goo blog サービス終了のお知らせ 

晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

凍原

2017年01月29日 | 
凍原     著 桜木柴乃 

Swim仲間のSさんおすすめの本。
これぞ桜木柴乃だよな・・と思わせる心の深いところに響く作品でした。
良書です。

物語は
 
17年前、弟を湿原に奪われた松崎比呂は刑事となって札幌から釧路に帰ってきた。その直後、釧路湿原で他殺死体が発見される。捜査を進めるうち、比呂は65年の時を経て消えない“眼”の因縁に巻き込まれてゆく。

湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺死体。被害者が開けてしまったのは、64年も前に封印されたパンドラの箱だった。

 舞台は北海道釧路。そして釧路湿原、暗く寂しいイメージにピッタリです。
時代は太平洋戦争末期の南樺太。旧ソ連軍が一気に押し寄せて、内地に逃げ延びようとする日本人の中に「長部キク」という若い
女がいた。当時の悲惨なシーンはとてもショッキングです。

単純に刑事もののミステリーでくくれない情念のような男でもない女でもない人間の深さをかんじました。
悲しい・・切ない。

主人公も事件の被害者も、弟の死でした。

何故・・この本とめぐりあったのが今だったんだろう・・



カエルの楽園

2016年12月27日 | 
カエルの楽園  百田尚樹 著

リクエストしてもずっと待たされて忘れたころにやってきました!
何かと話題の百田尚樹さんの問題作!
面白かった~

これは寓話的「警世の書」と言われたようにまるで今の日本が直面している外交や防衛の問題を
風刺しているおとぎ話のようです!

カエルの世界でカエルが主人公ですから小学生でも読めますよ。

殺戮の争いの絶えない国に嫌気がさし、平和で暮らせる土地をもとめて旅にでた
アマガエルのソクラテスとロベルト・・ネーミングがちょっとダサいと思いますが。

困難を乗り越え、やっと平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着きます。
そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていました。
その戒律とは、、
 「三戒」といって、1、カエルを信じろ 2、カエルと争うな 3、争うための力を持つな
でした。。。
これって、どうも憲法9条みたいでつい笑いそうになりました。

恐ろしいウシガエルがじりじりとナパージュの国に迫ってきて、、これって中国?
いつもにらみを利かし守ってくれていたスチームボードは巨大なワシでした。。これは米国?^^

まぁ・・途中くどいくらい「三戒」を守れ~!のリーダーや年老いた元老たちの攻防で
一体こいつらは自分の愚かさを全く知らない。まさに「井の中の蛙」だなぁ・・なんて感心!?したり。

百田さん、この作品は国民に向けて言いたかったんですよね~
このままじゃ、このカエルたちのように、日本はいつか滅びるぞ!って。
あ~恐ろしや・・



ガンルージュ

2016年11月09日 | 
ガンルージュ  月村了衛 著

swim仲間のSさんおすすめの本。やっと読みました~
月村さんの本はこれで2冊目。
読み始めてすぐに「土獏の花」を思い出した。同じ書き方なんですもの^^

まるでハリウッドのアクション映画のようで、ありえない~!と心で叫びながら痛快な
エンタテインメントを楽しみましたよ

物語は・・

韓国最凶の特殊部隊が日本に潜入。
迎え撃つは、元公安のシングルマザー&女性体育教師!?

韓国の大物工作員キル・ホグン率いる最精鋭特殊部隊が日本で韓国要人の拉致作戦を実行した。
事件に巻き込まれ、人質となってしまった中学1年生の祐太朗。日本政府と警察は事件の隠蔽を決定した。
祐太朗の母親で、かつて最愛の夫をキルに殺された元公安の秋来律子は、ワケあり担任教師の渋矢美晴とバディを組み、息子の救出に挑む。
因縁の関係にある律子とキルの死闘の行方は。そして絶体絶命の母子の運命は――。

不死身の律子がすごいのですよ~オリンピックで射撃にでれば金メダルだろうなぁ~なんて。
屈強な男たちをバンバン打ちのめし、ナイフで切り裂き・・これは映画化されてもいいような派手な展開です。

政府高官と警察公安の隠蔽の裏に外交問題!?よくあるストーリーでこちらは
お粗末ですが
最終章ではよくまとまっていたかな~

さてさて・・
11月に入り、忙しいスケジュールに疲れ気味です。
来週は姪っ子の結婚式で鎌倉、逗子へと。
その次の週末には法事で家族そろって実家に帰ります。時間があれば深まる秋の
京都を歩きたいところです~


危険なビーナス

2016年10月09日 | 
危険なビーナス  東野圭吾 著

いつもより早く新刊をGETできてラッキーでした!
序盤、退屈な展開でしたが、後半はサスペンスで面白かったです。

物語は~
弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族に近づく。
兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てば経つほど、彼女に惹かれていく。。。

伯朗と明人とは腹違いの兄弟です。由緒ある矢神家の莫大な遺産を巡り複雑な家族関係でよくある相続争いの物語
かなと、おもいきや、数学者や脳神経医学の研究などの科学者などの専門的なストーリー展開でさすが
東野ワールド。

伯朗は医師の父親に反発?なのか獣医の道を選択した。なかなか信頼できそうな獣医さん。
今までいい出会いに恵まれずに一人ものなのがまた同情してしまう。いい男なのに~

いきなり現れる明人の妻と名のる楓は、私も最初から「怪しい~」とにらんでいました。

若く美人でスタイル抜群、明るく楽しく、おまけに元JALのCA!!
これは、絶対に女の敵ですよ~(*_*;

ラストあっけなく一気に事件や謎は解決。。

終わってみると「なぁ~んだ」ちょっと物足りないけど読後感はいいですね(^^♪

さてさて・・
忙しい9月のイベントが終わりホットするのもつかの間、、
明日は、横浜大桟橋まで、Hulaのイベントで仲間たちと出かけます~





ラヴィアンローズ

2016年09月16日 | 
ラヴィアンローズ La Vieen Rose 村山由佳 著

水曜に図書館でGetして、夕べ一気に読み終えてしまった・・
時間を忘れるくらいの珠玉の作品でした。
さすが・・村山由佳さんに拍手を送りたい。切ない女心に思わず涙しそうになるくらい。。。

物語は

薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、予約のとれないフラワーアレンジメント教室の講師、カリスマ主婦として人気を集めている咲季子。平穏な毎日が続いていくはずだった。あの日、年下のデザイナー堂本と出会うまでは。

――門限は九時。打ち合わせで外出する場合は三日以上前に場所と時間を夫に報告すること。男性と一対一での打ち合わせは絶対に避けること。泊まりの旅行など論外。
ややあって、堂本が言った。「なんかもう、『人形の家』って感じだな」――

夫が決めた厳格なルールに従って成り立っていた「幸せ」な暮らし。堂本との恋をきっかけに、咲季子はようやくその酷いモラハラに気づき、檻の外へ羽ばたこうとする。だがある夜、すべてを知っていた夫が激高。大切なものを守るため、咲季子は二度と戻れない道へ踏み出してしまう……。衝撃のラストが心を震わす長編小説。

アマゾンからコピペしました。便利でいいです(^_-)-☆

さてさて・・のっけから暴君夫のやり取りになんて嫌なな夫!自分勝手で妻を家来か、下女のようなさげすみ方・・
これでも愛されてるの?「お前は世間知らずで、馬鹿なんだから~いいきになるなよ」
人格を否定するような発言・・
でも、案外います!ほんとに~
激高するや否や、暴力。。もうサイテーです。
でも、咲希子は逆らえないのです。ずっとそうして暮らしてきたのですから。

年下の男との出会いで頭が陶酔しそうな恋愛に身も心もおぼれてしまう。性描写も大胆かつリアル!
でも、いやらしさは感じない。

結局のところ、年下男にはがっかりするのは、想像の範囲でした。
衝撃のラストは、、ドキドキのサスペンス。。
一気読みの由縁がお分かりいただけるでしょう^^

この後、どうなってしまうの??
続編を期待したいです
そうそう・・
咲希子自慢のローズガーデンは読んでいて、バラの芳香が漂ってきそうで、ほんと素敵でした。
私の庭もそんな風に~なんてちょっと思いました(^_-)-☆

人魚の眠る家

2016年09月08日 | 
人魚の眠る家   東野圭吾 著


東野圭吾作家デビュー30周年記念作品
『人魚の眠る家』~~

リクエストしてどのくらい月日が経ったのか、忘れそうになっていてやっとのこと来まして
読みました! ちょっと東野さんらしくないかも?なんて思いながら読みつつ
重いテーマに少しずつ気持がはいりました。

物語は・・

娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。
娘がプールで溺れたー。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。

過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか。
愛する人を持つすべての人へ。感涙の東野ミステリー。


脳死宣告・・
今回、初めて真剣に考えさせられました。
そういえば、いつも新しい保険証をもらう度に裏のドナーカードに署名していたっけ・・なんて。
よく意味も分からず、深く考えないでただ、単純に署名していたけれどね。

何をもって、人間の死と考えるか?
生死の倫理観も問われる質問ですが、日本の場合、臓器移植のためにできた法律だってことです。

医学が発達してなくて延命治療もなかったころには「脳死」はあり得なかった。

これが、人間にって幸せか不幸か?難しいところです~

薫子のような狂気に満ちた母親の気持ちも分からなくはないが、やはり不自然で結果、まわりの家族
が不幸に見舞われていくのですよ。。

「カゼフキグサと子狐」の話はとてもよかった


イノセント The Innocent

2016年08月24日 | 
イノセント The Innocent 島本理生 著

そういえば、初めて読む作家さんでした。まだ若い~そんなに期待しないで読み始めましたが、
すぐにのめりこみました。きれいな文章と飽きさせない展開に一気読みでした~

物語は・・

幼い息子と二人きりで生きる女性・比紗也は、会社経営者・真田とカソリック神父・如月という対照的な二人の男と出会う。
複雑な過去を抱えた彼女を、二人はそれぞれの想いから救おうとする。 儚さと自堕落さ、大人の恋愛小説です。

丁寧な心理描写や上手い文章は小池真理子風?そして、若者らしいちょっとチープなでエロイ暗さ?は桜木紫乃風かしら?
と、単純に思いましたが、物語は単純にはいかない。
それぞれが抱える複雑な事情は、社会のバックグラウンドを映し、興味をひくものです。
DVだったり、震災だったり、母子家庭の貧困、そして、「信仰」と「愛」。

ひょっとしたら、著者はクリスチャン、なの?
神父の如月が報われない愛で気の毒な気がするけれど、神に仕えるものとしては最大級の愛を与えている。

シングルマザーの比紗也には最後まで共感できなかったけれど、
真田君は憎めないです~
もてる男の代表選手みたいですからね(^_-)-☆

ラストは明るくハッピーエンドでよかったです。

フォルトゥナの瞳

2016年08月10日 | 
フォルトゥナの瞳   百田尚樹 著

この本を手に取った瞬間にあなたの「運命」が変わるかもしれません~
と、まぁ著者自身からドキっとするキャッチコピーです。

物語は・・

その若者には、見たくないものが視えた。他人の「死」が。「運命」が――。 幼い頃に両親と妹を亡くした木山慎一郎には、友人も恋人もいない。一日中働き夜寝るだけの日々。夢も自信も持てない孤独な人生だった。その日までは――。「愛」と「死」と「選択」を巡る、人間の「運命」の物語。大切な人の「死」が見えたとき、あなたなら、どうしますか?

読書メーターをコピペしました~

透明人間の話!?主人公の慎一郎には死が迫った人間をみると体が透けて見えてしまうのです。
ある日突然備わった超能力ですが、、その不幸な生い立ちから過去にも体験していたのです。

予知能力・・東野圭吾がテーマにした小説にもちょっと似ていたけれど、これは全く理由も根拠もない。
信じられないけれど、人間の決められた「運命」を彼が意図的に変えてしまうと、その分彼の命が削られていくのです。

電車の中で、ふとつり革持つ人をの手が透けてみえたり、袖や洋服が宙ぶらりんで歩く人に遭遇したら、さぞかし怖いでしょう~
慎一郎の細かい心理描写がくどいくらいでしたが、百田さんの文章は上手い。

純朴で孤独な青年にだんだんと味方したい気持ちで読み進めましたが・・最後はあっけなかった。

心残りで疑問なのは、
せっかく恋人になった「葵」は何故、彼に打ち明けなかったのだろうか?・・同じものが私の目にも見えるのよ!って
きっと、慎一郎の生き方も変わったかもしれないのに。

慎一郎がかわいそうで、がっかりしました。

しかしながら、過去、現在、未来とつながる人の「運命」などいろいろと考えさせられました。

家族という名のクスリ

2016年07月31日 | 
家族という名のクスリ  金 美齢 著

去年、下重さんの「家族いう病」がベストセラーになり世間をさわがせました。私ももちろん読みました。
これは、その下重さんや、また「おひとりさま」の風潮に「ちょっと待った!」の反論本です

金 美齢さん・・ 昔TVタックルで田島陽子さんと女性問題や少子化問題で激論していたことを思い出した。
金さんの経歴は、1934年、台湾生まれ。1959年に留学生として来日、早稲田大学英文学科入学、同大学博士課程修了。
その後イギリス留学、大学講師を経てJET日本語学校校長を務める・・評論家、台湾独立を願う。
などなど・・論客なのは皆がしるところである。

台湾人の周さんと結婚し二人の子供を育てながら、女性としても自立した人生を歩んできた彼女の論旨には、よどみがなく
とても感銘をうけた。
まず・・解りやすいのです。ふつうというか、ごく当たり前のこととして今まで日本人の中に受け入れられてきた
社会通念だからです。

家族を否定する下重さんを痛烈に批判するのが、気持よいくらいです。
確かに、家族は時として面倒なことや、しんどいこともあります。でも、だからと言って、病気あつかいするような
論調が世の中に広く浸透すれば、ますます結婚や出産をすることをためらう若い人たちが増えて、人口は減少。
日本の社会は崩壊、そして、日本人は絶滅してしまうでしょう!

なんと恐ろしいこと・・日本人はいよいよ絶滅危惧種に指定されるかも・・(*_*;

あらためて思う。
家族は素晴らしい。
そして、これほど人生に効くクスリはない。

若い人たちに是非読んでもらいたいです

影法師

2016年07月17日 | 
影法師  百田尚樹 著

泣けました~~
久々に感動の時代劇でした
2015年の作品ですが
百田尚樹・・「永遠の0」「モンスター」で話題をさらった作家さんです。
まさか、こんなにいい時代物も書けるとは、おみそれしました(*_*;

あらすじは・・

生涯の契りを誓った2人の少年。1人は異例の出世を果たし、1人は貧困のなかで朽ち果てた。
光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。
父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした14の秋。それから――竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。

江戸時代・・地方の小藩、どこも財政難で、武士も農民も生活が苦しいようすがよくわかる。
そして、身分制度にがんじがらめになっている世の中で、武士といえどもごく一部の階級しか将来はないのです。

下士と呼ばれる、低い身分の武士がどんなに優秀でも上士になることはない。
その、下士の勘一が貧しい御徒組から、なんと筆頭国家老にまで出世するのですから、驚きです

ただ、、いわゆるサクセスストーリーにとどまるのではありません

一人の男の生きざま・・それは侍として、男としての矜持でもあります。
一言でいえば・・

潔い!
最後のページをめくるとき、
ただ、ただ、感動と涙で胸が震えました