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como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

テンペスト 第5話「宦官の野望」

2011-08-16 16:22:51 | 過去作倉庫11~14
 ぬわははははははははははははぁーーあーーーーー!!!

…っといきなりテンション壊れててすんません。今週の「テンペスト」。今週は…今週は…

 もうツッコミどころ満載なんてもんじゃない。日本の国営放送製作の歴史ドラマとして、最後の体裁やら見栄みたいなもん捨てたというか、死線を超えた!!と思いました。すげえっっっ!!…ってなにがすげーんだか、自分でも書いててよくわかなくなってきてますが、原作の手柄じゃないことはたしかだ、うん。
 ではなんの手柄なのかといったら、それはもう、

ガックン!!!

 いやー、Gacktさんがやってくれました。もう、圧巻。これを怪演と呼ばずしてなんといったらいいのか
Gacktさん本人の開き直った演技もすごいんですけど、まあ、これを100パーセント生かしきった、脚本、演出、キャスティング、そしてなによりNHKの勇気に、拍手したいと思いますわ。もう、往生際わるくソレらしい歴史ドラマなんぞやってたって、どうにもならんもんね、この話。
というわけで、いろいろ言うのもまどろっこしいので、さっそく行ってみましょー、テンペスト
第5話 宦官の野望

 先週、阿片密輸一派を粛清した寧温(仲間由紀恵)ちゃんと朝薫(塚本高史)コンビは、重役中の重役である「表十五人衆」というものに大出世。さっそく王様(高橋和也)から、こんご琉球の政治をどのよーに運営していったものかと御下問があります。
 この先も清国を宗主国として堅実にやっていくが吉、と無難なことをいう朝薫に対し、寧温ちゃんは、「琉球を一国独立で生き残らせるには、王府というものを根こそぎ解体しないとどうもなりません」と、すんごいラジカルに過激なことを言い放ってしまいます。
 ところがこの王様は、鷹揚っつーか何つーか「おお、そうせい良きに計らえ」と、物分り良すぎな「そうせい候」。…つか、意味わかってんの王様?…といささか悩んだ寧温ちゃん。浅倉雅博(谷原章介)にも相談しますけど、この人も相変わらずの天然にいちゃんで、まったく寧温ちゃんの話をきいてなく、自分の世界に入り込んで「わたしの妻になってください!!」かなんか、空気読まないにもほどがある唐突プロポーズ。なんなのいったい。
 …となったとこに、これまた唐突に小林幸子が乱入し、さらに混乱を……あ、いや、幸子はただ、徐丁垓(Gackt)から寧温ちゃんへのプレゼントを持ってきただけでした。
 それが、デカルトのなんたらいう著書の原書だったんですね。この本バカに薄っぺらで、炊飯器の取り説程度のボリューム感なんですが、ほんとそうだったのかな?そのへんは良くわかりません。
 
 とにかく、寧温ちゃんはこの取り説みたいな本に無茶苦茶カンゲキし、徐丁垓さんは奇人変人だと思ってたけどホントは知的で立派な方なんだわ!!とイッポー的に思い込み、徐丁垓のいる幸子の館に、スキップしながら訪ねていくわけですね。
 で、あいかわらず女郎屋で阿片でキマッてエロエロな徐丁垓。いつのまにか哲学的デカルト問答をピロートーク方向に誘導してしまい、「おまいは真鶴とゆー女だ!!」と、寧温ちゃんを押し倒し、胸に巻いた晒をベリべリっ…。んで、「宦官がどーやってヤルかといったらこの舌でヤルんだよ~」とかいって、顔をレロレロッと…え?ウソ舐めてるっっ??!!
…ですが、ここでは、まだ決定的な局面にはいたらない。ガクトは寧温ちゃんを、秘密をたてに脅し、自分を首里城の重役につけろと言って迫ります。それを見越してお前に阿片の件で手柄を立てさせてやったのだぬぁはははははははは……と高笑い。
 これで絶望した寧温ちゃんは、家に帰ると、もうわたし駄目…と、世を儚んで命を絶とうとします。そこへ、女形の兄ちゃん(金子昇)乱入。「おまいがあとを追ってどーするっっ!!!」…はい??と目が点の寧温ちゃん。じつは、その数分前に、王様が突然倒れ、ぽっくり亡くなっちゃってたんですね。
 そうせい候の応援も取り付けて、これから琉球をぶっ壊す!というときになんてこと…とガックリ脱力する寧温ちゃん。するととつぜん、庭のガジュマルの木に、ガラガラドッシャーンと落雷し、真っ二つに裂けた(っつか、しょっちゅう雷が落ちる木だよな。よく原型をとどめてるよ)木の股のなかから、キラキラリーン、とCGの光を放つものがあるではアーリマセンカ。こ、これは…。
 そう、伝説の、馬天ノロの勾玉。なんか100円ショップで売っていそう、なんていってはいけない。何が何でも馬天ノロの勾玉!それが証拠に、寧温ちゃんがそれを手にした時に、にゅわわわわ~っと、夜空にCGの龍が沸いて出て、パオーンパオーンと咆哮しながら大暴れするではないですか!!
 どわっははははははは……っと、いや、ダメ、こんなもんで爆笑してちゃあこの回はついていけないわ。でも、この瞬間、NHKのドラマとしてなんか一線越えた、と確信したのは確かです、はい。

 これでアッサリ立ち直った寧温ちゃんは、正装して登城。朝薫とともに、これから幼少の新王を助けて頑張らなくては!と気合をいれるのでしたが、ぬぬわんと、少年王の横には徐丁垓が!!「今日からワタシが琉球の国相になったのだ!!おめーらよりエライのだ!!私の言葉は王様の言葉なのだぬぁははははは…」と、この回何度目かの華麗な高笑い。
…て、ちょい待てよ。徐丁垓がどーゆー経緯で国相なんていう重役に、それも1夜のうちに就任したのだよ。そのへんの説明全然ないじゃん。いいのかこれで?
 ええ、いいの。なぜならGacktだから。この状況説明華麗にスルーっぷりも、Gacktだからってことで許される。すげーわ。奇跡のキャストだよねこれ。 
 そんな絶好調の徐丁垓に、薩摩との連絡を取るな、御仮屋にも行くな、浅倉雅博を自宅に呼ぶな!などと制限された寧温ちゃん。窮して、雅博を、夜の庭園?に呼び出しますが、んなところに呼ぶのが間違ってるって。案の定、待ち伏せしていた徐丁垓に、こんどこそ本格的に押し倒されて強姦(!?)されてしまいます。
 そして、寧温ちゃんを待っていた浅倉雅博のところに、うひゃひゃ…と卑猥な笑いとともに現れた徐丁垓。孫寧温なんか信用しちゃいけませんぜ、とご忠告。「知ってます?あれ、ああ見えて、脱ぐとすごいんです」(ヲイ…)
 この一言でブチ切れた雅博は、抜刀し、徐丁垓を斬り捨てようとしますが、それに、カマキリ拳法みたいなので応じる徐丁垓、うひゃひゃひゃ…という華麗な笑いとともに闇に消えます。混乱のあまり、レイプの痛手から急いで立ち直った寧温ちゃんが現れても冷たい態度の雅博。ホント天然にいちゃんだよな…。頼りにならんにもほどがあるっつうか。
 そんな雅博に、寧温ちゃんは、キラーワードを持ち出します。「わたしは貴方の前でだけ真鶴に戻れるの!心を開いて頼れるのは貴方だけなの!!」とかいって、どー見てもあからさまな色仕掛。でも、「脱ぐと凄いんです」ショックで心がゆらいでいる雅博には完全逆効果なんですね。プロポーズなんかしたくせして、雅博は手のひらを返したように、冷たく背を向けて去っていきます。。

 で、徐丁垓の好きほーだいな振る舞いはエスカレート。王宮内でも寧温ちゃんに、露骨なセクハラを繰り返し、「そのうちまた抱いてやろうぬわはははははは…」とか遠慮なく高笑いしたりするわけです。
 それを漏れ聞いてしまった女形のにいちゃんは、おのれ妹を陵辱した鬼畜!!!とブチキレて、徐丁垓に決闘を挑みます。人気のまったくない断崖絶壁の上で。だーかーらー、なんでそう、助けが呼べないようなところに呼び出すのかな。いっつもいっつも。よくわからんですが、徐丁垓の華麗なカマキリ拳法に、歯が立たない女形の兄ちゃん。猿のお面でパワーチャージしても(これ地味に笑えた…)力及ばず。
 そこへ、お待たせしました寧温ちゃんが助けに来るわけだ。なんか下駄みたいなもん持って。で、摩訶不思議な空手のような体技で兄ちゃんを守って闘おうとするんだけど、やっぱカマキリ拳法には歯が立たず、ついに、抱き合い心中みたいに、ふたり抱き合って断崖絶壁から身を投げる!
 と、ををっ、見よ!寧温ちゃんの首にかけた馬天ノロの勾玉から、一条の光が天にむかってのびて、それが、なんか芥川龍之介作「蜘蛛の糸」みたく、命綱となってぶら下がったではアーリマセンカ!!!
 ぶわっははははははは……って、ここで爆笑しちゃまだ早い。しかもその刹那、遊女になった聞得大君(高岡早紀)が、なんか丑三詣みたいなことして拝んでいるローソクに、バババッと火が付き盛大に燃え上がる!!…ぶはっ!!いやいやまだ早いよ、そんでねそんでね、往生際の悪いGacktが蜘蛛の糸の罪人みたいに、寧温ちゃんの腰にしがみついて助かろうとするんだけど、それを寧温ちゃん、髪に挿したる簪を、パララララ~チャラッチャチャチャチャ~~!!…っと飾り職の秀みたいに(なんて古すぎて誰にもわからんわ!!)、華麗な手さばきで徐丁垓の首にブスッ!! 
 どわははははははは!!!!あーあもう笑った笑った。笑っていいんでしょ?いいよねこれ??
 
 かくして、鬼畜徐丁垓は、いともアッサリ成敗されて、断崖絶壁から堕ちていったのでありましたが、いやー勿体無いわあ。もーちょっとこのバカネタで引っ張ってほしかった。あ、いえ何ならこれで華麗に最終回てことでも、何の文句もなくってよ。
 でも、来週からまだ5週も話は続くのよな…。寧温ちゃんが、徐丁垓を奪われて嫉妬に狂った朝薫の讒言という、思わぬ痴情のもつれから(え、違う?)、ガクト殺害のかどで逮捕されて、それから……。んー、なんかこう、かぎりなく興味薄くなっていくのはどうしようもない。
 このさいだから、がけから落ちても首の骨折っても、不死身の宦官ってことでガクト復活プリーズ!!

 今週気づいたこと。
 もう、おなか一杯で他にはなにも望みはおまへん。

…で? 徐丁垓殺しちゃって来週からどーすんの? わかんないけど、満にひとつの復活に望みをつないで、来週も見てみっか。
 ではではね。    


11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Gacktが主役 (アルテア)
2011-08-16 17:15:03
こんにちは。第5話は私も昨日観ました。
もう吹っ切れてしまっている感じでしたね!
今回はGacktさんが正に主役でした。
これで退場だなんて、次回から楽しみが…。
もっと暴れまわって最終回まで引っ張ってほしかったです。

他にもCGの演出といい、完全にファンタジーの世界ですね。
あのお兄さんが戦ってる途中にお面をつけるのも、
「それを被ると強くなるのかな?」と疑問のままでした(苦笑)
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Unknown ()
2011-08-17 19:15:10
はじめまして。
毎週この突き抜けっぷりを楽しんでいます。
こちらのご感想も毎週楽しみにしているので、できれば最終回まで完走してください。

>下駄みたいなもん
トンファーという、沖縄の古くからの武器だそうです
>兄ちゃんとお面
殺陣のために、中の人が変わってるんでしょうね…
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あらあら (雪斎)
2011-08-18 00:05:48
 何だかんだ言って、GACKTが怪優の仲間入りしたというのは、このドラマの収穫かもしれません。彼が師と仰いでいるらしい緒形拳さんは、天上で笑っていると思います。
 昔、色々とぶっ飛んだ映画が多かったと思いますが、そういう映画に出ていた怪優が日本映画の厚みを支えたんと思います。
 ただし、NHKが一番、ぶっ飛んだ放送局になったというのは、皮肉な気がします。
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GACKT (Unknown)
2011-08-18 14:41:37
GACKT凄い、妖艶ですね。

原作も凄いんですがNHKやりますね。

来週からはいよいよ仲間ちゃんが、昼は寧温、夜は王の側室(真鶴)としてハチャメチャな活躍をします。親友となる同僚側室のお嬢様爆弾がまた凄い。そしてあのペリー提督に交渉で勝ちますよ。
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徐丁垓復活?! (のぶ)
2011-08-18 17:42:39
うーん、5回で終わらせるには実に惜しいわ。
ガクトの吹っ切れたはじけた演技、ここで終わりじゃもったいない。GOで子役でも復活させるくらいやから、ガクトも復活させてくれるものと信じています!
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ダブル大森 (SFurrow)
2011-08-21 17:29:49
大森脚本は戦国もの・ゲージツものばかりじゃなく、ブっ飛んだファンタジーでも行けるってことはよくわかりました。
なので是非、次回はまた戦国に戻って~~

そういえば「体育館裏のシメ」どうなったのかしらん(笑)
小田原は何も今さら茶髪丹前作家に頼まなくったって、「箱根の坂」という立派な司馬大先生の作品があるんだから、大森さんがその後の4代を「風林火山」の時のように思いっきりふくらませて書けばいいわけで。
脚本は寿美男さん、早雲は南朋さんというダブル大森が私としてはベストだなぁ。
ガクト様は何だろう?思いっきりスタイリッシュな太田道灌?
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変身おにいさん (庵主)
2011-08-21 20:34:00
>アルテアさん

いや、もう、これでいよいよGacktに主役がスイッチ!と確信した矢先の退場で、残念というより「え…」という感じ。
でも、あまりにも勿体無さすぎるので、まだまだ復活の望みを捨て切れません(←しつこい?)
お兄さんのお面は、大奥の中庭でかたせ梨乃を襲ったときもそうでしたけどww、上でもおっしゃってますが、中身入れ替えツールですよね。戦隊モノの変身と同じ、みたいな。
せっかくだからもーちょっとハジケて変身してくれてもいいのに…。
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変身おにいさん・2 (庵主)
2011-08-21 20:38:01
>宵さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
Gackt退場のときはガクッと脱力してたんですけど、ほかにも楽しみな情報が入ってきて…ふふふ。このまま最終回まで突っ走ります!
トンファーというのは知りませんでした。なんかヌンチャクみたいなもの?!独特ですよね。
お兄さんの変身も、「中の人入れ替え」、あーなるほど~!!と。
お面をかぶっていきなりバック転とか、けっこう地味にウケました。
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緒形さん (庵主)
2011-08-21 20:44:29
雪斎さん

ああ…そうですね、緒形拳さん(しんみり)。
ガックンが俳優開眼した影には緒形さんの存在が。
殿が吹っ切れて、怪優への道を楽しそうに歩んでいるのを、緒形さんも笑いながら見守っておられることかと。
NHKには独特のぶっ飛び方というのもあるもので、珍作もBSのようなペイチャンネルのほうがやりやすいということなら、大歓迎ですので…。こういう逸材をもっと発掘してほしいものです。
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再投入 (庵主)
2011-08-21 20:46:32
>のぶさん

江の子役再投入は、あざとい手すぎてドッとしらけましたけど、Gackt再投入は依存ございません。
なんなら終盤にヒロインの息子役でも…(ちがうかそれは)。
でも、わたしもまだ「あれで終わりのはずはない」と思っていたりします…。
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