さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

きずな~

2017-02-09 08:29:23 | 抜き書き

<わたしにはそれらの質問になにも答えられない。訊かれるたびにルークに正直にそう言う。教えてやれることはなにもないのだと。でも、保護区から家路につく前に、毎晩ルークに言うことが三つある。「ルーク」わたしは声をかける。「わたしはいつでもあなたを助けてあげる。そしてこれからもずっとあなたを愛している。いま言ったふたつのことは永遠に変わらない」そして毎晩、ルークも同じ言葉を返してくる。>ローズ・コナーズ東野さやか訳「霧のとばり」P343~344より

これは、わたしこと女性検事補とその17歳の息子ルークとのきずなをかたる一節です。

母と子の愛を感じます。

母と子のきずなが、この作品には、他に祖父と孫のきずなも出てくるが、世の中の礎であるという作者の思いが、この一節に、また作品全編に現れています。作品の原題Absolute Certainty(直訳;絶対的に確かなもの)も、この母と子のきづなのもう一つの表現なのでしょう。


戦時中、特攻隊員は「お母さん」といって敵の艦船に突っ込んでいったという。

最近は無謀運転の犠牲となったお子さんの親御さんの嘆き悲しむ様子がよくニュースに出てきます。

米国では親子関係を破壊する、女児幼児の性的虐待は、刑務所の中でも、囚人のなかでも最も許されないものとして、他の囚人から厳罰の対象となっている。


先月島根県で、学童の集団登校をボランティアで道案内していた73歳の方が、トラックから学童を守ろうとしてひき殺されたことがありました。この73歳の方、娘さんを交通事故で失ってからボランティアを始め、33年であったというから、この方と娘さんとのきずなも、この方の死にざまとともに、全国に伝わりました。皆さん共感しました。


世の中は変わりますが、母と子のきずなとそれをサポートするはからいは、社会のベースと、改めて、思う次第です・・・
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