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黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

ごみ有料化だけでは削減ではなく拡散にしかならず

2013年04月15日 01時06分31秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
   

 ごみ収集の有料化に踏み出す自治体が増えています。私の住む大阪府高石市でも、この4月から家庭(可燃)ごみ収集の一部有料化が始まりました。一部有料化(従量制)というのは、「一定量までは無料、それ以上は有料にする」という事です。今後は、可燃ごみについては、ごみ袋15リットル毎に1枚添付の無料ごみ処理券(1年間有効で今年は緑色のシール)が各家庭に所定の枚数で配られ、それを使い切れば、次には同様の単位で1枚30円の有料ごみ処理券(ずっと有効のオレンジ色のシール)をコンビニ等で購入してごみ袋に添付しなければならなくなります(上右端チラシのシール見本参照)。可燃ごみ以外の資源ごみ(缶・瓶・ペットボトル)や不燃ごみ(陶器・ガラス・電池等)についてはシール添付は不要です。

 私にとっては正に寝耳に水の話で、駅前の掲示板に貼られた告知チラシを見て初めて知りました。無料シールの配布枚数は世帯規模毎に異なり、年度が下がるに従って枚数も減らされます。私の家は現在は親父と私だけの2人世帯なので、無料シールは平成25年度の225枚(月間では約18枚)から順次減らされ、28年度には207枚(同じく約17枚)となります。市当局は、金儲けではなくリフューズRefuse(発生回避)・リデュースReduce(排出抑制)・リユースReuse(再使用)・リサイクルRecycle(再資源化)の4R促進を狙ったものだと主張していますが、私は以下の理由で納得出来ません。

 まず第一に、確かに環境保護の為に4R促進が必要なのも分かりますが、そもそも家庭ごみの排出量なんて、産業用と比べれば微々たるものではないですか。「塵も積もれば山となる」のかも知れませんが、福島原発から今も放射能が含まれた汚染水が事実上垂れ流し状態だと言うのに、その責任を誰も取らずにウヤムヤにしたまま、家庭ごみだけ槍玉に挙げられるのは到底納得が行きません。
 第二に、周知期間の短さです。通り一遍の告知だけでいきなり命令だから従えとは、まるで江戸時代と同じです。はっきり言ってやり方が非民主的。
 第三に、市役所に寄せられたパブリックコメント(公募意見)の大半が指摘している様に、本当に4Rを促進する気なら、こんな強権的なやり方ではなく、もっと市民に周知した上で、ごみ分別の徹底を図る中でやるべきです。それを経た上で「一部有料化もやむを得ない」という結論なら納得も出来ますが、それもなしにいきなりでは、一番押し付けやすい所にゴリ押ししているだけではないですか。
 第四に、市民にごみ削減や4Rを言う前に、行政の無駄をまず削るのが筋です。たかだか6万人しか人口のない小規模な市なのに、箱物ばかりがやたら多すぎます。臨界企業からの税収を当て込んで起債で箱物施設や都市再開発を進めたものの、やがて不況や産業空洞化の影響で税収も減り、後に残ったのは赤字財政と箱物だけとなってしまったのです。

  
 まず市役所(左上写真)。市の中心部にあるのは良いが、どの駅前からも遠く市バスもない。いちいち車や自転車で通わなければならない所に何故作ったのか。また、市道の拡張も整合性がなく、途中で長年に渡りずっと放置されたままの箇所が何か所もある(同じく右上写真)。一般に高級住宅地のイメージで知られる高石だが、それは海岸沿いの一部だけで、旧市街地には狭い路地が広がる。その再開発が今までずっと進められてきたものの、上から一方的に進められてきた為に、地元では反対運動も起こっている。

  
 高石駅前のアプラホール(左上)も、多少賑わっているのは1階のスーパーだけで、4階の図書館も駅前に移転して便利にはなったが、蔵書数も少なくコピー等のサービスもないので、余り利用しようとは思わない。府道沿いの公的医療施設(母子保健センター・介護施設・休日診療所等、右上)も、当初期待されていた市民病院よりもはるかに小規模で、利用効果も限定されてしまっている。

  
 芦田川ふるさと公園(左上)や河川改修(右上)も、元々あった鴨公園グラウンドや市営プールを潰してまでやる必要があったのか。確かに小奇麗な公園ではあるが、そんな物をわざわざ作る位なら、学校の耐震化等、もっと急がなければならない事が幾らでもあるのでは。

 そういう諸々の無駄をさし置いて、家庭ごみばかりを目の仇にされても、到底納得が行きません。これでは、4R促進で市民の意識や生活の在り方を見直すのではなく、単に見かけのごみ(処理費用)削減だけを考えているようにしか見えません。それで無理に有料化しても、マンション・コンビニ・駅のごみ箱への不当投棄や、ごみを処理し切れなくなって「ごみ屋敷」化する住宅が増えるだけで、何の問題解決にもならないと思います。

(参考資料)
・4月から一部従量制による普通(可燃)ごみの有料化がスタートしました(高石市HP)
 http://www.city.takaishi.lg.jp/kakuka/soumu/seikatu_kankyou_ka/itibujuuryouseiniyoruyuryouka.html
・家庭ごみの有料化(大阪府HP)
 http://www.pref.osaka.jp/shigenjunkan/recycle/yuryouka.html
・ゴミの有料化始まる(山敷めぐみ議員日記)
 http://yamashikimegumi.com/2013/04/01/%E3%82%B4%E3%83%9F%E3%81%AE%E6%9C%89%E6%96%99%E5%8C%96%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8B/
・ゴミ減量化を推進するため、一部従量制による普通(可燃)ゴミの有料化(松本よしひろNEWS)
 http://ameblo.jp/matsumotoyoshihiro/entry-11397120911.html
・一部従量制による普通(可燃)ごみの有料化(案)に関するパブリックコメント(ご意見の募集)の結果について(高石市HP)
 http://www.city.takaishi.lg.jp/kakuka/soumu/seikatu_kankyou_ka/yuuryoukapaburikkukomentokekka.html
・高石市が普通のゴミの有料化?(大阪府高石市 阪口シンロク市長の功績を羅列するサイト)
 http://www44.atpages.jp/takaisea/gomi_yuuryouka.html
・高石まちづくり情報(高石市職労)
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~t-joho/f
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1 コメント

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ぜひ建設的代案の策定を! (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2013-04-15 13:26:50
ゴミ問題も20世紀左翼が有効で正しい政策的対置が出来ていない社会問題の一つですね。国内外でそうです。
単純な「受益者負担(その実は消費者負担)」も問題でしょうが、企業課税のようなやり方でも上手くは行かない。結局は製品価格に転嫁されるだけでしょうからね。

やはり、「買わない」「作らせない」という両方で社会的圧力を働かせるしかないんじゃないでしょうか。

不法投棄の増加を理由に有料化に反対するのも気持ちは分かるけど、さりとて「無料」回収の継続でも、財政支出が回り回って納税者市民の生活を圧迫する点では同じです。

排出企業対策を逆にしたらどうでしょうかね?
そう、ゴミになる製品を製造し続ける無神経・悪質企業に対し負担を強化するのではなく、省資源型製品を製造販売する企業だけに税制上の優遇を与えるようなやり方です。
昔の自動車メーカーのような、環境対策コストの外部費用化を意に介さない製造業や流通業に、内部省費用化というインセンティヴを与えるんです。優良企業の社会的差別化。

いずれにせよ左翼や進歩派はこの問題でももっと考える必要があると思いますね。単なる反対だけじゃダメです。
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