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como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

風林火山・第1話「隻眼の男」

2007-01-08 23:30:37 | 過去作倉庫07~10
story 

諸国を遍歴し軍学の道を志す浪人・大林勘助は15年の旅を終えて故郷の三河に帰るため、甲斐の国を歩いていた。、隻眼で足も不自由な勘助は、挙動不審で武田陣中にとらわれる。武田信虎が納める甲斐の国は、北条家との戦の真っ最中。略奪や暴力が横行する農村で、勘助は、武田家の不良家臣に襲われそうになっていた村娘・ミツを助ける。ミツの村の若者たちが足軽に出ている戦場に、勘助は兵法の研究のために出かけ、足軽たちに北条勢の奇襲を言い当てて天才軍略家の片鱗を見せる。


 庵主のCheck!

 いやあ、思った以上に好みでしたね! 泥臭い泥臭い。こんなに土の匂いが濃い大河ドラマは久しぶりではないでしょうか(あの『武蔵』の最初のころもこんな感じだった…なんて、不吉な想像をしてはいかん)。
 オープニング映像は、んー、何だか懲りすぎてちょっとチープ?なんて思ってしまった。まあ、これは見慣れるでしょう。でも、大河ドラマのクレジットは毛筆で太々と、もちろん縦書きでやって欲しいです、個人的に(その点『新選組!』は素晴らしかった)。横書きの丸ゴシックってなんだかなあ…。
 でも音楽は大満足。素晴らしい!大河らしいキャッチーな勇壮さに、大河ドラマの第一回を見るワクワク感を堪能できました。

内野聖陽。期待に違わぬ、どころか期待以上に輝いていました。何気ない登場シーンは、あの「花神」の村田蔵六を彷彿する貫禄がありましたよ。大河ドラマの主役として何の不安もありません。大河の主役でこういう、汚なカッコいいキャラってのは、役者さんとしては実は結構高度な領域なんじゃないでしょうか。
 最高だったのは、勘助が疾走する馬上から弓を射る場面ですね! よっ、かっこいい! 大河は、とくに第一回は、こういう見せ場がお約束でなければいけませんね。大河初回のツボをバッチリ押さえて、おみごとでした。

 ところで「葛笠村はどこにあるのか?」というのが、ずーっと頭を離れなかった疑問です。県内のどのへんにある設定なのか、最後まで見てもわからなかった。というのは、
① 万沢口の信虎の陣から、走って戻ってこられる近さ。万沢口というのはほぼ静岡県境にちかい。百姓たちの喋り方が「おさむりゃー」とか、なんちゃって名古屋弁みたいで変だったのも、甲斐府中より駿河のほうに開いている南郡あたりと思えば、納得できないでもありません(か? すごい変だったけど…。全ての山梨県民を赤面させるあの方言指導をしたのは誰だ)。
② が、伝助のセリフでミツの母は「飯田まで今川勢がせめて来たとき」殺されたと。飯田は甲府盆地の真ん中ですが…。
③ しかも、山中湖(神奈川県境)まですぐいける距離だし
④ なのに、村を去る勘助の背後の富士山は、小淵沢・清里あたり(長野県境)からの見え方っぽい。山梨県のひとは、山のかたちで現在地が解る特技があって(私は方向音痴でダメですけど)とくに富士山の見え方で県のどのへんの場所なのか、結構わかるもんです。
 以上を総合すると、葛笠村の設定場所は、まったくもって不明という結論に。って大丈夫か、最初から。

 第一回で感動したのは、貫地谷しほりちゃん! 変な方言をものともしない、百姓むすめの逞しさがよかったですねえ。野良着のすそをバアッとめくって足を見せたときの、踏ん張ったふくらはぎの生々しさ。その土着のエロスに、映画「七人の侍」の津島恵子や、「笛吹川」の高峰秀子をほうふつするものがありました。
「笛吹川」といえば、勘助役の内野聖陽に、松本幸四郎の若い頃(染五郎時代)にどこか似ているなんて、意外なことを思ってしまいました。「黄金の日日」とかね。

 武田勝千代は池松`鉄之助'壮亮くん。この子、最初の何回かで降板するの勿体無いなあ。ちなみにこの役は、かつての中井貴一版「武田信玄」では真木蔵人が演じたんですよね。蔵人のように、終盤の勝頼役で復活したりして。ただ問題は、本役の市川亀治郎と似ても似つかないことですわ。 いいのかな~これ、と思ってしまった。

 なにげに目を引いたのは田辺誠一@小山田信有。今回は「おのれ北条~!」というだけの一瞬の出でしたが、この湖畔の合戦の舞台になっている山中湖は、郡内領主の小山田家、つまりこの人の所領なわけで、わざわざアップになって歯噛みする理由はちゃんとありました。このひとは、夭折するんですよ。今後の展開が楽しみです。
 Gakt謙信ばかりが話題ですが、全国区にはあまり知られていない土着豪族の、武田二十四将の各氏にも注目して、マニアックにご紹介できたらいいなあ、と思っています。

 一番気に入ったのは寺島進@赤部下野守を第一回で使い倒した豪気さと、みごとなまでに華麗な殺され方です。血みどろなんだけど、クールでスタイリッシュ。とてもよかった!
 全体として、戦国時代の農村の不毛感も濃く出ていて、ワイルドな雰囲気がツボでした。これは期待していい、と実感です。


2 コメント

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blog開設おめでとうございます! (ぎんこ)
2007-01-10 00:46:31
 こんばんは。
「風林火山」blog開設おめでとうございます!歴史も土地勘もないので、いろいろと解説して頂けると勉強になります。1回目はなかなか面白かったですよね。私も「七人の侍」みたーい、と思いました。でも登場人物がみんなヨロイなんで、区別つけにくいですね~。初回は登場人物絞っても良かったんじゃないかと思いますが…。
ところで、キャスティングの書体なんですが、あれは隷書?じゃないかと思います。1回しか見てないので、ちょっと自信はないのですけど…。今度詳しい人に聞いてみますね。
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ありがとうございます♪ (庵主)
2007-01-11 19:42:54
どうも、ぎんこさん。さっそくありがとうございます!
いやもう、私もほぼ真ッさら状態からの再出発なんで。泥縄式で勉強してますが、至らぬところも多いと思います。これからも宜しくお願いしますね。
登場人物が見分けつきにくいというのは、この手の、マイナーご当地大河ドラマ・戦国ものの大きなリスクですよね。そのへんを押さえるために、少しずつ書く登場人物の情報なども集めていますが、なにせ泥縄式…(汗)。
字体は、そうか隷書ですよね。ただ、2作つづけて横書きってどうよ?と思っちゃったんですが、もしかしたらGackt対策かもしれない、と後で思いました。縦書きの毛筆でGacktって、お年寄りには読めないですよね。…って横書きでも読めないですが。うちの老父なども「が…が?」といって固まっていました。
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