駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

「C’est Fantastique!」

2021年11月29日 | 観劇記/タイトルさ行
 東京會舘ローズ、2021年11月29日夜の部。

 東京會舘創業100周年記念イベントDS。構成・演出/中村一徳。出演/湖月わたる、朝海ひかる、大空ゆうひ、霧矢大夢、遠野あすか、妃海風。

 DS大好きマンなのでいそいそと出かけてきました。この回のメニューは東京會舘伝統のオマール海老のテリーヌ、森の茸入りコンソメスープ(本当に黄金色!)、リブロースのローストビーフ、ガトーショコラ。アルコール入りのスペシャルカクテルは100(One Hundred)という名だそうで、パルフェ・ダムール(ニオイスミレのリキュール)をベースにした藤色のカクテルでしたが、これが東京會舘のコーポレートカラーなんだそうですね。スパークリング、白、赤とハシゴして、ノンアルのAnniversaryというカクテルもショー観劇中にいただきました。
 総合司会は竹下典子さん。安定と信頼の…と思いましたが、コロナ禍でトクスペなんかが中止になっていて久々に見たからか、ずいぶんとお歳を召した感じになっていて、ちょっと心配でもあったかな…あいかわらずトークをビシバシ裁いて進行していて、そこは頼もしかったんですけれど、こうした役まわりは上手く中井さんにスライドしていけばいいのでは、とか余計なことを考えてしまいました。
 最初のお衣装はワタルときりやんが白のパンツスーツ、コムちゃんと大空さんが黒のパンツスーツ、アスカとふうちゃんはピンクのドレス。大空さんは袖の二の腕部分がすごくボリューミーな、いうなれば薔薇タンとかがやれそうな、珍しく派手めのお衣装お衣装したお洋服で、髪はこのところ短めでソバージュで、素化粧ながらしっかり濃いめにメイクしていて、このところ地味な芝居での薄い顔しか観ていなかったので(オイ)「ヤダ、綺麗じゃーん!」とテンション上がりました。アタマに6人で、曲名忘れたけどベタな定番宝塚ソング歌って、その次がすぐ大空さんの『華日々』から「時の流れの中で」で、ギャアアァ懐かしいぃ!ともうエモエモのエモでした。
 そのあとアスカが『エル・アルコン』からギルダの歌を歌ったんですが、腹筋が全然戻っていない感じで、出産は去年だったそうですがやはりダメージあるんだな、その後レッスンできていないんだろうなあのアスカが…と残念でした。後半のマルグリットも苦しそうだったもんねー…
 ふうちゃんの最初の歌はなんだったのかな、トークで触れられず私はパッとはわかりませんでした。きりやんが『Misty Station』から、コムちゃんが『銀の狼』から、ワタルが『王家に捧ぐ歌』から。ラダメスの現役感、怖い…!
 ローズは縦に細長い作りなんですけれど、部屋の後方に大きく空いた空間を作ってお立ち台を設置していて、客席降りはありませんでしたが出演者が後方の扉から出入りして、後方テーブルのお客さんにも近く見てもらえるようにするくだりもありました。音響は悪そうで、バンドと歌と手拍子のリズムがズレてて気持ち悪かったですけどね(^^;)。
 6人でのトークのお題は東京會舘について。建て替えで閉館するときや再開業したときのイベントにも出た、とか現役のころDSをした、みたいな話が出る中で、ふうちゃんが「上級生さんがお茶会やフェアウェルパーティーをしていて、でも自分はまだそれが許されない学年で、使えるようになったころには建て替えで使えなかった」みたいな話をぶっ込んだのがおもしろかったです。あとはみんなカレーライスとかカレーパンとかマロンシャンテリーとかの、食べ物の話しかしない…ジェンヌはみんな食いしん坊(笑)。
 二着目のお衣装はふうちゃんが藤色のドレス、アスカが白と金のドレス、きりやんが紫のスーツで大空さんは白のパンツに白と金のニットみたいなの。コムちゃんは黒のドレス、そしてワタルは赤のスリーピースで、うぅーむさすがやな!という感じです。
 ワタルのエリオにアスカエバ、ふうちゃんアンフェリータの「エル・アモール」は、ミネちゃんのときの新公の座組かな?みたいな据わりの良さとあり、でも実はすごいドリーム配役!とワクテカでした。さらに大空さんプガチョフにきりやんニコライが出てきて「ニコライとプガチョフ」をやってくれたときには、これまたなんたるドリーム配役…!と震えましたね。出演していたら『GM』でゼッタイやっていたヤツ…!! のちのトークで、大空さんは中村先生指定の選曲かと思っていたんだけれど、なんときりやんリクエストだったというエピソードが披露され、ありがとうきりやん…!ってなりました。「ゆうひさんのファンは聴きたいだろうと思って」「自分はやったことない役なんですけれど」と笑うきりやんの頼もしさよ…! てかなんでも上手いから何やっても「現役のときやってたよね?」ってなりました。ふうちゃんとの『ガイズ』デュエットとか…
 大空さんはあとは「ザッツ・ライフ」だったかな、大空さんが好きなお歌ですよね。ラストは6人で「心の翼」でした。
 ふうちゃんのクリスティーヌもよかったなあ、これまた「やってないんですけどね、持ち歌ではないです」というふうちゃんがラブリーでした(笑)。全員、次の舞台の宣伝タイムもあり、いいことだな大事だなと思いました。きりやんは『ピピン』再演に向けてしっかりカラダを作るつもりだそうですよ、頼もしい! 大空さんの30周年ライブも楽しみです。
 贅沢な時間を楽しみました(^^)。


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『銀河鉄道999/さよなら銀河鉄道999 シネマ・コンサート』

2021年11月24日 | 観劇記/タイトルか行
 東京オペラシティコンサートホール、2021年11月23日12時半。

 今年2月、6月に開催されて好評だったシネマ・コンサートの、一挙二作品上演プレミアム公演。大スクリーンによる映画全編上演と、台詞や効果音はそのままに、音楽パートをフル・オーケストラが生演奏。映画は1979年、1981年に公開された劇場用アニメ。
 原作/松本零士、指揮/栗田博文、演奏/東京フィルハーモニー交響楽団、スペシャルゲスト/タケカワユキヒデ、ボーカル/小此木麻里、和田清香。

 それぞれ15分の休憩があり、大休憩は約2時間ありましたが、終演は19時半過ぎというマラソン公演となりました。でも全然平気な自分の腰やお尻の頑健さというか鈍感さを誇りたいです。取れたのがA席の2階バルコニーで、椅子がステージに向いて斜めになっておらず、勝手に斜めに座ってさらに身体を捻ってスクリーンを観るような体勢になり、やや肩は凝りましたが、とにかく楽しかったので満足です。
 このシネマ・コンサートなるエンタメ形式がちょっと前から流行っているのは知っていましたが、なかなか機会がなくて私は今回初めて行きました。いやぁやっぱり生オケ、生音、イイですね! そして主題歌も挿入歌もたっぷり入るタイプの作品だったので、生歌もしっかり楽しめてお得でした。またオケが映える楽曲ですよね。もちろん本来はシンセサイザーだったところなんかも上手く編曲されていたのでしょうが…ささやかなBGまで生音だったので、本当に臨場感がありました。逆にオケの音が良すぎて台詞が聞こえづらいときもありましたが、ストーリー展開をだいたい覚えている作品なので私はまったく問題を感じませんでした。てかもうのっけのオケから泣き、「テイキング・オフ!」に泣き、リューズの歌まであるのに泣き、ラストに爆泣きし、もうエモエモのエモでした。私もノスタルジーに浸る歳になったんですねえ…
 指揮者さんとコン・ミスさんは握手ではなく前腕ハイタッチ、ヴィオラかセカンド・ヴァイオリン?に、メーテルコスした女性がいらっしゃいました。良き良き(^^)。
 公開当時、親に頼んで横浜の映画館まで連れて行ってもらったことを覚えています。買ってもらったノートが大事すぎてしばらく中をまったく書き込めず、ただずっと愛蔵保管していたことなんかも覚えています。おそらく実家にはまだサントラLP(!)を残してあるんじゃないかしらん、もはやレコードプレーヤーがないというのにねえ。数年前にテレビで放送していたのを久々に見たときにも懐かしさに浸りましたが、今回もいい感じに忘れていながらも見る端から思い出し懐かしさに浸り、とてもとても楽しかったです。
 客層は男女半々か男性が多いくらいでしたでしょうか。休憩に男子トイレに列ができていて、でもあっというまに解消されていて、男の人ってホント早いんだなと変なところに感心しました。コンサートといえどサントリーホールにいるようなダンディなロマンスグレーの紳士とかじゃなくて、みんないい歳になっても現役オタクっぽいアラ還、アラフィフ男子ばかりだったのも微笑ましかったです。そういうののほぼ最初の世代ですよね、まあ私も人のことは言えないわけですが…
 改めて、なんというか実に素朴な男子ドリームの結晶たる作品で、でもベタだからこそ正鵠を射ていて古びないものがあるな、とも思いました。美しかった母、厳しかった父、機械や科学や未来や永遠への憧れ、母に似た美しい年上の女性との旅、冒険、宇宙一の男に友と認められること、仇討ち、宇宙を救い正すこと…みんなみんな、少年らしい夢ですよね。もちろん少女も心震わせられます。
 でも一方で、やはり時代特有のうっすらした女性嫌悪や女性差別ももちろん感じるわけです。男も女の機械の体を手に入れて永遠の命を得ようとするけれど、ことに女は美しい体を持ちたがる、とされている。プロメシュームも娘メーテルにこの世ならぬ美しさの顔と体を与えています。冥王星に眠る彼女のもともとの身体は、きっと醜いとまでは言わないまでもおそらく平々凡々とした容貌をしているのでしょう。その身体に戻ったメーテルが鉄郎の隣に立っても、鉄郎が気づかないであろうほどに…
 そして鉄郎の母が理想化されている一方で、プロメシュームは鬼婆のごとき魔女、邪悪の化身、諸悪の根源とされています。鉄郎にはファウストが、メーテルにはプロメシュームがいて、要するに人は親を乗り越えて大人になる…というドラマを背負わされているという点では同じなのだけれど、この男女差にはやはり意識下でも何かあるだろうと指摘せざるをえません。一方でメーテルやガラスのクレア他、数多出てくる心優しき美女は女神のごとく神格化、理想化されてもいて、そこにはもちろん女性への憧憬もあるのだけれど、やはり対等の生身の存在としては認識されていないのだと思えます。でも女性もまたこういう男性ロマンをある程度内在化して育ってしまうので、そりゃメーテルのように「男の青春の想い出の中にだけいる女」になれるものならなりたいよ、そんなふうに生きられるなら生きたいよ…とかつい思ってしまうわけです。
 ま、エメラルダスはちょっと違うかな…てかカッコいいですよねえエメラルダス。これまたイメージだけの存在で細かい設定はあまり露わにされないキャラクターですが、やはり事情があって身体を機械化していて、永遠に生きざるをえない人なのかなあ…メーテルとの顔見知り具合、というかほのかな友情、連帯感や似た者同士の意識があるのに今回初めて気づいて、ちょっとキュンとさせられました。ともに広い宇宙を、長い時間をさすらい続けなければならない者として、ときに助けの手を差し伸べときに叱りときに諭し…なんか、エモかったです。
 ま、そんな萌えもあって、わりと「ケッ」とならずに今でも見られる作品かと思います。動力はなんなんだとか気密はどうなってるんだとか光速越えてるのかとか重力はとか、そんなことを言い出したらキリはないわけですが、いいんですよイマジネーションは感覚的に十分共有され理解されているわけですからね。スタートは、SLが宇宙を走ったら楽しそうでしょ?ってだけでいいんです。SFってそういうものです。いい作品に育ててもらったなあ、今の若い人はもうちょっと難しくなっているものから触れざるをえないのかなあ、それは大変だろうなあ…とも思ったりしました。
 今はお亡くなりになった声優さん方も多く、そういう意味でも懐かしさに浸りました。本当に楽しい時間を過ごしました、ありがたや。


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『バロンヴィーテ!!』初日雑感

2021年11月21日 | 日記
 宝塚歌劇宙組全国ツアー『バロンの末裔/アクアヴィーテ!!』初日梅芸公演を観てきました。『GM』に続き、エモエモのエモでした。
 私のファン歴はヤンミハ、ユリヨシコから始まったわけですが、ミキジュンには特に萌えず、でもノンユウコは大好きで、プレお披露目の『ミーマイ』が是非とも観たくて初・中日劇場遠征をしたくらいでした。代替わりしても好き、の初体験だったわけで、それで沼没入が決定的になったんじゃないのかなあ、と思ったりもしています。
 というわけでそのノンちゃんのサヨナラ公演となった『バロンの末裔』、もちろん初演を観ていますし、最近もスカステで放送があったので久々に見ましたし、再演が発表されたときにはプログラムを引っ張り出してきて脚本を熟読しちゃいました(まだ「ル・サンク」はなくてプログラムに脚本が掲載されていた時代でした)。役が少ないのが難点だし地味と言えば地味なんだけど、優しい方というかハートフルな方のいかにもハリーな作品で、私は好きです…!と改めて感じ入りましたね。ゆりかちゃんはほややんとしたローレンスがいかにもハマるんじゃなかろうか、かのちゃんもキャサリンを決してカマトトなんかにならずにきっちりしっとり演じてくれるんじゃなかろうか…と期待して、ワクテカ出かけました。
 セットが簡素になった他は、台詞も歌もまんまだったのではないでしょうか。なので、もっと会話でキャラの名前を呼ばせ合った方がいいよとか台詞で関係性を明示した方がわかりやすいよ、と当時ヒヤヒヤしたところも全然改善されていなかったわけですが(^^;)、まあ芝居があったまってくればファンは勝手に補完するだろうし、そんなに心配しなくてもいいのか…と思いつつも、ハリーもっと仕事してくれてもいいのよ…?とも思いつつ観ました。でもとにかくもうプロローグの「I WISH」からもう萌え萌えでした。
 というかホント言えば、冒頭アバンの、双子の弟エドワードに手紙を書くゆりかちゃんローレンスがけっこう重めの発声で、あれっキャラ設定変えるの!?ってとまどったりはしたんですけどね。そのあとのゆりかちゃんエドワードとずんちゃんリチャードの会話も意外に客席から笑いが沸かなくて、最後にリチャードが変顔してローレンスの死を祈るくだりでやっと笑いが起きたくらいだったので、まあマミちゃん個人のおもろさに頼っちゃうのはよくないんだけどここって意外に難しいのかなこのユーモアが伝わっていないのかなこの先のコミカルパートも大丈夫かなとか心配しちゃったのですが、そこからのプロローグのあまりの懐かしさに、つい流されてしまった…というところです。ずんこウィリアムがさっと出てきて鮮やかに空気を変えて踊ってくれたのがよかったのかもしれません。
 以後、そんなに細かくすべてを覚えているつもりはなかったのに、ああぁそうだったこうだったわあぁこうだった懐かしい次はこう来るよ、の大洪水大渋滞でもう感情が大変でした。だってわあぁユウコの緑のドレス! アツのピンクのドレス! コモちゃんの別珍みたいな材質のデーハーな柄のドレス! ゆら姉のピンク! って出てくる端から全部記憶が蘇って、もちろんドレスはそのままのものではなくて似たものだったり似せて作り直したレプリカだったりしたかのもしれませんが、でも劇団の物持ちの良さを知っているだけにまさか現物…! と震えているうちにも物語は展開しているのでした。ホント脳内が忙しかったです(^^;)。
 かのちゃんキャサリンは、ユウコがまろやかな声で歌うように音楽的に台詞を発していたのをよく研究したようで、もともと自身もとてもええ声の娘役さんですが、本当にちょいちょい似ていてキュンとしました。でもただの物真似ではなくて、ちゃんとかのちゃん自身が血肉を通わせたキャサリンになっていたと思います。もっと、ユウコより情念のキャサリンにしていけると思う気もするので(だって自死まで考えるのってけっこう重い女だと思うんですよね…)、そのあたりは今後に期待したいです。さらりとして見えて実は重い、のがキモのお役だと思うので。好き!
 ただ、初見の観客は雉撃ちの丘場面はけっこうびっくりしちゃってトートツに感じたかも…とも思いました。キョロちゃんヘンリーの邪魔の入り方といい、そういう演出だしそれがハリーの創作意図なんだと思うんだけれど、でも「えっ、そうだったの!?」ってなっちゃってちょっとついていきづらいものを感じたり、ここでふたりが何をどう議論しているのかがよくわからない…となっちゃう人もいるんじゃないかなあ、とちょっと心配になっちゃったんですよね。キャサリンがエドワードに抱きつくときにけっこう距離があって、激情のままに…と見せるにはちょっと時間がかかって見えたせいもあったかもしれません。明日以降、きっと上手く調整し、煮詰めていってくれることでしょう。ヘンリーの邪魔以外はふたりっきりの、まあまあ尺もある難しい場面ですが、芝居の醍醐味だとも思うので、期待!
 あとはもえこもズンコの台詞回しを思い起こさせるところが多々あって、キュンとしましたね。頭取室でのやりとりはもっとおもしろくできると思うし、これも明日から微調整して、もっとどっかん湧くくだりになるんじゃないかなあ。ひろこは過不足なかったと思うので、愛未サラちゃんシャーロットがもっと押し出していけるといいよなとは思いました。美人だしインパクトあってよかったんですけどね。もちろんりんきらはさすがでこってぃも味があったんですけどね、もうひと練りなんとかしたかった気がしました。
 さらに言うとずんちゃんひばりちゃんカップルが全体にもっと悪ノリするくらいに元気にやってくれるといいんだろうし、キョロちゃんももっと上手く笑いが取っていけるようになると思うんですよね。すっしぃさんとさよちゃんは手堅い。ほまちゃんはもちろん上手い。
 ラストはやっぱりサヨナラ仕様の展開だなあ、と思うのですが、まあご愛敬かな。ただ時代のせいで、初演当時はバブルのなごりでみんなが豊かだったから貴族の没落を心配してあげられる心の余裕があったけれど、今観るとなんせみんなが貧しくなっている時代なので、貴族だけが安泰なわきゃないだろ売るものがあってよかったなナメてんのかコラ、って見えちゃうのかもしれないなあ、とは思いました。世知辛い…そういう意味でやはり作品は時代につれるものであり、再演でまったく同じように観られることはないのだな、とも改めて考えさせられました。
 でも、基本的には愛する人のためにせつない選択をして、選択の責任をきちんと引き受けて、でもグレずに前向きに生きていく…という、いいお話だと思うので、全国の人に観てもらって(というにはツアー箇所に偏りがありますが)より広く愛される作品になるといいなあ、と思ったのでした。
 あ、カゲソロはここさくちゃん。美声でした!
 私は次は沖縄で観ます。どう仕上がっているのか、楽しみです!!

 ショーはまどかのところにかのちゃんが入り、キキちゃんのところはずんちゃん、ずんちゃんのところにもえこが上がって…とだけ想像していましたが、そうそう意外と退団者ピックアップが手厚い構成だったんだっけ、と観ながら思い出していく感じでした(^^;)。
 アルカミストはすっしぃさんで、エイトモルトはトゥモルトになって大路くん泉堂くん。プロローグ、ゆいちぃと愛咲まりあちゃんだったところがかなこひろこで、美しくて嬉しい! プロローグのリプライズ娘役ちゃん場面がちゃんとかのちゃんセンターで残っていて嬉しい!
 ラムページはずんちゃん、赤いメッシュがいい感じ。ゆいちぃだったロフティドリームはキヨちゃんで、脚の長さは及ばないものの身体能力とバレリーナっぷりがものすごく、圧巻でした。
 スモーキーナイトはチアフル両親がりんきらとりずちゃんになって、サインボーダはもちろんかのちゃん、お衣装もママで眼福。
 ずんちゃんだったミステリアスクラウンはもえこになって、アマーミはかなこはママでまりなだったところが琥南くん。これまた美しかったです。中詰めは銀橋はないけど歌い継ぎが次々あって、そらのタコ足の白ダルマのファーストダイナマイトはこってぃ。アシンメトリーの黒髪ボブで美人! ダブルデュエダンの夢白ちゃんのところは栞菜ひまりちゃん。
 そらのインテンスボーイもこってぃで、こちらは男役としてバリバリ踊っていてカッコいいこと! 歌手はほまちゃんとりずちゃんになっていました。
 ゆりかちゃんの受動喫煙場面(笑)はあきものミマがママ。
 麦芽場面のとっぱしでずんちゃんとかのちゃんがバリバリ踊るのが映りが良くて、これもいいコンビだなと感心しました。てかここのかのちゃん、ホントきびきび踊っていて清々しかったなー!
 ロケットのホースはキョロちゃんとひばりちゃんに。ひばりちゃん、ときどきゆうりちゃんにも見えましたよね…
 フィナーレのデュエダンはかのちゃんがミニスカートの下にホットパンツを履いた新調のお衣装で、とてもキュートでチャーミング。エトワールは引き続きさよちゃんでした。パレードの階段降り、全ツとはいえキョロちゃんがひろこ、ひばりちゃんを左右に従えてセンター降りしていて、おおぉとのけぞりました。よかよか。
「ウィスキーがお好きでしょ」のくだりは「専科の凛城きらさん」が「♪りんきらりんにさりげなく~」と全然さりげなくなく歌いながら3人にグラスを配るところから始まり、何故か出身地縛りの台詞になっていましたが(笑)、個人的にはゆりかちゃんの「夢の中でお散歩したい」が残っていたのがツボでした。
モアダン』や『ファシネ』を観ちゃうと、やはりいつものすぎるダイスケショーで可もなく不可もないショーだな、と思えてしまうところはあるかなと感じました。頼むから宙組にフツーの中村Bショーをください…!
 まあでもまずは全員元気に、怪我なく事故なく、楽しく回ってきてください。各地で美味しいお酒がこっそり飲めるといいですね…無事の完走をお祈りしています。






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赤坂大歌舞伎『廓噺山名屋浦里』『越後獅子』『宵赤坂俄廓景色』

2021年11月20日 | 観劇記/タイトルあ行
 赤坂ACTシアター、2021年11月20日12時。

 料亭・駿河屋では江戸留守居役の侍・秋山源右衛門(片岡亀蔵)たちが花魁の誰袖(中村鶴松)をはじめ芸者や幇間を従えて月見の宴の最中。そこへ遅れてやってきたのは、秋山たちと同じ大名家の江戸留守居役の酒井宗十郎(中村勘九郎)である。実直な酒井は、寄り合いと称して毎度茶屋や料理屋で遊興に耽る秋山たちの様子を内心では苦々しく思っている。一方、そんな酒井を風流を知らぬ野暮天、田舎者と蔑む秋山たちは、次の寄り合いではお気に入りの花魁たちを江戸の妻として披露し合うことが決まっていると言い、酒井には贔屓にする花魁もいないだろうと嘲り、主君までも馬鹿にして挑発し…
 原作/くまざわあかね、脚本/小佐田定雄、演出/今井豊茂。実話をもとに2015年に笑福亭鶴瓶が公演した新作落語を歌舞伎化、16年初演。その5年ぶりの再演。18世中村勘三郎を中心として2008年に幕開けした「赤坂大歌舞伎」の第6弾。

 私はいわゆる歌舞伎というものをおそらくこれまでに十回ほどしか観たことがなく、演目のことも役者も興行ルールもよくわかっていませんが、最近では『ナウシカ』歌舞伎をおもしろく観たり、またテレビドラマなどで見るからということもありますがこの中村兄弟くらいは知っているので(親子のドキュメンタリー特番なんかもテレビで見たことがあります)、お友達に誘っていただいてミーハーに出かけて参りました。来年の夏にはこの劇場はハリポタのロングランに入ってしまうので、赤坂歌舞伎もこれで一区切りなんだそうです。
 1時間のお芝居と、2本の舞踊というのかな、の2幕3本立てで、まあそういう意味では宝塚歌劇と同じですね(笑)。お友達のおかげでほぼどセンターのとても観やすいお席で観られて、とても楽しかったです。というか、爆泣きしました。
 吉原ものというか遊郭もの、遊女もの、花魁ものというか…なんと呼ぼうと、そして惚れた腫れたのロマンだと言おうと、やはりぶっちゃけ売買春の話であり、現代の視点から見るともはや苦しい話が多い…というのが私の勝手な認識でしたが、この作品は落語が原作の新作だからか、実に上手くいろいろと逃げていて、感心しました。そしてカワイイ、せつない、いじらしい、萌える、泣ける!と感情揺さぶられまくりだったのです。
 朴訥で馬鹿正直で不器用で唐変木の朴念仁、という主人公のキャラクターがまずいい。そしてそれに対して、熱心さにほろりとしつつも、でもビジネスはビジネスで女は売り物、金出して買えとすごめる廓の主の平兵衛(中村扇雀)がまたいい。武士に対して怯んだりしない町人、商売人の意地が見えました。そして自民党のおっさんたちもこんな感じでしょーもないいじめを未だやってるんだろうなー、と思わせる秋山氏(「うじ」ってのがまたよかった)がまたよかった。そこからの、出てくればいつもあたりを払う華と美とオーラで自然と拍手が湧く七之助さまの浦里たんが本当に素晴らしかったです。
 惚れた、というのは本当の意味で、人柄丸ごとを好きになったのであって、酒井があくまで国もとの妻を尊重し操を守り(この時代のことはともかく、本来婚姻は対等で貞操の義務は双方にあるに決まっているのです)、だからそういう意味では浦里のことは受け入れられない、と言うなら何も寝なくてもいい、男女の仲ではなく兄妹でいい…というのは、そりゃ欺瞞だなとも嘘だなともファンタジーだなと、私だって思いますよ。女ナメるな、って別の意味で言いたくなりますよね。女にも性欲も独占欲もあるんです。真心だけでいいの、なんてそりゃ嘘ですよ、お伽話です。それとも過酷なセックスワークに疲れた女はセックスありの愛と真心ある恋人なんかより、セックスなしの対等に尊重し合い慈しみ合える友愛の相手を求めるものなのでしょうか、それこそが至高で究極の理想の関係性なのでしょうか。その問いを我がこととして感じ考えられる人は観客にはおそらくほぼいないでしょう、だからこそのファンタジーな結論なのかもしれません。でも、そのファンタジーを成立させる確かな何かがあれば、人はそこに夢とロマンを見られるんですよね。そういうハッピーエンドもあるのかもしれない、と思える。というか、思いたいから気持ち良く騙され、目をつぶり、よかったねと微笑んで拍手できるのです。
 ヒロインは依然女郎のままで苦界にいることに変わりはなく、何も解決されていないし救われてもいません。でも、心が通じる人が持てたという幸せは確かにここに芽生えたのであり、その尊さは誰にも否定できない。万感のラスト、花道での美しい引っ込みの艶やかさよ…! 「後輩の女方がみんな『演りたい、演りたい』って言いに来」たというのもむべなるかな、のいいお役です。「歌舞伎には女形が中心になる演目はそんなにない」し「だいたいが不幸になったり殺されたり悲劇に終わる」そうですが、そうではない演目として作られたところが、やはり現代歌舞伎だったのかもしれません。
 奉公人の友蔵(中村虎之助)といい、彼と主人の上方出身設定といい、芝居として本当に絶妙に作りが上手い。卑怯なくらいに上手い、よくできています。セットチェンジなども素晴らしいものでした。
 浦里が身の上を語るくだりは最初の落語にはなくて、歌舞伎版で足されたからそれを受けて今は落語の方にも取り入れられて語られているのだとか。絶対にあった方がいいでしょう、これまた卑怯なくらいのベタなんだけど万人が泣かされますよね。美化はしちゃいけないんです、でも事実としてあった過去だから、なかったこととしたり変に上書きしたりもしちゃいけない。絶妙な塩梅だったと思います。またこの場面での普段着?の浦里の美しいこと、単に退室するだけでも身のこなしの美しいことよ…!
 兄弟ともにニンの合った、実に良きお芝居でした。

 『越後獅子』の角兵衛獅子は中村勘太郎。正直、歌詞はよくわからないし何を踊っているのかも理解できないままに観ていましたが、のびのびキビキビ踊るさまは清々しく、晒の技といい、筋力その他いろいろ技術が要るすごいことを軽やかにやっているのだろう、というのは素人目にもわかって、楽しかったです。御年10歳だとか、頼もしいなあ。
 『宵赤坂~』はフィナーレめいた趣向ですよね、粋な鳶頭と芸者のダブル・デュエダンもありました(笑)。しかしさっき廓の主だったおっさんが今度は粋なお姐さんって、どういうことなの!? そしてオチがハリポタ宙吊りってどんだけサービス精神あんのよ、笑ったわ!
 お着物の観客も多く、楽しかったですが、同様にお茶の間かってくらい上演中もべらべらしゃべる老夫婦もいて、そこは痛し痒しというかなんというかだな、とは思いました。ハリポタは私は原作派で映画は一本目しか観ていないくらいなので、来夏以降はしばらくこのハコには来ないかなあ。歌舞伎はいろいろとまたくわしいお友達に連れて行ってもらいたいと思いました。






 
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宝塚歌劇花組・月組100th anniversary『Greatest Moment』

2021年11月17日 | 観劇記/タイトルか行
 梅田芸術劇場、2021年11月5日17時(月組A)。
 東京国際フォーラム、11月13日12時(ALL)、16日13時(花組A)。

 1914年に17名の少女歌劇としてスタートした宝塚歌劇は、1921年に第1部を花組、第2部を月組とする2組制で公演を行うまでに成長した。誕生から100年を祝う記念公演。
 構成・演出/三木章雄。

 花から月に行って宙でトップになったズンコが出るんだから月から花へ行って宙でトップになった大空さんも出てもいいと思うんですけれど、スケジュールの都合がつかなかったのでしょうか…というわけで特にファンクラブとかに入っているわけではないのですがお手紙を書いたりして今もチケットをお願いしたりなんだりするおつきあいのある、ひびきちとミホコのお席でありがたくも3パターン、拝見してきました。しかしなんだかんだで毎回セトリが違ったんじゃないですかね、大変な公演ですね…!
 私の花組は初演『メラコリ』から、月組はユリちゃんレットでヨシコとマミちゃんが裏表していた『風共』からです。ペイさんやナツメさん、ウタコさんやカナメさんは映像でだいぶ学んでいて、もちろんミュージカル女優や舞台役者として観ているOGもたくさんいて、もうエモエモのエモでした!

 まずは月組Aバージョンから。その日の昼公演が初めての通し(笑)だったそうですが、まずは全員での今回の主題歌「Greatest Moment」。そしてまずはトップ陣最下級生として珠城さんが露払い、『BADDY』『桜嵐記』『カルーセル輪舞曲』の3連発。『BADDY』は珠城さんの代表作のみならずちゃんと月組ショーの代表作、宝塚歌劇の代表作のひとつとして認定してもらえてるんだなあ、とジーンとなりました。
 続いてサエちゃんが『飛鳥夕映え』から「比翼の鳥」「夕映えの飛鳥」、そして『タカラヅカ絢爛Ⅱ』の「カリビアン・ナイト」。てかサエちゃん、現役時代より断然お歌が上手くなっていましたよねえ…!
 そうしたらヨシコがハーミアで、何故かちゃぴのときにはメロディが変わった「セカンド・サイト」。かーわーいーいー! そして懐かしいメロディ! 若い頃に映像で学習したこのメロディの方が今も私の記憶に鮮明です…イヤちゃぴ版も歌えるけどさ。てかヨシコは一時ちょっと太っておばちゃんっぽかったのに、今や心配なくらいガリガリだな? でもドレスが似合うぞ、さすがだぞ…! そしてカナメさんのあどけないパック登場、「ミッドサマー・イブ」。とぼとぼ歩いて渡る銀橋が見えたよ、最後の「ハーミア…!」って台詞のせつなさにうっかり泣きました。私、初演『PUCK』に間に合っていないのに…!
 なのにあどけない歌声はどこへやら、すぐ低く暗い男役声になって『銀の狼』、ドレスを変えて現れるヨシコミレイユ…! これまた映像でしか知らなくて、コムの再演も生では観ていなくて、暗いしハッピーエンドと言いがたい作品なんだけど私は大好き、また再演してほしい! 今なられいまどで観たい!
 さらにズンコが「夜霧のモンマルトル」、最&高。『TAKARAZUKA・オーレ』からですね、若干トンチキなショーだった印象ですがこれは名曲。そしてズンコは話すとしわがれ声だしトークはとつとつとしているんだけど歌はホントに絶品なのでした。そして本役が同期だった新公レットの「さよならは夕映えの中で」…!
 そのあとは現役専科のカチャとゆりちゃんで『花詩集』。ゆりちゃんの「白き椿」は『花詩集100!!』にはなかったので私は知りませんでした。カチャの「黒きバラのタンゴ」(ってタイトルだったのか!)はまさお、そして新公あーさが印象深いですね。
 そしてマミちゃんとユウコ、リカちゃんのところにはこのショーの大ファンだったというあきらが入って『ル・ボレロ・ルージュ』の「情熱の翼」、嬉しそうすぎるだろうあきら! 愛ちゃんといいだいもんといいヅカオタジェンヌ、夢を叶えすぎよ!(笑)そのあとはマミちゃんが残って「アマール・アマール」だったかな。
 続いてアサコ、黒燕尾にフリフリスカートがついたどーいう衣装なんだ!?でギャツビーの背中を見せて「朝日の昇る前に」、からの『Apasionado!!』。珠城さんも加わって新旧二代!
 ミホコと『アーネスト~』の「こどものように」はこのあとだったかな? ミホコは別のタイミングでだったか、キュートな「帽子」のソロもありましたね。
 そしてやはりこの歌はカナメさんでないとね!な「愛の媚薬について」、そしてウタミミが赤いお衣装で「ル・ポァゾン」! からの『川霧の橋』で、ウタコさんがミミさんの剥き出しの前腕から二の腕まで手を滑らせるものだからキャー! ドレスなのに胸元手繰って「もう、どこへも行くな」、キャー!!
 そしてウタコさんの「ラ・ノスタルジー」だったかな?
 さらにサエちゃんトートにアサコシシィの「私が踊る時」、珠城さんが白の三つ揃えで男爵になって「Grand Hotel」、ヨシコがピンクワンピのフラッパーなフラムシェンになって「Girl in the Mirror」、そしてメガネかけてコート着たカナメさんが「At the Grand Hotel」…! 息切れする芝居してても歌が上手いってどーいうことなの!? これまた初演に間に合っていないのに爆泣きする私…
 街灯が出てきて、初代ビルのウタコさんが「街灯によりかかって」。そしてミミさん、ヨシコ、ユウコ、ミホコの四人のサリーが「顎で受けなさい」! なんて豪華なの! 最後は全員で「ランベス・ウォーク」、ウタミミ、カナメヨシコ、マミユウコ、アサカナとなるので、相手役のいないズンコサエちゃん珠城さんがダンゴになってわちゃわちゃしていたのも可愛かったです。
 第2部はオリジナル・ショーということで、ジャズやシャンソン、タンゴなどを歌い継ぎ。ウタコミハル、タモユウコなんて組み合わせもあって、いつの時代のタカスペなの…!ってなりました。ヤンさんの「ラストダンスは私に」が素敵で、タモが「ブエノスアイレスのマリア」を歌ってヤンさんとユウコが踊る贅沢なひとときもあり、ペイさんの「チェ・タンゴ・チェ」も粋で、いずれの場面もゴージャスに次ぐゴージャスで、もう脳がバグりました。
 シメはカナメさんの「宝塚我が心の故郷」から「すみれの花咲く頃」、「フォーエバー・タカラヅカ」と美しい流れでした。

 東京初日はALLバージョン、これまたエモエモのエモでした!
 カンさまの「白い花がほほえむ」におとみさんの「紫に匂う花」、ショーちゃんの「バレンシアの熱い花」ってのがもうエモい。てかミキちゃんのシカゴの街の歌、「風の街の純情な悪党たち」ってタイトルだったんか…てか卒業後に舞台で観るのは私は初めてな気がするんだけど、スーツにコートにハットに手袋の本気っぷり、なんなの怖いわマヤミキ…
 ヤンミキの「飲め飲め」にはわわわわとなり、からのミキちゃんが残ってミハルが加わっての「それぞれの思い」! 『BJ』だとつい「かわらぬ思い」になりがちだけどこの歌も大好きなのよ、ヤンさんも出てきて三重唱になってもよかったのにー!と思っていたらヤンさんがやっぱり「かわらぬ~」を歌ってくれて、もう上がるセリと下から出てくるチャーリーが見えたよね!!
 そして聞いてはいたけどあきらと珠城さん従えてのヤンさんの「サード・ヴィジョン」マジかっけー! からの乱れストライプのスーツ着たミキちゃんの「PARADISO」キター!! 
 この回はおとみさんの「アマール・アマール」、かと思えばショーちゃんが元トップ娘役6人はべらせて「ラ・ベル・たからづか」、さすが…! 初舞台だったミハルとヨシコにユウコも加わって『キス・ミー・ケイト』の「Another Opening」かーわー!
 若葉ひろみの貞にタモの『夜明けの序曲』があったかと思えば、珠城さんパーシーとまりもマルグリットの「あなたこそ我が家」があったりして、初演×再演もエモいけど本公演×新公もエモい!とアガりました。さらにアサコのルイに初演シャロン、クロードそしてミドリのシャロンと揃う『琥珀色の雨にぬれて』…そのペイさんが脱いで置いたコートがそのままナツメさんへ手向けたようにも、墓標のようにも見えた「心の翼」…
 ミハルの「あたい、あっちゃん!」からのミドリミホコが加わった『小さな花がひらいた』、ミミヨシコユウコの月娘三代による「ムーンライト・ロマンス」、そして『ファンシー・タッチ』のフィナーレ男役5人の場面をヤンミキタモマミあきらって、あきらどんだけ嬉しいことか…!
 アヤネとあきらがセンターの「EXCITER!!」もたぎったし、まりもセンターの「Misty Station」もたぎりました。アヤネは「HOME」も。腹筋鍛えていないなって歌声でしたけど、いいのよ大丈夫よ綺麗よ…
 ミハルヨシコユウコの「ごらんなさい」からの『ベルばら』コーナーも豪華で、カンさまの「青きドナウの岸辺」、カナメさんの「我が名はオスカル」、おとみさんの「愛の巡礼」、ショーちゃんサエちゃんアンドレはどっちがどっちを歌ったんだっけな、「白ばらのひと」「心のひとオスカル」…名曲揃いですよねえ。そしてショーちゃんの「愛あればこそ」。
 続いて『風共』コーナーでショーちゃんの「さよならは夕映えの中で」、からの黒いスーツのおとみさんが「真紅に燃えて」を歌うバックで赤いドレスのヤンさんが裸足で踊るのがもう…! 安寿の安は安奈の安、たまらん!! てかそもそもこのコーナー、タモマミの「私とあなたは裏表」から始まったんだっけ、すごいなオイ! マミちゃんのレットは黒燕尾でしたよね、まさかの私服なの!?(のちの回のトークのレポで劇団から借りたお衣装と判明。おかきは雪組生だったとか)しかし懐かしいな花全ツ『風共』…!
 フィナーレはおとみさんからカナメさんへの「宝塚我が心の故郷」歌い継ぎから。カテコではショーちゃんの「50歳すぎたら60も70も一緒」名言いただきました。たっぷり3時間半、ごちそうさまでした。

 マイ楽が一番席が良くて、オペラグラスいらずでしたありがとうございました。花組Aバージョンはアサコの「紫に匂う花」やアサコとミホコの『マノン』、ヤンさんとミハルの『コルドバ』、マミちゃんの「アマール・アマール」、ミハルがカチャとユリちゃん引き連れての『キス・ミー・ケイト』から「Another Opening」、そしてヤンさんの「So In Love」とたまらない流れ! 「Wunderbar」はミハルとあきらでした。マミちゃんが新公主演した『ヴェネチアの紋章』を歌ったのもよかったよねえ。えりたんの「カノン」と、ユミコキャリエールにえりたんエリックの「You are My Own」も贅沢でした。そういえば『エンレビ』の「夢を見れば…」はカチャが歌っていたけど、初舞台なんだからゆりちゃんが歌うとよかったのに。「EXCITER!!」も絶対に蘭ちゃんセンターでやってくれると思っていたのに、残念でした。「サード・ヴィジョン」はまたあって、私はヤンさんしか見ていなかったので気づかなかったんだけど珠城さんのところはPちゃんだったんだそうですね! あきらとシンメ、そら嬉しかったことでしょう…!!
『琥珀』の「セ・ラ・ヴィ」はアサコ、若葉さん、ペイさんのあとにミホコが出てきて、青い花柄ワンピだったしフランソワーズのイメージだったのかな? 新しかったなー! 2幕にはミドリがいたので「もうひとりのシャロン、いたんじゃん!」となりました。そうそうアサコトートのカチャシシィで「私が踊る時」ってのもだいぶレアだろうと驚きました。1幕ラストは「心の翼」、ヤンミハが寄り添っていて嬉しかったです…
 2幕は月A版に近かったかな。「CONGA」でノリノリのアサコミホコあきらというのも愛おしかったです。ユミコの「The Rose」は間違いない、そしてえりたんの「僕こそミュージック」など。「宝塚我が心の故郷」はユミコとあきら、「すみれの花咲く頃」はミミさんでした。

 ミキちゃんが「私の組子」と呼んだアンサンブルメンバー、白と黒のお衣装をくるくる変えて、全パターンで40曲あまりとか、お疲れ様でしたね。そういう選抜なんだけど現役もかくやというくらいに踊れて、観ていて清々しかったです。舞城のどかの名ダンサーっぷり、お久しぶりのソノカ、さあや可愛いよさあや、ひびきちのノーブルさ愛してる、ちゅーちゃん美人! あかりさんスタイル抜群すぎる! なっちーーー!! みたいな目の足りなさでした。
 メインキャストもプロローグやフィナーレはモノトーンがドレスコードのドレッシーな私服、というか自前のお衣装だったのかな? ミハルやミホコがいかにもプリンセスなおドレだったのにもキュンとしました。男役さんもパンツスーツだったりドレスだったり、長い髪を結っていたり長いまま巻いていたり、おかっぱくらいなんだけどオールバックにしてきたりと、それぞれに萌えました。スパンコールがガンガン使われた色違いデザイン違いのお揃いのようなものは劇団支給のお衣装なのかなと思いますが(『ファンシー・タッチ』の「ラ・コンパルサ」はタマモミイシノルのDS『テトラヴォイス』のときのものでしたよね)、ややふくよかになったOGの身体のラインも絶妙にカバーしていて、素晴らしいなと思いました。みんなだんだん関西のおばちゃんのノリになりつつも(笑)やっぱり華も実もオーラもある大スター揃いで、和気藹々としつつファンモードになりつつ清く正しく美しい年功序列があって…本当に豊かな空気に満ちていました。

 梅田楽がスタオベになったそうですが、それを踏まえてショーちゃんが東京公演のいつかの回で「東京のお客さんは腰が重くて」と言って半強制的にスタオベさせたそうなんですけど(笑)、その流れでこの回もペイさんが振り、見事立ち上がれて嬉しかったです! 振っておいて、幕が上がると「ホントに立ってる!」って感じで喜ぶペイさんウタコさん、可愛かったなあ。ペイさんのホント自由なトークも毎回楽しかったし、みんながヤンさんが好きでヤンミキが好きでアサコが「ヤンさんの前ではみんなドMになる」とか言いつつ自分は30年来のファンのマミちゃんと手をつないでるんるんでMCに出てきたり、ホントみんな単なるファンになっていてカオスでおもしろすぎました。
 私が観てきたのはこの長い歴史の中の1/3にも満たないんだけれど、ホント楽しい公演でした。みなさんどうか末永くお元気で、芸能活動も続けて、OG公演もまたいらしてください…! 数年後には雪組100周年なんでしょ? 単組でも絶対やるべきだと思います。ターコさんとかカリンチョさんとか、ユキちゃんもイシちゃんも出てほしいなあ、コムミズキムチギみんなバリバリの女優さんだし、えりたんも大手振って出られるし、最下トップはだいもんかな? マリー陛下はアレかな、でもとんちゃんやグンちゃん、まひる、ミナコに会いたい…!! さらにちょっと開いて星組100周年ですよね。いずれも、私も元気に参加したいです。パワーをいただきました、ありがとうございました!







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