NBR(The National Bureau of Asian Research)
のJapan-U.S. Discussion Forum が今月末で閉鎖が決まったそうです。
http://nbrforums.nbr.org/foraui/message.aspx?LID=5&pg=5&MID=43912
このサイトは25カ国からの知識人たち(日本学者、経済学者、政治学者、ジャーナリスト等々。実際は米国人がメイン)が日本の政治、外交等について議論をするもの。
このフォーラムについては、私のなかでは(フォーラムの目的自体が元はそうだから当たり前ですが)『日米同盟』が軸になっていることにひっかかりがあり、同時に「米国や英国、ドイツの政治や外交について外国人が提言するこうしたフォーラムなどは、まずないだろうな。」「自分の国の問題は棚にあげて!」と違和感や反感を持ったり、そして原発問題、核兵器問題についてのディスカッションでは「この人達は、日本の経産省や防衛省の手先か?」という意見で盛り上がっていることもあって辟易することもあったのは事実です。
しかし一方、『知日家』という高飛車な視線をもたずに貴重な提言をしてくれる人たちも存在しました。
(そうした人たちの多くは、日本の戦後処理(従軍慰安婦、教科書、靖国参拝)については批判的で、ここ最近はとくに領土問題についての日本政府の対応について懐疑的-だからこのフォーラムは一部の人たちから「外国人左翼の集まり」「白人至上主義的」とも言われてもいました。(彼らはこのフォーラムで、左翼系のニューヨークタイムズがたびたび槍玉に上がっていたことはどう思うのでしょう。)特にこのサイトを激しく批判していた人には、サンケイ出身の古森義久氏などがいました。))
それにしても、4月19日に発表して月末には閉鎖と言うこの突然さ(一応フォーラム運営者は、ソフトウェアのアップグレードにお金が掛かりすぎる問題、ハードワークであることをあげてはいますが、いきなり止めるのは不自然。募金集めの為のストライキでもなければ。)-米国側で、このフォーラムはもう不要(=日本はもはや重要ではない)と思ったのか、それとも日本政府からのなんらかの圧力があったのではないか、と訝ってしまいます。
(日本政府が圧力をかけるのは無理でしょうが、このNBRは実は日本の国際交流基金(外務省管轄)から援助を受けていたことがありました。こうした資金援助を打ち切るくらいのことはできるでしょう。)
しかしともあれ、このメンバーたちは、このディスカッション・フォーラムの存続、それが適わないのであれば、新たな場を探しています。
このメンバーは著名な日本研究者、エコノミスト、ジャーナリスト等々がほとんどで、彼らは無償で意見と同時に情報も発信してくれています。(逆にフォーラム運営のために寄付もしてきています。)
NBRでの存続が無理であれば、どこかでこのディスカッション・フォーラムを引き継いでくれる機関はないものでしょうか。『日米』ではなく、『日本フォーラム』と名を変えて。
(※NBRフォーラムは寄付金が18,000ドルに達したため、2014年末まで運営を伸ばすことを決定したとのこと。突然の閉鎖宣言は寄付金集めの脅しみたいにも思えますね・・・5月8日現在)