極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

花水木とリフレ派宣言

2009年01月06日 | 時事書評

 

玄関の花水木越えシェルにきみ散歩帰りは冬の黄昏

メタボで会員制のジムに出かけようと玄関を出たとき、庭先のハナミ
ズキ越しに、愛犬のシェルと散歩の妻が帰ってきたが、互いに声も
掛けずにすれ違った正月の一齣を画にした。数年前、玄関先の小さ
な庭に、アメリカヤマボウシを植えたのだが、‘アメリカンハナミズキ’
として近くの園芸店で買ったと記憶している。英名では‘dogwood’だ
が、古語の‘dag’,‘dog’の木製串を‘犬の木’と誤解していた。それ
だけではない。ハナミズキは、ツミヤマグワ、カラグワ、イヌグワ、ノグ
ワ、ワランベナカセ、ナタギライ、サルナメシ、四照花、地蔵頭、団子
茨といった実に多くの別名があるという。四照花は歌人の佐藤佐太
郎、木俣修、宮柊二、鹿児島寿蔵の4人で結成されたとある。

夏ごとに木の暮れまぎれ見過ごししやまぼうし白白しろし       鹿児島寿蔵
花水木はなびらうすきあわれさよ雨のこずゑにひるがへりつつ   松本滋代
四照花二年花つけぬ些事ひとつをりをり思ひ梅雨あけとなる       佐藤佐太郎

夕暮れにあなたを想い見つめいる儚き恋よはなみずき

@「乙女短歌会」 

話はややこしくなる。樹皮や根皮を用い、整腸や強壮に効果があり、
17世紀頃には皮の煮汁を犬の皮膚病治療に使ったとされる。だか
ら‘dogwood’ではないのかと。しかも、ミズキ科ではない西洋サンシ
ュユ(山茱萸)とされていおり、最近の研究では霊芝などに含まれる
トリテルペノイド(ursolic acid, oleanolic acid)が抗ガン作用が確認
されている。この様に高性能なコンピュータが利用出来る現在では
炭素が30以上の複雑な化合物の構造が解析され新薬が開発され
人類に貢献していくことは間違いなさそうだ。

 

  トリテルペノイド。化学式 C30H50O、分子量
 は426.7。IUPAC命名法ではラノスタ-8,24-ジ
 エン-3-オール。別名ラノステリン

花水木 白く輝くその花を愛するひとよ幸せであれ

@短歌帖「月の竪琴」

1912年に当時の東京市からアメリカワシントンD.C.へ桜(ソメイヨシ
ノ)を贈った際、1915年にその返礼として贈られたのが始まりで、
花言葉の「私の想いを受けてください」、或いは「返礼」である。報
復、憎しみ、怒りの連鎖を断ち切るために、一青窈は『ハナミズキ』
という歌に込めたのは2001年の「10・11」がきっかけだと語っている。

■ 

濃き蒼の空に向かいてハナミズキ 手毬になりて 飛び立つ春に

@「乙女短歌会」 

大晦日の夜、日銀は恒例の今年引き受けの瑕疵国債を焼却した。

年末と年始は宮世話でゆっくりしたものではなかったが、大不況下
の正月に‘リフレ派宣言’を思いついた。国債の負担についての考
え方は、「公債を発行すると、それを償還するために、やがて増税
しなくてはならない。この増税が、自分の生きている期間のうちに
行われなければ、将来世代の人がその増税を負担する。」(「財政
赤字の正しい考え方」井堀利宏)からの呪縛を解放するためだ。

夕暮れの庭に明かりを灯すよに 咲いて揺れるや 恋ハナミズキ

@「乙女短歌会」

もっというと、還暦まで生かされた‘感謝’と‘返礼’からだ。そのた
めに何が出来るのかと考え、図書館の三冊の本、藤岡純一の『ス
ウェーデンの財政』、高橋洋一著『日本は財政危機ではない』、湯
本雅士の『日本の財政-何が問題か』を斜め読みしたり、「国債の
負担は、世代間所得移転ではなく、同世代内の所得移転若しくは
同世代間の官民の移転」とするリチャード・クー(野村総研)、小野
善康(大阪大)の反論、さらには、小宮隆太郎や‘財政規律(=増
税)派’の再反論など参考にと思ったもののもの足らない。確かに、
国債は赤字であろうと資産だろう。市場に出回ることで、‘サービス’
として機能すれば、富の源泉の‘労働’を生む。問題は‘労働’の結
果であり、その期待と落差だ。新しいケインズ派は公共事業を全面
否定せず公共事業の中身重視を主張するが‘メジャー’がない。そ
こでGDOデフレーターを基準に、国債に該当する‘サービス’を評価
基準(期間、対費用効果等)で測定し、該当’瑕疵サービス’分の国
債を日銀が引き受け、デフォルトつまり焼却・破棄。これを動的財政
策(Dynamic financial measures)と呼ぼう。これには所謂、「空売り」
のような‘抜け’を行う経済犯罪を伴うので、臨機応変な禁固刑を含
む重罰主義で臨む。‘厳密インフレターゲット’には、実質金利を反
映しない「IS-LM曲線」ではなく、要因と水準をもとにした非線形的な
数理解析による静的金融策(Static financial measures)をとる。

■ 

またひとつ季節がめぐり花ひらく百年つづく恋、ハナミズキ

@「乙女短歌会」

いずれにしても、君子豹変し、新自由主義派は一時退席だ。ジョー
ジ・ソロスもいかがわしい、リアルな市場は‘レモン’で、ハイマン・ミ
ンスキーはいまも健在で、二宮健史郎は注目に値する。ともあれ、
ハナミズキの花言葉は一応顕示したと思っているがこれは自惚れか。


 


 

 

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