プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

ALPS試運転「再」再開

2013-09-30 10:44:18 | 日記
 試運転再開から22時間余りで処理を停止したALPSですが、本日未明(AM2時8分)運転を「再」再開したそうです。

 停止の原因は、浄化装置のタンク内に降りる際、はしごを据え付け、滑り止めとして使ったゴム製の(20cm四方の)パッド2枚のうち、1枚がはがれて排水口を塞いでいたとのことです。このパッドは本来は回収すべき物ですが、上る時も滑らないように故意にそのままにしておいたのか、取るのを忘れてきたのかは分かりませんが、単純なヒューマン・エラーだったようです。

 土曜日に、ALPS停止のニュースを観た時は、もんじゅや六ヶ所村のガラス固化施設のような、ダメかなあという嫌な予感が頭を過(よ)ぎりましたが、些細なトラブルですぐに解決できたのは良かったと思います。只、(現場の作業員の問題ではなく)タンク内に降りる時は、梯子に滑り止めのパッドを使う、そのあと回収する、しなければ剥がれて排水口の穴を塞いでしまう可能性がある、後でカメラでチェックすれば良いだけのことで、何故こうなってしまうのか、或いは(東電社長の言い訳ではないですが)それほど手が回らないのか、東電への信頼は最早私にはありません・・・

P.S. 元国会事故調査委員の野村氏は、事故後の現在の状況について、「政府が東電を破綻させない選択肢をとったことが不幸の始まり」だったと述べています。(引用は『朝日新聞』)「東電は破綻への懸念が株価に及ぼす影響を気にして、事故処理を優先しにくい状況に陥って」いたと言われます。また実際に、東電には事故に対応する能力はなかったと思います。さらに、当時の民主党政権にもその自覚と能力はなかった、私からすると、国家の危機に対応するだけの政権としての体をなしていなかったように感じていました。野村さんはまた、国家の実務を担当するはずの「役人」が、無責任で専門性を欠いていたと主張されています。これまで国が傾くままに、自らの保身だけに精を出してきた官僚に、この「事故」は他人事なのかもしれません・・・

P.S.2 福島県内の農協組合長ら20人が、「万全な補償と速やかな支払い」を求めて、東電本店に出向いた際、人の行き交う1階ロビーに(当時の)清水社長がエレベーターから降りてきて、立ったまま説明を聞き、その後要望書を受け取り、それを折って職員に渡して振り返り去ろうとしたそうです。(多分、政府でもこのような対応はしないでしょう)東電の姿勢が如実に顕われている1シーンだと思います・・・

P.S.3 上記の野村さんは、「政府が積極的に汚染水問題に乗り出すには、巨額の税金投入が必要」、「東電の株主や融資した金融機関の責任問題は避けて通れ」ない、「東電を廃炉や事故処理の会社と、電力供給を担う会社に分離し、前者を破綻処理することで銀行などに責任を負わせた上で完全国有化し、国が廃炉などに責任を持つしかない」と述べられています。非常に現実的な提案だと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月30日)

放射能汚染水リスクとその対策

2013-09-28 12:01:09 | 日記
 政府の汚染水処理対策委員会が(27日)開かれ、放射能汚染水のリスクをと対策を検討しました。(以下、引用は『朝日新聞』)

 現在既にあるリスクとして
1.1日約300トンの放射能汚染水の海洋流出
 (対策)専用港湾内の海水の放射性物質を除去する
* この為にはやはり港の開口部分を塞いでいかないといけないと思います。しかし、膨大な量の海水をどうやっていくのでしょうか?昨日も5.6シルトフェンスが(台風による高波が原因のようですが切断していたそうですが)、まずはシルトフェンスを何重にも設置する必要があるかと思います。

2.タンクの汚染水の流出
 (対策)微小な漏れを検出する
*微小な漏れを検出するには、正しくタンクの1基1基に検出器を付けなければいけません。漏出が当初から予想されていながら、検出器が設置されていないことは信じ難いことです。

3.汚染水増加によるタンク不足
 (対策)トリチウムの除去
*これは全ての核種を除去したものは海に流すということだと思いますが、トリチウムの除去をしたものであれば、認めざるを得ないように思います。(ALPSの本格稼働と共に)カナダで稼働しているのと同様の施設を早く造って、トリチウムの除去をすべきだと思います。(ちなみに、トリチウム除去技術については公募するそうです)

また未来に生じる新たなリスクとして
1.津波による汚染水の海洋流出
 (対策)防潮堤の設置
*トレンチには超高濃度の放射能汚染水約2万トン溜まっています。現在は簡易な土嚢を積み上げているだけですから、早く防潮堤を設置して戴きたいと思います。汚染水を入れているタンクも、固定されてはいませんから、津波が来れば簡単に倒れて破損する危険性があります。

2.タンクへの移送配管からの漏れ
 (対策)配管の多重化する
*まず、配管からの漏れは今後のリスクというよりも、もう既に起こっているものと推察できます。このタンクとタンクを繋ぐ、汚染水を移送するための配管は、シートが巻かれており目視点検すらできません。また敷地内に無造作に置かれており、暑さによる膨張や、寒さによる縮小などによって耐久性はかなり低く、老朽化によってどこから漏れ出ていてもおかしくない状態だと思います。多重化では何の防止策にもなりません。やはり、巨大な10万トン級のタンクの設置を急いで、移送する必要があると思います。

 具体的な対策と実施時期は、年内にまとめるそうですが、余りにも遅過ぎると思います。何故、ここまで悠長に構えることができるのか、私には分かりません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月28日)

フクイチ雨水対策の必要性

2013-09-27 13:32:42 | 日記
 原子力規制委員会の汚染対策検討作業部会のメンバーで産業技術総合研究所の安原主任研究員へのインタビュー記事がありましたので(要約して)ご紹介します。

汚染水漏れなど汚染水問題に関して、「最悪の事態に備えて複数の対応を取る必要がある」、その一つが「雨水対策」で、1~3号機の建屋に地下水が入り込み汚染されてるが、殆どは敷地に降った雨水によるもの」、「悪循環を断ち切る為には、雨水を土壌に滲み込ませないようにする必要がある」、「敷地をアスファルトなどで覆い、土壌に雨水が滲み込まないようにするべき」だと指摘してます。

これは実現可能ですし、直ぐに実行すれば、地下水の量を劇的に減らすことができます。ビニールシートでも上手く使えば、即席で大量の雨水を集めて海へ流すことができます。タンクの上にだって、屋根を作れば、漏れた場合に雨水と混じって汚染することを防ぐことができます。(台風の来る前にやって欲しかったですが)仮設でいいですから、まずはビニールシートを(可能な限り)敷地に敷いて、雨水を集積し、海へ流して欲しいと思います。

 また安原研究員は、「福島第1原発の敷地は台地で、地質学的には孤立した形になっている」ので、「丘の周囲に溝を掘って地下水が入り込まないように遮る」べきだと提言しています。(私が依然書いたように)ダムまで造らなくても、周囲に深い溝を掘れば、そこに溜まった地下水も海へ流すことができます。ただ、「阿武隈山系からの地下水は深いところを流れており、影響はまず考えられない」としていますが、既に敷地内がかなり汚染されている現在では、深い地下水脈もいずれ汚染されることが予想されますので、対策は必要になってくるのではないかと思います。

 また1~4号機の建屋地下などから流出している汚染水については、「号機によって汚染水が漏れる経路が違う」、「きめ細かい調査で汚染源を特定し、対策をとるべき」だとしています。(これまで塞げたのはほんのごく一部で)高線量下での調査は極めて困難だと思いますが、1つ1つ特定して、塞いでいくしかないと思うのです・・・

P.S. 新潟県の泉田知事は今朝、記者に囲まれながら、(事故後、沸騰水型としては初めての)申請がなされたことを「まだ聞いてない」と答えられていました。白々し過ぎます・・・昨日の東電社長との会談、その後(県庁内で)夕方には東電の増田常務に県幹部が申請を認める文書を渡しています。(当然のことですが)既に申請容認は決まっていたということです。私は「預かった」のは「認めた」ことだと感じましたが、少なくてもあともう1回は、これまでのような(県民の安全を担保させるかのような)「セレモニー」があってから(つまりもう一度会談を設定して)、それで、「容認」だと思っていました。でもまさか、「預かった」だけと(のニュアンスで)発言されたその数時間後には「容認」の文書が渡されし、またその翌日に(東電による)申請とは、腹を立てる暇(いとま)もありません・・・

P.S.2 スリーマイル島事故後にカーター大統領が専門家に提出させた「ロゴビン・レポート」は、「避難計画がなければ原発を稼働させてはいけない」という結論だったそうです。昨日も書きましたが、実現可能な避難計画は、未だどの自治体も持ってはいません。原発立地県を超えた住民の安全が確保できないまま、稼働申請を「容認」するなど、立地県の知事として、あってはいけないことだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月27日)

立ち消えた粘土壁計画

2013-09-26 14:08:57 | 日記
 原発事故から約2週間後に事故担当の首相補佐官に就任した馬渕議員はは、すぐに「福島第1原発は弾劾を削って地下水より低い位置に建屋を建築している」ことから地下水汚染を指摘しましたが、東電の返事は「一切、影響はない」というものだったそうです。(以下、引用は『朝日新聞』)それに対して同氏は、それまでに「1~4号機の建屋に地下水が浸出し、止水工事を繰り返していた事実を」掴み、建屋の四方を地下30メートルまで・・・掘り、粘土状の材料で四角いバスタブのような壁を造る」計画を立てますが、東電の株主総会の前日に突然(就任後たった3ヶ月で)補佐官を解任されています。

 馬渕議員は本気で(粘土による)遮水壁を造ろうとしていたのでしょう。(1,000億円の費用が掛かるという)経営上の問題で同議員が邪魔だった東電と、破綻処理をせず、事故対応を東電に任せ切りにした当時の民主党政権(菅総理)は、(同氏を切って)結局は地下水対策を先延ばしにしてしまい、現在の状況を招来させました。(毎日300トンの汚染水が流れ出ている現状もあり)最早打つ手がない、或いは汚染水を海へ流すしかないとの意見も出ていますが、「アンダー・コントロール」と言い切った日本が、その選択をすることはできないと思います。

 昨日の報道では、ALPSの試験稼働が再開されたそうです。漏れていた所をゴムで塞いだそうです。上手く稼働すれば、(原理上ですから、どこまで本当に除去できるか分かりませんが)殆どの核種が取り除けますから、(私は技術的に可能なのですからトリチウムも除去して頂きたいですが)放流することになるのかもしれません。(ある専門家の意見では)専門港の出口を塞いで、港自体を一つの巨大なプールのようにして、(完全には無理でしょうが)そこに放射性物質を(可能な限り)閉じ込めるという案も出ています。

また、石灰状の物を地下水に流し込んで、汚染した地下水の移動速度をできるだけ遅らせるという案も出ています。しかし、政府がやろうとしている「凍土壁」に関しては、技術的にも難しいことや完成が2年先になること、その効果のほどが分からないこと、莫大な電力を消費すること等、疑問が呈されています。やはり、当初の「粘土壁」案の方が良いように思うのです。

(本日)ニューヨークを訪れている安倍総理は、「原発の技術を放棄することはあり得ない」と発言しました。でも、アメリカの規制局(NRC)は、「緊急時の避難計画は必須」として、避難が出来ないなら原発を動かすことはできません。日本では現在、自治体では避難計画作りに行き詰っており、やっと政府自身が避難計画を立てることの重要性に言及し始めましたが、現実的に実現可能な避難計画など(果たして)立てることができるのかどうか、そのような訓練ができるのか(非常に)懐疑的にならざるを得ません・・・

P.S. ヤツコ氏は、「現在の(100万kW級の)大規模な原子炉は、事故が起きれば壊滅的被害をもたらすリスクがある。日本のような国土の狭い国は影響を受ける地域も小さくない」として、「別の発電方法に目を向け、技術開発に専念するのが賢いいやり方」だと提言しています。勿論、経済性や安全性だけを見れば、その通りです。しかし、「原爆」を持ちたい、だけど持てないから「原発」を代わりに持ちたいという思いが(日本)政府にある限り、核大国、特に米国の「核を持たせない」、だけど米国の核戦略に従うなら、(こちらの核の方があらゆる意味で持っている国にとって危険なのですが)原発の「核」なら待たせてあげようという「アメとムチ」戦術に嵌り続けるしかないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月26日)

栃木、茨城の子どもの尿からセシウム検出

2013-09-25 10:26:00 | 日記
 (『週刊朝日』によると)栃木県、茨城県の子どもたちを対象に尿検査を実施したところ、7割の子どもたちからセシウムが検出されたとのことです。(詳しい内容は、どうぞご自身でご一読下さい)100ベクレルという高い基準で、放射能汚染された食物や食品が流通し、それを摂取せざるを得ないわけですから、当然、こうした事態になってしまいます。実際(同誌の調査で)、セシウムが検出されたのは米やキノコなど280品目に上っています。

 関東では群馬も高く、岩手や遠く静岡、さらには大分に至るまで(品目や数値は本紙でご確認下さい)、放射能汚染は全国的なもののようです。(別紙で)小出先生が、こうした深刻な放射能汚染に関して、線量の高い地域から移住することを勧められていました。状況が許すのならば、誰もがそうしたいところでしょうが、現実にはなかなか難しいものがあると思います。

 (今朝の『朝日新聞』では)昨日愛媛大学で、被災した福島の現状と将来を考える催しが開かれたそうですが、参加者のお一人の「ふくしま連携復興センター」(福島市)の鎌田さんは、「放射能や避難をめぐり住民が選択を迫られている」、「『正解がない』ことを認めないと被災者同士でも対立してしまう」との懸念を述べられています。範囲(地域)も線量も曖昧なまま、「避難する権利」、「住み続ける権利」の行使が(恣意的に)住民に委ねられてしまいました。結果(実際に)、不幸な対立が生じてもいるのです。ほんとうに、「正解」はないのだと思います。ただ、状況をできるだけ正確に把握して、適切な判断をした時に、(置かれている立場は同じなのですから)その判断を尊重し、(少しでも)手助けし合うことができればと思うのです・・・

P.S. ホールボディー・カウンターでは検出限界があり、セシウムが体内にあっても限界以下だと検出できません。でも、尿検査だと容易に検出できるそうで、今後、広い地域で定期的に実施し(国や自治体がすべきだと思います)、体内の(ガンマ線の)セシウム濃度を(ベータ線のストロンチウムはほぼその半分の値だそうです)チェックしながら、食べ物や生活環境を整えていく必要があると思います。もしかして、今後疾病した場合の実態の把握や因果関係を証明するためにも、大切です。是非、放射性物質の体内濃度を測る尿検査を実施して戴きたいと思います・・・

P.S.2 ベータ線のストロンチウム90は、骨に蓄積すると言われていて、一旦沈着すると代謝ではなかなか体外へ排出するのは難しいようです。長期間に及ぶ放射線の影響は非常に懸念されます。でも、食品などの放射性物質の検査はセシウムばかりで、ストロンチウムは測られていません。実際、検出に(1ヶ月とか)時間が掛かりますから、(検査をしても)検査結果を待っていると腐ってしまいますので、そのまま流通することになります。(でも検査をしてデータをとっておくべきだと思います)セシウムの検査でもサンプル検査ですから、(全袋検査している米などは別ですが)殆どのものが検査されずに出荷され全国に流通しています。私のように西日本に住んでいても、(私の良く行くスーパーに、数値は印字されていませんが、セシウム検出済みという牛肉が売られていますし)放射性物質を体内に取り込むリスクは(何処でも)あるということです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月25日)

ヤツコ氏の提言

2013-09-24 10:47:17 | 日記
 米国原子力規制委員会の元委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏が来日し、福島第1原発の汚染水問題問題について、「この問題の規模の大きさや関心の高さからすると、何故もっと早い段階から日本政府が関与しなかったか、私には驚くべきこと」であり、「東京電力を汚染水問題にもっと真剣に取り組ませるように、政府に強い監督と責任が不可欠」だと発言しました。

 実際、遮水壁計画については、東電自身も早い時期から立てていたそうですが、やはり金銭的な問題で見送っています。(株主や金融機関を慮って)経営のことしか考えられない東電幹部には、本気で汚染水対策を採る意思はなかったと言わざるを得ません。(フクイチの前線で、現場の職員や作業員の方々は本当に良く闘っていると思いますが)やはり、(東電を)破綻処理をして、債権を放棄させなかったことが、事故対応(処理)を大きく遅らせ、(結果)汚染水事故を拡大させてしまったように思います。

 ヤツコ氏は愛媛県の八幡浜にも訪れて公演をしていますが、「福島と同程度の事故が起きても、住民が避難しなくても済むような安全基準を作るべき」で、「(日本だけでなく)世界の殆どの原発はその基準に合わない。だから全て止めるべきだ」とし、「再稼動のための安全対策に(お金を)使うべきではない」と提言しています。本当に最大限の安全を求めて対策を採れば、最早ペイし切れない額の投資が必要で、発電の為だけに、それだけの(最終的には)高額の電気料金を支払うことは、余りにも馬鹿げています。

 最後にヤツコ氏は、規制委員会についても「汚染水問題で、規制当局として十分に機能する為には、専門家集団を充実させることが必要」だと提言しました。トリチウムの放出容認発言にもあるように、規制委員会の専門性を疑わざるを得ません。トリチウム(3重水素)がDNAの水素と入れ替われば、遺伝子を傷つけてしまうそうで、放射性物質に安全な物はないのです。本来、(水と同様の性質なので除去し難いからといって)これまで原発から、異常な基準で放出をし続けてきたこと自体が問題だったと思うのです・・・

P.S. 事故収束の為には、やはり「原発事故収束庁」を設置して戴きたいと願っています。そしてその下に、原発事故に特化した「レスキュー隊」を組織して頂きたいのです。地下水や汚染水の専門家や建設技術を持った専門家など、原発事故に対応しなければいけない、その為に必要な技術と経験を持った人材を(世界からも)結集して、(非常に危険な任務ですが)その実働部隊をフクイチ(前線)に派遣して戴きたいのです。東電も引き続き事故処理に当たるにしても、その部隊の指揮の下に統括するべきだと思うのです・・・

P.S.2 オリンピックの準備に、約7,500億掛かるそうです。ロンドンオリンピックでは、予算超過で1兆円掛かっています。東京でもやはり、それぐらいは直ぐに超えてしまうでしょう。現在、被災地の復興は遅々として進んでいません。人材や資材が不足し、高騰しています。これで、オリンピック需要が高まれば、益々人材不足、資材不足が顕著になりさらに高騰、復興はさらに遅れてしまいます。1,300億円も掛けて立て替える国立競技場も、オリンピック後の運営が危惧されています。(巨額の投資をして)行き詰れば、税金の投入の必要性も指摘されています。今でも、国そして都は巨額の借金を抱えているのに、恐らく後世にさらに負担を残すことになってしまいます。(被災地復興やフクイチが最優先のはずです)オリンピックなど開催している余裕は、最早日本にはないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月24日)

地震直後の配管亀裂

2013-09-23 11:12:12 | 日記
 朝日新聞に連載中の「プロメテウスの罠」によると、地震直後に(2号機ではなく)1号機の配管に亀裂が生じた可能性が出てきました。(以下、要約してご紹介します)

 地震直後、1号機で働いていた作業員が水の噴出を目撃、水は非常用腹水器(IC)にしかなく、(圧力容器に繋がっている)配管が損傷した可能性があります。田中三彦氏は、「原子炉と繋がる配管のどれかが破損した」可能性を指摘、しかし、東電の嘘の説明で現地調査を妨害され、事実は明らかにはなっていません。

 原子力安全基盤機構のシュミレーション結果では、3ミリ四方の亀裂では、原子炉から漏出する冷却水は1時間に7トン、しかし、原子炉圧力容器の圧力にも水位にも、シュミレーションとの結果に「実測値との間に有意な差が出な」かったそうです。つまり、(測定データからは)抜けていても分からないということです。

 漏れた冷却水は格納容器に溜まりますが、圧力容器の圧力はそれほど上がっていません。つまり、地震で格納容器にも亀裂が入った可能性があるのです。このように、実測値からすら分からない小さな亀裂が、あちこちに入っていた可能性が出てきています。配管の脆弱性は以前から指摘されていましたが、(未だ実証検分はなりませんが)地震によって損傷すると考えて良いのではないかと思うのです・・・

P.S. (某報道番組で)汚染水が漏出したタンクを造った元作業員の証言では、(汚染水対応に追われて)兎に角「急いで造ってくれ」と東電に言われて、作業に従事しています。しかし、フランジ型のタンクの接合部のボルトをレンチで締める際、継ぎ目近くに出っ張りがあり、作業には非常に邪魔になります。過日のタンクの調査で5ヶ所の緩みが発見されましたが、最初から十分に締まっていなかった可能性もあります。こうした急ごしらえの状況では、溶接型の溶接部も、きちんと溶接されているのか、危惧されます・・・

P.S.2 やはりタンクの建設に関わった作業員の証言では、タンクから高濃度汚染水が噴出しているのを2度目撃していますが、公表はされていません。「東電の発表以上に、汚染水はあちこちで漏れてい」ると考えるのが自然のようです・・・

P.S.3 (今週号の『週刊現代』によると)タンクは(当初冷却に使っていた)海水の塩分と放射性物質で錆び、特に接合部では腐食が進むそうです。タンクの耐久性はかなり低いと考えられます。(過日書きました10万トンの「タンカー」はどうも間違いで)10万トン級の漏出しないタンクがあるそうです。これを地盤のしっかりした場所に設置して、汚染水を移送すべきだとの指摘です。現在のタンクは置いているだけで、例えば津波が来れば簡単に流されますし、地盤が上下に隆起・陥没すれば、すぐに転倒してしまうそうで、(東電はお金が掛かるから設置を拒否したようですが)早くこうしたタンクを設置していく必要があると思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月23日)

「原発事故収束庁」設置を!

2013-09-21 10:05:50 | 日記
 福島第1原発に関して自民党内では、内閣府に「廃炉庁」を作り、国の責任を明確化した上で、税金を投入できる仕組みを作ろうとの動きがあります。それはそれでとても大事なことですが、(チェルノブイリですら溶融した核燃料は取り出せずに、廃炉は未だなっていません)「廃炉」の前に、事故収束であり、現在起こっている事態(事故)への対応、事故処理が急務です。

 過日のIAEA総会では、「汚染水が溜まる問題は当初からあった。何故2年間も解決策が採られてこなかったのか」と批判されたそうです。(引用は『朝日新聞』)また、イギリスの科学誌『ネイチャー』には、「日本政府の従来の行動や情報公開の姿勢からすると、東電に代わって全面に出ても変わらないかも知れない」と厳しく指摘されているとのことです。

 仮設の冷却システムはいつトラブルに見舞われるか分からず、老朽化でいつまで持つか心配されます。注入した冷却水は駄々漏れ状態で、さらに地下水の流入で汚染水は増え続け、1日600億ベクレルの放射性物質が海へと流出してます。トレンチに溜まった(約2万トンの)超高濃度の汚染水も、未だに汲み上げることができずにいます。国を挙げて、人と金と智慧の全てを投入しなければ、事故の収束はありえないと思います。是非、(「廃炉庁」設置の前に)「原発事故収束庁」を設置して、事故を収束させて戴きたいのです。(正しく戦争に等しい)この国難に立ち向かって戴きたいと思うのです・・・

P.S. 汚染水が漏れたタンクの解体で、底板を繋ぎ止めるボルトが5本緩んでいたとのことです。ボルトが緩むと隙間ができ、その隙間から漏れ出た可能性が高いようです。ボルトを電動ドライバーで締める作業を担当していた作業員の方によると、「知る限りでは、タンクを作った経験のある作業員はいなかった。・・・県外出身者が多く、出入りも激しかった」そうで、未経験で技術の未熟な作業員によってタンクを設置しなければならない状況が、間接的に漏出の要因になっているように思います。猛暑の中、防護服を着ての作業は、「熱中症の1歩手前」の状態だそうです。作業員の確保も喫緊の課題ではないかと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月21日)

1日600億ベクレルの流出

2013-09-20 12:28:38 | 日記
 気象庁気象研究所の青山主任研究官は、汚染された地下水やトレンチからの超高濃度汚染水など、福島第1原発から外洋に流出している放射性物質の量を、1日当たり、放射性セシウムが300億ベクレル、ストロンチウムが300億ベクレル、計600億ベクレルと試算しました。(参照は『朝日新聞』)また、外洋で不検出となっている放射性物質に関しても、「検出できないのは外洋に広がって、薄まっているため」との見解です。

 (別の報道では)青山研究官は、18日に開かれたIAEAの科学フォーラムにおいて、1日600億ベクレルの放射性物質が福島第1原発の(専用)港湾外の海に流出しているとの、調査結果を報告しました。同研究官によると、放射能汚染された地下水は、専用港湾に出た後、5,6号機の取水口から冷却水として使用され、その後、港湾外側にある放水口から外洋に放出されているとんことです。

 元々、港湾そのものが外洋と繋がっていますから、港湾内の放射性物質が「ブロック」されている道理などありません。確かに、放水口付近の放射性物質の濃度は、1ℓ当たり1ベクレルだそうですが、(例えば)1万トンの水で薄められれば、元の濃度の1千万分の1になってしまいます。また、原子力規制委員会の専門家からは、試料の採取の仕方や分析方法などがバラバラなこと、「分析の方法が旧態依然」で「同じ場所でも10倍違ってくる」などの指摘があり、検出方法の技術的な問題もありそうです。

 いずれにしても、1日600億ベクレルの放射性物質の流出が見込まれる中、総理の「ブロック」発言は、国際的に重大な問題発言となるのではないかと危惧されますが、それよりも何より、この汚染水流出を阻止することが果たして可能なのか、今後どのような影響が出てくるのか、非常に心配です・・・

P.S. (お名前は忘れましたが、TVで)凍土壁で囲んでも、汚染された地下水は地層に滲み込むからセメントを注入するようにと述べられていました。凍土壁そのものも恒久的なものではないから、(1度造っても)新たにまた遮水壁を造る必要があるとのことです。また、10万トンの漏れないタンカーがある(そう言えば事故直後にフクイチに移動させるとの報道もありましたが)そうですが、東電はそれを拒否したそうです。(汚染水対策に)そうした措置を取らなかった国にも責任があるかと思います。また、銀行や金融機関を守る為に、東電を破綻処理をしなかったことで、4兆近い負担が国民に圧し掛かってくるとのことです(このことも、何人もの方が指摘していました)今からでも遅くありません。東電を破綻処理して、(全面とかじゃなく)国そのものが事故処理を担うべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月20日)

「安部」総理、フクイチ視察

2013-09-19 18:11:06 | 日記
 本日福島第1原発を視察した総理の防護服には、「安部普三」と印字されていました。「役人気質」そのものの東電にとって、総理のお出ましは最大限に気を使う最重要イベントのはずです。一国の総理を迎えるのに、間違った名前を印刷した防護服をお出しするなど、決してあってはならない、失礼を通り越した失態のはずです。(名前のチェックすらできない)東電が、如何に混乱し、全てのことに対応し切れていない状態なのかが、覗われます。

 その東電に対して、安倍総理が行なったことは、
1.事故処理に集中する為、5・6号機を廃炉にすること
2.(これ自体は重要ですが)現場の裁量で使用できる資金を確保すること
3.(これまた大切なことですが)期限を決めて、タンクにある汚染水を(しっかり)浄化すること
 の3つの「要請」でした。

 その後総理は、「(原発の)300メートルの範囲で(汚染水は)ブロックされている」、「事故処理、汚染水処理は国が前面に出て、私が責任者として対応していく」と発言されました。しかし、(どう考えても)言っていることと、やっていることが、完全に反対にように思えて仕方がないのです。総理は、最早、事故処理、対応能力を完全に失ってしまっている、また疲弊し切っている相手(東電)に対して、非常に(確かに大切なことですが)過酷な「要請」をしただけのように感じました。東電を「全面」に押し出して、(資金を出すことにしたのは、民主党政権の対応よりはマシなのですが)「とにかく、やれ」と言っているだけの様に思えるのです。

 本当に国が全面に立って事故処理をするお積りなのならば、(前線に一国のトップたる総理が出向くのではなく)現場に一人でも二人でも、役に立つ専門家や職員を派遣し、今後の対応に資する何かを一つでも実施させることを(私は)望んでいました。海外のメディアが現場に入ったことは、(これまでの東電の隠蔽体質を考えると)プラスなのでしょうが、(予想はしていましたが)非常にがっかりとしました。再びの「ブロック」発言には、怒りすら感じました。(発言が)事実と、現実と違っているからです。1日300トンの汚染水が原発敷地内から流出しているのです。トレンチに溜まった超高濃度の汚染水はまだ約2万トンもあり、少しづつ海へ漏れ出ているのです。これが果たして、「ブロック」された状態なのでしょうか?私には到底そうは思えないのです・・・

P.S. 視察といえば、衆議院経済産業委員長の富田委員長(公明)と、参議院の経済産業委員長の増子委員長(民主)は、スェーデン、フィンランドへ視察に行かれています。使用済核燃料の貯蔵施設などを見て、「勉強」する為だそうです。これは公務ではなく、私的に、費用は自己負担で行かれているそうで、富田議員は奥様同伴だそうです。この私的な(観光に近い)視察のお陰で、放射能汚染水問題を閉会中に審議する委員会が開かれずに延び延びとなっています。国家的な危機に、国会の担当の委員長が、お2人揃って「ご視察」とは・・・。それこそ視察するなら「フクイチ」なのではないのでしょうか?私には、この危機に、ノンビリ「視察」ができるお気持ちが理解できないのです・・・(表現が皮肉過ぎたように思います。ご容赦下さい)

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年9月19日)