加薬飯

日々雑感 ときどき雑記 愚だくさん

【いと哀しかりける】

2005年12月18日 | 未分類
縫い物をしたいので、針に糸をとおせと母がいう。
確かに八十のばあさまには、ちと難儀かも。

ところがである。
いざやってみると、わたしとて大同小異。
いっかな糸は通らない。そもそも焦点が定まらない。
何度やっても同じこと。イライラは募るばかり。

そこでハタと気が付いた。
「そうだ、あれがあるだろ。ホラ、ああなって、こうなったやつ。」
そう、“糸通し”である。
これでクネクネヘニャヘニャした糸の先と格闘しなくて済む。
世の中には便利なものがあるもんだ。

再び、ところがである。
確かに糸通しに糸は簡単に通る。
だがその前に、今度は糸通しの先が針穴に通らない。
要するに柔らかい糸だろうが、硬い糸通しだろうが、針穴に命中しないのだ。

悪戦苦闘の末、糸通しの先端が針穴を通過するまでに、
おおむね3分47秒かかってしまったぞ。

なんともはや、糸が通るまでの道程は、いと遠し。