駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

千秋楽の夜に

2010年09月27日 | 日記
 ツイッターより、『銀ちゃんの恋』千秋楽の夜のつぶやき。
 観劇感想はまたのちほど!

***

【眠くなってきたので深夜モードつぶやき】

 実はみなさんが着々と覚悟を決めていくのに違和感を感じて、スルーを決め込んでいました。
 まだ正式発表されたわけじゃないんだから何もわからないじゃん、とか、みんなやってきたことであたりまえのことだよね、とスカそうとしたり。

 でも、今日すごく単純に
「いなくなっちゃヤダ!」
 って駄々っ子みたいに思えたのです。
 そしてそんな自分にびっくりした。
 私ホントにこの人のことそんなに好きだったのね、と…

 宝塚の公演を初めて観てそのときのトップさんを好きになる、というのはかなり自然なことに思えます。
 私にとっては前贔屓(使ってみましたこの言葉!)がそうだった。
 その卒業を見送って、それでも宝塚は見続けて、その中で、いつもいつも気になる人を、見つけた…

 なんか私いつもあの人のこと気にしてる、追っかけてる…って気づくのにもだいぶ時間がかかったくらいの、ぼんやりと言われればそのとおりなんだけど、ある種濃密な時間と愛情が降り積もって、で、いろいろあって、今に至る、それが今の人。

 私が宝塚を観始めたときはまだ四組で年7公演(だっけ?)で東上しない演目もある、って頃で。在任2年というのは短い方で、3年が普通、もう一声あると円熟期が迎えられる…という印象でした。
 ま、短すぎる方はその後、やはりかなり好きだったチャーリーとかで経験しちゃうんですけど(>_<)。

 だから…だから…

 2年本公演4本じゃヤダ!
 もっと観たい!
 ずっとなんて言わない、でもまだまだまだまだいて!

 …って、思ってしまったのです…

 …ああ、なんかみんなこう考えるんだよね、何を今さらって感じですよね。
 でもさ、でもさ…好きなんだもん。わああ。
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西本智実『宿命 ロミオとジュリエット』

2010年09月25日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 すみだトリフォニーホール、2010年9月23日マチネ。

 プロコフィエフのバレエ音楽『ロミオとジュリエット』を演奏会形式で上演。
 ロミオの法村圭緒、ジュリエットの中村美佳はじめ演者がストーリーを再現するパフォーマンスをし、字幕による台詞展開もあり、「新たな音楽の聴き方」を提案。

 …ということでしたが、だったらバレエをちゃんと観るからさあ…と思ってしまった。
 踊りで、そして音楽で物語を語って見せるのがバレエでありバレエ音楽なのでは?
 シェイクスピアの台詞が知りたければ原作を読みますよ。その詩情を漂わせてこその音楽、舞台では?
 なのでこのパフォーマンスというか企画には全然反対。
 オケは暗く、譜面台を照らすライトが幻想的ではありましたが、はっきり言って観客の大半は西本さんの凛々しい指揮とか男前な黒燕尾の後ろ姿とかを見に来るところもあるわけだから、暗くて見づらいのは魅力半減だと思うけどな…
 だいたい指揮者がロミオになりジュリエットになり神父になり太守になるのが醍醐味なんじゃないの?
 ああ、もったいない企画でした…

 オケは新日本フィルハーモニー交響楽団でした。
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宝塚歌劇宙組・蘭寿とむコンサート『”R”ising!!』

2010年09月18日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 宝塚バウホール、2010年9月3日ソワレ、人見記念講堂9月16日マチネ。

 構成・演出/藤井大介、作曲・編曲/青木朝子、手島恭子、振付/御織ゆみ乃・若央りさ・平澤智・ANJU・服部有吉。
 全2幕。

 いわゆるコンサート、というものが初めてで、オールスタンディングでこっちも踊っていなくちゃいけないようなんだったらどうしよう…とか思っていましたが(^^;)、フツーのダンス・ショーでした。まゆたんは歌手というよりはダンサーだろうしね。
 ま、ノリノリにはなりましたが、カーテンコールのスタンディング・オベーション以外はゆったり着席して観られました(^^)。

 また、観劇歴17年目にして初のバウホールだったんですよ!
 今までバウ公演はずっと青年館待ちでしたし、東上しないものはあきらめていたんですねー。小綺麗なホールで感動しました。あの緞帳を見ただけで嬉しかった(^^)。
 でも小さい小さいと聞いていたのでもっと小さい小劇場を予想していたので、意外に大きく感じました。でも客席の傾斜の感じとか、とても見やすい、いい劇場ですね。

 逆に人見は音響が良くて感動でした。
 広くなっても大味にならず、いい感じにまとまっていたと思いました。


 最初の場面、「RISING」の全員揃いのお衣装は茶と金で、特に娘役のスカートが素敵でした。

 「RED」の場面の冒頭、タンゴマオという役名の三人娘が出るのですが、せーことえりの絡みが…絡みが…絡みが…!(しつこい)
 『TRAFALGAR』リュシオレ同様、ぜひ舞台写真に!!

 クールガイの男役陣はひとりずつ回転扉から出てきてキザります。素敵!

 「ROSE」の場面はスパニッシュ。レッドローズという役名のえつがとてもとても綺麗でした。鬘も髪飾りもドレスも…!

 「ROCK’N ROLL」の場面は…役名につっこみたい…ほぼ出落ちの大ちゃんの役名はダイリーン。でっかくて金髪盛り髪して白のホットパンツ(ショートパンツではなくあえてホットパンツと呼びたい)のグルーピーはインパクトまさに大(^^)。
 他の男役陣はアイドルグループ側なんですが、まさこが大人の色気ありすぎで、アイドルというよりマネージャーのお兄さまみたいでした(^^)。

 「RHYTHM」はジャズ。ヤンさんっぽいシャープなダンスで素敵でした。これで第一幕は終演。

 二幕幕開け、「RECALL」娘役陣のドレスが素敵。

 「ROMANCE」冒頭は夢々しいバレエシーンから始まり、ももちの歌声が甘く美しくすばらしい。
 プリンシパルのりくくんも素敵…と言っていたら幕が下り、割烹着みたいなスモッグ着た掃除婦イリース、ダイアン、チッチが(^^;)。
 いやーん、ちーちゃんの三つ編みカワイイ!
 ここのドレスは『Apasionado!!』中詰めのアレです。お掃除ボーイのまゆたんもカワイイです。

 「RABID」はラテン。ワイルドビーナス役の位置がナチュラルに美人でハイレグ美脚!

 続く「ROUGE」はお芝居仕立てで、まさこボスからえりミストレスを奪うまゆSexyR…という感じ。夜の蝶のせーこが素敵!

 「REBIRTH」では曲がなんと私の大好きな「OneNightOnly」。聴かせてくれました。

 そして「RISING」でシメ。アンコールはまゆたん作詞作曲の「Rising!!」再び、でした。


 娘役ではせーこが好き、男役ではちーちゃんが好き!と再認識させられた公演でした。すぐ目が行く(^^)。
 でもすごい楽しそうにノリノリなあおいさんとかも印象的だった。こういう上級生娘役さん、大事にしてあげてほしいなあ。
 下級生ではりくくんがやっぱり輝いて見えて、ポジション与えられて育ってきているんだろうなあという感じでした。

 正直、ど真ん中ファンではないので、十全に楽しめたかと言われると微妙なのですが、でも楽しく観ました。
 まゆたんファンはもっともっと楽しんだと思います、すみません。

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『イリアス』

2010年09月17日 | 観劇記/タイトルあ行
 ル テアトル銀座、2010年9月8日マチネ。

 千艘の大船団をなすギリシア連合軍がトロイアを侵攻して10年、トロイアはオリンポスの神々と堅牢な城壁に未だ守られていた。今、ギリシア軍の兵士たちは疫病に襲われ、全滅の危機に瀕していた。占い師によれば、疫病は太陽神アポロンの呪いであり、呪いをとくには総大将アガメムノン(木場勝巳)の戦利品となった神官の娘を解放しなければならないという。アガメムノンは代わりに全軍一の英雄アキレウス(内野聖陽)の女を要求し、反発したアキレウスは戦線を離脱する…

 原作/ホメロス、演出/栗山民也、脚本/木内宏昌、音楽/金子飛鳥。全2幕。

 話せば長いことながら、私はギリシア神話おたくであり、『イリアス』に関しては創作同人誌で漫画化していたこともあるくらいなので(ペレウスとテティスの結婚から始まって、メネラオスとヘレネが結婚したあたりで中断しており、トロイア戦争の発端であるヘレネの誘拐までも行き着いていないのですが、一応ラストのトロイア落城までお話はできているのでした)、飛びついた演目でした。
 もともとが口承ということで、それを生かしたセリフ劇で、でも決して役者の肉体や演技が必要ないということでなく、簡素ながらも美しい空間(美術は伊藤雅子。舞台の両脇に立つ柱の使い方のすばらしかったこと!)に確かに戦場や船倉や野営地や神殿が現れていました。
 ヘクトルは池内博之、オデュッセウスは高橋和也、アンドロマケが馬渕英り可、パトロクロスがチョウソンハ。
 カサンドラは新妻聖子で、誰にも信じてもらえない予言を美しい声で歌います。凄絶で悲しい。
 コロス5人がまたすばらしかったです。

 ホメロスの『イリアス』は
「怒りを歌え、アキレウスの怒りを」
 という言葉で始まり、この舞台もそのセリフで始まります。
 確かにこの作品は、アガメムノンに侮られたアキレウスの怒り、神に弄ばれた人間としてのアキレウスの怒りをテーマにした物語です。
 しかしラストは、アキレウスと老プリアモス王(平幹二朗)の和解で終わります。あんなにヘクトルに怒り、ヘクトルを憎み、パトロクロスの死を嘆いて飽かなかったアキレウスが、プリアモスの必死の懇願についに折れ、人間らしい誠実さで対応し、ヘクトルの遺骸を持ち去ることを許可して、物語は終わります。

 和解はなされた。
 でも葬儀のあと、戦争は再開されるのです。

 この世に戦がなかったときはない。何千年と時がたっても、この世から戦争がなくなったことはないのです。
 ヘクトルの妻アンドロマケも、王女カサンドラも、このあとギリシア軍の奴隷として故郷から連れ出されます。いつの時代も一番に犠牲になるのは女たちなのです。
 これは女たちの怒りを歌った物語でもあるのだな、と思いました。
 決して英雄礼賛とか戦争賛美とかの物語ではない。だからこそ読み次がれてきたものなのだと思いました。


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今週の言葉

2010年09月14日 | MY箴言集
「まことの恋がおだやかに実を結んだためしはない」



        シェイクスピア『夏の夜の夢』より
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