ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

世界のやまちゃん

2007-12-26 14:01:14 | CD

という手羽先が旨い名古屋系居酒屋チェーン店があるのですが、首都圏の皆さんはご存知でしょうか。先日アルゼンチンのギタリスト、フェルナンド・カブサッキが名古屋のライヴに出演しましたが、その打ち上げは実は毎回ここ「世界のやまちゃん」なのであります。フェルナンドはこの手羽先を最初に食った年に、あまりの気に入りように一皿テイクアウトまでしたそうです(笑)。さすがです、やまちゃん・オブ・ザ・ワールド。やまちゃん・ド・ムンド。

こんにちは、年内最後の入荷にドタバタモード再突入のサンバタウン店主です。
今回も再発モノを含め数ある新譜のなかからCD21タイトル、DVD12タイトルを厳選(←要は単なる自分の好み)して仕入れてまいりました。

その中でひときわ目を(耳を)惹いたのがコレ、もう一人の「世界のやまちゃん」こと(誰も呼んでねえっつうの)ヤマンドゥ・コスタのニューアルバム「Lida」。なんとTratoreからのリリースです。それはそうとこの作品、一発目の音で「あ、録音丸い!」と思いました。それほど彼のギターの音色が今までと違っていたからです。しかしほどなくしてどうやらそれはギターの使用機そのものを変えたからということに気付いたのであります。ま、ジャケ見ればわかるんだけどね。それまでのヤマちゃんの愛器であったテルシオ・ヒベイロから、今回見たこともないギターに持ち替わっていました。ところがところが、これがまたたまらんエエ音するんですよお客さん。ちなみに店主はこれがどこの工房のものなのか見分けがつきませんでした。まだまだ修行が足りません。もちろんかつてのT.ヒベイロの、あのベアナックルでぶん殴ったような魂100%むき出しの音も素晴らしかったのですが(当時のヤマちゃんにはとてもよく合っていたと思います)、今回のギターの音は、彼の音楽的(あるいは人間的?)成長に合わせて出会いを果たしたかのような、なんとも言えずまろやかな趣を持っています。演奏や楽曲がただスローになっただけというのでは決してありません。やってることは今までとそんなに変わりはないのですが、音の成熟度が違うのだと店主個人の印象としてはそう感じました。

今回はヤマちゃんのみならず、ウッドベースのグト・ヴィルチとヴァイオリンのニコラス・クラシッキがサポートしてのトリオ編成なんですが、これがまた素晴らしく溶け合ったコンビネーションで、まるでko-ko-ya(コーコーヤ)をちょいと武闘派系にした感じ。はっきり言ってワタシは彼のこれまでの作品中いちばん気に入るかもしれません。是非来年はこの三人で再来日を果たしてもらいたいもんであります。今までヤマンドゥのガチャ弾きなところ、あるいはバッキンバッキンのサウンドが気に入らなかった方は是非お試しあれ。

取り急ぎ新着情報第1弾でした。