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渡部弁護士のよくわかる秘密保護法逐条意訳

2013年11月27日 19時12分44秒 | 何でも秘密ではなく積極的に情報公開
 

 渡部源(わたべ・げん)弁護士がご自身のブログで秘密保護法案の条文内容についてわかりやすく解説してくれています。勿論、この法案はまだ成立していませんので、逐条(ちくじょう=条文ごとに詳しく説明した)解説もまだ公式には出ていません。公開されているのはあくまで法案の原文だけです。
 しかし、その法案の原文がまたややこしいので困っていました。元々、法律の条文なんて大なり小なりややこしい物ですが、この法案は特に分かりにくい。やたら言い回しがくどい上に例外規定も一杯あって、とても最後まで読む気になりません。この「分かりにくさ」一つとっても、この法案がどうしようもない欠陥法案である事は明らかです。
 それでも「分からない、分からない」と言っていても始まらないので、何とか読みこなすにはどうしたら良いか悩んでいた時に目にしたのが、この渡部弁護士の逐条意訳でした。あくまで渡部氏個人の意訳なので、その点は割り引いて読まなければなりませんが、弁護士の手によるものなので内容に大きな間違いはないでしょう。先方ブログでは色文字やデカ字、マーカー等で条文と渡部氏の感想を区別していますが、そこまで再現していたのでは余りにも手間がかかってしまいます。ですので、フォントの色やサイズはもう今のままで、条文の先頭に●印を入れ、氏個人の感想部分も「氏コメント」の語句を挿入する事で、条文と意訳部分の区別を明確にしました。(ついでに私の感想も▼で述べさせて貰いました)
 尚、転載するに当って渡部氏本人の了解は取っていません。事後にでも直ぐに先方のブログにご挨拶(あいさつ)に伺おうとしましたが、あいにく先方にはコメント・トラックバックの欄がなく、連絡のしようがないので、やむを得ず無断転載させて戴きました。「知る権利」自体が侵されようとしている時に、もはや著作権がどうこう言ってられる場合ではないと判断しました。読まれる方は、あくまでも以上の点を踏まえた上でお読み下さい。

(転載開始)
(目的)
●第1条 この法律は,特に秘密にしておきたい日本の安全保障に関する情報を漏れないようにすることを目的とする。

 氏コメント:なんか内緒にしたいらしいです。分かります。国だって,隠したいことありますよね。

(定義)
●第2条 省略

 氏コメント:いちいち定義を説明するのがめんどくさいだけです。読む方もめんどくさいでしょ?

(特定秘密の指定等)
●第3条 行政機関の長は,「うわやばいこれ漏れたら大変」ってやつを「特定秘密」っていうのにすることができる。

 氏コメント:行政機関の長が指定すると「特定秘密」になるらしいです。なお,第2項とか第3項とかありますけど長くなるから省略します。

(指定の有効期間及び解除)
●第4条 さっきの指定は5年以内が有効期間。延長もできるよ!

 氏コメント:ついに条文全てが意訳になりました。あまり気にしていません。

(特定秘密の保護措置)
●第5条 行政機関の長は,なんだかんだ手続はあるけど,「特定秘密」を取り扱う人を自分で決められるよ!

 氏コメント:完全に仲良しこよしの出来レースじゃねーか。秘密だからね。秘密は他人に知られたくないしね。

(我が国の安全保障上の必要による特定秘密の提供)
●第6条 特定秘密を保有する行政機関の長は,必要だと思ったら他の行政機関に特定秘密を教えたりするよ!(逆に言えば,嫌だと思ったら絶対に秘密にするよ!)

 氏コメント:なんで行政機関同士の間に秘密があるんだよ。縦割行政。

●第7条 警察庁長官は,警察庁が保有する特定秘密について,しょーがねーなーと思ったときは特定秘密を各都道府県の警察に情報提供してあげるよ。

 氏コメント:事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!仲良くしてよ,警察。

●第8条 特定秘密を保有する行政機関の長は,しょーがねーなーと思ったときは,「適合事業者」っていう自分達が認めた事業者にだけ情報提供してあげるよ。

 氏コメント:だから(以下略

●第9条 特定秘密を保有する行政機関の長は,しょーがねーなーと思ったときは,外国にも情報提供するよ。

 氏コメント:他所でやれ。

▼プレカリアート注:ここはもっと突っ込まなきゃダメ!国の悪事を国民にはひた隠し、国民の自由やプライバシーも侵害しながら(次の第11条参照)、外国(具体的には米国)には情報筒抜け。これのどこが「秘密保護」「スパイ防止」なのか?放射能漏れの情報も国民には隠し米軍にだけ教え、米国諜報機関のドイツ首相電話盗聴にも抗議一つ出来ない。一体この国の政府は誰の為に仕事しているのか。

(その他公益上の必要による特定秘密の提供)
●第10条 行政機関の長は,基本的に特定秘密を提供しないけど,もうほんとにバラされないって思ったときは,開示してやらないこともない。

 氏コメント:完全にそっちサイドの都合だけで決めてるよね。こっち(国民)サイドの都合無視だよね。よくそれで国民の代表者と(以下略

●第11条 特定秘密の取扱い業務は,信頼できる適正評価を受けた人だけが取り扱えるよ。但し,もちろん,内閣総理大臣等は別だ。

 氏コメント:適正評価ってなんだ?

▼プレカリアート注:「適正評価」というのはズバリ思想調査の事。「特定秘密」を取り扱う人を政府が決める際に、本人は勿論の事、家族や親戚、友人・知人に至るまで、思想・信条や犯罪歴、借金の程度などをこっそり調べられます。一応、本人にだけは調査の同意を取るそうですが、業務命令に反抗してまで「憲法違反の思想調査なぞ出来ない」と突っぱねられる人が果たしてどれだけいるだろうか。もうここまで来たら中国や北朝鮮と同じではないか。

●第12条 適正評価は,行政機関の長がするよ!こっちが決めるよ!こっちで決めとくよ!

 氏コメント:あ,そうですか。

(適正評価の結果等の通知)
●第13条 行政機関の長は,適正評価を実施したときは,その結果を評価対象者に対し通知したりする。

 氏コメント:あ,通知して教えてくれるんすか。ありがとうございます。

(行政機関の長に対する苦情の申出等)
●第14条 評価対象者は,(中略)適正評価について,(中略)行政機関の長に対し,苦情の申出をすることができる。
2 行政機関の長は,前項の苦情の申出を受けたときは,これを誠実に処理し,処理の結果を苦情の申出をした者に通知するものとする。
3 評価対象者は,第1項の苦情の申出をしたことを理由として,不利益な取扱いを受けない。

 氏コメント:注意していただきたいんですけど,この条文,まさかの「意訳なし」です。法律の文言で「苦情」って初めて見た(笑)←注意:一番下に追記あり。

 氏コメント:たぶん秘密だから「不服申立て」とかの手続を予定していないんでしょうね。クレームお待ちしてます!みたいな。しかも「不利益な取扱いを受けない。」とか明文にしているところから察するに,たぶん不利益な取扱いするつもり満々です。

(警察本部長による適正評価の実施)
●第15条 警察でも同じようなもんだよ!

 氏コメント:もう驚かない。

(適正評価に関する個人情報の利用及び提供の制限)
●第16条 行政機関の長及び警察本部長は,特定秘密をむやみやたらに悪用したらダメ。

 氏コメント:さぁ,当たり前のことでそろそろツッコミのバリエーションが無くなってきました。

(権限又は事務の委任)
●第17条 省略

(特定秘密の指定等の運用基準)
●第18条 政府は,特定秘密の指定等に関し,統一的な運用を図るための基準を定める者とする。

 氏コメント:たぶんその運用も特定秘密の保護のためにボヤボヤにぼかされるんだと思います本当にありがとうございました。

●2 政府は,前項の基準を定め,又はこれを変更しようとするときは,我が国の安全保障に関する情報の保護,行政機関等の保有する情報の公開,公文書等の管理に関し優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない。

 氏コメント:優れた識見者かどうかを判断するのは「安全保障」とやらに一枚噛んでいる政府が判断します,たぶんイエスマンだけで構成されます,しかも意見を「聴かなければならない。」のであって,反対されたとしても聴いただけでオールオッケーです本当にありがとうございました。

(第19条,第20条省略)

(この法律の解釈適用)
●第21条 この法律の適用に当たっては,(中略)国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。

 氏コメント:配慮するなら作るなこんなもん。

●2 取材行為については,専ら公益を図る目的を有し,(中略)正当な業務による行為とするものとする。

 氏コメント:お前が決めんな。

【罰則】
●第22条 特定秘密を漏らしたら10年以下の懲役だ。又は情状により10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。覚悟しろ。他にも特定秘密をこの法律上知ったケースに応じて,5年以下の懲役とか未遂処罰規定とか用意している。いつでも来い。

 氏コメント:特定秘密を取扱う人も大変ですね。

●第22条2項以下
「特定秘密」を知ろうとし,人を唆したり騙したり,暴力ふるったり,盗みに入ったり,とにかく「特定秘密」に近づいた国民に対しては,10年以下の懲役等を用意した。

 氏コメント:自分が知りたいなって思った情報にアクセスしようとしたら,それが「特定秘密」である場合がありますのでご注意下さい。

(今日のまとめ)
 氏コメント:この法案が通ったら,このブログ主(注:渡部さん)は逮捕されると思う。
(転載終了)


 ついでに当ブログ主にして渡部さんのブログ転載者プレカリアート(つまり渡部さんと同じ様に逮捕されるであろうこの私)のコメントもついでに。

 政府・自民党言いなりのネトウヨ(ネット右翼)は「この法律で思う存分左翼を弾圧できる」と喜んでいるのだろうが、自分たちも弾圧されるおそれがある事には頭が行かないのか。この法律で保護されるのはあくまでも「政府に従順な右翼」に限るのであり、全ての右翼ではない事に注意。つまり、政府方針を踏み外して、TPPに反対したり脱原発を主張したり、「朝鮮人を殺せー!」とか喚き散らすヘイト(人種差別)デモで羽目を外し過ぎて世間からも顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまったら、たとえ右翼でも弾圧されるのだ。だって、どれを秘密指定して、それに近づいた奴をどのタイミングで逮捕するか決めるのも、全て政府の一存なのだから。
 だから、自民党防衛族のバリバリ右翼議員も、本音では「俺もいつ何時逮捕されるかも知れない」と恐れ慄(おのの)いているのだろうが。弾圧されるのは「何をされても言いなりの奴隷」以外の全ての人間だ。もはや「右翼」だの「左翼」だの、「俺はそのどちらでもないノンポリのミーハーだから関係ない」とか、そんな事言ってられないのだ。そんな事も分からんのか、ネトウヨのお花畑はw。それを、「人権擁護法案には反対しながら、その数倍も恐ろしい秘密保護法案には諸手を上げて賛成」だなんて、アホちゃうかw。
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