉しかったし、満足しました。
 閉宴後、お友達の泊まるホテルの部屋に寄らせてもらって、澄みわたる梅酒で乾杯しているうちに日が変わってしまったと記憶しています。その後タクシーで帰宅し、お友達たちとLINEなどアレコレし合ってから眠りにつきました。
 翌日は有休にしていて、ゆっくり起きて、お友達たちとこれまたLINEその他でのんびり思い話に浸ったり撮った写真をやりとりし合って、まったりのんびり過ごしました。出社してアタマが仕事モードになっちゃうと、心のこういう柔らかな部分はシャットダウンするしかなくなっちゃうので、そういうことをしないですんで、気が楽でした。卒業生の誰かがすぐさま次の舞台の発表をするとかの慌ただしいこともなく、穏やかに日常に着地していけたように感じました。お友達たちのありがたさが改めて身に染みましたし、やっぱりずっと幸せでした。

***

 そうだ、ハッピーなネタじゃなくて恐縮ですが、印象深かった出来事があったので書き付けておこうと思います。主に自分のための鬱憤晴らしです、すみません。
 フェアウェル閉宴後に乗ったタクシーが、運転手の態度が悪かったんですよ! 無礼だとか横柄だとかじゃなくて、調子に乗っているというか。若いから? 男だから? ムカついたしホントあきれたなー。
 まず、告げた行き先に関してガタガタ言うところにちょっと嫌な予感はしたんですよね。近くて申し訳ないなとは思いましたが、わかりにくいところではなかったし、大通りの反対側になりますが向かいの適当なところで下ろしてもらえばそれでよかったしそう説明したのに、道順だのアレコレ言うんで、かえってホントに道わかってんのか?とまず不安になりました。
 で、まあ白い服着た集団がズラリとタクシー待ちしているんだから運転手さんとしては何事かとは思ったとは思うんですが、こっちは3人で乗り込んで行き先を言ったあとそのままこっちだけで話の続きをしているんだから、黙って運転していればいいじゃないですか。なのにわざわざ話に割って入ってまで「なんのイベントだったんですか?」とか聞いてくることにも私はかちんとしたんですけれど、どうせわからないくせにと思いつつ「宝塚の…」とか答えたところ、まあ立地的に思うところがあったのか、「ああ、僕もよく寮から乗せますよ」とか言うんですよ。私たちはそうやって出勤してくる人を毎朝楽屋入り待ちで迎えていたんですけれどね…と思って私たちが黙り込むと、おべんちゃらのつもりなのか「あなたたちも劇団の人? 寮に行きます?」とか冗談口で言ってきて、夜目にはそれなりに若く見えたのかもしれませんが私たちが生徒に見えるようじゃ運転できるだけの視力がないってことだから今すぐタクシー運転手辞めろとしか思えなかったし、ウダウダ言わずにこちらが言った行き先にとっとと向かえと思ったし、こういう人間がストーカーに不用意に場所教えたりとかしてるんだろうなとまで考えて、どんよりしました。
 で、こちらとしてはあからさまに不機嫌になってみせたつもりで、「ただのファンです」とか答えたんですよ。でもそんなものは通じず、さらに「何組のファン?」とか言ってきて、これまたどうせ知らないくせに…とさすがに答えないでいたら、「一年三組?」って言ってきたんですよ! 寒くないですか!? 宝塚歌劇団に組があることは知っていて、花組とか月組とかいろいろあるとまでも知っていて、その上でのギャグなんですよおそらく! 凍るよね!? びっくりですよね!?!?
 それでもう相手にすることをやめて、私たちは私たちで話を始めて、しばらくは放っておいてくれたのですが、また途中で、私たちのとある言い回しがおもしろかったらしくて「その表現いいですね、メモっていいですか? 今度使います」とか口を挟んできたのです。運転手さんとの会話を楽しむ乗客もいるだろうけれど、乗客同士が話していたら運転手さんは知らん振りをするのが業務上のマナーなんじゃないですかね? 客の話に聞き耳立ててて、聞いていたことを悪びれもせず明かし、さらにあえて客同士の会話に加わろうとするとかなんなの? タクシーの中を呑み屋みたいな社交場と勘違いしてるんじゃないのコイツ?
 しかも、お友達がややキレ気味に「乗客の会話を記録するとか勘弁してください」と言ったら、笑いながら「ハイハイ勘弁します、冗談ですよ」って答えたんですよ。何その日本語? 運転手が乗客に使う言葉か? 敬語になってないだろ? てかおもしろくないんだよ!!!
 その後はさすがにこちらも黙り込み、目的地についたのでとっとと下りて、もらった領収書のタクシー会社に電話して抗議…はわざわざしませんでしたが、ホントどっと疲れました。
 おじさんじゃなかったんですよね、若い男性の運転手で、でもたとえ乗客だろうと女は自分の相手をして自分を楽しませてくれるべし、って思ってそうで、それが窺える軽口で、とにかく不愉快でした。そうでなきゃあんなナメた口の利き方にならないだろうと思うんですよね。空車のときには信号がことごとく赤で常に足止めされる呪いにかかるがいい!!!
 お目汚し、失礼しました…  

***

寂しくて映像も見られない!みたいな繊細さは私にはないので、スカステニュースもさっさと再生しましたし『オーシャンズ11』ブルーレイも再生しました。卒業特集みたいな形で過去の番組をたくさん再放送してくれていたのもありがたかったです。
「旅美写美」はスカステ加入前だったか、見てはいたけど記憶がなかったか、とにかく録画を持っていなくてずっと見たいと思っていたので嬉しかったです! てかすっごい関西弁(神戸弁?)ですね、萌える! 今では対外的なところではほぼ出ないので、貴重すぎます。てかぷくぷくやな! そして見たことあるデニムやな!!(笑)
 ともちんおもてなし番組とかは今見ても痩せて顔が尖ってて疲れて見えて、今さら心配になりますね。大空さんとのリクエスト・トークも顔は細いけど、そこまでではない気がします。もしかしたらこの頃いろいろ思うところがあったのかもしれないし、それでもやっぱり男役が楽しくてまだまだがんばりたいとか思っていた時期なのかもしれないな、とか今見るとまたいろいろ思います。それでいうと大空さんが新公主演したばかりの愛りくをゲストに呼んでる番組も、ふたりがめっちゃ下級生で女の子で可愛いな!?と滾りました。
 しかしブリドリとかドリタイのゆるさもホントひどいよね…(笑)
 あと『TRAFALGAR』新公がやっと放送されて嬉しかったです。生では観ていなくて、スカステでは以前一度見たことがあったはずなんですけれど録画を持っていなくて、おそらくハマる前でスルーだったんだと思うのです。お芝居を好きになったターニング・ポイントのお役だったと聞いてから、ずっと見たいと思ってたのです。
 改めてりくのいっぱいいっぱいぶりに泣きそうになりますし、本公演どおりなんですけどどんだけ予算なかったんだって装置のスカスカさに唖然としますよね…ずんちゃんがわりとカチャの完コピなのにも驚きました。本公演のともちんのトマスもとても好きでしたが、このトマスは確かにいいですね。逆にれーれは感心しなかったかな。私がスミカが好きすぎるってのもあるけれど、このヒロインは在り方がけっこう難しいと思うんですよね…確か『美生涯』新公ありさにも似たことを感じた記憶があります。
 ただ、今考えるとホント、この抜擢って乱暴きわまりなかったよな、と思います。89期が卒業してすぐ93期って…そりゃりくはダンサーとしてショーでは早くからピックアップされていましたけれど、それにしても…うちはともかく(オイ)いちくんやさっつんあたりを起用してみてもよかったのではなかろうか…じゅまちゃんとかさ…
 卒業直前にいろいろ語っていたところからするとりくはこのとき心底驚いたみたいだし、そりゃ決まったらやるしかないんだけれど嬉しいとかなんとかよりできないことに焦ったり不甲斐なく感じることの方が大きかったみたいだし、ホント大変だったろうなと思いました。一方で愛ちゃんは、だったら自分もやりたいと燃えただろうし次の『誰鐘』新公主演が来てさらに奮起したと思いますけれどね。そこからの愛りく新公独占時代が続いて、だけどなんかそのあとの扱いがおやおやおや…?ってなってきたときに、だったらどれかをうちにやらせておいてもよかったんじゃないの? また別の展開があったかもしれないよ? とやや詮ないたらればを考えたこともありました。でもまあそれでもなんともならないものはなんともならなかったのでしょう。ともあれ上げといてあとになって梯子外すとか卑怯なことすんなよ責任もって上げろよ、とは憤っていましたが、この先愛ちゃんがもし大逆転劇を演じてくれるならそれはもう心から楽しみにしています。
 とにかく、下級生のそういう様子を上級生として見ていて、がんばっている愛りくを偉いなと思いつつ自分には無理だなと思ったり、だけどいつかは自分だって、と思ったりしていたのだろうか…と思うとこれまた今さらに泣きそうになります。『クライタ』はラスト新公だったし、自分でも主演がしたいと思っていたみたいだし、巡ってきて本当によかったですよね。サルヴァトーレはキャラクターとしてはわりとわかりやすい人だと思うので、演じるのはそんなに難しくはない気もしますが、なんせスーツ姿がカッコ良くないと様にならないというポイントがあったので、そこは年期が要ったでしょうし、あのタイミングで良かった、そうでないとなんともならなかった、みたいなことをわりとことあるごとに言うので、当人も出来映えには満足しているのでしょう。
 実際、この新公映像は私としてもとても見やすいです。主演だから、真ん中だからってのももちろんありますが、ヒロインを描くのが下手な景子先生の作品らしく、これは完全にサルヴァトーレの物語になっているんですよね。下級生たちの布陣もいい。私は大空さんの映像をもうわざわざ見ないので、私の中ではもうこちらに上書きされちゃったかもしれません。
 どの映像を再生しても、わあ好みの顔! 好みの声! 好みの姿、ダンス! と毎回新鮮にハッと心つかまれます。新しい姿をもう観られない、生の舞台で好きなようにオペラグラスを使って穴の空くほど見つめることができない、というのは確かに寂しいですが、美しく結晶化したような思い出の映像のあれこれが手元に残ることで、なんとか慰めることにいたします。
 だからルドルフもぜひいつか全編放送してほしい…あといつか権利がどうにかなったら、絶対映像抑えているであろうリフもぜひ…頼みます…

***

 先日、組替えの発表がありましたね。いろいろ噂はありましたが、私はナシですませるだろうと踏んでいたので、意外でした。
 ひとこに関しては、ずっと雪のプリンスで来ていて先日待望のバウ主演も果たしましたが、いかにも上が詰まっていて足踏みさせられているように思えたので(とはいえ『壬生』の総司と『MR!』は久々に弾けて見えていいなと感心したのですが)、いい機会なのではないでしょうか。とはいえ花組の…何になるのかなあ? 私は劇団はマイティーを路線で起用する意思があるんだと思っていて(私自身はあまりピンとこないスターさんなのですが、最近ホントにぐっと垢抜けてきたとは思っているので)、れいちゃんの二番手に据える気があるんだろうなと思っていたのですが、ならこのタイミングでのあきらの東上公演ってなんなんだ? ってのはありますよね。でもやっぱりひとこが新三番手になるのかなあ? それでも今は雪の四番手なんだから栄転ですし、花組に合うんじゃないかなと思うので今から楽しみです。
 雪はどこかでだいもんが卒業を発表したら順当に咲ちゃんが継いで、ナギショーが残るなら引き続き別格扱いで、番手としてはあーさ、あやな、あがちん、あみちゃんと続いていくのでしょう。
 ただひらめの里帰りはなんなんだ…便利使いせんでくれ…娘役は次期トップとしてのお輿入れ以外、組替えはほとんど意味がないんじゃないのかなあ? 残念ながらトップ娘役でないと活躍できる枠が限られているわけですから…とはいえ過去にもしろきみとかくらっちとか、なんだったの?って組替えの例は枚挙にいとまがないのですが…花組らしい上級生娘役の卒業が続いていることは確かですが、鞠花さんががんばったりしょみちゃんが踊りまくったりおとくりちゃんが歌いまくったりするでしょうし、組替えによる補強なんて要らないと思うのだけれど…とはいえいろんな文化が混ざって各組の娘役芸がより複雑に繊細に、高度になっていくことは歓迎です。
 あかちゃんは出されてしまう形に見えないこともないけれど、星組に似合いそうでこちらも楽しみです。というか私は花組の番手はれいちゃん以下マイティー、ほのちゃんであきらは別格扱い、あかちゃんとつかさっちも準別格みたいな扱いになるんだろうなと思っていたので(今回無風だった月組がちなつ別格で珠城さん以下れいこ、あり、おだちんと続き、れんこんるねっこが準別格みたいになるんだろう、というのと同様です)、出してもらえるならかえって活躍の場が広がりそうで、期待しています。
 愛ちゃんの星組ってのも驚きましたけど、めでたいですね! 星全ツはもちろん、ロマコンに巴里祭(都合がつかず去られず残念!)と活躍の場が広がって、専科異動は成功だなこれからもあちこちの組に出てどんどん衝撃与えていってほしいなとか思っていたので、あっさり組子に戻るのは意外でしたが、結果を出したからこそこっちゃんの二番手に…ってことなんだと私は思っているので素直にお祝いしたいです。かいちゃんみたいな微妙な三番手扱いのまま卒業へ…とかだと残念なので。こちらも先日星組を拝見して、せおっちがかいちゃん卒業後の新三番手をきっちり務めていて頼もしく、花組同様同期だけれどこのままこっちゃんの二番手になるのかなと思っていただけに、この展開は意外でしたが、そのまま三番手スライドならまあアリですよね。こちらの路線は以下ぴー、かりんちゃん、あまとくんと続いていきそうですね。
 で、しどりゅーが宙組に来るわけですが、同期のそらがすでに四番手扱いなのにどうする気なんでしょう…私はしどりゅーはいろいろできるので星ではもったいないと最近感じてはいたけれど、うーん…
 あと、あきりくの穴を埋めるんですねとか、ロイヤル枠の後任ですねとかいう言われ方が、嫌。まあ私もここで番手のことなどつけつけ書いていて読んだ方を傷つけているかもしれませんし、どこにセンシティブになるかは人それぞれなので全方向に留意することはできないとは思いますが、組替えってそういうものじゃないじゃんと思うんですよね。卒業で開いた穴があるならそれを埋めていくのは下級生の仕事だろうし、そもそも他人で埋められるものではないのではないか、みんながそれぞれ別の輝き方をしていくしかないのではないか、とか思うワケですよ…
 てか何度も書いてますが宙こそ番手が怪しくて、というかキキずんそらと四番手まで確定していてそのあともえこ、こってぃと揃っていることになってはいても、このあたり誰もトップスターの未来図が描けない気しかしないところが不安なんです…キキ、ずんちゃんはトップにするとは思うけれど、あとはまた他組からの落下傘があったり、番手調整の火除け地みたいに使われそうな気がしてなりません。ホント育成が下手だよな宙Pよ…まして娘役など全然手が回っていないとしか思えません。
 万人が満足するとか納得するなんてありえないのかもしれませんが、生徒とファンがなるべくたくさん幸せでいて、生徒がそれぞれ輝けますように。あと、劇団はとにかく演出家を育ててくれ、演目を精査してくれ!! 頼む!!

***

 退団した生徒がすぐさま始める印象があるインスタですが、さすが世代として若いですよね。私はツイッタラーだから(笑)、アカウントは取りましたがOGのインスタを見るのにしか活用していません。
 SNSにも暗そうで、存在くらいは知っていると思うし(笑)人にやり方を教えられて始めるくらいのことはあるかも…と思いつつ、せいぜい愛猫の写真をあげるだけのポポスタグラムにしかならないんでないの?とこれまた見くびっている私です。てかここまでやらないとなると、やはり明らかにやらない意志を感じるけどな…
 とりあえずは誰かのインスタに映り込むだけだろう、と思っていたら第一号はたじぃでしたね。確か大劇場千秋楽のお手伝いの幹事をしてくれていたと聞いています、ありがたや。てかなんにでも係りとか責任者とかを決めて、ホントなんでもちゃんとやるよね宝塚って…
 生きてた! 食べてた! 笑ってた! 安心したよありがとう世界!! と思いましたよね。消息が知れるって、嬉しいことです。舞台ではキリッとシャープでスマートでも、入り出はゆるゆるだった人ですが、それとも違うリラックスした、柔らかな表情をしていて、やはりなんかしら背負っていたものはあって卒業でそれを下ろせて、本当にゆっくりのんびりできているのかな、ならよかったなと心底思いました。
 その後も雛ちゃんや風輝くん、まんちゃんと上げてくれていて、また星組観劇に宙組子と一緒に出かけたようでもあり、ありがたいような交遊の狭さを心配するモンペ心が発動しそうな、でもまだまだこれから世界が広がっていくんだろうし…と、焦らず見守りたい気持ちです。
 イヤこのまま本当にインスタもやらないようならホントに消息が知れなくなるわけですが、世界のどこかにいて幸せでいてくれることを祈っている…という想いに偽りはないのです。
 SNSって、別に芸能活動の宣伝としてのみやるものでもないし、単純な日記扱いとか、どう活用してもいいんだろうけれど、世界に公開する以上「映やす」意識が必要で、それがありそうに思えないんですね…あと、私はインスタのノリがよくわかっていないのと、なんか特に芸能活動をしていないOGが結婚して出産して…となってもそこは若い女子だけに幸せマウントの取り合いとかしてそうなイメージがあるので(偏見ですホントすんません)、怖そうだし不向きそうだからやっぱり触らなくていいと思うよ、とか思ったりしてしまうのでした。
 あ、でも先日またまた星組観劇していたとの目撃ツイートを見かけて、二度目? リピート珍しいね? まあ同期もいるし、愛ちゃんとかだいもんほどじゃなくてもファン歴がわりとちゃんとある人だし、意外に(笑)ちゃんと宝塚歌劇ファンだよね、そういう観劇日記を夏休みの宿題の作文レベルでいいからインスタで書いても楽しいかもよ…? とかは思いました。どこまでも見くびりかつ甘やかす私…でも「歌劇」のえと文とかわりとちゃんと書けてたしな、やっぱやればいいのにな。
 そうそう、ジェンヌさんって卒業を発表するととたんに降るようにお見合い話が来て東京大楽では寿退団になっていたりする例が多いそうですが、そういう意味ではご縁に恵まれて結婚してくれて全然いいとも思っています。またまた偉そうな言い方でホントすみませんが。結婚したからってゴールでもなんでもないし幸せが確約されるということでもなんでもないとわかってはいますが、それでも。
 要するにずっと男役っぽくいてほしいとかフェアリーでいてほしいとかは全然思っていないってことです。むしろちゃんと人間になってほしい(笑)。その上で、信頼し合えるパートナーに恵まれてくれたりすると私が勝手に嬉しい、というだけのことです。
 ウェディング・ドレス、綺麗だろうなー、と想像しただけでじんわりできる親戚のおばちゃんポジションにもはやつけます、私。
 とりあえず解散式は、綺麗なお姉さん姿で来るのかな。ドレスで来るようなキャラじゃないから、フェミニンなワイドパンツくらいかな。見たことあるシャツとかで来るのかな(笑)。ポポ毛付きかな。
 楽しみです。

 でも、このままだと解散式で本当に終わってしまうんだな、とも思うので、それは寂しいし悲しいし、なんかもうその日にならなければいいのに、という気も、しています。

***

 8月21日に、会の解散式がありました。
 あくまでも私個人の印象ですが、当のご本人も、卒業後に、男役スターでなくなったあとに、こうした機会で、どういうスタンスで私たちと会うかいろいろ悩んだり考えたりしていたようでした。それでもやっぱり、今までと変わらず、チャーミングな人でした。可愛らしいな、好きだな、ずっと笑顔で、幸せでいてほしいな、としか思えませんでした。
 そして、ゆるく見えようとのんびりして見えようと(というか「見える」のではなくどちらも純粋に単なる事実だろうとは思うのですが)、やっぱりちゃんと意志というか今後のビジョンはあって、これまた私が勝手に受信したものかもしれませんが、今後は「澄輝さやと」としての活動はしない、インスタその他も始めない、みなさんと一緒に宝塚歌劇を観る普通の人になる…と言っていたように、私には聞こえました。
 だからもしかしたら、劇場の客席でバッタリ居合わせたときには、「わあ、お久しぶりです!」くらいは言い合えるのかもしれません。そのくらいの認識はされていたと思いますしね。

 今日、お友達たちと大楽ぶりに会ってワイキャイして、他にも会活動で顔見知りになった方々にも久々にこれまたたくさんお会いできて、でもたとえばLINEとかの連絡先を知らない、なんなら顔と名字しか知らなくて下のお名前もちゃんと知らない、西の人なのか東の人なのかすら怪しい、でも会活動中は都合が合えば入り待ちのあとの朝ごはんとか大休憩のランチとかお茶会前やお食事会前のお茶とかけっこう行ったし語り合った…みたいな方々と、「じゃあ次は集合日にね」とか「次は初日にね」「次の週末にね」「東京でね」「梅田でね」「博多でね」…みたいな約束ができず、もちろんこの先また劇場界隈でバッタリすることはあるとは思うのだけれど(少なくとも私は来週末も再来週末も遠征する予定なので)その頻度は減るのだろう、と思うとあたりまえだし仕方ないことなんだろうけれどやっぱり寂しいなあと思い、でも今さら連絡先とかを交換したからって疎遠になるものはやっぱりなるのだし、みんな誰でも次の恋に落ちないなんて予言はできないので、こういう集合離散は世の常なんだよ、それでも真実会いたい人とはまた会えるものだよ…とか、までは、考えられたんですね。
 だからそういうフェイドアウトは、しんどくても結局は受け入れられる気がしていて、でも贔屓の生徒から「もう活動しません」というシャットアウトみたいなものをされる心の準備はうまくできないままで、ああもうどうしよう!?と内心けっこうバタバタしながら解散式の席に着いたのです。
 でも、そこで出された提案?というかビジョン?が、「またどこかで見かけたら、まあよろしくね」みたいなものだったように私には思えたので、なんかちょっと拍子抜けしたような、でもそれならできる、私は厚顔だからやるよ、しれっと声かけちゃうよ、みたいなムダな自信が湧いてきて、ちょっと嬉しくなっちゃって、そういう出会いをうっすら待つ、みたいな日々も意外といいんでないかい?と未来への希望を感じちゃったり、したのでした。ホント単純ですんません…
 もちろんそういう「普通」の日々の中で、やっぱり何かやりたくなってきたら、相談できる人も手を貸してくれる人も周りにはいると思うし、もちろん私はホイホイ行くし、そうしたらお友達たちもみんな意外にちゃんと来ていてまた会えて…というのも想像できる気がしましたし、そういう機会がないならないで、でもだからといって愛した日々が消えるわけではなくてやっぱりそれは「偽りはな」かったのであり、永遠なのだ…と、思えました。
 なので、想いはいろいろグルグルしながらも、意外と楽しく部屋飲みしポメっている今なのでした。

 そう、日帰りはもちろんできた時間繰りだったのですが、夏休み最後の豪遊!ってことで、さるお泊まりをしてきたのでした。これはこれでまたちょっとおもしろいネタがあったので、また別途語りたいと思っています。

 
 このあとは雪組マイ楽、帝劇『エリザ』マイ楽、そして花組初日遠征(映画『おさラブ』もなんとか初日に観たい!)、さらにきりやんDSから大空さんトラムと、私のオタ活は続きます。引き続きおつきあいいただけると嬉しいです。
 でもホント、会活動は、ホントにホントの次の恋が訪れるまでは、もうしないかなー。チケットをその生徒さんに頼みたいから、という理由で会に入ることはあったとしても、入り出に行ったりなんたり、みたいなことはもうそう簡単にはしないかなー、ということです。それくらい、本当に本当に今回が、始めるのが意外に簡単ではなかったし、でも始めたら本当に本当に楽しくて、幸せしかなかったので…
 あと、次こそ娘役さんにマジ恋したいんだけどなー。でもこういうのって自分で望んでなんとかなるとかいうものでもないからなー…
 もう恋なんてしない、なんて言いません。私はまあまあいい歳なので、人生に絶対がないことを知っているのです。そんな私がわりと早く次の何かにソワソワし出したら、それはそれでまた生温かく見守ってください。今回だってけっこう潜伏時間は長く、会に入ったときには「何を今さら」みたいに言うお友達が周りにけっこういたりもしたものでした。知らぬは本人ばかりなり…
 でも私は、熱しにくく冷めにくくて、好きになると長いタイプなのです。その自覚はあるのです。たとえば宝塚歌劇そのものに関してもそうですが…
 だからたとえば一般人になった贔屓に対しても、たとえその消息がまったく知れなかろうと、変わらずダラダラ好きでいる自信があるんですよね…ダラダラ言うな、と言われそうですが。でもマジで。簡単に飽きたり冷めたりしない、しつこく覚えている、いつも気にかけている、ときどき反芻しては愛の熾火をかきたてる…という面倒くさい人間なのです。もちろん迷惑はかけたくありませんが、要するに勝手にそっと愛し続けさせてください、ということです。世界が終わるその日まで、命が尽きるそのときまで。
 友達でもなんでもない、言わば他人だけれど、愛し案じ想い続けられる人がいるということは、想われる人にはもしかしたら負担なのかもしれなくてそれは申し訳ないと思いますが(これは大空さんの現役末期にも私がわりと考えたことですが)、ともあれ想う側にとっては、たとえ想いが一方通行であろうとなんだろうと、想えることが幸せなことなのです。贔屓に幸せにしてもらえて、私は幸せ者です。
 …なんか言葉遊びみたいになってきて申し訳ない。でもそんな、現時点の、日記なのでした。
「誰かがいる、それだけで強くなれる」って、そういうこと、でもあるのではないかしらん…


 
 とりあえず、おしまい。
 どっとはらい。













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ラストお手紙渡しを終えて。~カウントダウン澄輝日記

2019年07月21日 | 澄輝日記
 私は出待ちが嫌いで(長くて疲れるから、というしょーもない理由で、なのですが)初日とか千秋楽とか何かのイベントがあるとかでないとまず行かないのですが(なのでたまに行くとガード常連の会員さんたちにレアポケモン並みに驚かれるのですが)、今日はさすがに最後だし、と行ってきまして、先ほど帰宅してひとっ風呂浴びたところです。平日1回公演の出待ち時間は仕事してるし2回公演の出待ちは遅い時間すぎてイヤだけど、土日なら夜といってもまあ普通の時間に終わるだろうし…という程度でのこのこ出かけてきたわけですが(普段の土日の夜はどこかのお茶会に行っていることが多いのです)、明日はいよいよ千秋楽でお手紙は入りも出も回収でしょうから、お手紙を手渡しできるのはこれが本当に最後の最後だったのだな、と、言われて初めて気づく体たらくでした。
 片手で持つにはどんなに指を大きく開いてももういっぱいいっぱいだよあふれるよ、という量のお手紙をもらって、普段あまり使わないお手紙バッグに大事そうにしまって、いつもと変わらぬ優しくものんきそうな笑顔でニコニコと、でもさすがにときおり言葉につまるように訥々と語る様子を見ていて、本当に心が温まり、じんわりし、ちょっとうるうるして、しんみりさみしさも感じつつも、それでも元気に帰宅しました。明日もあるし、みんなの熱い想いは確かに伝わっている、と思えたからです。
 私は公演の感想だろうが日々の日記だろうが愛と妄想のポエムだろうがなんでもテキトーに書けるタイプで(笑)、日々のお手紙はさんざん楽しく書いてきましたが、関西組でお稽古待ちが中心の方は、公演については書けないので苦労しているのかもな、とかは思いますね。ともあれみんな、書くことないの暑いの寒いの脚が痛いのと言いつつも、結局は楽しくて幸せで入り出待ちに通ってしまうんですよね。それは贔屓の顔が見られるからであり声が聞けるからであり想いが直接伝えられるからです。たとえ時間としては短くても確かに交流があるし、お手紙はちゃんと読まれている気配があって、つながれている、負担になっていない、想いは届いていると信じられる…それが嬉しくて、幸せで、雨の日も風の日も、万難を排して、行ける人は行ってしまうのでしょう。
 ファンクラブとか入り出待ち、そのガードといったシステムは昔はもっとフランクで、おそらくはユリちゃんの人気が驚異的だったころ、平成初期の時代に今の形に近く整えられたのでしょう。そのときは熱狂的な一般ファンが生徒に突進しちゃったりして、いろいろトラブルもあったんですよね。だからそのころから、ファンクラブ会員が生徒と一般ファンの間に入り生徒をガードする、しかし一般ファンの視界を遮らないよう生徒が楽屋口に来たときにはしゃがむ、ガードは生徒にお手紙を手渡しできるが一般ファンはギャラリーするのみ、というスタイルができたのだと聞いています。
 トップスターにこそ劇場の警備員さんが付き添ったりしますが、それ以外は特に何もないので、ムラはともかく日比谷なんて日本有数の繁華街の一角で酔っ払いとかあつかましい観光客とかがけっこういて、本当にガードだけで生徒の安全を守れているのかけっこうヒヤヒヤする事態も見ているとよくあるのですが、今のところは、良心と良識と性善説とに任されてなんとか成立している、ギリギリの楽園かな、と思います。AKBなんかが生まれるはるか以前から(AKBは宝塚歌劇団の在り方も参考にして作られたところがあるそうですが)彼女たちは「会いに行けるアイドル」(正確には「会いに行けるフェアリー」、かな)だったわけで、それはできればこの先も長く続いてほしいな、と改めて思いました。
 劇団はギャラリー写真を個人で楽しむ分には容認する姿勢ですが、ギャラリーさんが撮影した写真をツイッターなどのSNSにあげること自体はグレーなんじゃないかなと個人的には考えています。ファンクラブ会員はガードには入れますがギャラリーは禁止されています。だから贔屓の画像が欲しくてそっと保存することはあると思うし、ぶっちゃけ私はしています。美意識としてリツイートは絶対にしませんけれどね。でも生徒はタレントでもあるので、いい宣伝になっている部分もあると思います。お茶会のレポートツイートと同じですね。
 ただしギャラリーが写真をブログに上げてアフィリエイトで稼ぐとか、プリントをメルカリで売って儲けるとかは生徒と劇団の肖像権とパブリシティ権の侵害です。犯罪です。通報され告発され処罰されます。生徒と劇団に愛があるならそんなことはやめていただきたいですし、愛なんかないよ単なるビジネスだよと言うなら違法です犯罪です逮捕される前にやめてくださいとしか言えません。
 アイコンやヘッダー画像に生徒の画像を使用するのも違法です。スカイステージの画面のスクリーンショットを上げること、劇団の刊行物を撮影して上げることも違法です。生徒と劇団の正当な売り上げを侵害し、彼女たちを痩せ衰えさせることになります。ファンならやめていただきたいです。
 オフに劇場に観劇に来た姿を撮影するのもNGでしょう。少なくとも、大劇場1-1扉の前で群がって待ってスマホを掲げる姿は醜悪です。贔屓にそんな姿を見られて恥ずかしくないですか? 贔屓が悲しそうな顔をして視線を逸らすのを見て心苦しくないですか?
 清く正しく美しく、そして朗らかに。それは生徒だけに求められるものではなく、ファンにも同様に求められるべきものでしょう。そうして守り耕し慈しみ育てていかないと、この花園はとりあえず百年はなんとか保ってこられたけれど、気を抜くとすぐに駄目になってしまうものだと思うのです。脆弱だから、というより、それほど貴重で繊細で豊穣なものだ、ということです。
 先日、楽屋口内を撮影した動画を上げたり、ギャラリーやガードを冷笑するような記事を上げてプチ炎上したOGがいましたが、同様に愛と節度と良識を持っていただきたいです。初めてファンレターをもらったとき、彼女は嬉しくはなかったのでしょうか? 入り待ちをしたいといわれたとき、誇らしくなかったのでしょうか? それがあったなら、そんなことはできないはずだと思うのですが…
 私の贔屓は、私が知る限りわずか4人しかガードがいない日も、今日のようについに何ブロックにも渡って何列にもガードが並んだ日も、変わらず、よほどの大雨の日以外は(そして最近は警報が出るような荒天ではすぐ入り出待ちそのものが中止になるようになったので、私が知る限りではわずかに二度?)回収にせず、お手紙をひとりずつから直接受け取ってくれました。それを負担に思う様子はなく、ありがたがってくれているようでした。お手紙の内容を楽しく読んでいるようでした。ファンとのそういうつながりが、関わりが、確かにあったのです。幸せな日々でした。他のどの生徒さんとファンとの間にも、この空間と時間を守っていきたいです。
 私の贔屓は明日この花園を卒業します。卒業のその後も、この花園がもう百年でも二百年でも変わらず美しくあれますように、私も一ファンとして努めたいです。贔屓もきっとそれを願っているはずです。彼女の幸せのためにも、私はそうしたい。
 私は観劇は続けますし、引き続き全演目観劇を目指しますし、遠征もどこへでも行くつもりです。でももう同じ演目を10回も20回も観ることはないでしょう。ホイホイお手紙書いて案内もらってあちこちお茶会に出かけますし、生徒さんからチケットを買いたいので取り次ぎ目当てでファンクラブに入ることはあるかもしれませんが、でも、ガードはもうしないんじゃないかな、とも思っています。
 あれはね、やっぱり、特別なものです。ごくごく特別な愛情がないとやれないものです。
 「明日の日比谷の天気は…曇りか(あくび)」とルーベンさんふうにつぶやいて、梅雨明けはならずともお天気がなんとか保つことを祈って、ソーラーロイヤルプリンスのパワーを信じて、明日一日がんばってきたいと思います。と書いているうちに日が変わってしまった、お手紙書いて支度して寝なくては…
 良き一日になりますように。みなさまも祈っていただけたら嬉しいです。おやすみなさい。



 …「私の贔屓」の連発はウザかったかもしれません、すみません。感傷的なのだとご容赦ください。私の他にもたくさんのファンがいる、れっきとしたスターさんです。みんなの王子さまです。
 彼女と、宙組子と、ファンのみなさますべてが幸せな一日をすごせますように。



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