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今後の闘い方について

2010年04月11日 09時40分42秒 | 職場人権レポートVol.1
 この間の急激な労働条件改悪を契機に地域労組加入に至った私ですが、余りこの件ばかりに拘っていると他の話題について書けなくなるので、この辺で一旦まとめる事にします。今までの経過についてご存知ない方は、お手数ですが、「正しくなくても切れざるを得ない時もある」「呂月庭容疑者の気持ちが良く分かる」「奴隷は何故、奴隷なのか?」「反撃準備完了」の4つの記事(とりわけ前の2つ)を、予め読んで下さる様お願いします。

 当初私は、何の権限も無い「下請け」の、自分の勤めている業務請負会社なぞ相手にせず、「労働強化の諸悪の根源」たる「仕事発注元」の大手スーパーに、何とか直接圧力をかけられないか考えていました。しかし、労組関係者と話を詰める中で、やはり大手スーパーは、私との間には何ら雇用関係がなく「当事者」たり得ない、「当事者=交渉相手」は、あくまでも私を直接雇用している「下請け」の業務請負会社である、という所に落ち着きました。

 ここで少しマクロの話をしておきます。
 私の勤めている業務請負会社は、契約社員(バイト)も入れれば数千人規模の会社です。この大手スーパーに限らず、全国各地で各企業の物流・運輸業務を請負っています。その中でも、この大手スーパーは上得意先に当たります。構内作業員のバイトや配送のドライバーも含めれば数百人からの従業員が、主に関西圏を中心に、当該スーパーの物流センターで働いています。
 その一方で、このスーパーには、取引会社(大手食品メーカー)系列の別の業務請負会社が、主に関東圏を中心に物流業務を請負っていました。謂わば、系列を異にする2つの業務請負会社が、当該スーパーの仕事を東西で分け合って来たのです。
 それがここに来て、スーパーの方で「下請けの一本化」を図りだしました。取引先メーカー系列の関東圏の子会社の方に一本化し、私の会社を外しにかかり出したのです。それに対して私の会社は、当初は撤退も考えていたものの、やはり「背に腹は代えられない」と、一次から二次下請けへの格下げや、一次下請けの賃金ピンハネで時給20円ダウンなどの、労働条件引き下げも甘受して、ともかく雇用確保最優先で動いてきました。それが、この間の労働強化の背景です。

 次に少しミクロの話をします。
 そういう事で、私が当該請負会社の契約社員として働いている物流センターには、昼勤・夜勤併せて100名近くの従業員が、シフト勤務で働いています。そのうちで、低温物流部門の昼勤シフト勤務者が、私も含めて約40名。うち請負会社の正社員が約10名。残りは全て契約社員で、早朝6時、同じく7時、8時からそれぞれ8時間勤務のフルタイム出勤者と、10時から14時ぐらいまでの学生・主婦パートが主体の短時間勤務者が、入れ替わり立ち替わり仕事に就いています。
 ここで日常業務を主導しているのが、所長を中心とした正社員と、私と同じバイト身分でありながらも、今までの経緯から現場チーフとして遇されてきた(良い様にこき使われてきた)一人の古株の契約社員です。まず正社員の方ですが、半分「名ばかり」です。完全な「名ばかり」とは違い、ボーナスや退職金は一応あるものの、ずっと現場に張り付いてバイトと同じ作業をこなさなければならない上に、作業管理や労務管理の責任も負わされています。そして古株の方も、こちらは典型的な「団塊の世代」で、かつて百貨店のモーレツ営業課長として鳴らした自負もあるのか、既に還暦を越えた身であるにも関わらず、「根性論」だけで現場を回そうとします。
 くだんの「名ばかり正社員」も「団塊の世代」も、人間的には決して悪い人ではありません。「団塊の世代」に至っては、ここでも私が森にされたのと同じ目にあったバイトがいた様ですが、その時も当人は最後まで被害者を庇い、加害者に断固たる処罰を要求していました。今流行の小説「蟹工船」に出てくる鬼監督・浅川の様な冷血漢ではなく、あくまでも「会社存続と従業員の雇用確保の為」を思って、しかし結果的には、発注元の大手スーパーや一次下請けの取引先子会社には何も言えず、そのしわ寄せをこちらに押し付けて来ているのです。正に「分断統治」を地でいく話です。

 以上が私の職場の状況ですが、これは、労組の人からすると、なかなか難しいケースなんだそうです。何故なら、一日10数時間も働かしたり、残業代や有給休暇を支給しなかったりといった、タイムカードや給与明細などで比較的容易に足がつく様な、明白な不当労働行為ではないのですから。現象として現れてきているのは、あくまでも「労働密度の濃さ」であったり、社員や古株の「物の言い方」(所謂パワハラ)であったりするのですが、これらは人によってそれぞれ受け止め方が違うでしょう。ある人にとっては「許容限度外」であっても、他の人にとっては「気の持ちよう」で終わってしまい、証拠としては前者よりも遥かに劣る。
 但し、休憩については、「8時間以上勤務に付き1時間以上の休憩」(労基法34条)では現場が回らないという事で、閑散期以外は「前・後半に30分ずつ分けて付与」の形になっており、これを違法労働・不当労働行為として告発する手がありますが、如何せん、タイムカードには反映されないので、証拠を押さえる事が出来ない。
 そして何よりも、他の従業員が、依然として奴隷根性に囚われたままで、私一人が突出した行動をとっても、自爆にしかなりません。しかも、それでスーパーから業務委託契約を解除されて、従業員が失職しようものなら、虻蜂にも成りかねない。

 斯く言う私自身も、そこまでしてまで、休憩時間を一時間一斉付与の形にまで持っていく事は、現時点では望んでいません。今の現状でいる限り、どう見ても適わない相談だからです。それについては、地道に人員増を要求していくしかないでしょう。それよりも、今の労働密度を何とか緩和して欲しい、古株の上から目線の「物の言い様」を何とかして欲しいというのが、大方の本音ではないでしょうか。しかしそれも、「あの古株さんも良かれと思ってやっているのだし・・・」という同情論も一方である(私も労働強化以前はどちらかというとその口だった)。
 私としては、まずはその「労働強化」や「物の言い様」に対して、その都度(決して後回しにしたりせず必ずその場で)、「俺らは確かに下請けかも知らんが、決して奴隷ではないぞ!」「上に何もよう言わんと、俺らばかりに当り散らすな!」と声を上げ、「このままではいかん、何とかしなければ」という事を、社員や古株に身をもって分からせていこうと思っています。
 幸い今の私は、その気になればいつでも辞めれるアルバイト。もう「いずみ生協」時代の様な「奴隷の我慢」は沢山です。言って聞かないのであれば、「労働強化」や「物の言い様」の記録保存と然るべき場への告発に進むしかないでしょう。まずは、彼の人たちの意識が変わらなければ、全然話が先に進まないのですから。その他にも、具体的なアドバイスがあれば、コメント欄やメールで、是非投稿をお願いします。
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