極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ソーラーセル解体新書

2011年11月26日 | ネオコンバーテック



【ヘーリオスの強力な矛】

三菱マテリアル株式会社は、薄膜Si太陽電池に塗布することで、従来の真空成
膜と同程度の変換効率が得られるナノサイズ粒子を分散した電極用インク
Ag
ナノインク、ITO(インジウム スズ 酸化物)ナノインク、シリカインクを開
発した発表。この電極用インクは、薄膜Si太陽電池のSi層に塗布することで、
裏面電極の厚さサブミクロンオーダーの薄膜を形成することができ、厚さがミ
クロンオーダーのSi、Ag、SnO2等の積層体であり、現在主流のSi結晶型太陽電
池と比べ下記の4つの点で有利な特徴をもつ。

1)Si使用量を1/100程度に削減することができる。
2)エネルギーペイバックタイムが短い。
3)化合物半導体型薄膜太陽電池と比べテルルなど原料使用制約を受けない。
4)多数の真空成膜装置の必要がなく初期投資コストが小さい。

今回当社が開発した電極用インクを用いることで、太陽電池メーカーにとって
は更なる低コスト化が進み、今後拡大が予想されるメガソーラー需要への貢献
が期待できるという。

さらに、今回の開発については、11月28日から12月2日に福岡市にて開催され
る太陽電池に関する国際学会である21st International Photovoltaic Science
and Engineering Conference (PVSEC-21) にて発表予定。また、この電極用イ
ンクは、大日本スクリーン製造株式会社が開発したリニアコータRを用いて、
1.4m x 1.1mサイズの大型ガラスに、安定して成膜することが可能だという。
また、11月28日から11月30日に上海で開催される太陽電池に関する技術セミナ
ー及び展示会であるPV China 2011にて発表する予定だという。三菱マテリア
ルでは、現在電極用インクを太陽電池をはじめ、LED、有機EL、機能フィルム
などの様々な分野へ展開するための開発を進めるとともに、今後も太陽電池を
はじめとするエネルギー・情報エレクトロニクス関連製品・部材を製造するた
めの塗布・印刷材料の開発・製造・販売に注力していくとのこと。


 

これまでは、フレーク状導電性フィラーの含有量を少なくすることで良好な導
電性を得るために導電性ペースト中に含まれるフレーク状導電性フィラーの径
(フレーク平面の最長長さ)を6~8μm程度の比較的大きな導電性フィラー
を使用していたが、導電性ペーストをスクリーン印刷法等を用いて印刷する際、
微細なパターン印刷が困難だった。従って、電極又は電気配線(=太陽電池の
集電極)の細線化、低抵抗化、狭い面積での高密着性、耐熱性、耐水性に優れ
た高信頼性の電極を形成できる導電性インク組成物の開発は重要課題であって
“ヘーリオスの強力な矛”となりうる。

三菱マテリアルの考案によると、これを解決する手立てとしては以下のものが
予測される。ただし、これらは、三菱マテリアル以外の新規考案も考慮したも
のであるので要注意(「高付加価値な太陽電池用電極インク」)。

1)導電性粒子、熱硬化性樹脂組成物、硬化剤、溶剤を含む有機系ビヒクルを
 含有する導電性インク組成物は、導電性粒子が、平均粒径が1nm以上百nm未
 満のナノ粒子と、平均フレーク径が0.1μm以上3μm以下であるフレー
 ク状銅粒子とを含有し、導電性粒子がフレーク状銅粒子をナノ粒子より質
 量割合で多く含有することを特徴とする導電性インク組成物である。
2)
ナノ粒子とフレーク状銅粒子との含有割合が質量比で(1:99)~(40:
 60)である。
3)ナノ粒子が、球状と球状以外の異方性の粒子とを含む。
4)熱硬化性樹脂組成物と導電性粒子の含有割合が質量比で(5:95)~(25:
 75)である。
5)熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物である。
6)硬化剤がイミダゾール類、第3級アミン類、又はフッ化ホウ素を含むルイ
 ス酸、或いはその化合物である。
7)塗布後、温度100~220℃の範囲内で加熱硬化する。
8)溶剤と熱硬化性樹脂組成物と硬化剤とを混合して有機系ビヒクルを調製す
 る工程と、平均粒径が1nm以上百nm未満であるナノ粒子と平均フレーク径
 が0.1μm以上3μm以下であるフレーク状銅粒子とをナノ粒子よりフレー
 ク状銅粒子を質量割合でより多く含有するように混合して導電性粒子を調製
 する工程と、有機系ビヒクルと導電性粒子とを混練してペースト化すること
 でインク組成物を調製する工程を含む導電性インク組成物の製造方法である。
9)透明導電膜と導電性反射膜の太陽電池用複合膜の記透明導電膜を作るのに
 用いられる組成は、Na、K、Cs、Mg、Ca、Sr、Al、Cu、Ti、
 Nb、Si、P、Ga、Sn、In、Ge、Sb、La、Ce、Pr、Sm、
 Eu、Gd、Ybなど1種、2種以上の添加元素の含有割合が導電性酸化物
 微粒子中の構成元素と添加元素の合計百モル%に対し0.01~20モル%である。
10)湿式塗工法がスプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、ス
 ピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、イ
 ンクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダ
 イコーティング法のいずれかであるである。
11)導電性反射膜と透明導電膜との接触面、対向表面から、平均深さ百nm以下
 の領域に出現する気孔の平均直径が百nm以下であり気孔の数密度が30個/μm
2
 
以下である。
12)シリカインク製法で、液体約0.1重量パーセントのシリコン/ゲルマニウ
 ムナノ粒子とを含むシリコン/ゲルマニウムナノ粒子の分散物でドーピング
 されたシリコン/ゲルマニウムナノ粒子は、約百nmを超えない平均一次粒子
 サイズと、その平均一次粒子サイズの約3倍を超えない体積平均二次粒子サ
 イズとを有す。
13)シリコン/ゲルマニウムナノ粒子を表面改質法で、分散用液体中にシリコ
 ン/ゲルマニウムナノ粒子を分散した物の中へ表面改質用組成物をブレンド
 し、シリコン/ゲルマニウムナノ粒子は、平均一次粒子サイズの約5倍を超
 えない体積平均二次粒子サイズを有し、シリコン/ゲルマニウムナノ粒子は
 約百nmを超えない平均一次粒子サイズを有する。実施態様によっては、表面
 改質用組成物は、シリコン/ゲルマニウム粒子表面と化学的に結合してナノ
 粒子表面に化学的に結合した表面改質部分を有する表面改質ナノ粒子を形成
 する。
14)シリコン/ゲルマニウムナノ粒子の堆積方法は、分散用液体とシリコン/
 ゲルマニウム粒子とを含むインクを印刷することを含み、インク中のシリコ
 ン/ゲルマニウムナノ粒子は、約75nmを超えない平均粒子サイズと、約150nm
 を超えない体積平均二次粒子とを有し、インクは室温で約4百mPa・秒を超
 えない粘度を有す。
15)表面積の約90パーセント以下を被覆する選ばれたパターンを有する基板表
 面を含む印刷した基板のパターンは、シリコン/ゲルマニウムナノ粒子を含
 み、ナノ粒子は、約百nmを超えない平均一次粒子サイズを有し、シリコン/
 ゲルマニウムナノ粒子は、一次粒子の少なくとも約95パーセントが平均直径
 の約40パーセントより大きく、かつ平均直径の約160パーセントより小さな
 直径を有し一次粒子サイズの分布を有す。
16)インクジェット印刷法に適するドーパントインク組成物に関し、インクは、
 約0.1重量パーセントから約20重量パーセントのシリカ/ゲルマニアナノ粒
 子の濃度を有する、分散用液体中にシリカ/ゲルマニアナノ粒子を分散した
 安定な分散物を含む。シリカ/グルマニアナノ粒子は、約百nmを超えない平
 均一次粒子サイズを有し、ドーパントインクは、約0.1mPa・秒から約百mPa・
 秒の粘度を有す。
17)液体とドーピングされたシリカ/ゲルマニアナノ粒子とを含む分散物は、
 ドーピングされたシリカ/ゲルマニアナノ粒子は、約1nmから約nmの平均一
 次粒子サイズと約5百nmを超えない体積平均粒子サイズとを有す。分散物は
 約0.1重量パーセントから約20重量パーセントのドーピングされたシリカ/
 ゲルマニアナノ粒子であるドーピングされたシリカ/ゲルマニアナノ粒子の
 濃度を有することができる。シリカ/ゲルマニアナノ粒子は、シリカ/ゲル
 マニアナノ粒子のシリコン原子に対して約1.0×10-7原子パーセントから約
 15原子パーセントのドーパント元素を含む。
18)
分散物形法は、ドーピングされたシリカ/ゲルマニアナノ粒子の集まりを
 液体とブレンドすることを含む。液体及びナノ粒子は、互いに適合するよう
 に選ばれる。ナノ粒子は、混合の後、約1nmから約百nmの平均一次粒子サイ
 ズと約5nmを超えない体積平均二次粒子サイズとを有し
、シリカ/ゲルマニ
 アナノ粒子は、シリカ/ゲルマニアナノ粒子のシリコン/ゲルマニウム原子
 に対して約1.0×10-7原子パーセントから約15原子パーセントのドーパント
 元素を含む。
19)基板表面の上にシリカ/ゲルマニウム粒子の堆積物形成方法は、インクの
 パターンをインクジェット印刷することを含む。一般に、インクは約1nmか
 ら約1百nmの平均一次粒子サイズと約5百nmを超えない体積平均二次粒子サ
 イズとを有するシリカ/ゲルマニア粒子を含む。
20)シリコン又はゲルマニウムを含む半導体基板をドーピング方法は、基板と
 接触している堆積物を加熱してドーパントを基板の中に移動させることを含
 む。堆積物は、ドーピングされたシリカ/ゲルマニア粒子を含む。ドーピン
 グされたシリカ/ゲルマニア粒子は、シリカ/ゲルマニア粒子のシリコン
 /ゲルマニウム原子に対して約1.0×10-7原子パーセントから約15原子パー
 セントのドーパント元素を含む。粒子は、被覆物を形成する前に粒子によっ
 て形成された分散物を基準として、約1nmから約百nmの平均一次粒子サイズ
 と約5百nmを超えない平均二次粒子サイズとを有す。

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【参考特許】

大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板は
過酷な熱負荷かかかる。このため金属板とセラミックス基板とが確実に接合さ
れことが大変重要だがこのパワーモジュール用基板を備えたパワーモジュール
や基板の製造方法の新規考案なのだが、セラミックス基板の表面に、アルミニ
ウム、アルミニウム合金の金属板を積層し接合したパワーモジュール用基板で
Zn、Ge、Mg、Ca、Ga、Liなどで固溶され、セラミックス基板との
界面近傍の前記の元素の濃度の合計が0.01質量%~5質量%以下の範囲内に設
定することで所望の品質を得られるものである。
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【リニアコータの話】

クリックすると新しいウィンドウで開きます  クリックすると新しいウィンドウで開きます



横幅に長い矩形の吐出口から塗液を押しだし二次元平面に展開するスリットコ
ータの特徴は、スプレー塗布などの従来法より塗料を無駄なく環境にも資源的
にも合理的な塗工法なのだが(上図の‘U’は塗布速度[m/sec])、大面積
に均一に塗布するためにコータをリニアモータ上で浮動させ移動するが、振動
など外乱(例えば、リニアモータのコギンググリップ=周期振動)の影響を解
消する設計が重要で「剛性とモーメント」つまりはこれをベースに微塵工学が
融合する世界にどっぷりと漬った領域でわたしの専門分野でもある。

【秋晴れの美し熱気球】

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すっかりおなじみとなったこの熱気球琵琶湖横断は、琵琶湖の西から東へと流
れる風に乗って、自然にあふれた雄大な琵琶湖を横断するイベントだ。今年も
全国の気球愛好家が集まりカラフルな気球が飛んだ。でも、高所恐怖症を直さ
ないとなぁ~と言いつつも、いいね、こころが広くなる。 ^^;
  

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実光院・瑠璃光院

2011年11月26日 | 国内外旅行

 

【音楽僧院 実光院】

実光院は本尊に地蔵菩薩像、脇侍には不動明王像と毘沙門天像を安置する。魚
山大原寺下院の本堂・膝株院の僧院で、勝林院は、長和二年(1013)に慈覚大
師円仁(天台宗の人唐求法僧・中国から仏教儀式音楽である声明を伝えた)の
九代目の弟子寂源が、天台声明を伝承するために建立した寺という。
聖応大師
良忍が来迎院を建立し、この地が天台声明の中心地となり、以後この二院を本
堂として魚山大原寺と総称するようになった。勝林院には実光院のぼかに、宝
泉院、普賢院、理覚院などの子院が建てられ、歴代の住職は日々天台声明の研
讃に励んできたという。実光院はじめ隣の大原陵(後鳥羽天皇・順徳天皇陵)
の地にあったが、大正8年に普賢院と理覚院を併合し、普賢院跡地である現
在地に移転する。現在の客殿は、大正10年に建てられ(庫裡は江戸末のものを
移築)欄間の二千六詩仙画像は、江戸時代中期の狩野派の画家の筆である。床
の間を始め、各所に楽器が陳列してあるが、これらはいずれも声明研究の一助
にと歴代住職が収集したもの。

Shorinin.jpg

旧普賢院庭園(契心園)客殿の南に広がる池泉観賞式の庭園。江戸時代後期の
作庭。心字の池に律川から導いた滝の水が流れ落ち、滝口の近くには蓬莱石組
がある。築山の松は鶴を、池の島は亀を表象している。また、築山には石造の
五重塔を配置し、池のこちら側を俗世間、向こう側を仏の浄土に見立てている。
旧理覚院庭園、客殿の西側一帯にある池泉回遊式庭園。理覚院が廃寺となり実
光院に併合された後、荒廃していた土地を当時の住職が作庭したものである。
中央にはひょうたん他があり、配置してある石の多くは寺領の山や谷から運び
こんだもの。西の金毘羅山や小塩山を借景に取り入れるために庭木を低く仕立
て極めて解放的な明るい印象を与えている。庭の西北隅にある茶室「理覚庵」
は昭和50年に建てられたもので、
桧の変本床柱を始め、材本のほとんどは実光
院領の山林から調達したもの。庭本には茶花を多く植え込み、観賞者の楽しみ
に供している。庭の中央にある。不断桜は例年初秋より翌年の春まで花を咲か
せる珍しい品種で、秋の紅葉の季節には観桜と紅葉狩りが一度に楽しめる。

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【天台声明の根本道場】

声明とは寺院で行われる法要儀式の中で仏教の経典などに節をつけて唄う仏教
音楽このこと。その起源はインドで紀元前仏教の発生と共にはじめられたとい
われ、梵唄とも呼ばれていた。この声楽が中国をへて伝えられたのは奈良から
平安時代にかけてという。これ以後仏教各宗派でさまざまな伝承が続き、現在
では天台声明と真言声明がその主流となっている。大原で伝承されている天台
声明は、魚山声明とも呼ばれ、平安時代に比叡山の高僧慈覚大師円仁が中国か
らもたらし、寺の山号となっている魚山の名称は、中国山東省にある声明の聖
地・魚山の名にちなむ
。慈覚大師の弟子寂源は’」の地に勝林院を建て声明の
興隆に努め、さらに聖応大師良忍が来迎院を建て声明を統一する
。多くのすぐ
れた声明家を排出し天台声明の根本道場として現在に至たる。声明には梵語(
インド語)・漢語・和語で唄われ、呂曲・律曲と呼ばれる旋法によって唄われ
るもの、拍子のある定曲や拍子のない序曲など、多種多様の曲がある。特に講
武と呼ばれる声明は、鎌倉から室町時代にかけて発生した語り物音楽である平
曲や謡曲に影響をお上ぼし、さらには浄瑠璃・義太夫節・長唄・清元など各種
の邦楽の源流であるといわれる。仏教とともに伝来した声明は、我が国の音楽
文化に多大な影響を与えた伝統音楽で、古典宗教音楽とし公演されている。

 

 
京都は大原勝林院へ大津から入り、麓の駐車場に車を止め参拝。昨日は見事な
秋晴れなのは良かったのだが、前日から咽喉を少し腫れた状態でオーバージャ
ケットを忘れたがこれが下山するころに祟ることに。三千院は観光客で溢れて
いて戻るころにはバスツアーの観光客がどっと押し寄せてくる。実光院の客殿
入口で銅鑼を鳴らし上がり、抹茶を頂きながら庭園鑑賞し散策を楽しむ。と言
ってもゆったりとした気分にはほど遠い。勝林院周辺の黄葉が土蔵の白壁に映
えているシーンを見つけると早速デジカメする。この他茶屋の棟庇越の紅葉シ
ーンが気に入り撮影したが結局この二枚がお気に入りとして残った(上の二枚
の写真)。

 借景を凝らした柿の下で

正午前でもあり、7キロメートルほど離れた瑠璃光院に車を走らせるが、新し
い隧道もでき便利良くなったことに感心しながら、民主党の前原誠司のポスタ
ーがやけに目立つ中快走させながら八瀬の比延口に到着するも駐車場がないの
で次回、観光客の少ない裏道を散策しようと約束し、京都は白川周りで山中越
えで大津は坂本に入る。湖岸沿い「ラ・メール」でランチタイムを摂ろうとす
るが咽喉部の炎症が悪化。敢えなく彼女と運転を交代し、近くの「徳兵衛」で、
DHA補給(「トロをめざして徳兵衛へ」)に大トロなどを美味しく胃に放り
込み帰宅する。



【竜王の前で間食する丸山の図】

 新しいスタイルの誕生か

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