プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

原子力災害時の被曝医療体制の見直し

2013-11-05 10:25:03 | 日記
 政府は、原子力災害時の被曝医療体制を見直す方針です。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

1.(今まで無かった)全国統一基準に基づく「原子力災害拠点病院」を、原発から30キロ圏内とその周辺から指定、低線量被曝患者の除染、治療を行なう。その為の実践的な研修・訓練を定期的に実施
2.全国を東北ブロック、北陸ブロックなどのブロックに分けて、(これまで広島大学と放射線医学研究所の2ヶ所だった)大量被曝した重症患者の除染や診療を行なう病院や施設を指定する
3.原子力事故発生時に、全国から応援に駆けつける「原子力災害時派遣医療チーム」を100チーム以上指定する、といった内容です。

 福島第1原発事故では、福島県内で指定されていた6病院のうち、4ヶ所が避難、屋内退避の対象となっていました。(「プロメテウスの罠」をお読みの方はご存知でしょうが)被曝患者が運び込まれた福島県立病院では、 「ほんとうにやる(治療する)のか」「何で俺たちだけが」「病院を離れたい」といった本音が医師や職員の口から出ています。知識も経験も殆どなく、原発事故が起きるなどとは全く考えず、使命感も心構えも何も無かったことが分かります。

 自公政権はまた、文科省と放射線医学総合研究所が担ってきた指揮系統は規制庁主導に、事務局を厚労省系の国立病院機構災害医療センターにおいて、自然災害対応の派遣チームなど救急医療との連携も図っていくとのことです。原発事故時には、診療拒否や搬送拒否などが起きており、そうした「教訓」からの見直しとなるとのことですが、緊急時にどこまで実効性を発揮できるのかが課題だそうです。しかしこの見直し、原発の維持(稼動)が大前提のお話のようです・・・

P.S. 菅官房長官は、「前政権は政府の関与なしで東電に(事故対応を)やらせる道を選んでしまった。見直す時に来ている」と発言されました。本当にそうして戴きたいと思いますが、「実効性」が疑われるのは被曝医療体制だけではありません。まだ収束していない過酷事故や放射能汚染水問題をみても、原発事故に対して専門性のある職員やスタッフや体制、対処する為の設備や技術はありません。実効性のある訓練など殆ど行なわれてきませんでした。医療体制と同じく、見直しが必要なのだと思います・・・

P.S.2 もし本当に原発を今後も動かし続けるというならば、事故時に実働できる「原子力災害対策チーム」を原発(1基)ごとに編成し、全国的に(避難も含めて)対応できるように原発事故時の拠点施設を設けるべきです。また、何より過酷事故に対処できる「原発過酷事故対策特殊チーム」を作って、即座に国が派遣できるようにしておかなければいけないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年11月5日)