極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ビル中の大山椒魚

2012年11月19日 | 環境工学システム論

 

 

 

【デジバイ融合のイメージ】

杉野昇著『IT&バイオ入門』オーム社をもとにした「デジタル&バイオ入門」の「デジバイ融合」
のイメージをまとめると下図のようにメモしてみた。技術要素還元すれば、デジタル工学と生物工学、
そして微塵(ナノ)工学(※>ネオコンバーテック)の3つからなる。それを図の上部では科学技術
史から関連群項目順に配置した。これでみると、ゲノム医技術は1950年以降発展してきたことがわか
り、デジタルでは電気通信技術史は断念ながら表記していない(参考『デジタル革命渦論』)。図の
下部には、デジタル工学上の電気エネルギー(左)と生物工学上の水素イオンエネルギーの対概念を。
また、図の中段にあるゲノム医科学の脚部に関連する成長産業分野を表記した。さらに、ここに表記
していないものとして、脳科学とコンピュータ(電脳)および生体(態)科学とロボット(超精密機
械工学→※MEMS)の関連図が配置されず中途半端となっている。

 【ヒートする機能性肌着競争】

環境配慮設計は肌着(インナー)産業にも強く影響、かつ、ウォームビズ、節電省エネの機運からも
追い風となっている。この「ヒート*」「*ヒート」などで表される商品群、つまり吸湿発熱繊維は、
人体から1日約 800mlの水分が水蒸気として発散され、その水分(湿気)を繊維が吸着することで、
熱エネルギー変換され、発熱(凝縮熱・吸着熱・水和熱)し、綿や羊毛などの繊維は元々、汗や水分
の吸収時に水和熱が多く発生する性質を持ち、これらをを上回る吸湿性を持つ特殊な綿やレーヨン、
合成繊維が研究開発されている。2003年にユニクロの「ヒートテック」発売がはじまり普及。肌着の
役割には、吸湿性だけでなく、繊維の水分をすばやく拡散させる速乾性も必要とされている。




上記の商品のなかで、遠赤外線反射性無機粒子を0.5~5.0質量%含有した繊維を、熱板法による遠赤
外線遮蔽指数が5.0以上である遠赤外線遮蔽布帛(ふはく)。上記の遠赤外線反射性無機粒子を含有し
たアルカリ難溶成分を芯部に、アルカリ易溶成分を鞘部に配し、かつ芯鞘比率が質量比で芯/鞘=6
/4~9/1である芯鞘型複合繊維の布帛を作成し、その後にアルカリ減量処理を施し、繊維の表面
部に遠赤外線反射性無機粒子を顕在させ、日陰や曇天下、低温雰囲気下でも保温性があり、かつ、摩
耗などの耐久性をもち、着用快適性にも優れる遠赤外線遮蔽性布帛(ふはく)のユニチカ社の機能性
肌着繊維に注目してみた。
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※布帛(ふはく)とは、棉、麻、絹、(またはそれらを混合したもの)を原糸とする布、織物といっ

た繊維製品の総称である。 特にブラウス、ワイシャツ、作業着などの衣料品の材料として用いられ
るブロード、シーチングなど比較的薄手の繊維製品を指すことが多い。

※芯鞘型複合繊維の芯部の軸方向に対して垂直方向に切断した断面形状の表面に3個以上の突起部を
有する形状とすることを特徴とする。

※アルカリ減量処理処理に使用するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム(ソーダ灰)等が挙げられ、オリナックスAM-85(明成化学工業社製)、センカバッ
ファー85(センカ社製)のような複合アルカリ剤でも良く、アルカリ減量処理の温度は、80~100
℃が好ましい。

 

物質に遠赤外線が照射されると、共鳴吸収現象により分子の伸縮振動、変角振動が激しくなり、その
振動に
より摩擦が増大し摩擦熱が生じ、遠赤外線のエネルギーが熱に変換。人体に遠赤外線が照射さ
れると、身
体の内部にまで働いて熱エネルギーに変わるため、体内を芯から暖める効果があり、衣服、
寝具等の繊維製品においても遠赤外線を利用した保温素材が多く考案されているが、例えば、
芯部に
遠赤外線放射性物質を含有した芯鞘構造の繊維は、遠赤外線放射量が微小であり、また保温性が必要
とされ20℃以下の低温雰囲気下では遠赤外線の放射量が減少し、繊維の鞘部を構成するポリマーに遠
赤外線が吸収されるため、保温性が不十分であったり、
遷移金属炭化物や酸化アンチモンをドーピン
グした酸化第二錫等を繊維中に含有させ熱エネルギーを遠赤外線に変換して放射する保温性布帛では
太陽光の照射下では十分な保温性を有するが、非照射時や日陰では十分な保温性を得ることは困難で
あったり、
バインダーを用いたり物理蒸着を行い遠赤外線放射性粒子を付着させた方法があるが、こ
れらも遠赤外線放射性粒子から放射される遠赤外線量が微小であり、保温性が必要とされる20℃以下
の低温雰囲気下になると遠赤外線の放射量が減少し、バインダー等による布帛の硬化や付着面の粗面
により着用快適性劣る。



一方、人体から放射されている遠赤外線量は、遠赤外線放射性物質から放射される遠赤外線量と比較
すると格段に多く、また低温雰囲気下においても放射量の減少が少ないため、人体から放射される遠
赤外線を反射させ衣服内で遮蔽する保温素材には、アルミニウムなどの金属を蒸着した布帛を裏地と
して用いることで、人体からの遠赤外線を衣服の裏地表面で反射させ、衣服の外へ逃げる熱を減少さ
せ保温効果を高める技術もあるが、蒸着加工にともなうコストアップや蒸着加工前の準備工程の布帛
の微妙な取り扱いで蒸着斑が発生し、また着用時あるいは洗濯時の屈曲や磨耗に起因する蒸着金属の
脱落し保温性が低下するという問題がある。

※遠赤外線遮蔽指数=(熱板表面温度-布帛表面温度A)/(熱板表面温度-布帛表面温度B)

※実施例と比較例の特性評価

 ※(実施例1アルカリ難溶成分として、相対粘度が1.38のポリエチレンテレフタレートに遠赤外
線反射性無機粒子としての平均粒径1.0μmの炭化ジルコニウム(ZrC)粉末1.2質量%を添加した
ものを使用した。またアルカリ易溶成分として、5-ナトリウムスルホイソフタル酸2.0モル%と、
分子量6000のエチレングリコール6.0質量%とを共重合した、相対粘度1.44のポリエチレンテレフタ
レートを使用した。これらのアルカリ難溶成分と易溶成分とが質量比率で難溶成分/易溶成分=8/
2となるように調整し、紡糸温度290℃、吐出量43g/分、紡糸速度3500m/分で、48孔のノズルプレ

ートを使用して紡糸して、アルカリ難溶成分が芯部に配されるとともにアルカリ易溶成分が鞘部に配
され、かつ芯部の横断面が円形である芯鞘構造の半延伸糸を捲き取った。続いて、得られた半延伸糸
を延伸し、84dtex48フィラメントの延伸糸を得た。この延伸糸を用い、経糸密度148本/2.54cm、
緯糸密度100本/2.54cmの平織物をウォータージェットルーム織機で製織した。この織物を、ジェ
ットスチームソーパー(内外特殊エンジニアリング社製)により95℃にて精練を行った後、液流染色
機を用い、苛性ソーダ10g/リットル、90℃、30分のアルカリ減量処理を行った。アルカリの残留が
無くなるまで水洗し、150℃で乾燥した後、180℃×1分のプレセットを行った。さらに、液流染色機
中にて下記の処方1で130℃、30分間染色し、続いて下記の処方2で80℃、20分間還元洗浄を行った後、
150℃で乾燥し、170℃×1分のファイナルセットを行うことで、実施例1の遠赤外線遮蔽性織物を得
た。得られた織物は、経糸密度156本/2.54cm、緯糸密度105本/2.54cmであった。また、遠赤外線遮
蔽指数の評価に用いるために、前述のJIS L 0803に準拠したポリエステル標準白布を用い、この白布
に対し、遠赤外線遮蔽性織物の場合と同様に、液流染色機中にて下記の処方1で130℃、30分間染色し、
続いて下記の処方2で80℃、20分間還元洗浄を行った後、150℃で乾燥し、170℃×1分のファイナル
セットを行った。
処方1
分散染料:DianixBlack HG-FS(200%) 4%cmf
(ダイスタージャパン社製)
分散剤:ニッカサンソルト SN-130 0.5g/リットル
(日華化学社製)
酢酸(48%) 0.2cc/リットル
処方2
苛性ソーダ 1g/リットル
ハイドロサルファイト 1g/リットル
サンモールFL(日華化学社製、ノニオン系活性剤) 1g/リットル
実施例2
芯部の繊維の断面形状を図1に示されるような突起部と細溝部が交互に分布した20葉断面に変更し
た。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2の織物を得た。
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※参照「吸湿発熱素材衣料」



【ビル中の大山椒魚】 

予定の打合わせを終わらせた後、その彼と京都水族館で暫く秋の京都を楽しんだ。京都水族館は、日本の京
都市下京区にある梅小路公園内の水族館だ。2012年3月14日に開業した内陸型水族館であり、日本初の完全な
人工海水利用型水族館として知られ、京都駅に近い梅小路公園の核となる施設の一つで、オリックス不動産
が公園の一部と隣接地を京都市から貸借する形で管理・運営しているという(総合管理業務は大京グループ
内ビル管理事業会社のオリックス・ファシリティーズ株式会社が、運営業務はオリックス水族館株式会社が
行う)。地元を流れる鴨川に生息する国の特別天然記念物・オオサンショウウオを始め、ゴマフアザラシや
ケープペンギンなどを含む動物約250種・総数約1万5000匹を展示している。水槽総容量は約3,000t。全水量
中の約90%に及ぶ必要海水量は、設計と建設を手掛ける大成建設の高性能濾過システムによって生み出される
人工海水で全て賄う。 建築物は地上3階建て・塔屋1階建て、建築面積5,948.25m²、延べ床面積10,974.29m²、
最大収容人数5,000人。建築費は約60億円(総投資額は非公表)。初年度は200万人の入場者を目指している。

ファイル:Kyoto Aquarium 20120526-001.jpg

ところで、1970年代にペットや食用で持ち込まれ、野生化したとみられるオオサンショウウオが、この水族
館に持ち込まれ展示されてはいるが、増え過ぎかといって殺せず、展示プールに、鴨川から連れてきたオオ
サンショウウオ36匹がひしめくように展示されている。いずれも交雑種や外来種で、国の特別天然記念物に
指定される日本固有種の保護調査のため捕獲したものの行き場のない「やっかいもの」たちだ。奥の水槽に
もプールに入りきらない22匹がおり、さらに別の施設にも160匹が暮らす。貴重な生物なので安易に殺すこと
もままならず、市は多額の餌代を負担しながら頭を悩ませている。鴨川で急増する中国産と日本固有種の交
雑調査に取り組む京都市が捕獲した。昨年度は125匹を捕獲。固有種は23匹で96匹が交雑種、6
匹が外来種だ
ったという。日本固有種が激減し、中国産との交雑が急速に進んでいることが判明したのは京都大の松井正
文教授(動物系統分類学)らの調査がきっかけだったいう
。 

 

 

 


※ DNA解析による外来種チュウゴクオオサンショウウオの生息確認

こんなことを知るきっかけになったのも 、実行動がもたらしたもの。世の中その意味では大きいことを追体験する。日
本初の完全な人工海水利用型水族館であることは「浸透圧制御」を数年前に畜養バイオ事業の関係で知っていたこ
とだ。そういえば、その彼と、20数年前「ナマズの畜養事業」の調査がてら、京都北白川の日本鯰専門料亭
『十壱』で生前の田中豊一と実弟と堪能したことがあったことを二人で思い出を懐かしんだ。

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