como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

平清盛 第35話「わが都、福原」

2012-09-10 21:40:20 | 過去作倉庫11~14
 今週は…今週は、なんだか、みていてどんどん寂しい気持ちに襲われてしまいました。
 なんなんだろう、この寂しさは。「もしかしたら、今、平清盛に異を唱えているのは、世界中に私しかいないかもしれない」みたいな、猛烈な孤独感。いや、世界中が「清盛」を肯定しているなんてことはないけど(あたりまえだよ、あの視聴率見てみな)、なんだろ、特にむきになって異議を主張する人もいないような…。見たい人、見て楽しめる人だけが熱烈に視聴して、興味ない人は視野にすら入れてない、「そんなドラマどこかでやってました?」みたいな。
 たとえば韓国ドラマとか、アニメとかと同じ、好きな人だけ見ればいい偏愛コンテンツに、知らないうちに大河ドラマがなっていて、わたしはその未知の異次元の国に、取り残されてしまっていた、いつの間にか……。
 というような、シュールな孤独感を、今週は特に強く感じたわけなのです。

 いや、べつに大河ドラマだってなんだって、見たい人が見ればいいんだし、文句を言いながら見るなんて時間の無駄。しかも文句を連ねてブログに書いて毎週アップするなんて、我ながらバカらしいと思ってるんです、これでも。
 ただねえ、言わせてもらえば、いま91年の「太平記」見ているんですけど、当時の大河ドラマの扱いというのは、けっして、「見たい人だけの偏愛コンテンツ」ではなかったと…。その一年は、足利尊氏に関する本、真田広之の特集本、歴史のなぜなに本、「足利尊氏と南北朝の女たち」みたいな便乗企画の「歴史と旅」増刊号、「足利尊氏に学ぶ組織マネジメント」みたいな「プレジデント」の特集号……などが本屋にあふれて、なんかこう、1年間国民総出で、足利尊氏というコンテンツを共有して、楽しんでいる感じがありました。「太平記」を見てても見てなくても、共有感はあったんです。まさに「大河ドラマは国民ドラマ」という軽薄な惹句がぴったりでした。
 まあ、いまさら、「国民ドラマ」の昔を懐かしんでもしょうがないですし、そんな時代でもないことは百も承知ですが、それでも、大河ドラマには、1年、日本人みんなで、日本の歴史のある1ページを、エンターテイメントとして共に楽しんで読み解きましょう、そして日本人の誇りを共有しましょうと、そのくらいの存在感をもつコンテンツであってほしいと思うんです
 そんなの幻想かもしれないですけどね。でも、大河ドラマがあからさまに「好きな人だけ楽しめればいい」向きのエンターテイメントに傾いているのは、やっぱり見逃せないです。
 もちろんそれである一定の、少数でも不動の支持は得られるでしょう。松田翔太と松山ケンイチとじーーっと見つめ合って「ゾクゾクするわあ」とか言えば、キャーッと喜んで、また同じこと言わんかと忠実に毎週日曜8時にテレビの前に座る固定客は、一定数よべるかもしれません。
 だからといって、番組チーフプロデューサーや出演俳優が、固定客むけに、男芸者のお座敷まがいに、「ツイッター解説」で歴史情報の補足をやったりするのは違うだろう。ツイッターで補足する情報があるんなら、ぜんぶドラマに織り込んで書いたらどうですか
 とにかく、こういう姑息なメディアミックスは嫌いです。そういうところで固定客の存在を誇示して、「お陰様で大変反響をいただきました」と自己完結して報告書にハンコ押して終わり、みたいな。お役所的な小ずるさがプンプンして、ホント嫌です。

 とにかく、「大河ドラマっていうのはこんなドラマじゃないはずだ」ということを、だれも聞いていなくても言いたくて、そのために毎週ブログを書いてるような気がする今日この頃ですが…今週はさすがに、めげたというか、なんか見てて気持ち悪かったです。
 あまりにも独りよがりな自己完結ぶりが…そのなかにコテコテにちりばめた、お得意様向けの特殊なサービスが…ハッキリ言って薄気味悪いと思いました。ドラマの話がぜんぜん動かない分、気持ち悪さの持っていきどころがなく、見ててホントつらいです。

ま、いいや。今週はサラッと、まずこちらから。

大河ドラマ
草萌える  第5回「もののけ姫」

 われらがスケ様(岡田将生)の拒食はもう3週間……あ、いや、半年くらいになるの?そんくらいの長きにおよび、今週も引き続き、「今日はいつなんだ、明日ってなんなんだ、明日はどっちだ」とか言いながら伊豆の山中をフラーリフラーリ徘徊している……という、いい加減同じことばっかりで飽きますね。いくら美形でも。
 美形も三日で飽きるとは良く言ったもの。最初こそは激萌えた「徘徊スケ様」も、3週もおんなじことやってるとイライラしてきます。まあそれでも、キヨモリ篇にくらべてこっちのほうが、わずかながらも進展があるかもしれない…ということで、お待たせしました、今週は、いよいよ政子姫(杏)の登場です。

 この、まさこちゃんの汚しっぷり、これがまあ、例の「人物デザイン監修」閣下の気合の入りまくった独善の暴走で、すんごいものに仕上がりました。
ただ、このまさこちゃんが、基本「ぶすっ!」顏であり、このぶーっと膨れて下唇を突きだした顔が、前日の土曜ドラマで吉田茂になってらっしゃる御父上様にそっくりで、あらかわいい、と和んだので、ここにポイント加点してあげたいと思います。
 年頃のむすめなのに、イノシシを背負って山を駆け巡るまさこちゃんは、まさしく生けるもののけ姫。人間の言葉が通じるのが不思議、という状態。
 今週はまさこちゃんのパパ、時政おんじが、近所の田舎のおっちゃんたちと、林業組合の寄り合いみたいな感じで平家の世に対する不満を語り合うシーンが挿入されます。
 おっちゃんたちが話題にしてるのは、「引きこもりのスケ殿が伊東祐親殿の娘さんを妊娠させて、祐親殿はその赤ん坊を殺した」という恐ろしい噂話。いや、ここでオッチャン達が恐れをなしているのは、箱入り娘に手を付けて妊娠させたスケ殿ではなく、生まれた自分の孫を殺した峰竜太と、その峰竜太が、子供を殺すほど恐れる妻・海老名美どり…じゃなく、平相国清盛の存在なのであります。
「力でのし上がった源氏の棟梁・義朝様が、カネでなりあがった清盛づれに敗れた」と、このドラマでは珍しい客観的な真実を吐き捨てるように語るおっちゃんがおり、「だれか平家を倒す気概のある者はいないのかあ~~」と山に向かって吠えるおっちゃんがおり。基本、どうでもいいシーンなんですが、このシーンは普通に大河ドラマっぽい空気が流れてて、ちょっと好感を持ちました。出ている人の平均年齢が高かっただけかもしれないですが。

 まさこちゃんは、けものを追って野山を駆け巡っているとき、山のなかで、それはそれはきれいなお化けに遭遇します。
それは、白い肌に類まれなる美貌、紫の髪で「メケメケ」をうたう美輪明宏……ではなくって、徘徊中のスケ様でした。スケ様をもののけと信じ込んだまさこちゃんは、こんどは網を持って山で張り込み、スケ様がフラフラ~とあらわれたところを狙って、ぶぁさーーっと捕獲!
 もののけの正体見たり、え。人間…?! というところで、次回に続く。って続くんかい!!
 いやもう、キヨモリ篇とかもーどーでもエエけん、こっちの伊豆のはなしをメインにやってくんないかな。ほんとストレスたまるわ、こういうの。キヨモリはもう、このあと鹿ケ谷の陰謀あたりまで出てこなくてよろしいわ。
 そしてそのころ鞍馬では、スケ様の弟・牛若丸が、母・常盤(武井咲)にあかされた自分の出生の真実に、思い悩み、わたしは、わたしは誰なんだあ!と思い余って滝に身を投げて上がってきたところで、はい、遮那王(神木龍之介)にチェンジ、てなあたりで次回に続く。つ、続くんかい……(泣)。

「平清盛」第35話の部

 はい、もうこっちは本格的にどうでもいいっていうか…。今週は、このドラマの基本的なしゃら臭さが、とりわけ腐臭を放っていましたので、あんまり思い出したくなく、メモだけしておきたいとおもいます。

○ 頼盛失脚→浮上→死んだ忠正おじさんラインの件

 ひさしぶりに末弟・頼盛(西島隆弘)が脚光を浴びる日が来ました。このドラマで脚光を浴びるというのは、中学生に退行するのとイコールなので、頼盛君もチョビ髭生やして、そのチョビ髭の先をフルフル震わせて、思う存分ガキに退行します。
 赴任先の大宰府から、キヨモリの見舞いに帰省した頼盛は、いつまでたっても自分だけ参議になれない現実に直面、なぜか、皇太后宮大夫という名誉職も、勤務懈怠ということで免職されてしまい、それはキヨモリの差し金なのではないかと恨むわけです。「清盛の兄上は、いつぞや保元の戦のおりのことをまだ根に持って…」とか言って。
 いや根に持ってもなにも、あなたそのあと平治の戦のときに、お父ちゃんから譲られた名刀・抜丸を揮って活躍して、にいちゃんにも褒められ、それで相殺したもんだと思ってましたけどね、こっちは。なんかこう、生ぬるく解決した確執がまた生臭く復活して、べちゃべちゃ感傷的に泣いたり騒いだりし、またまた生ぬるく解決するというパターンの繰り返しで、気持ち悪いわ、このドラマ。
 んで、頼盛が、性格のゆがんだ後白河上皇(松田翔太)のキヨモリへの嫌がらせのとばっちりで、すべての官職を解かれ、無職になり、もう生きていてもしかたないとまで思いつめたとこで、キヨモリが頼盛を福原に呼び、どや顔で、「おまえほど優れた男はいない。ここで一門を支えるのだ」かなんか言って。
 んで、頼盛は簡単に確執を氷解させて、「これもとてつもない兄を持った弟のさだめというもの…」とかなんとかいって兄貴を逆マンセーし、めでたしめでたし。
 ってどこがめでたいんだ、こんな話
 なんかもう、こういう独りよがりな自己完結が、ホント鼻につくんだわ、このドラマ。大河ドラマにおける兄弟の確執はもっと後味悪く、陰湿に引きずってもらいたい。一族郎党を二つに割るくらい深刻にこじれてもらいたい。史実的にそういう仲じゃないんなら、和解が前提の生ぬるい兄弟げんかなんか設定すなよ
 そんでさらに気色悪いことに、この頼盛の兄ちゃんマンセーを、死んだ忠正(豊原功補)とシンクロさすんだよな。しゃら臭くおんなじセリフなんか言わせちゃって。
 どうでもいいけど、死んでなお、こういうホームドラマ盛り上げツール、ときに悲劇思いだしツールとして便利使いされる忠正って、ホント不憫だと思いますね。この人にはこの人なりの、信条とか立場とか、きっとあったんでしょうにねえ。
 豊原さん、ツイッターになんか登場してる暇があったら、もいっかい忠正の墓に詣でで、除霊でもしてきたほうがいいんと違うかな。

○ ハゲ祭りの件

 キヨモリが出家して剃髪しました。感想は、特にないです。
 それよりキヨモリの得度をした天台座主・明雲(腹筋善之助)のビジュアルが相変わらず素敵…。この人が清盛役でもよかったんじゃない、なんて思ってしまいました。
 あと、ハゲ祭りを盛り上げたのは予告編に登場した後白河上皇(松田翔太)のハゲ姿でしたが、一瞬、天台座主明雲だと素で思ってしまいました。いやマジで。次回から、腹筋善之助さんが後白河法皇役で登板してもいいんじゃない、とも思ってしまいました(爆)

○ 「ぞくぞくいたしますう…」と、後白河上皇のツンデレの件

 ゾクゾクいたしますう、ってもうこのフレーズも聞き飽きたし、後白河がキヨモリをじっと見つめてなんかいうとか、しかもそこに「あそびをーせんとやー」って被るとか、なんかもうほんとに洗脳マントラみたいで、本気で気持ち悪い。
 ここまでひどいキメ台詞、キメ音楽ってのも、大河ドラマの歴史に例がないと思いますね。単に使いすぎ?なのかもしれないですが。なにを意図してこんなに、視聴者に苦痛を与えるほど執拗に繰り返すのか、一回ツイッター質問箱に参入してチーフPに聞いてみっか(笑)。

ゾクゾクしますう、って口でいうばっかじゃなく、お話でゾクゾクさしてくれんかな。ってもう期待するのもむなしいか。

…なんかもうヤダ。来週みたくない……とおもったら、予告編では武装モブシーンがバタバタ。やっと、なんとか話のうごくポイントに来たかも…と期待して、見るだけは見てみようと思います。
 ホントはそんなんより「草萌える」パートのほうがいいんだけどね。


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