医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

かゆいところの手

2017-05-11 06:21:18 | 薬局
ここにヒントあり。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)における、2015年1月から16年8月末までの事故が、3,362件だったことが報道された。
サ高住は国土交通省の管轄で、制度上の問題がないかどうか改善に乗り出すようだ。

事故の内訳は骨折が40%、けがや病気が26%、薬の配布ミスなどが7%、死亡が7%、行方不明・徘徊が5%で、その他が15%となっている。
死因の内訳は病気・衰弱が36%、誤嚥が16%、自殺が10%、入浴中が9%、転倒・転落が7%、その他・死因不明が22%となっている。
ここで注目して欲しいのは骨折と薬の配布ミスである。

サ高住に限らず高齢者施設で注意したいのが骨折である。
特に女性は骨粗しょう症になると骨折しやすくなる。
あらかじめ骨粗しょう症だと診断され、分かっていて骨折させた場合と、知らずに骨折させてしまった場合では責任の所在が面倒になる。
骨粗しょう症だと分かっていた場合は、家族などに骨折する危険があることを知らせておくと、家族も納得してくれる。
ところが知らずに骨折した場合は、家族は"鬼の首"を取ったように管理責任を問う事もある。
まさに、鬼の首ではなく家族が鬼になる。
そして、出てくるのが「誠意を見せろ」である。
高齢者施設では入所者が骨粗しょう症になっていないかどうか、こまめに確認する必要がある。
そこに目を付けた薬局は定期的に高齢者施設を回って、無料で骨密度を測定するサービスを始めているところもある。
話は変わるが牛乳屋さんも骨密度計で骨密度を無料で測ってくれるところがある。
しかも牛乳が無料で配られる。
実は、高齢者で牛乳を飲む人が増えているそうだ。

薬局に関係する薬の配布ミスは7%しかないが、骨折の40%とけがや病気の26%の合わせた66%は薬に関係する。
実際には薬の配薬ミスはもっと多いと思われる。(新聞が配布だった)
なぜ配薬ミスが生じるのか。
ここに薬剤師の関与が大きいが、意外に薬剤師はお届けはするが、実際に服薬時の配薬の様子を見た薬剤師は少ない。
これでは提案など出来ない。

高齢者施設のスタッフは医療とは無関係な人が多い。
特に、サ高住には看護師もいない。
薬に対する知識も病気に対する認識もない。
特定施設には入所者30人に1人の看護師の配置があるがサ高住にはない。

いざ事故が起きるとかなり面倒なことになる。
事前に、高齢者施設での薬の使い方や病気に対する知識は欠かせない。
言い訳が通用するとは思わないが大事なことだ。

因みに、サ高住とは食事付のアパートの様なもので、介護サービスは外部の介護サービス事業者からとなる。
もちろんケアマネジャーのケアプランが必要になる。
サ高住には安否確認と生活相談を担当するスタッフ1名しか配置されていない。
ここにも利用者の勘違いがあるかもしれない。
食事付のアパートなので自分の事は原則自分で行う。
すべてのサービスを受けられるのは特定施設である。

で、サ高住の攻略が分かったかな。





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コメント (2)
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