como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

軍師官兵衛 第19回

2014-05-12 22:00:00 | 過去作倉庫11~14
 はい、今週は、官兵衛の人生の大イベント「監禁」5分前というところの展開です。中クライマックスにむけて大事なところにさしかかりました。今週は、脚本もけっこう良かったと思います。ゴーストライターさん変えたのかしら。
 あ、いやゴーストライター云々はともかく、再来年の大河が発表になりました。脚本家の名前で客が呼べる格の脚本家・三谷幸喜氏が再登板、題材は「真田幸村」だそうです。
 いよいよ大河ドラマが本気で視聴率取にきたかって感じですが…。まあ、期待しない理由はないので、楽しみに再来年を待ちたいと思いますよ。それにしても戦国幕末戦国幕末のルーティーンを破るようなのは出てこないのかしらね。もうちょっと意外性のあるのを期待してたのですが。
 ということで、再来年までまつまでもなく、日曜夜の大河ドラマ…じゃなく11時からはじまったイギリスのドラマ「ダウントン・アビー」がやたら濃くて面白くて、身を乗り出して見てしまい、ますます8時枠の影が右薄くなります。それでも、まあ、脚本に多少改善の兆しが見えたのは良かったと思います。
そうはいっても「これですか…」という脱力玉も仕込まれてましたけどね。それについてはあとで書きます。

第19話「非情の罠」

今週のザックリしたあらすじ

 荒木村重(田中哲司)が、信長(江口洋介)を裏切って謀叛の兵を挙げる決意をしました。そのことはあっというまに拡散されて既成事実になっており、まさかと疑った秀吉(竹中直人)と明智光秀(春風亭小朝)が有岡城に派遣されます。
 有岡城ではもう本気で戦モードに入っていて、丸腰できたふたりはボー然。「信長なんかについたら未来はない!ひとをだまし、女子供も平気で手にかけたうえイエスマンで周りを固め、気に入らなきゃぶっ殺す、こんな外道とはさっさと手を切ったほうが明るい未来のためだ!」と。いや、そういうと確かにそのとおりなんだよね…。むしろ、いや信長さまはそんなんじゃない、これこれこういう素晴らしい展望があるんだ的な、反論の説得力が全く無いのが今年の信長の問題ですよ。
 とにかく、返す言葉もなく帰ってきた秀吉と光秀に、信長は合わず報告も聞かず、什器に八つ当たりして、村重討伐を決意します。
 村重は周辺の大名にもメール攻勢をかけており、村重と組んで毛利陣営に入れば安泰、播磨一国の国守にしてくれるといわれた御着の殿さまは、簡単にその気になって、信長を裏切って村重と一緒に毛利陣営に入ることに決めてしまいます。そんなことされたら、殿様の出来損ないの嫡男のかわりに人質に行った松寿丸の命が無いので、必死で翻意を促す官兵衛と姫路の人びと…なんですが、根っから無責任体質の殿さまは、他人の子の命なんか知ったことじゃありません。
 村重の城でも、美人妻のだし(桐谷美鈴)が挙兵を不安がっていて、挙兵に反対していた高山右近(生田斗真)に、なんとか説得してくれないかと頼んだりしますが、右近は、逆に自分の暗い過去の告白などして、美人妻の希望をくじいてしまいます。
 右近はかつて自分がつかえてた高槻城の前の殿さまに可愛がられてて、後を継いだ二代目に憎まれ、殺されそうになった。やられる前にやるしかないと、兵を挙げてクーデターをおこし、二代目を殺して高槻城の城主に成り上がったわけで、そのとき全面協力してくれた村重さまには大恩があるんです、と。世間ではわたしは敬虔なキリシタンで虫も殺さぬ男のように言われてますが、実際はそうじゃないんです。やられたら殺り返す、倍返しの男なんです。
 とかいいながら、戦で死んでもおかしくない命を長らえた自分は、大きなものに生かされているとおもいました、などと宗教っぽい死生観も匂わせ、その大きなものに生かされた命を大恩ある村重さまの無謀な挙兵につきあって消費する、というのもよくわからん筋道だけど。結局はデウス様のおしえより村重さんからの借りをとった、ということでよろしいのか、この人は。
 さて信長は、なんかだんだん意味不明のハデハデしいモノが増殖して秘宝館みたいになっていくマイルームで、堺の今井宗久(小西博之)を引見し、コレクションに加わった自慢の地球儀を見せびらかして、日のもとがいかに小さいか知ってるか、とかエラそう風をふかせます。この国が明や南蛮と渡り合うには金がいる、オレはこの国を豊かにする、世の中はカネだ、と急に経済ドラマに目覚めたようなことを言い出し、経緯がよくわからず目が泳いでいる今井宗久相手に、自己陶酔ワールドを全開させます。
 さらに自己陶酔は拡大し、出ました十八番「敦盛」リバイバル!…って、これはさすがに、あの一回で懲りて無かったことにすると思ってたのにねえ。またやらかしてしまいました。
 でもまあ、多少進化はしてましたよ。カメラワークは。引いたり寄ったり、角度を変えたり、背景を夜にしたりとか、いろいろやってました。芸はあいかわらずの一世風靡セピア状態ですけどね。なんでこれまた出そうと思ったのか、意味が解らん。緊迫した状況でちょっと笑いをとろうと思ったのか?
 さて、小寺の殿さんが急に寝返りを決意したので、息子の命がかかってる官兵衛はシャレじゃすまない。黒田家では、この際御着を攻め滅ぼしてしまえ、と意見が一致。いままで散々尻拭いをさせられて、役立たずのガキの替わりに大事な一人息子まで人質に差し出したというのにこの仕打ち。もう我慢できない、することない、というわけですね。うん。それは私もそう思う。
 だけど官兵衛はあくまで、「いや、黒田家は一介の素浪人から御着の殿さまに引き上げられて今がある、この大恩は忘れて良いものではない」といい張り、殿様を説得して、寝返りを沙汰やみにさせてみせると宣言します。無理なんですけどね。いうことをきかない、ならまだいいけど、その場その場で人のいうことをなんでも聞いてしまうひとが相手だから。こういう場合のほうが厄介ですよ。
 ということを分かっているのかいないのか、おおわかった、さすが官兵衛じゃ頼りになるのう、存分にいたせ、などと巧いこと言われてその気になり、官兵衛は、まずは有岡城の荒木村重の説得におもむきます。入院中の半兵衛先輩(谷原章介)のところで時間を潰してお供のレッツゴー三匹(濱田岳、高橋一生、速水もこみち)をまくと、颯爽と単身で有岡城に乗り込むのでした。
 乗り込んだはいいんだけど、いまの村重を正義とかなんちゃらの正攻法で説得できるわけないし、むしろ、信長様についていくのが正しいと主張できる論拠がぜんぜん無いので、話になりません。しまいには浪人時代の村重に出会った日の話などして泣き落としを試みますが…んな泣き落としより、あんとき貸したお金のことでも蒸し返してみたほうがよかったんじゃない?
 そう、あのとき「このご恩はきっと、倍返し、いや10倍返し、いや百倍返しだ!」と誓った村重は、その誓いを守りました。官兵衛をふん捕まえてボコボコにし、暗い地下牢に放り込んで施錠してしまうんですね。どういう恩返しだよ笑。しかも、御着の殿さまからは「官兵衛がそっちにいったら殺っちゃってください」という指示メールが来てて、ようはこいつがゴタゴタと立ち回ったらお互い不利になるから…というわけなんですが、いやひどい話ですね。こんなことならお供のひとりくらい連れて来たらよかったのに。それか、伝書バトかなんか。
というわけで黒田官兵衛さんの人生のメインイベント、監禁タイムがはじまります。人生のハイライトが監禁って、ある意味すごい人生だわ、ってとこで以下次回。


今週のみどころツッコミどころ

半兵衛パイセンにも花束を

 今週「わたしにはもう時が無い…」とかなんとか麗しい憂い顔でつぶやいておられました、半兵衛先輩。っていうか、先輩、軍師としてはほとんど活躍シーンが無かったのに、もう人生のカウントダウンに入っちゃうんですか。ちょ、ちょっと待って。
 官兵衛が監禁に入ってしまったら、先輩にはあと、あれしかやること残ってないじゃないですか。そんだけの人なんですか?それでいいんですか? なんか、死ぬ前に山内一豊のオカカに「お慕い申しておりました…」なあんて女々しい告白をするより扱いが悪い気かった気がします。もう一花咲かせてほしいところですが…無理か?

官兵衛(注・主役)監禁前のラストアクション!

 官兵衛は当分監禁されて、そのあと体が不自由になってしまうので、乗馬や殺陣などのアクション系シーンは、たぶんこれで見納め。
 ってことで、監禁直前緊急大サービス、今週は馬には乗るわ、刀ぶん回すわ、走り回るわ、ひとり大張り切りの活躍でございました。もともと岡田君の体のキレと姿のよさにほれ込んで、脚本がアレレだろうと我慢して見てきたドラマなので、これで彼のアクションも見納めかと思うと実に寂しいです。
途中からアクションで見せられなくなるのはわかってるのだから、ここまで、もっと動きのある見せ場をたくさん作っておけばよかったのにねえ。
というか、主役があまり動き回らなくなったら…どう見せ場を作るんだ?このドラマ。

脚本良くなりましたね。

なんか、ゴーストライターさん変えたのかしら?と思うくらい、今週は脚本の出来が良かったです。「義」という概念、この場合は義理とか恩義とかですけど、荒木村重、高山右近、それに主役の官兵衛と順々に照射していって、それぞれの心情を浮かび上がらせるところなど、なかなか冴えていると思いました。
まあ、だれが書いていようと面白ければいいので、この調子で行っていただきたいですね。

また来週!


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