Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

加害者になってまでの経済成長は必要か

2011年05月21日 | 経済

本日の東京新聞朝刊の記事から:

枯れ葉剤「韓国の米基地に埋めた」

 【ソウル=辻渕智之】韓国紙、東亜日報は二十日、ベトナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤の残りを韓国南東部の在韓米軍基地内に埋めたと元米兵が証言し、韓国環境省が米軍側に事実確認を求め、調査に着手すると報じた。

 同紙によると、韓国慶尚北道漆谷郡にある米軍漆谷基地に服務経験のある元米兵三人が「枯れ葉剤に使う毒性物質を入れたドラム缶二百五十個を一九七八年に命令で穴を掘って埋めた」と米アリゾナ州の地方テレビ局の番組で証言した。ドラム缶は約二百八リットル入りで側面に「一九六七年ベトナム」「オレンジ(枯れ葉剤の別称)」などの文字が英語で書かれていたという。

 元米兵たちは首や背骨に重い関節炎などを患い、「後遺症だ」と主張。埋める作業時にも足がマヒしたり、はれて歩行不能になったりして当時、軍の病院で治療を受けたと話したという。

 韓国環境省は報道を受け、在韓米軍側に確認したところ、米軍側は「現在のところ過去の資料では確認できない」と回答。同省関係者は「二十日までに今後の調査計画を策定する」としている。

 東亜日報は、付近の地下水への漏出や、基地が韓国南東部の大河である洛東江の上流部にあるため釜山などの都市も含めた流域の汚染も懸念されると伝えた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011052102000025.html

米軍基地内(治外法権適用)とはいえど、米国が他国の土地に枯葉剤を埋めたことは現在話が進められている『日米のモンゴルへ放射性物質廃棄場プラン』と重なり、ドラム缶を埋める作業を命じられた兵士達は、『原発処理に携わっている下請けの人たち』と重なります。

前回のブログで、「何故経済成長を続けなければいけないのか」という問いの話をしました。その答えのひとつに、「個人レベルであれ、国レベルであれ、力のないものがいつも貧乏くじ(命や人間の尊厳を脅かされるくらいのものまで)をひかされるから、経済的に上位にいなければならないのだ」ということもあるのでしょう。しかし、「貧乏くじを引きたくないから、上位にい続けようとする」は理解できても、「上位にいるために、加害者になる」とまでなると、私には理解できません。

以前アメリカやオーストラリアのウランのことを考えていたときに、「先住民族の住む土地にウラン鉱山があるのはなぜか」と一瞬考え、直ぐに、「ウラン鉱山があるところはそもそも植物もきちんと育たないような土地なのだろう。そこに、彼らが白人に追い立てられ、そこに居住せざるを得なくなったのだろう。」と気が付きました。

現在は、そのままそうした不毛の土地の住民である先住民族は、ウラン採掘などで生計を立て、健康を害していく人も多いと聞きます。

(ウラン採掘場は日本の人形峠(鳥取)にありましたが、現在は閉山されています。)

「経済成長のために原発ビジネスは絶対必要。放射性廃棄物がでるから原発が売れないのなら、廃棄場を他所の国に作ってワンセットで売ろう」

「原子力発電なしには日本の産業界には大きな痛手。原発で出た廃棄物の処理問題がクリアしない頃からずっと日本が原発を作り続けたこと?いいんじゃないの。これからだって、増やしても構わないし、原発をなくす必要もない」

これらは政財界の主流の考えだと思いますが、「先を見ないで目先の判断だけで方向を安易に決めたり、自国の成長の為にモラルを欠いたことも是とする人たちが国を率いている状態が続いたら、いずれ日本は滅びるのではないか」と危惧します。

(日本だけでなく先進国の多くも反省すべきなのに、事態は変わらないばかりか、逆に新興国も同じような道をたどっています。本当に地球の未来は大丈夫なんでしょうか。)

参考:

①“インド東部・ジャドゴダ・ウラン鉱山の村”のキーワードで検索してみてください。

②モンゴル関係のブログ記事

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110509

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110510

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