como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

軍師官兵衛 第5回

2014-02-03 23:18:13 | 過去作倉庫11~14
 先週の放送のあと、ナレーションの藤村志保さんが降板されるというニュースが入ってきました。背骨の圧迫骨折ということで、それは大変。お大事にしていただきたいです。
 このナレーションは、わたしはそんなに嫌いじゃなかったので残念に思いますが、まあ、世の中いろいろ心無いことをいう人もいるので…。療養に専念していただければなによりと思います。再来週からは元アナウンサーの広瀬修子さん。さらに「風林火山」っぽい雰囲気になりそうですね。
 先週までの4回が、大河ドラマっぽく無難に無難にまとまっていて、無難が過ぎてベタベタになってる部分とかあって、どうもいまいち歯切れが悪い印象だったのですが、今週はよかったです。まあ、突然目が覚めるほど良くなったというわけではないんですけど、ドラマとしてそれなりに軌道に乗ってきた感じ。
 それでは見てまいりましょう、

第5回 死闘の果て

 いきなりですが、大河ドラマにおける「戦国時代の地方予選」というものの描き方は、わかりやすければいいのでしょうか。
 過去作「独眼竜政宗」を筆頭に、「武田信玄」「毛利元就」「風林火山」など、みんないわば「地方予選」から戦国時代を描いていて、その地方に縁のない人には、土地勘もふくめて全体的によく事情がわからない、これは当然なことだと思います。
 そういうのは、しいて噛み砕いてわからせる必要もないと思うんですよね。ましてスルーなど論外。ざっくり言って、名前知らない地方の小大名がその地方限定で、目を血走らせて戦を繰り返しているという状況が、できるだけローカル感ゆたかに泥臭く伝わればいいわけで(アバンタイトルというものはそういう背景事情の補足のためにあったのですよね、本来は)、そういうのを経て全国区の天下取り決勝戦に収れんしていくのが、戦国大河ドラマの醍醐味ともいえます。なので、そのあたりを適当に流してしまったり、わかり易くするために紛争の背景事情を極端に端折ったりするのは、ちょとどうかと思いますよね。
 ローカル事情が分からない、信長とか知ってるキャラがでてこないから面白くない、それより合戦シーンそのものが残酷でイヤだ、という人は、そもそも大河ドラマ視聴に向かないので、お風呂でもはいって9時からの東芝日曜劇場までスタンバイしてていただけばいいのです。とりあえず「天地人」とか「江」みたいに、その手の不毛な客層を開拓しようとむだな努力をしたりしてないのは好感を持って見ていますが、せっかくだから、信長・秀吉などに尺とらず、播磨のご当地事情のほうに腰を据えたほうが面白いんじゃないでしょうか。信長秀吉まわりのほうも、見て面白けりゃともかく、「秀吉」リサイクル&ホタテマンだからねえ。

 というわけで、今週最大のベタベタ大賞、

「戦から戻ったら祝言だ」

 わははははははは。 すげえ。これをいうか臆面もなく。もうほとんど大河ドラマのセルフパロディになってしまい、ベタも極まって面白くなってしまったのですが、やってるひとたちは大真面目です。それがまたいい。なにを狙ってるのか、笑いを取りにきているのか、よくわかんないところがいい。
 第一回からずっとひきずっている、隣の赤松家がまた攻めてきて、小寺勢はわりとスムーズに撃退するのですが、これでいい気になった殿さま(片岡鶴太郎)とアホなイエスマン家来たちが、赤松などひとひねりじゃ-とかいいます。
 新城主になった官兵衛(岡田准一)は賢いので、そうはいくまいという戦の機微がわかっている。また、百姓を足軽に徴兵するには、きちんとした労働条件と報酬がものをいうということも解ってて、ふだんは御城の中でも光熱費まで節約し、城主一家の古着も家来から金をとって売りつけるというくらいしてお金をためて、合戦で徴用した百姓への手当金に充てています。さらに、ふだんから田畑をまわって百姓とのコミュニケーションにつとめているので、信用は絶大。
 さすがに出来杉君な気もしますが…。お父様や家族との仲も円満で、殿様の覚えもめでたく、新妻の光姫(中谷美紀)は、あの元カノの思い出告白でドン引きの初夜(先週)で仕込んだハネムーンベビーを妊娠中。すでに臨月。で、今週うまれるのが、のちに黒田長政になる嫡男です。
 そんでその嫡男ご誕生のお祝い会のドサクサにまぎれ、独り身の武兵衛(永井大)を、まるで合コンの悪ふざけのごとく光姫の侍女(中川翔子)とくっつけてしまった黒田家中。ほどなくして戦はおこり、前記の名台詞となるのですが、あまりにも直球すぎて、空耳かとおもいました
 脚本家の人もなにを考えているのでしょうか。こういう、百万ダラ使い倒されたセリフを堂々と貼り付ければ大河ドラマっぽくなると本気で思ってるんかな。そんじゃそのうちぜったい出てくるわ、「行くなら儂を斬っていけ!」「オレは鬼になる!」「これも戦無き世をつくるためじゃ!」!」…ほか。まあ、その時になったらピックアップして笑いのネタに供したいと思いますが。
 
 そういう脱力玉は投げてくるものの、合戦シーンその物はけっこう本気出してて、かっこいいんだよねこれが。わたしは単純なので、合戦シーンがかっこいいとかなりのところまで相殺出来てしまうんです。
 家中総出で出陣した御着の小寺勢を、赤松勢の奇襲が取り囲みます。このままでは包囲されてしまう、ここはひとまず退却を、と促された殿様は、うむ、そうであるな、と簡単に納得し、黒田家中を最前線に放置したままスタコラ退却。完全に死地に置き去りにしてしまいます。とんでもねえボスですね。
 その赤松家の先陣をつとめているのが、覚えていますか、第一回で職隆(柴田恭兵)を陥れて小寺家との分断を図り、失敗してそのまま赤松領に亡命した石川ナントカって男。こんな無責任な撤退でノーマンズランドに置き去りにされ、敵の餌食になるばかりな職隆お父様としては、あのとき変な情実にからんでヘッドハンティングを拒んだことを、後悔したんじゃないでしょうか。
 合戦のさなかに叔父の井出元氏(飯田基祐)が討死(この役者さんなにげにいい味を出してて好きなので、あっさり死んじゃって悲しいです)。さらに守役の母里小兵衛が討死し、濃厚な負けモード。ですが、理不尽に置き去りにされ、負けて城を取られたらそれこそいい面の皮なので、官兵衛は、ボロボロになって息も絶え絶えな兵隊たちをたたき起こして、夜襲を決行するわけですね。
 それで、すっかり勝ち戦を確信して油断していた赤松勢の不意を突いて、奇跡のごとき勝利をおさめる、という段取りなのですが、そのへんがちょっと簡単すぎて物足りないような…。死闘っていうくらいだから、もうちょっと、2話くらいかけてネッチリ描いたほうが良かった気がしますねえ。ご当地事情など織り交ぜながら。そのへんをもっと腰を据えて本気でやれば、「戦から帰ったら祝言だ」なんてセリフだけが悪めだちしてネタになることもないと思うんですが。 
 とはいえ合戦シーンは本気で、馬から落ちたり転がったり、一騎打ちしたり、の主役の岡田君の体技が、なんども言ってますがまことにキレがよくカッコ良くて、夜襲の暗い画面なのですがスタイリッシュで見ごたえがありました。こういうのはどんどんやってほしいです。
 合戦シーンが映像的にカッコ良かったので、引き込まれてしまい、武兵衛の戦死のシーンなんか思わず目頭を熱くしてしまったではないですか。いや、これもけっこーベタなんだけどね。体を張って主人を守るとか。でも、武兵衛の死をみとる善助(濱田岳)が、なんというか、主人に先立たれた犬みたいな、柴犬系の可愛さで、ううう(涙)。うっかり涙腺を攻撃されてしまいましたがな。

 そして凱旋となるのですが、「戦から帰ったら…」の爆笑モードとはうらはらに、武兵衛の姿を探して、みつからず、事情を察して泣き崩れる中川翔子ちゃんの一連の表情が、なんともいえず切なくて良かったのは特筆しておきます。
 これで出番終わりではもったいない。このまま光姫の側に仕え続けて、奥女中頭として供白髪になるまで出演してくれたらいいのに。
 永井大さんはお疲れ様でした。短い出番でもったいなかったですが、これにてサヨナラ公演です。

 信長・秀吉・半兵衛まわり。

 さて、ホタテマン信長(江口洋介)は、おかざり将軍足利義昭を奉じて上京。天下布武へちゃくちゃくと足固めをすすめています。とりあえず今週のおもな仕事は、将軍の威光を天下に示すため、「観能会を盛大に催す!」「それも豪華な十四番だ!!」とわけのわからないことをいう将軍様を、「多すぎます!」「五番にしなさい」と言って納得させることです。
 そして秀吉(竹中直人)のおもな仕事は、竹中半兵衛(谷原章介)のところに通い、マキ割りとかを、頼まれてないのにやってあげて、「ぜひとも軍師として信長さまに仕えてくだされ」と拝み倒すことです。
 これがいわゆる秀吉版・三顧の礼というやつなのですが、これが礼も何もあったもんじゃなく、なにを言われても拒否する半兵衛を「いやじゃいやじゃ、半兵衛殿がうんというまで死んでもここを動かぬ」とか言って、ホームレスの退去拒否みたいに強引な座り込みに入ります。
 半兵衛がなんでそんなに嫌がるかというと、単純な話、「信長が生理的に好きじゃない」からです。家督を奪うために弟を殺したとか、そのあたりの逸話が、どうもえげつなくて嫌悪感が湧く。そういうのは性格的にカンベンしてほしいたちなので…と優雅に首を振る半兵衛に、秀吉は、殺し文句「戦の世を終わらせるためですぞ」というのを繰り出します。あ…ここでまた百万ダラ名台詞がひとつ出てしまった(笑)。
 まあ…大河ドラマがこの手の平和の歌を歌い始めると、ザーッと醒めてフリーズドライ状態になってしまうわたしが居るのですが。信長とか秀吉が、世界平和を指向して殺りくを繰り返していたって設定自体、半兵衛じゃないけど「もう沢山じゃ」と思っちゃうんだよね、わたし。
 で、半兵衛も、信長の半端なへーわ主義には懐疑的で、でも秀吉のしつこさには根負けし、ベタな平和の歌をまじめに歌う姿にもほだされて、「信長さまでなく、貴方様にお仕えするのなら」といって士官を承諾するのでした。
 とりあえず半兵衛が、天下布武=世界平和、と単純に信じてない風情なところが救いですね。そりゃまあそうだ、半兵衛がそんなアホじゃ困る。

 ニューカマーたち

 武兵衛はじめたくさんの家来を失った黒田家では、人員補充と、新たに官兵衛の家臣団を作るため、採用面接会を行います。
 そこでイッパツ採用になったのが井上九郎衛門(高橋一生)という人で、この人はお父さん時代からの二世社員のようです。高橋一生さんは駒井高白斎が印象強いので、こういう理知的な忠臣タイプは鉄板。期待したいです。
 いっぽう、出てきた瞬間「…は???」となってしまったのが速水もこみち氏で、いや、太兵衛っていう苗字もない男の役柄自体は、合ってるも合ってないもないんだけど、あの眉毛が…。魁・男塾ですか?
 面接にいって若社長の前で棒を振り回す行いもさることながら、あの眉毛に眼が釘付けになってしまい、いったい何を狙ってるのかしら。まあ、いいけど…。

 来週は、選挙の開票速報ために繰り上げで7時15分から。は?選挙って東京都知事選…?こちとら東京都民じゃないし、サラサラ関係ねーのですが。時間が早くなってもべつかまわないけど、なんでテロップじゃないの?来週は「信長の野望」いやだそうですが、8時のアバンタイトル時に、江口洋介のアップの上に「東京都知事 ○○○○…氏 当選確実」ってテロップがかぶるだけでも、ぜんぜんかまわないですけど?

また来週っ!


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