プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

避難者への新たな慰謝料

2013-11-23 10:08:52 | 日記
 文科省の原子力損害賠償紛争審査会は、避難指示が大幅に長期化する地域の住民に対する「新たな慰謝料」を一括で支払う方針とのことです。(引用・参照は『朝日新聞』)逆に言うと、避難指示が解除されるか、される見込みの地域には、「新たな慰謝料」は支払われないことになります。

 その「避難指示が大幅に長期化する地域」とは、「避難指示解除の見通しが立たず、本格的な除染やインフラ復旧の計画がない地域」で、「帰還困難区域(50mSv以上)」、さらに大熊町や双葉町では、「居住制限地域」(20~50mSv)や「避難指示解除準備区域」(20mSv以下)も含まれるとのことです。しかしこれでは、同じく「居住制限地域」や「避難指示解除準備区域」から避難している人たちは除外されるということになります。

 20mSvの避難基準や50mSvという帰還困難の根拠のない基準により指定される地域によって、慰謝料が恣意的に差別されてきた状態に、(新たな賠償枠が出てきたことは評価できるのですが)さらに新たな「差別」が生じることには納得がいきません。避難の苦しみは、指定される「地域」とは関係はありません。(これも安全の基準とは程遠いものですが)少なくとも(追加)年間被曝5mSvを超える地域に対しては、同様の賠償をして戴きたいと思うのです。

 さらに同審査会は、事故前に住んでいた宅地の評価と、移住した地域で購入した宅地の価格との差額に関して、50~100%補償することも提案、家屋に関しても、例えば築48年を超える木造住宅の場合、新築時の価格の2割の賠償だったものを、6~8割まで増やす案も示しているとのことです。移住先での住宅確保に資するもので、是非実現させて戴きたいと思いますが、やはり(気になるのは)賠償に「差」が設けられていることです。避難してきた地域の「指定」によって、賠償額に差が出るということは、その基準に根拠がなく恣意的なものである以上、余りに平等を欠く「差別」的なものだと思うのです・・・

P.S. 政府与党(自公)は、東電が民法上の時効を理由に、原発事故の損害賠償に応じないことを防ぐため、時効を3年から10年に延ばす特例法案を了承したとのことです。野党も賛成とのことで、これで「時効」に関しては一定の安心感があるかと思います・・・

P.S.2 米国との関係から或いは安全保障の観点から、秘密を保持する法案の必要性には(一定の)理解ができるのですが、(実質的には)罰則を強化することだけを目的とした「特定秘密保護法案」には違和感を感じます。これまでも、情報公開請求をしても黒塗りだらけで「秘密」だらけだったわけです。罰則を強化して官僚等からの「リーク」を抑えようということなのでしょうが、米国のような「情報規定監視委員会」のような、秘密指定された情報を監視し、解除する権限のある第三者機関がなければ、(米国からは日米間の「秘密」が出てくるでしょうが)国民は永遠に真の情報から除外されてしまうと思うのです・・・

P.S. 当事者の首相が「第三者的」とは笑うしかありません。また、国会で審議中だから(影響を考えて)、与野党間の協議は表に出さないというのなら分かりますが、森担当大臣が、野党との修正協議中で影響を与えるからとの理由で、国会での答弁を「コメント」しないというのは、最早どちらが政府なのかすら分かりません。しかも(安全保障でしたか)委員会に与党議員が多数欠席していたそうですから、(野党との協議に忙しかったのしょうか)余りにも国会が軽視され過ぎている、或いは森担当大臣では答弁すら「担当」できないということなのかもしれません。その狙い撃ちされている「野党」ですが、修正どころかさらに法案が悪くなっている感すらあります。野党が機能していない、(反対している党もありますが)「翼賛的」な危険な感じがします・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年11月23日)