どうも異なる言葉が同じように扱われているのが気になる。
先日のブログで「遠隔服薬指導」と「オンライン服薬指導」が同じ扱いになっていることを指摘した。
私の認識では、基本的に「遠隔服薬指導」とは国家戦略特区で認められている言葉で、当初は3地区で実証実験的に実施されていた。
その結果が2020年8月から医薬品医療機器等法(薬機法)の「オンライン服薬指導」として始まっている。
「遠隔服薬指導」では離島、へき地に居住する者に対し、対面で服薬指導ができない場合に限り、テレビ電話による服薬指導(遠隔服薬指導)が可能としていた。
今は「遠隔服薬指導」は役目を終わり、「オンライン服薬指導」に切り替わっている。
それが今でも各種国の会議や審議会では「遠隔服薬指導」として議論されている。
はっきり言って混乱を招く。
さらにコロナ禍での「0410対応」がさらに面倒なことにしている。
同じように議論されている問題として「リフィル処方箋」がある。
これは中医協の場で日本医師会の猛反対にあい、厚生労働省が苦肉の策として「分割調剤」として認めさせている。
ご存じのように3分割だと4枚綴りの面倒な処方せんである。
基本的な考え方や使われ方はどちらも大差はない。
医師会のメンツを立てただけの茶番なテクニックだ。
それはそれでどうでもいいことであるが、皆さんに問いたいのは「リフィル処方箋」に賛成か反対かである。
4月15日に行われた財政制度等審議会の社会保障等の医療の「薬剤費の適正化」を示した資料を見ていただきたい。(P59)
そこには「多剤・重複投薬、長期処方への対応①」の資料に「リフィル処方せんに関するアンケート」がある。
それによるとリフィル処方せん導入に「賛成(32.2%)」「どちらかというと賛成(48.2)」となっている。
要は8割以上の人がリフィル処方せん導入に賛成と考えられる。
リフィル処方せんは国民のニーズがあると考えられるのではないだろうか。
そして、これは薬局の問題であり、薬剤師が取り組む大きな課題でもある。
因みに、この部分はあえて「処方せん」とした。
財政制度等審議会では「処方箋」とはなっていない。
これもおかしな話だ。
先日、日本薬剤師会会長の定例記者会見での発言がメディアに掲載された。
記事からなので正式かどうかはわからないが、リフィル処方箋に対して「患者が安心して使える仕組みができるか」とある。
私は安心させるのが薬剤師ではないのかと思う。
そして「いま飲んでいる薬をそのまま投与していいか、そうではないか、薬剤師が判断を迫られることになる。それが時として診断と取られないように十分に注意しないといけない」と何が言いたいのか、責任逃れをしたいのか。
なぜこうなるのか私には理解できない。
さらに日本薬剤師会では、リフィル処方箋に関して「煮詰めていない」との発言もあったようだ。
8割の国民が何らかの形で賛成していることに、なぜ煮詰めないのか、いつに詰めるのか。
薬剤師に取ってリフィル処方箋とは関係ない存在なのか。
これでいいのかと感じてしまう。
「診断」を避けるなら一般薬など売れない。
薬剤師はオーバーザカウンターで「あなたには、このお薬がいいですよ」と言ってはいけないのか。
と、思ってしまう。