8月21日にJITリサイクルインクスタジアムにて行われた天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会ラウンド16 鹿島アントラーズ戦ですが、試合結果は1対2でヴァンフォーレは敗れてしまいました。ヴァンフォーレの得点は前半に挙げた三沢選手のゴールでした。
☆リーグ戦からの先発変更は7人
ヴァンフォーレはこの天皇杯鹿島戦を臨むにあたり、先発メンバーを7人変更。GKと最終ライン以外の前のポジションを総入れ替えし、ボランチは佐藤&木村選手コンビでウイングバックには小林選手と飯田選手を起用。飯田選手は大塚体制下で初出場。そして1トップに三平選手、シャドーには宮崎選手と三沢選手を配置。三沢選手は5月12日の第15節千葉戦以来久々の公式戦先発出場となります。しかもボランチではなくシャドーで起用してくるあたりが大塚監督のこだわりを感じるポイントで、彼の技術の高さを中盤のゲームメークではなくチームが攻勢を仕掛けている際の決定機の場面で活かせるように工夫していると思います。そしてベンチにはアダイウトン選手やマクーラ選手のブラジル人アタッカーも準備しており追撃体制も整えています。前節の清水戦から約半数を変えてきましたが、メンバー的にも鹿島を撃破して次のラウンドを狙えるような本気度を組み合わせから窺い知ることができます。対する鹿島はリーグ戦から5人変更。元ヴァンフォーレの須貝選手が先発出場し鈴木選手や柴崎選手などがベンチに控えるなど、完全にカップ戦メンバーに移行することなく主力選手も組み合わせてきたあたりが、2年連続天皇杯の舞台でヴァンフォーレに敗れている結果を今回こそは覆そうとリベンジに燃える鹿島の気合いを感じることができました。
☆安定感のあるヘナト選手のディフェンス
試合開始から鹿島がボールを持つ場面が多く、ヴァンフォーレはそれに対応しながら反撃の機会を窺う試合展開となります。ポゼッションの鹿島とカウンターを狙うヴァンフォーレの構図になっておりそれは開始前から予想されていたのですが、ヴァンフォーレ陣内で展開されるシーンが目立ちます。鹿島は中盤でボールを保持しそこからトップの選手が後ろに下がってきた瞬間に縦パスを供給。そこでボールを受けたときに2列目の選手が前に上っていくことで厚みのある攻撃を仕掛けてきました。ヴァンフォーレの守備陣はトップに供給される縦パスの対応には苦戦していたものの、そこを起点にした次に繋げるプレーには厳しくディフェンスができており、鹿島に思うような決定機を作らせません。なかでも今回左のCBに入ったヘナト アウグスト選手の守備力が高く、裏に抜け出されたときに粘り強くついていく対応や、背後を狙った浮き球にも体を伸ばして懸命にジャンプしヘディングでクリアするなど的確なディフェンスを披露していましたね。また他のポジションへフォローに行く献身性もみせており、とても効果的な活躍ぶりだったと思います。前半の互角な展開を作れたのもヘナト選手を中心とする守備が安定していたからだと思います。
☆完璧な崩しからの三沢弾
前半のヴァンフォーレは安定した守備に加えて攻撃陣もカウンター攻撃を軸にした積極的な攻勢を仕掛けることができていました。特に宮崎選手と三平選手を中心とした左サイドからの仕掛けはとても効果的で、攻撃的な鹿島のサイドバック濃野選手の背後を狙ったプレーで攻撃の起点を作れていましたね。何度も有効打を与えていくとその努力が実る瞬間が訪れます。前半29分、三平選手とのワンツーで左サイドを抜け出した宮崎選手が左足で浮き球のクロスボールをゴール前に入れると、そこに走り込んできた三沢選手が自身もゴールに入ってしまうような豪快なヘディングシュートを叩き込み幸先良く先制点を獲得することに成功します。このシーンはまず三平選手と宮崎選手のコンビネーションプレーが素晴らしかったですね。また宮崎選手のクロスボールの質も完璧で鹿島守備陣はただボールの行方を見送る状態になっていました。そしてフィニッシュの三沢選手もヘディングの基本である叩きつける動作をしっかりと行っており、相手GKが触ることができませんでした。崩し→アシスト→ヘディングシュートすべてのプレーがうまくいった完璧なゴールと言えるでしょう。
☆与えたくなかった前半での同点弾
1点をリードすることができたヴァンフォーレはその直後に師岡選手のポスト直撃のシュートを放たれますが、基本はコンパクトな陣形での守備を保てており鹿島攻撃陣を包囲します。しかし前半終了間際の48分、クリアしようとするヘナト選手のキックがズレて右後方のスペースに流れてしまうと、関口選手と競走になった藤井選手が競り勝って先にボールに触り独走状態に。抜け出した藤井選手はGK渋谷選手のポジショニングを冷静に見極めてシュートをゴールに流し込み同点弾を決めます。ヘナト選手のキックミスはイレギュラーな出来事だったとしても、ボールに近い位置にいた関口選手が後から来る藤井選手にスピード負けしたのは痛かったですね。対応した渋谷選手もニアを埋めるポジショニングができていたらシュートがファーサイドに転がっていくので、懸命に戻ろうとしていた林田選手が寸前でクリアできたかもしれません。一見すると防げなそうな失点に見えますが、よく見ると二次行動&三次行動でカバーできていたかもしれないシーンだったと思います。
☆鈴木&柴崎選手ら主力次々と投入
前半終了間際に同点に追いつけた鹿島はその勢いのまま突き放しを図るべく、後半開始から名古選手や鈴木選手などリーグ戦にも出場している攻撃的な主力選手を投入。それによって攻撃の軸がしっかりした鹿島は前半以上にヴァンフォーレゴールを脅かすようになります。圧に押されたヴァンフォーレは陣形の重心が後ろに下がり相手の猛攻をモロに受けるかたちに。懸命なディフェンスを続けるなかで鹿島はさらに後半32分に柴崎選手&後半34分に仲間選手を使って勝負に出ます。前半のシュート数はともに7本ずつとチャンスを平等に作れていましたが、後半は2本に終わったヴァンフォーレに対して鹿島はさらに7本放つなどシュート数で圧倒する結果になりましたね。選手交代によって本来のチーム力の差が出た後半だったように思います。
☆狙われるマクーラ選手
良い連携から再三チャンスを作り出していた三平選手と宮崎選手が疲労からピッチを退くと、ヴァンフォーレの攻撃は尻すぼみ状態に。代わりにピッチに入ったマクーラ選手を狙う単調なカウンターに攻撃方法が変わってしまい、植田選手と関川選手の肉弾戦が得意なCBの守備の餌食となります。思うようなポストプレーができないマクーラ選手はだんだんとイライラが増していき、後半24分にイエローカードを貰うと試合終了間際の48分には相手GKを引っ掛けた判定で退場処分を受けてしまいます。今までのマクーラ選手のプレーを見ていてもカッとなる性格ではないと思っていましたが、鹿島のレベルの高い守備に対して何もできない不甲斐なさで瞬間的にそうさせてしまったと個人的には思います。ただし単調なカウンターサッカーに変化し彼がカッとなる原因を作ってしまったチームも大いに反省しなければいけないと思いますね。
☆終了間際に力尽きる
なんとか同点で耐えていた展開でしたが、後半44分に柴崎選手の放った正確なCKのキックがゴール前で待っていた植田選手の頭にドンピシャで合ってしまい、痛恨の逆転弾を許します。このシーンで足りなかったのはズバリ ‘高さ’ 。試合中何度もハイボールを頑張って跳ね返していたヘナト アウグスト選手がベンチに退き、競り合いに強いタイプの選手がCBにいなくなったことが影響しましたね。もちろん林田選手や関口選手&井上選手は懸命なディフェンスはみせていますが終盤の時間帯はどうしてもゴール前に放り込むような競り合う攻防が多くなるので、そこで180cm以上のCBが中央にいないと相手に制空権を取られてしまいます。この場面でも分かりやすいハイボールを186cmの植田選手が頭一つ二つ分抜け出したヘディングを放たれているので、こちらも力強いディフェンスで対抗したかったですね。リーグ戦の清水戦でも感じましたが、高さのある相手の攻撃にどう対処していくのかも今後のチームの課題となりそうですね。
☆敗因は?
この試合ヴァンフォーレが敗れた敗因として、両チームの選手層の差が出てしまった印象がありますね。スタートから攻守によく動き、粘り強い守備から前線の選手のコンビネーションで効果的な攻撃も展開されていたヴァンフォーレ。鹿島に対して堅守速攻から互角の戦いができていましたが、前半に目立っていた選手たちが後半疲れて交代すると攻撃のクオリティが下がり、その勢いに陰りが見え始めたのは痛かったですね。右肩下がりとなるヴァンフォーレに対して、前半あまり良くなかった状態から選手交代で盛り返し右肩上がりへとチーム状態が変わった鹿島。その差が最後のセットプレーの場面で露骨に表れてしまったかたちとなりました。あと勝敗を分けたポイントとして前半終了間際の失点を挙げたいと思います。そこで抑えて前半を1対0で折り返せたらまた違った戦略プランが立てられたと思います。土壇場で1対1へ持っていかれたことによって攻めと守りの両方を考えなければいけない展開に急遽変わったので、ハーフタイムでもどっちつかずの中途半端な指示になってしまったと思われます。優勝した2022年の準決勝のときのように、守備を固めて点差を守り切るディフェンスに振り切った戦術ができていたら焦って攻めあぐねる鹿島の姿が見られたかもしれませんね。あと前半終了間際と後半終了間際という心に隙が生まれて一般的に得点が動きやすいと言われる時間帯にきっちりとゴールを奪う鹿島の勝負強さも敵ながらさすがと思いました。
…ヴァンフォーレはベスト8進出はならずラウンド16敗退という結果になりましたが、3回戦ではJ1のセレッソ大阪を撃破するなどその舞台で存在感は示せたと思います。一昨年の天皇杯制覇から大会の注目度が格段に上がり、今大会ゴール裏スタンドは毎試合常に満席状態。サポーターからの力強い後押しで3年連続鹿島撃破といきたかったのですがそううまくはいきませんね。しかしリベンジを狙い気合いを入れた鹿島を苦しめたのは事実。天皇杯の舞台からは姿を消しましたが、もう一つのカップ戦であるルヴァンカップが残されているので、そちらで快進撃がみせられるように選手たちには頑張ってほしいと思います。我々サポーターも引き続き力強くサポートしていきますよ!
【2024天皇杯GAME REPORT】ラウンド16 鹿島との決戦
☆リーグ戦からの先発変更は7人
ヴァンフォーレはこの天皇杯鹿島戦を臨むにあたり、先発メンバーを7人変更。GKと最終ライン以外の前のポジションを総入れ替えし、ボランチは佐藤&木村選手コンビでウイングバックには小林選手と飯田選手を起用。飯田選手は大塚体制下で初出場。そして1トップに三平選手、シャドーには宮崎選手と三沢選手を配置。三沢選手は5月12日の第15節千葉戦以来久々の公式戦先発出場となります。しかもボランチではなくシャドーで起用してくるあたりが大塚監督のこだわりを感じるポイントで、彼の技術の高さを中盤のゲームメークではなくチームが攻勢を仕掛けている際の決定機の場面で活かせるように工夫していると思います。そしてベンチにはアダイウトン選手やマクーラ選手のブラジル人アタッカーも準備しており追撃体制も整えています。前節の清水戦から約半数を変えてきましたが、メンバー的にも鹿島を撃破して次のラウンドを狙えるような本気度を組み合わせから窺い知ることができます。対する鹿島はリーグ戦から5人変更。元ヴァンフォーレの須貝選手が先発出場し鈴木選手や柴崎選手などがベンチに控えるなど、完全にカップ戦メンバーに移行することなく主力選手も組み合わせてきたあたりが、2年連続天皇杯の舞台でヴァンフォーレに敗れている結果を今回こそは覆そうとリベンジに燃える鹿島の気合いを感じることができました。
☆安定感のあるヘナト選手のディフェンス
試合開始から鹿島がボールを持つ場面が多く、ヴァンフォーレはそれに対応しながら反撃の機会を窺う試合展開となります。ポゼッションの鹿島とカウンターを狙うヴァンフォーレの構図になっておりそれは開始前から予想されていたのですが、ヴァンフォーレ陣内で展開されるシーンが目立ちます。鹿島は中盤でボールを保持しそこからトップの選手が後ろに下がってきた瞬間に縦パスを供給。そこでボールを受けたときに2列目の選手が前に上っていくことで厚みのある攻撃を仕掛けてきました。ヴァンフォーレの守備陣はトップに供給される縦パスの対応には苦戦していたものの、そこを起点にした次に繋げるプレーには厳しくディフェンスができており、鹿島に思うような決定機を作らせません。なかでも今回左のCBに入ったヘナト アウグスト選手の守備力が高く、裏に抜け出されたときに粘り強くついていく対応や、背後を狙った浮き球にも体を伸ばして懸命にジャンプしヘディングでクリアするなど的確なディフェンスを披露していましたね。また他のポジションへフォローに行く献身性もみせており、とても効果的な活躍ぶりだったと思います。前半の互角な展開を作れたのもヘナト選手を中心とする守備が安定していたからだと思います。
☆完璧な崩しからの三沢弾
前半のヴァンフォーレは安定した守備に加えて攻撃陣もカウンター攻撃を軸にした積極的な攻勢を仕掛けることができていました。特に宮崎選手と三平選手を中心とした左サイドからの仕掛けはとても効果的で、攻撃的な鹿島のサイドバック濃野選手の背後を狙ったプレーで攻撃の起点を作れていましたね。何度も有効打を与えていくとその努力が実る瞬間が訪れます。前半29分、三平選手とのワンツーで左サイドを抜け出した宮崎選手が左足で浮き球のクロスボールをゴール前に入れると、そこに走り込んできた三沢選手が自身もゴールに入ってしまうような豪快なヘディングシュートを叩き込み幸先良く先制点を獲得することに成功します。このシーンはまず三平選手と宮崎選手のコンビネーションプレーが素晴らしかったですね。また宮崎選手のクロスボールの質も完璧で鹿島守備陣はただボールの行方を見送る状態になっていました。そしてフィニッシュの三沢選手もヘディングの基本である叩きつける動作をしっかりと行っており、相手GKが触ることができませんでした。崩し→アシスト→ヘディングシュートすべてのプレーがうまくいった完璧なゴールと言えるでしょう。
☆与えたくなかった前半での同点弾
1点をリードすることができたヴァンフォーレはその直後に師岡選手のポスト直撃のシュートを放たれますが、基本はコンパクトな陣形での守備を保てており鹿島攻撃陣を包囲します。しかし前半終了間際の48分、クリアしようとするヘナト選手のキックがズレて右後方のスペースに流れてしまうと、関口選手と競走になった藤井選手が競り勝って先にボールに触り独走状態に。抜け出した藤井選手はGK渋谷選手のポジショニングを冷静に見極めてシュートをゴールに流し込み同点弾を決めます。ヘナト選手のキックミスはイレギュラーな出来事だったとしても、ボールに近い位置にいた関口選手が後から来る藤井選手にスピード負けしたのは痛かったですね。対応した渋谷選手もニアを埋めるポジショニングができていたらシュートがファーサイドに転がっていくので、懸命に戻ろうとしていた林田選手が寸前でクリアできたかもしれません。一見すると防げなそうな失点に見えますが、よく見ると二次行動&三次行動でカバーできていたかもしれないシーンだったと思います。
☆鈴木&柴崎選手ら主力次々と投入
前半終了間際に同点に追いつけた鹿島はその勢いのまま突き放しを図るべく、後半開始から名古選手や鈴木選手などリーグ戦にも出場している攻撃的な主力選手を投入。それによって攻撃の軸がしっかりした鹿島は前半以上にヴァンフォーレゴールを脅かすようになります。圧に押されたヴァンフォーレは陣形の重心が後ろに下がり相手の猛攻をモロに受けるかたちに。懸命なディフェンスを続けるなかで鹿島はさらに後半32分に柴崎選手&後半34分に仲間選手を使って勝負に出ます。前半のシュート数はともに7本ずつとチャンスを平等に作れていましたが、後半は2本に終わったヴァンフォーレに対して鹿島はさらに7本放つなどシュート数で圧倒する結果になりましたね。選手交代によって本来のチーム力の差が出た後半だったように思います。
☆狙われるマクーラ選手
良い連携から再三チャンスを作り出していた三平選手と宮崎選手が疲労からピッチを退くと、ヴァンフォーレの攻撃は尻すぼみ状態に。代わりにピッチに入ったマクーラ選手を狙う単調なカウンターに攻撃方法が変わってしまい、植田選手と関川選手の肉弾戦が得意なCBの守備の餌食となります。思うようなポストプレーができないマクーラ選手はだんだんとイライラが増していき、後半24分にイエローカードを貰うと試合終了間際の48分には相手GKを引っ掛けた判定で退場処分を受けてしまいます。今までのマクーラ選手のプレーを見ていてもカッとなる性格ではないと思っていましたが、鹿島のレベルの高い守備に対して何もできない不甲斐なさで瞬間的にそうさせてしまったと個人的には思います。ただし単調なカウンターサッカーに変化し彼がカッとなる原因を作ってしまったチームも大いに反省しなければいけないと思いますね。
☆終了間際に力尽きる
なんとか同点で耐えていた展開でしたが、後半44分に柴崎選手の放った正確なCKのキックがゴール前で待っていた植田選手の頭にドンピシャで合ってしまい、痛恨の逆転弾を許します。このシーンで足りなかったのはズバリ ‘高さ’ 。試合中何度もハイボールを頑張って跳ね返していたヘナト アウグスト選手がベンチに退き、競り合いに強いタイプの選手がCBにいなくなったことが影響しましたね。もちろん林田選手や関口選手&井上選手は懸命なディフェンスはみせていますが終盤の時間帯はどうしてもゴール前に放り込むような競り合う攻防が多くなるので、そこで180cm以上のCBが中央にいないと相手に制空権を取られてしまいます。この場面でも分かりやすいハイボールを186cmの植田選手が頭一つ二つ分抜け出したヘディングを放たれているので、こちらも力強いディフェンスで対抗したかったですね。リーグ戦の清水戦でも感じましたが、高さのある相手の攻撃にどう対処していくのかも今後のチームの課題となりそうですね。
☆敗因は?
この試合ヴァンフォーレが敗れた敗因として、両チームの選手層の差が出てしまった印象がありますね。スタートから攻守によく動き、粘り強い守備から前線の選手のコンビネーションで効果的な攻撃も展開されていたヴァンフォーレ。鹿島に対して堅守速攻から互角の戦いができていましたが、前半に目立っていた選手たちが後半疲れて交代すると攻撃のクオリティが下がり、その勢いに陰りが見え始めたのは痛かったですね。右肩下がりとなるヴァンフォーレに対して、前半あまり良くなかった状態から選手交代で盛り返し右肩上がりへとチーム状態が変わった鹿島。その差が最後のセットプレーの場面で露骨に表れてしまったかたちとなりました。あと勝敗を分けたポイントとして前半終了間際の失点を挙げたいと思います。そこで抑えて前半を1対0で折り返せたらまた違った戦略プランが立てられたと思います。土壇場で1対1へ持っていかれたことによって攻めと守りの両方を考えなければいけない展開に急遽変わったので、ハーフタイムでもどっちつかずの中途半端な指示になってしまったと思われます。優勝した2022年の準決勝のときのように、守備を固めて点差を守り切るディフェンスに振り切った戦術ができていたら焦って攻めあぐねる鹿島の姿が見られたかもしれませんね。あと前半終了間際と後半終了間際という心に隙が生まれて一般的に得点が動きやすいと言われる時間帯にきっちりとゴールを奪う鹿島の勝負強さも敵ながらさすがと思いました。
…ヴァンフォーレはベスト8進出はならずラウンド16敗退という結果になりましたが、3回戦ではJ1のセレッソ大阪を撃破するなどその舞台で存在感は示せたと思います。一昨年の天皇杯制覇から大会の注目度が格段に上がり、今大会ゴール裏スタンドは毎試合常に満席状態。サポーターからの力強い後押しで3年連続鹿島撃破といきたかったのですがそううまくはいきませんね。しかしリベンジを狙い気合いを入れた鹿島を苦しめたのは事実。天皇杯の舞台からは姿を消しましたが、もう一つのカップ戦であるルヴァンカップが残されているので、そちらで快進撃がみせられるように選手たちには頑張ってほしいと思います。我々サポーターも引き続き力強くサポートしていきますよ!
【2024天皇杯GAME REPORT】ラウンド16 鹿島との決戦
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