気ままなZOO

行った場所、見たもの、感じた事、気ままにねぇ…… きままなZOOです。旅のお話、動物園、水族館のお話を…

平和を夢見たカールのバウムクーヘン

2006-02-17 | 食べ物…
ご存知でしたか?

バウムクーヘンを日本で最初に作った人は
ドイツ人のユーハイムさんです。



先日、バウムクーヘンをいただきました(*^_^*)
きれいな形の美味しいドイツのお菓子。
有名なユーハイムのものです。

ドイツ語で、バウム=木、 クーヘン=菓子だそうです。
伝統的なお菓子で、本来は大変手間がかかります。


さて、

そのカール・ユーハイムさんなんですが…
非常に数奇な運命をたどった人です。

ひとりの菓子職人が、
二度の大戦に翻弄され、出会いと別れを繰り返し、
成功と挫折の人生を歩みました。


彼の人生を調べて、不思議な感慨を抱きましたので、紹介させてくださいm(__)m


        

カール・ユーハイムは、
祖国ドイツから租借地の中国「青島」に菓子職員として派遣されます。


遙か遠い中国での生活……
彼は必死に働くのでした。

やがて、
ドイツから招いたエリーゼと結婚します。
妻は妊娠。幸せな生活を過ごしますが、

折しも第一次大戦中!

日本軍が「青島」に進行します。
カールは生まれてくる子供にも会えず、
日本に強制連行されてしまうのです。

家族は、離ればなれに……


大阪、広島で、つらくさびしい収容所生活

やがて…終戦。解放。

祖国ドイツは荒れ果て…彼は帰国を断念します…


カールは、日本に残る決意をし、家族を呼び寄せます。

初めて、息子のボビーを抱きしめるカール!
感動の再会……


新しい道を歩み始めた彼は、
銀座の明治屋洋食レストランで働きます。

彼の仕事は認められ、日本での生活にも馴染んできました。


そして
手にした給金を資金にして、
横浜に自分の店を持つことがでたのです。
(ユーハイムというお店の始まりです)


軌道にのったかと思われたその時、

関東大震災がおこります。
お店はつぶれ、死者まで出してしまい、息子が行方不明に!

全てを失った彼は、
失意のまま神戸へ移住。

数日後、奇跡が起こります。
なんと息子が見つかったのです!

神戸で、新たに店をおこし、再起をはかります。


その後、
いくたびの苦難の道を乗り越え、成功かとも思われますが……


第二次大戦が勃発!

一緒に働いた職人たちは、一人一人戦争にとられ、死亡…

戦時下では、お菓子に使う食材など手に入りません。


カールは平和を夢見ながら
終戦前日の8月14日に他界するのです……

彼の最期の言葉は

「私は死にます…でも平和はすぐ来ます……神様……お菓子……」

             



お菓子に一生を捧げ、日本にバウムクーヘンを紹介した人。
そして平和を誰よりも望んでいた彼…






今朝、朝食代わりにバウムクーヘンを食べました。

甘さと豊かな味わいの中に、平和の尊さを感じます。

        



この記事は、
「おおた葉一郎 の しょーと・しょーと・えっせい」カールユーハイム物語
参考にさせていただきました。ありがとうございます。
カールの人生を詳しく知りたい方は、ぜひお読み下さい。
私はこの記事を読んでちょっと涙ぐみました……

おおたさんのサイトは引っ越される予定です「おおた葉一郎 の しょーと・しょーと・えっせい」


バウムクーヘンをプレゼントしてくれたS・Kさん。
ありがとうございました。
コメント (27)
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