桜の開花はどこも足踏み状態のようだ。
城跡を背に満開の桜をイメージした旅も、大きく狂ってしまった。
今回の旅は日本百名城の一つ「大洲城(愛媛県大洲市)」からスタートした。
櫓下御門のあったところからゆっくりとした斜面を登っていくと、堂々とした石垣の上に天守が見えてくる。
残念ながら、桜は「お花見」には早く「お枝見」の状態。
天守を見ながらぐるりと回るように登って、「暗がり門跡」を過ぎると本丸に出る。
高欄櫓、台所櫓(いずれも国の重文)を従えた天守が目の前に現れる。
天守と二つの櫓は渡櫓でつながっていて、高欄櫓は櫓とは言え高欄がある格式の高さを感じる。
天守から高欄櫓を順路に従って見学する。
天守は四層四階、明治時代に取り壊されてしまったが、平成16年に木造で復元されたという。
急な階段の上り下りはなかなか大変であり、怖いので、昇る際にスリッパを脱ぐ人が少なくない。
続いて高欄櫓に移動。
堀の役目を担う肱川が目の前を流れ、川を渡ったにしてもそこは崖であり、崖の上の城を攻めるのは容易なことではない。
反対側には大洲の街並みが広がる。
お城の見学を終え、城下の町をブラブラする。
古い町並みが残っていて、朝の連ドラの「おはなはん」の舞台となったところだそうである。
「おはなはん通り」と名付けられた落ち着いた通りも歩いてみた。
私は、むしろ映画「寅次郎と殿様」で、フーテンの虎さんと大洲の殿さまの末裔との滑稽なやり取りが印象に残っている。
世間とはちょっとズレたお殿様(嵐寛寿郎さん)とその執事(三木のり平さん)、そして寅さんが絡んでとにかく面白い。
また、大洲の街を思いだしながら、寅さんのビデオで笑い転げることであろう。