医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

時間がたっぷり

2017-05-02 04:59:17 | 薬局
用心に勝る対応はない。

6月は「経済財政運営と改革の基本方針」が出て来る。
これがいわゆる「骨太の方針」である。
私のセミナーでは2014年の内容から追跡している。

2014年の「骨太の方針」には「医薬分業の下での調剤技術料・薬学管理料の妥当性・適正性について検証する」とあり、明らかに医薬分業そのものを見直すと宣言している。
これを検証し国が意図する考えをいち早く分析する。
そして対処しなければならなかった。
ただ悲しいかな日本薬剤師会には“シンクタンク”がない。

医薬分業のどこを見直すのかであるが「調剤重視から服薬管理・指導重視への転換を検討する」と続く。
言い方を変えると「調剤料」を下げて「服薬管理指導料」を上げるとなる。
これがのちの「対物業務から対人業務」または「薬中心の業務から患者中心の業務」につながっている。
結果として、2016年度の改定では「調剤料」がわずかに引き下げとなる。
ここには何らかの政治的配慮を感じている。
「服薬管理指導料」としては「重複・相互作用防止加算」などが引き上げとなる。
さらに「かかりつけ薬剤師指導料」もこの範疇である。

この他に「一定期間内の処方箋を繰返し利用する制度(リフィル制度)等について」とリフィル処方せんの容認を求めている。
これは2016年の調剤報酬改定では見送られた。
ところが今年4月6に行われた「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」では、「医師との連携の下、薬剤師等によるリフィル処方への対応を可能とし」と再燃させている。
この会議の所管は、薬局の将来を左右させる”医薬・生活衛生局”である。

後発医薬品対策についても書かれている。
1つには後発医薬品への切り替えが進まない先発医薬品である。
こちらは切り替えが進まない先発医薬品の薬価を通常より2.0%、1.75%、1.5%追加して引き下げる、いわゆるZ2(ゼットツー)と言われる仕組みの強化がある。
その結果、大手製薬メーカーは特許期間が切れた段階で手放すことになった。
それが武田テバである。
MRを使って薬価防衛をしても制度的に引き下げられる。
高給取りを無駄には出来ない。

もう1つは後発医薬品を始めから低い薬価にしてしまう事である。
後発医薬品が新しく薬価が付く時に、今までは6掛けまたは10社以上の参入がある場合は5掛けからスタートだった。
それが2016年からは5掛け、4掛けになった。
国は後発医薬品の使用割合の強力を進めているために医薬品費は必然的に下がる。
インセンティブも出している。
上手く乗せられている。

さらに「セルフメディケーションが進むよう」とスイッチOTCを進めようとしている。
そのお手伝いを「健康サポート薬局」にさせようとしている。
その前に医者の石頭を少し叩いた方がいいと思うが。
3月30日に行われた「第1 回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」の中の「薬局機能情報提供」やKPIには「健康サポート薬局」の研修修了者の配置が入っている。
あえて「健康サポート薬局」になって欲しいではなく研修修了者である。
これはOTCについて、どこの薬局に相談しても対応できる体制への足がかりである。

そして「薬価調査、更には薬価改定が2年に1度となっている現状の下で」と、毎年薬価改定をこの段階で匂わせている。
これが2014年時点で閣議決定した「骨太の方針」である。
たかが厚生労働大臣程度では覆せない。

何事にも変化には予兆がある。
それに気が付けるかどうかが大切になる。





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コメント (2)
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