駒子の備忘録

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おかえり、『おさラブ』。~『おっさんずラブ-リターンズ-』第一話を見て

2024年01月08日 | 日記
 前シリーズ最終話放送一週間後の日記はこちら
 その後、ブルーレイボックスも買いましたし、映画版も映画館で観ました。が、あまり覚えていません(笑)。シンガポールの話なんでしたっけ? イヤ上海だったか?? テレビ放送、ありましたっけ? あってもまたやってくれるといいのになあ…それでいえば新シリーズが決定して、久々にブルーレイも見返しましたが、こちらもけっこう細かいところを忘れていて、新鮮に楽しんじゃいました。忘れっぽいのも利点ではあります…
 ま、それでも、新シリーズがメインキャスト続行でいってくれるのは嬉しいんだけど、なんせ前シリーズから日が開いているし、どうなることか…という不安は、ありました。未だ同性婚の法制化が進まない本邦ですが、それでもいろいろと変化はしていて、リアルもエンタメも前シリーズ放送当時とはいろいろ違うわけですし、そんな中で同じことをしても仕方がないし、とはいえでは新しく何をやろうというのか、逆にあの楽しかった世界を壊すようなことだけはしてくれるなよ…(><)という心配は、ファンなら余計に抱くものでしょう。
 BL漫画や小説を原作にヤングイケメン俳優がドラマ化するような企画は、今はずいぶんと数が増えましたが当時はまだそんなにはなかったし、このドラマはそういうものというよりはむしろ、おっさん俳優同士で少女漫画をギャグっぽくやる、というようなところにコンセプトがあったのかな、と私は理解しています。春田が主人公で部長がヒロインで、牧がライバル。そしてセオリーに反して主人公とライバルがくっつき、ヒロインが敗れて終わるという物語でした(笑)。だからBLというよりはラブロマンスものを逆手に取ったようなギャグなんだけれど、意外にもピュアでハートフルなものに仕上がった、ということです。
 それでもあくまでドラマ視聴者のマジョリティはシスヘテロ女性で、そこに向けて作られたものであくまでフィクションでありファンタジーであり、決して当事者の当事者による当事者のためのリアルなドラマではなかった、と私は思っています。でも、結果的に、当事者界隈にもまあまあ好意的に受け入れられてもいたようだ…という印象はありましたね。新シリーズ製作決定のニュースは、界隈にはどう受け取られたのでしょうかね…

 私は第一話放送時はちょうど関西に遠征中で、あちらでは放送時間が関東より遅かったため、ツイッターのタイムラインも見ないようにしてリアタイしました。
 個人的な感想としては、ドラマの第一話としては70点くらいの出来かな、という感じでした。BGがママなのは嬉しかったし、みんなの近況含めてテンポ良く見せてくれたのはいいんだけれど、肝心のお話が始まっていない気がしたので。新キャラふたりがメインで絡むストーリーになっていくのなら、もう一押し話を進めてほしかったけれど、なんかふたりが春田と牧のお隣さんなのかどうかもよくわからなかったし、井浦新の役はなんかちょっといくらなんでも、ナゾすぎませんか…? 春田が初めて持つ歳上の部下、というのはおもしろいとしても、これじゃお仕事ものとしてのエピソードは期待できない気がするので、そこはちょっと不安です。
 また、むしろメインの展開は春田と牧の新婚家庭に部長が家政夫(この表記でいいのか? 男性のこういうお仕事の人はなんて呼ぶのが正しいの? 看護婦に対する看護師、みたいな言い方はあるの??)としてやってきて、牧と部長とで嫁姑バトルが始まる…みたいなことのようで、これは事前の番宣なんかでさんざん見せていたにもかかわらず、実際には第一話ではそこまで話が進まなかったので、これもやはり第一話のクオリティとしてはややヌルいのではあるまいか…というのが、私の評価です。だって前シリーズ第一話は「巨根じゃ駄目ですか」からの無理チューまでやってるんですよ? イヤ合意なき性的行為は暴力であり犯罪なので、今はもちろん当時もアレなんですがそれはそれとして、ね。
 まあでも、やっぱり再会の場面とかは、よかったですよね。あと初詣のくだりも。そもそもそのお迎えとか、マフラーのプレゼントとかとかも。ホント、ああ春田と牧だな、って感じで…
 で、牧の三年半のシンガポール赴任がちょうどコロナ禍だったということにして、帰国してきた牧は本社に戻り春田は引き続き営業所勤務だけれど(営業所も移転した設定なのかお洒落フロアに変化していましたが、これは今回ドラマ予算がかなり増えたから美術が豪華になっているのでは、という考察を読んでちょっと笑ったなあ…)、どちらにも通いやすいところに一軒家を構えて、ふたりは同居というか同棲というか、事実婚で共同生活を始めたようです。ふたりの関係は近い身内には公表されていて、自分たちも周りもカップルとして扱っているわけですが、現状、同性同士の婚姻届は受理されないので、結婚とか新婚とかの言葉が使われていてもこれは単なる事実婚にすぎないわけです。『きのう何食べた?』なんかと違ってこのドラマではそのあたりを細かく扱う予定はないのでしょうが(でも前シリーズでも特に序盤、上手くホモフォビア表現を避けつつとまどう描写、あるいはフォローの描写があって秀逸だったんですけれどね)、これが安易に思えてちょっと引っかかっているような感想なんかは目にしましたね。
 今後、お隣のふたりも実はゲイカップルで…とかになるのなら、この問題は避けては通れないものになっていくのかもしれません。ここは注目が必要ですね。現状では、牧はゲイ男性ですが、春田はそこまでSOGIが確定していないか、基本的にはロリで巨乳が好きなんだけどたまたま牧を好きになっただけのシスヘテロ男性…というようなことになっているんだと思います。ま、所詮ファンタジーなのであまり突き詰めても仕方ないんでしょうがね。それにSOGIってそんな確定的なものでもないし揺れることも変化することもある、ってのはもっと打ち出していってもいいことだとは私は考えていますが、これはそういう点に重きを置いたドラマではない、とも考えているので…
 ただ、ファンタジーでいいんだけれど、なので同居するにしても2階にあるのであろうふたりの寝室は見せることなく、階下のLDKのみで話が進んでいくのかな、とは思っていたんですよね私は。それこそ『何食べ』がその部分は同人誌の方でやっていて連載本編ではいっさい扱っていないように、そこはアンタッチャブルにするのかな、と思っていたわけです。実際、ドラマ本編では扱われませんでしたしね。
 が、最近流行りのスピンオフ企画がTVerであって、そちらではタイトルがズバリ「春田と牧の新婚初夜」だし、春田が牧を案内する形で2階のふたりの寝室をドラマ視聴者にも見せてくれちゃったわけです。で…で……
 だ、ダブルベッドなんだ!?と、な、なりましたよね…(動揺)同衾するんだ!? 一緒に寝るんだ!? つーかやることやってるって設定になったのキャー!! で、どんな…!?!?
 …と、ついつい、もうわーーーーっと、考えちゃいましたよね…!
 実際には、性生活とはとてもとてもプライベートな問題であり、友達だろうと家族だろうと安易に口出しも、想像すらしてはならない問題です。それは立派なプライバシー侵害、人権侵害です。ゲイだビアンだと言うとすぐそういう話をしたがるろくでもないシスヘテロ人間は、では自分が「最近パートナーとどんなセックスした? どこに何を使ってどうやってどうだった?」と聞かれて平気なのか、一度考えてみるべきだと思います。だからそれは駄目なことなんだけれど、でもこれはフィクションだからさ…
 というかそれこそ私は前シリーズ最終話のあのラストのくだりに関してゴタゴタ書きましたけど、「好きになった人がたまたま同性だっただけ」なのはいいとしてもそこからじゃあすぐセックスするのかっつったらハードルがあるはずなわけで、ぶっちゃけそこんとこどういうことになってるの…?とついつい考えてしまったわけなのです。で、そういうことを考えさせないためにもこのドラマでは寝室は映さないのかと思っていたのに、のに、のに…見せるからさあ、もう、もう…!
 イヤ実際には単に握りっこしている程度なんじゃないの?(何を、とか聞かないでくださいよ。手ですよ手、おそらく…??)とか思うんですけどね…これまた挿入こそセックスだと考えがちなろくでもないシスヘテロ女の発想ですみませんが、でもやっぱそこには高いハードルあるだろうよ、とか考えちゃうわけでさ…でもそういう部分をねちねち描くドラマじゃないじゃんこれはさ、そもそも趣旨が少女漫画なんだからさ!
 はーでも来週以降、スピンオフ版は何をどう描いていく方向に進むんでしょうね…? 第二話放送時も私はまた旅行中なのだった、旅先でまたももだもだするのか…(^^;)今週末もまた大騒ぎしていたらホントすんません…

 まあでも、まずは牧が心配かな。私は林遣都より田中圭が好きだというのもあるけれと、春田をキャラクターとして愛しているんですよ。でも春田って春田だから、別になんでも大丈夫じゃん(笑)。でも牧くんはそうじゃないでしょ? 春田よりずっとナイーブでデリケートで、実はすっごいネガティブで、完璧主義者でそうできない自分にイラつくタイプじゃないですか。そんで自滅するヤツ。好きな相手より、好きな相手に完璧に対応できない自分にイラついて、最後はキレて全部投げ出しちゃうタイプ…
 普段なら、家事だって好きだし上手いし、自分で自分の好きなように、かつ完璧にやりたいタイプで、春田が散らかす端からブーブー言いながら掃除して回ったってそんなのはもはやふたりのそういうブレイで、イチャイチャラブラブエピソードなはずなんですよ。でも今、牧は新しい仕事や環境にテンパっていて、余裕が持てないでいる。だからあんなふうにキレちゃうんです。以前みたいに黙り込んで抱え込んであげく全部投げ出して逃げちゃう…よりは、いちいち春田にぶつけられるようになっただけいいんだけれど、そこにこれから家政婦部長がねちねち切り込んでくるとなれば、そりゃもうさらにキリキリしちゃいますよね…
 私はせつない話が好きなので、しんどくなりすぎない程度に、いい塩梅にせつなくしんどく、しかし最終的にはラブラブハッピーに展開していってくれれば、文句は言いません。マロ(金子大地もホント、ビッグになって…!)と蝶子さんのところにも嫁姑問題はあるようだし、そのあたりも含めて、やはり期待しかありません。ちずもドラマだけだとわからなかったけど、設定によればシングルマザーになっているようだし、新たな恋が訪れるといいよね…! ま、もともとこんなナリですごくしごでき女子って設定だから、そこは大きなお世話かもしれませんが。
 はー、やっぱり楽しみすぎます。誰かを傷つけたり悲しませたりすることなく、たくさんの人に愛されるドラマになりますように! 期待しています!!







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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-01-20 01:40:28
いつも楽しく拝読しております!
私の好きな小説が、ミンジンリー著「パチンコ」なのですがぜひ駒子さんに読んで頂き、感想をお聞かせ頂きたいと思いコメント致しました🤲読み終わったあとなかなか現実に戻ってこれないのですが、でも本の中にも一つのリアルがあって胸に迫るものがありました、、!初コメントでいきなり恐縮ですが、機会があれば是非ともお願い致します!
コメントありがとうございます (Unknownさんへ)
2024-02-03 11:31:59
先日ミン・ジヒョン『私の最高の彼氏とその彼女』(イーストプレス)を読みました。
韓国文学、ホントおもしろいですよね…!
『パチンコ』も検索しました、書店で出会えればぜひ購入してみたいです!

●駒子●

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