私の日帰り散策

写真でつづる山歩き、ドライブなどの日誌です。
最近は ギャラリー巡りをしています。

歴史とロマンの街・室津

2011-10-04 14:17:38 | ドライブ
 10月 4日(火)  天気:晴れ  室温:25.2℃   地図:網干(南西部)

 NHKの来年 H24年の大河ドラマは 「平清盛」 だそうです。 そのためか 最近 なにかと 平清盛が 話題
になっています。 この近くで 平清盛ゆかりの地は 室津しかありません。 きょうは お天気がいいので
室津まで ドライブしてきました。 室津を 軽く 一回りしましたが 歴史はある のでしょうが 見どころは 賀茂
神社しかありませんでした。
 室津は 『播磨国風土記』 に 「此の泊 風を防ぐこと 室のごとし」 と 記されているように 古来より 天然の
良港だそうです。 奈良時代には 僧行基によって 摂播五泊の一つに定められ 江戸時代には 参勤交代の
西国大名の上陸地として 大いに栄え 「室津千軒」といわれた。 大名が 通った道は 室津街道といわれ 室
津港から 山陽道の正条まで をいうようですが 江戸時代 長崎に上陸したシーボルトも 室津に入港し 賀茂
神社から見た景色を 「これまで 日本で見た最も美しい景色のひとつ」 と 賞賛したそうです。
 また 井原西鶴や 谷崎潤一郎の小説の舞台になり 多くの秘話や 伝説を秘めた 歴史と旅情 の土地であり
美しい瀬戸内の風景に恵まれた港町です。


 9:29 出発。 西へ走り 王子橋を渡り 御津町に入り 裏道を通り 新舞子入口で 国道250線に出
ます。 西へ走り 道の駅みつを過ぎ 七曲りを過ぎると 室津です。 手前側から街へ降りられますが 道
が狭いので 5、600m先のスロープを降ります。 街の中は 道が狭く 車を停めるスペースがありません。 



 海駅間に寄って 観光地図を入手しようと 思ったのですが・・。 道を尋ねたのが ちょうど 民俗館
の前。 パンフレット ”名所絵図” を 100円で 買いましたが 描かれた地図は 大雑把で 見難い・・。
ついでに 民俗館の内部の写真を 撮らせてもらいました。 内部の見学は 有料。 民俗館は 海産物
問屋で 富をなした豪商 「魚屋」 の建物だそうです。 向かい側には 本陣・肥後屋跡の標柱が・・。
 駐車場は 奥の細道の先 賀茂神社の下にあるとのこと。



 ついでに 裏にある見性(けんしょう)寺へ行きました。 見性寺は 約一千年前 性空上人が 天台宗
正法寺を建てられたのが 始まり。 世故変移して 衰滅し 弘安六年禅門の玄海和尚 復興後 寺名を
見性寺と改め 大いに 禅風を挙ぐ。 応永年間 足利尊氏と赤松則村が 本堂にて 北条軍討幕を議
したという。 古来より 文人墨客が 室津に寄港すると 必ず 訪れたとか・・・。
 国の重要文化財の毘沙門天立像は クスの木の一木造りで 平安後期のもの。 四天王のうち 特に
毘沙門天(多聞天)の威力の尊ぶべきを崇めて 多聞天だけは 特別に 崇拝される。 寺宝・毘沙門天
像は 3月17日に 公開されるようです。
見性寺は 禅宗のお寺だからか 民家を 少し大きくしたような 簡素な本堂で 枯山水の庭もありません。


 細い道を のろのろ進み 10:19 一番奥の駐車場に 停めました。 家から 14.5km。
目の前に 海があります。 せっかくなので 防波堤を歩いてみましょう。 岬のような所を歩くのは 好き
です。 きょうは 天気もいいし 空も海も青いし 景色も良い。 突堤の先端に 灯台があります。 波は
穏やかで 沖には 家島や小豆島が 遠望できます。 車に戻り 裏参道を 賀茂神社へ上がります。



 道がカーブする所に 小さい社の楫取(かじとり)社があります。 楫の字は 右に才のつくりが付くので
すが 表示できません。 楫取社は 海に面してたたずむ小さなお堂です。 海神である住吉大神を祀る。
ここは 展望台で 南の瀬戸内海が一望できます。 1kmほど先に 唐荷島諸島がありますが パンフレ
ットには 藻振鼻の眼と鼻の先に描かれていますが はるか沖合です。 唐荷島は 昔 唐の船が 難破し
て その積み荷が この島に流れ着いたところから その名が付いたという。 今は 釣りと潮干狩りの島。
藻振鼻も 面白い名前ですが なにか 謂われでもあるのでしょうか? 万葉集にあるとか・・・。



 賀茂神社の境内に上がりました。 賀茂神社は 標高20m+の丘の上にあります。 面白いことに
本殿の反対側に 拝殿があるのです。 拝殿の手前が 絵馬殿。 二頭の白馬の絵(写真)があります。
これは 狩野派二代目・狩野元信の室町時代の絵で 賀茂神社に伝わる「神馬図額」で 重要文化財。

 賀茂神社の本殿は 五つ並んでいます。 京都の賀茂神社と同じ祭神・賀茂雷神を祀り うっそうとし
た森につつまれています。 社殿は 流造り、桧皮葺きで それを囲む回廊と唐門とともに 国指定重要
文化財です。 社殿は 古代様式の清楚で 荘厳な佇まいを伝えるものです。
江戸時代の 「播州名所巡覧図絵」 では 今と変わらぬ 社姿を見ることができます。




 平清盛は 治承四年(1180) 高倉上皇の院政を開始させた直後 上皇の厳島神社参詣を実行し
その際 室津に立ち寄り 賀茂神社に参拝するなど・・・。 清盛は 馬の蹄か 何か 足跡を残したの
でしょうか?
 唐門もそうでしたが 四脚門(表門)の彫刻は 素晴らしい! 蟇股、手挟、木鼻、懸魚もあったでし
ょうか? 門を潜り 階段を降りたところに 玉垣に囲まれた ソテツの群生地があります。 温暖な
場所にあるので 冬の寒さにも耐えるそうです。 県指定の天然記念物。



 大きな石鳥居を潜り 神社の境内を出て 藻振鼻へ向かいます。 この辺りは 昭和40年に 浜を埋
め立てて 造られたそうです。 小学校、幼稚園の横を過ぎると 浄化センターの手前に 「法然上人 貝
堀の井戸」があります。 飲み水に困っている室津の人々のために 海辺の貝で 掘ったという 淡水の
井戸で 中を覗くと 直ぐ下に水面がありました。


 坂を登った岬が 「藻振鼻」。 東屋の脇に 藻振観音堂跡の標石があり 山部赤人の唐荷島を詠
んだ万葉集の歌碑もあります。 見晴らしが いいかと思ったのですが 雑木に囲まれ・・・。 よく見る
と 細い道があり 下へ降りられます。 下は岩場で 木は生えておらず 絶壁の展望地。 家島も小
豆島も見渡せ 西には 万葉の岬が伸びています。 下の岩場に 釣り人が 一人 糸を垂れ・・。



 藻振鼻を後にして 坂道を登ります。 できるだけ いろんな所を歩いてみようと思ったのですが
藻振鼻から 引き返した方が 良かったかも・・・。 この辺りは 梅林ですが 今は ただの雑木林で
民家や別荘が 点在しますが 住人がいないのか 荒れた家もあります。
 家に帰って 地理院の地図を見ると この近くに 三角点があったようです。 そんなことは つゆ知
らず 日差しの照りつける中 展望のない舗装路を 黙々と歩き 左に 道のあるところで 左の集落
に降りました。 赤い涎掛けのお地蔵さんの下にあるのが 徳乗寺。 門は 立派ですが・・・。



 細い路地を歩いて 浄運寺へ行きました。 浄土宗の浄運寺は 法然上人の高弟・信寂上人が 文治
元年(1185)に 開基。 法然上人は 室津へ 二度 寄港。 仏教界から弾圧を受け 讃岐へ流されると
き と 許されて都へ帰るときの二度です。 最初の寄港のとき 遊女・友君が 上人の説法により 得度し
念仏往生を遂げたと伝えられ 西門の外に 友君の塚・石塔があります。 宝物として 法然上人像、友
君像、悲劇のヒロインお夏像があるそうですが 拝観は 有料なので・・・。
浄運寺も 特に 見るべきものは ありませんが 丘の上にあるので 海側の展望は 良好です。




 真っ直ぐ進むと 賀茂神社の入口に戻ります。 また 賀茂神社の境内を歩いて 11:50 車に戻りま
した。 街の中は 車で通っただけなので もう少し歩けば良かった・・。 海の宿駅として栄えた室津に
は 六軒(一津屋、肥前屋、薩摩屋、筑前屋、肥後屋、紀伊国屋) の本陣があったそうです。 本陣は
昔の大名、旗本などの えらい人専用の宿舎で 一般の人は 泊まることができなかった。 これは 一宿
一軒が 原則であった当時では 全国的にも珍しい。 昔の面影の残る町並みもあったようです・・・。

 車で パンフレットを見直すと 目の前に 「大阪城石」が・・。 これは 豊臣秀吉が 大阪城を築いたとき
西国大名が 石垣に使用するため 運ぶ途中 たまたま 室の泊で 海に落としたものと 言い伝えられ
ずっと 海に沈んだままでしたが 室津港を修築する際 引き揚げられた。 今でも 石に 加工の跡が
残っています。


 室山城跡も見ていないので 帰りに寄ることにしました。 室津入口へ戻り 細い道を南へ入ります。
100mほど行くと 右に 二の丸公園の標識があり 車を停め 歩いて上がります。 公園は 高台に
あり 東の海側の展望良好。 遠くに 網干の工場が・・・。 公園の一段上が 城跡のようです。 石垣
が残っている? 室山城跡は 室町時代に築かれた中世の城で 源頼朝が建てた?
 寿永二年(1183)11月 平教盛、平重衡を大将とする平家軍と 対立していた源行家を大将とす
る源氏軍が 室津で戦いを繰り広げました。 これを 室山合戦と呼んでいます。 数多くの源平合戦
の中で 平氏が勝利した数少ない合戦 と言われています。 翌年 平氏は 源範頼、源義経の軍に敗
北し 再上陸を試みた平氏により 室津は 焼き討ちにあったそうです。



 12:30 帰路に着きます。 道の駅みつに寄り お昼ご飯を食べようと思ったのですが 平日な
のに 道の駅は 満車で 食堂は 順番待ち・・。 途中のスーパーに寄り 弁当を買って帰りました。
国道250号線を 真っ直ぐ走り 網干大橋を渡り 山電網干駅の前を通って 帰りました。
本日の走行距離は 往路:14.5km 室山城跡まで:2.7km 復路:12.5kmで 計:29.7km
でした。
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