ゆうの気まぐれ日記

備忘録のつもりで書いています。

悲惨すぎる!

2023年04月11日 | 日記

先日、夫が観ていた番組を途中から録画して、それを今日観た。 

NHKであった『ルポ 死亡退院』~精神医療 闇の実態~

東京・八王子の『滝山病院』の実態に暗澹たる思いがした。

内部告発なのか隠し撮りされた病室の様子に強い憤りを感じた。

弁護士と面接した患者(知的障害と統合失調症)は

「ベッドに縛られている。これ以上言うとチクったと言って殺される。

元の病室に戻りたくない。病室に戻るのが恐い」とおびえながら訴えた。

 

面会後の病室の様子を隠しカメラが捉えていた。

言葉通りに覚えていないが「チクったんだろう」というような威圧的な

(准)看護師の言葉もあったと思う。

そして(患者に向かって)「うるせえよ。しゃべるな。誰がしゃべろって言った。寝てろ!」

全て命令口調で高圧的。そして殴る。

この弁護士と面会した患者は、1ヶ月も経たないうちに急死している。

診断名は急性心不全となっているが虐待による死亡の疑いがあるとのこと。

「チクったと言って殺される。病室に帰りたくない」

この患者のことばが胸をさす。

弁護士は責任を感じこの問題を追及している。

この患者が母親に宛てた手紙が出されること無くカルテに挟まって死後残っていた。

それには「僕は死にたくないです。お母さんのところに帰りたいです。

いじめにあっています。精神的に辛いです。助けて下さい」と書かれていた。

 

これでは病院は医療・看護する場では無く、拷問を与える場ではないか!

多くの患者がベッドに手足をくくりつけられ、オムツをされ、痩せ細っていた。

拘束はカルテや看護記録に記入する必要があるのに、記載されていない。

くくりつけておけば手がかからない。

こういう人権を無視した卑劣なやり方。

こういう現実があることに恐怖と怒りを覚えた。

こんなことがあって良いものか!!!

 

私にも精神病院の苦い思い出がある。

2010年3月、私は当時、要請があり臨時でフルタイムで働いていた。

その時に、母の精神状態が悪化し、鬱傾向になり「死にたい」などいうので

母に合う薬を見つけるために弟が大分市内の精神病院の老人病棟へ入院させた。

母もそれに同意して行ったとのことだった。

しかし弟が帰ろうとすると母が「私ももう帰りたい。連れて帰って」と

言ったとのこと。

「後ろ髪引かれる思いで帰ってきた。仕事が暇になったら様子を見に行って欲しい」と弟は言った。

私は、その4日後、病院へ行った。そして母の変貌ぶりに驚いた。

母は衰弱していた。顔がむくみ無表情。手が震え声も小さく口の動きも悪い。

「1日中、車椅子にくくりつけられ腰やお尻が痛くてたまらない。腰が痛いので(脊柱管狭窄症を患っていた)寝かせて欲しいと頼んでも誰も聞き入れてくれない。拷問に合っているようだ。こんなひどい病院は初めてだ。どうして私はこういう目に遭わないといけないのだろう」と母は言った。

あまりに変わり果てた母の姿を見て私は涙が出そうになった。

面会室に入るや急いで固定ベルトを外して除けた。

母は「あー、これで大分楽になった。苦しくてたまらずどうかして死にたいとその事ばかり考えていた」という。

腰が悪いのに1日中車椅子。しかもベルトでTの字に括り付けられている。どんなに辛いことだろう。

医師に直接会って話がしたいと要望したが「キーパーソンでは無い」と言って断られた。

 

この3日後に面会に行くと母はまた車椅子に括り付けられていた。

「横にならせて欲しいと頼んでも管理が行き届かないと言って聞き入れてくれない。

入所者は皆1カ所に集められ椅子に座らされている」と母が言う。

健康なものでも1日中車椅子に座った生活は苦痛だ。まして腰の悪い体力の弱っている母。病院の体制に怒りが湧いてきた。

少しでも長くここにいてベルトを解いて母を守ろう。

母は手が震えて一人で食事ができなくなっていた。全がゆ。

ミンチ状態のハンバーグを母は飲み込むことができず、口に入れても吐き出してしまう。

細かく刻んだ野菜も飲み込めない。何という変わりようかと悲しい気分に陥る。

面会室には横になれる場所がないのでホールに連れて行くと丁度医師がいて

私に近づいてきて「外泊とか暫くできませんから」と言った。

私はカチンときて「明日キーパーソンの弟と一緒に来て母を退院させます」と言った。

一目見てこの医師は信頼できないと分かるような医師だった。

翌日、母を退院させることができた。

母の足がパンパンに腫れていていかに長時間車椅子に座らされていたかを物語っていた。

母を私の車の後部座席に横にならせて連れて帰るときホッと安堵し、

「救出できた!」という気分になった。

母は1週間の入院で、体調が悪化し、寝返りもできない状態になっていた。

あまりに急激な変化。あの病院から貰った薬は飲ませないと決めた。

 

それから母は徐々に体力を回復していったが悪夢のような精神病院への入退院だった。

こういう拷問に等しいようなことが医療・看護・介護の名の下に

行われるようなことが絶対あってはならない!!!

NHKのこのルポを見て、これは氷山の一角ではなかろうか。

こういう問題に、もっと、国は、目を向け、改善して欲しいと思った。

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