極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

壺の中の霧

2012年09月03日 | 環境工学システム論

 

 

  霧のカレリア 【五木寛之ノベリスク】

 

 

テレビを見ていたら、突然見覚えのある顔がどアップで映し出されていた。NHKの番組「ル
ソンの壺」。
その前に、ルソン壺は安土桃山時代に、大阪・堺の商人、呂宋助左衛門(るそん・
すけざえも
ん)が文禄2年(1593)フィリピン・ルソン島で使われていた壺を大量輸入し、豊
臣秀吉や千
利休がルソン壺を高く評価したため豪商や大名が争って求めるお宝となり、助左衛
門は巨万の
富を築いたというもの。関西には独創的な発想でビジネスチャンス(=現代のルソ
ン壺)を見
つけ、成功を収めている企業が数多く「元気な関西企業の着眼や発想に迫りたい」
という思い
が込められているという。大河ドラマ『黄金の日々』(原作、城山三郎)で六代目
市川染五郎
が、納屋助左右衛門役を演じている。ところで、その人物とはスプレーノズルのメ
ーカー「いけ
うち」の社長だが、いけうちは“霧”を工業製品として規格化し、販売すること
で成長。きっ
かけとなった水粒の直径の平均が10ミクロン以下という世界最小の「濡れない
霧」を作り出
すノズルを開発。乾燥による静電気の発生を嫌う精密機械や電子部品工場などで
加湿に使われ
いて、いまでは、冷房や感染症予防、農業などにも霧の活用の場をそのウイング
を広げる、オ
ンリーワンのノズルメーカーが登場する。




1982年彼に相談を持ちかけ、節水型のプロセスノズル開発を依頼したのがその契機で、長尺型
二流体の試作依頼が最後の仕事だった(ボクシングの長谷川穂積を知ったのもこのときだ)。
なんとも懐かしい。ところで、水粒子の微細化は、加圧噴霧以外に、超音波や静電噴霧、プラ
ズマ放電方式などがある。静電噴霧方式はエレクロスプレーと呼ばれ、液体表面に高電圧を
け静電気力で液体を分裂破砕させるもので、ナノe(イー)などとよばれる除塵・殺菌・イ

ン中和装置とし家電メーカから売られていて、農薬散布、静電塗装、塗膜形成、量子合成、

アロゾルの発生、燃焼、薬剤吸入などの分野に応用されていて、とりわけナノテクノロジー

分野で重要な役割を担っている。ここでは、昨夜の続きでの水の微細化でなく、表面エネルギ
つまり、霧に因み、表面の全エネルギー(自由エネルギー+拘束エネルギー)と大規模気候変
動について考えてみる。




 
ここで、地球の対流圏に存在する全飽和水蒸気量を仮に求めるとなると、
全飽和水蒸気量Q=対流圏の高さ×地球の総表面積×平均温度の飽和水蒸気量となり
Q=103×51012×15.4-3=abt78×1012トン(78兆トン)となる。
但し、平均気温18℃
対流圏(大気境界層高さ)として計算。これが気温0.1℃上昇したとして、
同じように
飽和水蒸気増加量を求めると、0.51兆トンとなる。

さて、ここで水蒸気が凝集した水滴の粒径を決める前に、微粒化特性についておさらいしてみ
よう。液滴径1/αに微粒化した場合、総表面積はα倍となり「熱・物質移動速
度」は大きくな
る(→気象変動が大きくなる?)。また、液滴数はα3 倍になれば、
広範囲に均一分散する(
→気候変動の範囲が広くなる?)。液滴径1/αに微粒化した
場合、質量は1/α3倍となり運動
量交換が促進される。(→気象変動が大きくなる)。
 つまり、たった0.1℃上昇しただけで、
大気中の蒸気量が0.65%増加した上、下表の様に平均温度が上昇すれば幾何級数的に増加する。




そこで、平均粒子径が問題となる。粒子径が温暖化により微細化に変動することになれば、前
述した仮定のようにさらに大規模な気候変動を加速する方向に動く。海洋の変化等を考慮すれ
ばなおのこと複雑な動きとなろう。逆に、平均粒子系が大きくなればブレーキとなり見積もり
の気象変動は小さくなるだろう。そのような対策、粒子径を大きくする大規模な手段(システ
ム)を考えておくことは一顧だに値するのではないだろうか。有り触れているかも知れないが
森林面積を拡大することでそれを助長する働きを期待できるかもしれない。今夜は「霧のいけ
うち」を「ルソンの壺」の中に発見し、そんなことを考えてみた。
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カーボンナノチューブの宇宙 | トップ | ピンクの沢庵と奢れる平家 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

環境工学システム論」カテゴリの最新記事