悪妻愚母&鬼嫁

専業主婦のバタバタ日常。ドラマ、本、P、菓子なども気分に任せて語っています。My Homepage悪妻愚母もよろしく。

「日本人として読むべき」

2013-12-19 21:27:26 | Weblog
 それは、百田尚樹の「永遠の0」 表題は、息子が言った言葉。

 評判になっているのは知っていたが、零戦の特攻隊の話と聞いて読む気はなかった。どんなに感動的でも、きっと悲しすぎる、理不尽すぎるに決まっている。しかし、息子の勧めとあらば、読まなくちゃ。姉に聞いたら、義兄なんて最初から最後まで泣きッぱなし。でも、絶対に読むべきと。

 yumikong、本は常に持参、ちょっとでも時間があけば手に取る。美容院で涙、マッサージ前の身体温め時には号泣。マッサージでいよいよ最後になってきた。しかし、これは片手間に読んでは申し訳ない気がして、家に帰ってじっくり読んだ。号泣も号泣、声をあげて泣いてしまった。

                        ~~~~~~~~~~~~~~~~

 これから読む人にはネタばれになってしまうが、読み終わってなんで?、なんで?なんで?と疑問が残る。

 人命を尊ばない人間、能力のない指揮者に対する百田の矛先は鋭い。自分の立場や意地の為に他人の命を物のように扱う幹部たちに、憤りを感じずにはいられない。過去現在を通して、世の理不尽さは多々あるが、戦争と言う命をかけた状況での理不尽さには、やり切れない思いがつのる。やっぱり読まなかったらよかったと思いながらも、気持ちはどんどん引き込まれてしまう。なぜ、日本が戦争に負けたのかもわかるような気がする。

 祖母の死によって、祖父が血のつながった本当の祖父ではない事を知らされた姉弟が、実の祖父の人となりを調べ始める事から始まる話。その祖父は、絶対に死なない事を信条としており、それを卑怯者と揶揄する仲間もいるゼロ戦パイロットだった。抜群の腕と判断力、人間としても立派な祖父は、絶対に妻子のために生きて帰ると決めていた。しかし最後は生きる可能性を他人に譲り、特攻として散った。その理由が私にとってはなぜなぜなぜなのだ。作者は明確には述べず、読者に考えさせている。自分が教育した者たちが死をんでいくのに、自分だけ生き残ることへの罪悪感?、命を救ってくれた教え子に対する恩返し?、戦争に疲れた?

 いずれにしても、こんな人たちを沢山死なせてしまった戦争ってなんだったのだろう。少なくともなくさずに済んだ命は沢山あったはずなのに。

 「日本人として読むべき」、まさにその通りで、読んで良かった思う本だった。

                         ~~~~~~~~~~~~~~~~

 亡くなられた児玉清さんの解説文も素晴らしい。ものすごい読書量とは聞いていたが、「アタ~ック!」と言っているだけじゃなかったんだ!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿