「宮永愛子展 - 景色のはじまり 金木犀 - 」 ミヅマアートギャラリー

ミヅマアートギャラリー
「宮永愛子展 - 景色のはじまり 金木犀 - 」
4/21-5/28



金木犀の大きなベールが見る者を優しく包み込みます。ミヅマアートギャラリーで開催中の宮永愛子個展、「景色のはじまり 金木犀」へ行ってきました。

作家プロフィールについては同ギャラリーWEBサイトをご覧ください。

宮永愛子 MIYANAGA Aiko

最近では2009年に同ギャラリーで個展を開催した他、同年の国立新美術館のアーティストファイルにも出品がありました。

さて宮永というとナフタリンのイメージがありますが、今回のメインの大作はそうではありません。

入口すぐのフロアに吊るされているのは、まるでレースのカーテンのような質感をたたえた薄いベールです。長さ15メートル、また幅4メートルにも及ぶ巨大なベールは、あたかも内側に光源を持つかのように淡いアイボリーの煌めき仄かに放っていました。その表情は温和です。まさに来場者を包み込むように靡いていました。

そしてそのベールの素材こそが金木犀です。宮永は何と6万枚にも及ぶ金木犀の葉を特殊な溶液に浸し、さらにはスポンジでこすって葉脈のみを残して、のりでひたすら繋げました。

ベールの中には実際に立ち入ることも可能です。内側と外側を遮るベールは限りなく薄く、また透明で、今にも崩れ落ちてしまうかのように脆く連なっています。いつか消えてしまうような儚い面持ちは、やはりナフタリンの作品と共通するのかもしれません。

奥の小部屋では、新美のアーティストファイルにも出品されていた器の作品と、時計を用いたナフタリンのオブジェも展示されていました。こちらは耳を澄まして味わいたいところです。

如何せん繊細な作品であるので当然ながら叶いませんが、この金木犀のベールを屋外に出して、太陽の光を受けとめている姿を見たいとも思いました。

展示に際しての宮永のメッセージにも是非目を通してみて下さい。

宮永愛子展「景色のはじまり - 金木犀 - 」

今週の土曜、28日まで開催されています。

「宮永愛子展 - 景色のはじまり 金木犀 - 」 ミヅマアートギャラリー
会期:4月21日(木)~5月28日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2階
交通:東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅出口5より徒歩5分。JR線飯田橋駅西口より徒歩8分。
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