晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

愛しの座敷わらし

2011年06月03日 | 
愛しの座敷わらし  荻原 浩 著 

朝日文庫新刊です。待望の文庫化で上・下になりました。

荻原浩さんらしいユニークなほのぼのとした家族小説です

物語は・・
食品メーカーに勤める晃一は、不遇の転勤で東北の古民家に引っ越しする。辟易する妻の史子、友達のいない中学生の
梓美、過保護で体の弱い小学4年の長男智也 、同居の祖母は認知症の疑いが・・
どこにでもありがちな現代の家族。いなか暮らしで心機一転!家族の再生は叶うのか~
なんと、その古い大きな家には不思議な座敷わらしが棲んでいたのです!

座敷わらし、だなんて・・妖怪?怖いホラーの話かと思いきや、ユーモアたっぷり、いっぱい笑えて、
最後にはほろりと泣かせる・・
とてもいい物語にしあがっています。

座敷わらし・・なんてかわいいんでしょう!
3歳くらいの男の子?紺の絣の着物におかっぱ頭。大きなお目目にちっちゃなお手て・・
言葉はしゃべれません。うれしい時は時々「ふぁ~」って声がでるみたい。
きれいな心を持った人にしか見えません。
最初は智也がちゃんと見えるんだけれど・・智也が成長するにしたがって、姿が透明になって薄くしかみえなくなるんですね

智也が少し、残念がる気持ち、わかるなぁ・・

東北地方に伝わる座敷わらしの悲しい物語は、現代っ子にはきっと理解しがたいことでしょう・・
この飽食の豊な時代に、くちべらしで生まれたばかりの子供をこの世から消してしまうなんてね。今なら乳児虐待?
いいえ、違います。
止む無く・・それは悲しい歴史なんですね。そういえばこけし人形もありました・・。

でも、
座敷わらしは福の神でした!
それが証拠に晃一たち一家は家族の絆を取り戻し、本当の幸せに気付いたのですから。

大切なものは目にみえない・・
星の王子さまと同じですね


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