プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

フクシマ40万人の癌患者

2012-11-30 09:47:30 | 日記
 「癌が有意に増える可能性は低い」としたWHOに対して、癌患者が40万人増えると警告しているのは「ECRR」(欧州放射線管理委員会)のバスビー博士です。同氏は昨年の事故後に、「日本政府の対応は、放射能の脅威を軽んじている・・・100キロ圏内に住む日本の皆さんは、一刻も早く避難した方が賢明・・・そして東京電力の幹部は裁判でジャッジされるべき・・・彼らの過ちのために、今後多くの人が命を落とす」と指摘しています。そして70人の科学者を擁するECRRが試算したのが上記の40万人の癌患者発生なのです。(ちなみに、ECRRの初代委員長は、「もう一つのノーベル賞と言われている「ライト・ライブリフッドを受賞しています」(以下、引用は『FRIDAY』)

 この40万人というのは、「現在原発から100キロ圏内、200キロ圏内に住んでいる人が、その場所で1年間住み続けた場合、50年後に癌になる人数」で、既に200キロ圏外に避難した人は除外し、「外部被曝と内部被曝の影響を疫学的に調査した『ECRRモデル』の計算式を使って産出した」ものです。同試算では、100キロ圏内が約19万、100~200圏内で約22万、合計41万人も上る癌患者が発生するというものです。ちなみに、ICRP(放射線防護委員会)での方式で試算すると、たった6,000人強となり、僅か60分の1しか癌には罹らないことになります。

 バスビー氏が計算に用いた放射線のデータは、3月16日時点のもので、その後線量は落ちていますので、その点差し引いて考えなければなりませんが、同試算はチェルノブイリ事故で得られた内部被曝のデータに基づいて」計算されており、信憑性は高いと思います。また、チェルノブイリ事故時に強制避難した5mSv~20mSvの地域に、未だに多くの(少なくとも100万を超える)住民の方々が住んでおられ、この試算より、もっと多大なる被害が出る可能性は高いと考えざるを得ません。また、高線量地域でありながら、3ヶ月も避難が遅らされた飯舘村や浪江町の住民の方々には、特別の(医療を含む)ケアが必要であることは言うまでもありません。

 兎に角、強制避難区域や放射線特別管理区域となるべき地域に、未だに(100万か200万人か分かりませんが)膨大な日本国民が住まわせられている現実が、如何に怖ろしい状況であるかは、筆舌に尽くし難いものであり、慙愧に耐えません。私は、同博士の言われるように、(既に1年と8ヶ月は過ぎてしまいましたが)今すぐにでも政府は避難指示を出すべきであり、住居と雇用を提供する日本版「チェルノブイリ法」つまり「フクシマ特措法」を作るべきだと思います。また同時に、体内から放射性物質を排出させる為のあらゆる方策を尽くして、既に被曝された方々の健康を守るべきであり、その為の医療支援も含めて「フクシマ特措法」の制定を急ぐべきだと思うのです・・・

P.S. (当時の)暢気な日本政府に対して、(原発推進の)IAEAでさえ、飯舘村の放射線量が高いとして避難を勧めましたが、そのIAEAより早く、昨年3月27日に放射線量を計測し公表したのはグリーンピースです。(参照は『週刊現代』)そのグリーンピースは、4月11日には「放射線が依然として高く、人口も多い福島市や郡山市を含む地域を『特別管理地域』と指定し、汚染度の高い地区を除染するなどの適切な措置を早急にとる」よう要請していますが、当時の菅内閣はこれを無視しています。同調査チームは(当時)、福島市内の公園で、枯葉から4.2μSv、トイレ裏の地面から9.1μSv、トイレ入り口の排水口からは12.5μSvを計測しています。同市をはじめ多くの自治体が独自に除染をしましたが、依然として線量は少しは下がってはいるのでしょうが、住み続けて良いレベルではないのです。福島市の汚染レベルは、(当然ながら)チェルノブイリ事故では避難地区となっています。本当にこのまま、日本政府は放置し続けるのでしょうか?このままで良いのでしょうか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月30日)

復興なき「復興増税」

2012-11-29 09:58:29 | 日記
 復興予算のうち被災地以外で使われた予算が2兆円に上るそうです。(騒ぎになったので急いだのでしょう)既に使われていたり、業者と契約を結んでいたりしており、執行停止にしたのは僅か168億円だけです。まだ増税で税収として入ってきてすらいない「虎の子」の「皮算用」で、使い放題の散財です。なんとも遣り切れない思いがします。しかし、「散財」なのは流用分だけではなさそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 復興予算による全面開通が決まった三陸沿岸道路(仙台市-八戸市)は7~10年掛けて約1兆3千億を費やして行なわれる高速道路建設の事業ですが、実は30年以上前から工事は続いており、周囲の過疎化が進行、建設費の割りに効果が少ないという疑問の声が強い事業です。一方で、市民の足だったJRの東北沿岸部の被災路線で復旧したのは7路線中未だに1路線のみで、病院に行くのにタクシーで行かなければならなかったり(交通費が非常に嵩みます)、通学にJRを利用していた子どもたちが非常に困っているそうです。

政府は黒字企業に支援はできないとしているそうですが、残り6路線の復旧に掛かる費用は僅か1,000億円だそうで、一方、上記の高速道路の(宮古中央から田老間の)たった21キロの区間は国道でも20分で行ける場所に、1,200億円も掛けて建設するとのことです。はっきり言って生活にも殆ど係わり合いのない、復興になど繋がらない(単なる公共事業に過ぎない)巨額の事業にこうした散財をするくらいなら、被災市民の足を確保するのが先ではないでしょうか?

国は私的財産への支援はできないとして、対象とならない地域への補助を拒んでいます。全額とは言わなくても自宅再建を支援すれば、戻って来られる被災住民も増え、町の復興が加速されます。廃業している病院へも、補助金を出してでも地域に留まり、医療活動を継続してもらうべきです。このような大規模、激甚災害においては、そうした特例措置を、迅速に行なうべき時なのです。被災企業や、被災設備の復旧に対して、もっと柔軟な支援を直ちにすべきなのです。10年後に高速道路などできても、何の役にも立たないのです。兎に角遅い、そして(復興に繋がらない)無駄な事業ばかりに予算が使われ過ぎていると思うのです・・・

P.S. 仮設で今も暮らす被災者の方が、「何をどうしたらいいのか分からない。私たちの生活(そして心の中)を見に来て欲しい」と言われて涙ぐまれていました。「まず、復興、復旧の道筋を示して欲しい」と訴えられている方もおられました。現在、離合集散している政治家たちに、絶望的な思いで暮らされている皆さんの声が、届くことはあるのでしょうか・・・

P.S.2 関電に続いて、九州電力も値上げを申請するそうです。東北電力も、(我が愛媛の)四国電力も計画中です。正直、彼らの尻拭いの為に、そのような負担は拒否したいところですが、政府が認める以上、私にはどうすることもできません。それにしても腹立たしいのが、(全ての電力会社がそうなのでしょうが)東電、関電の発注する送電線工事の談合です。東電、関電の双方とも、年間200億円規模の発注をしているそうですが、その受注額が談合で決まるとなると、その分(当然ことながら)電気料金に跳ね返ってきます。電力会社側も、電気料金にコストとして計上できるので、幾ら高くても、全く腹を痛めずにこれまで発注してきたわけです。それで、値上げを決行しようというのですから、利用者は堪らないというものです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月29日)

WHOが否定する放射能障害のリスク

2012-11-27 11:20:00 | 日記
 先日WHO(世界保健機関)が、福島第1原発事故の健康への影響について、「全体的には、癌が『(統計学的に)有意に増える可能性は低い』との報告書を出しました。被曝と癌の発生の因果関係を証明するのは非常に難しいのですが、これまでチェルノブイリ事故で報告されていることを総合的に見れば、癌の発生が「有意」に増える可能性は高いと考えざるを得ません。同事故の影響を、甲状腺癌だけしか認めようとしないWHOならではの、過小評価(或いは隠蔽)だと思います。チェルノブイリでは、癌だけでなく、その他多くの病気が「有意」に発生しており、そうした疾病の予防対策が必要です。(以下、引用は『週刊文春』)

 チェルノブイリ事故後に急増した子どもたちの甲状腺癌ですが、(ベラルーシで治療にあたったスイス人医師によると)その子どもたちは高い確率で、甲状腺の他にも肺などに癌の転移が見つかって」いたそうです。またウクライナ国立放射線医学研究センターのジェネラル・ディレクターのベベシュコ医師によれば、「女性について言えば、男性よりも放射線の被曝の影響を受けやすく、癌の発生が高」い、甲状腺癌では「女性の方が男性よりも・・・はるかに高」く、「乳がんの発生率も高く」なっているとのことです。(女性は男性に比べて、代謝が遅いのが起因しているようです)

 癌の他にも、(事故時の)86年当時に全く見られなかった眼の病気が、(5年後の)91年には約54%が、23年後には99%を超える人々が眼に異常を持っており、放射線白内障や視覚障害など「眼の障害は日本でも確実に出てくる」と言われます。また消化器や血液循環の疾病や異常は事故直後から報告されており、心臓病が急増、(作業員の中では)心臓疾患による急死も珍しくなかったそうです。さらに、肺や肝臓の機能低下、高血圧、またイライラしたり、モチベーションの低下や感情がコントロールできないなど、精神的な障害も出ています。

 「ジュノーの会」のKさんが言われていたとおり、被曝することによって(不幸にも)万病の芽を、心身ともに持つことになるわけです。またKさんは、問い合わせてこられた方に、メールで経過や症状を尋ねても、中々思い出せなかったり、まとめて答えることができない方が多いと言われていました。これもまた、被曝したことによる障害の一つなのだと思います。被曝された方々は、(経済的にもそうですが)幾重にも過酷な重荷を背負わされているのです。(現実的には「ジュノーの会」で為されている民間療法しかありませんが)こうした被曝者の方々の健康を取り戻す為の治療を、一刻も早く行政の取り組みとして始めて頂きたいと思うのですが、放射能障害すら認めない政府が、それを行なうとも到底思えないのです・・・

P.S. (TVで聞いたのですが)近年イギリスは消費税を2.5%上げたそうですが、買い控えが起こり、消費税の増税分以上の税収が減ったそうです。増税して消費が伸びるはずもありません。まずは社会保障制度の改革が先です。切れるところは切る、取れるところから取る、これができなければ破綻した同制度をこれ以上維持することはできないのです・・・

P.S.2 関電が家庭向けで約12%、企業向けで約19%の値上げをするそうです。それこそ経済への影響を考えれば、絶対に値上げを認めてはいけません。(河村名古屋市長が言ってましたが)世界一高い液化天然ガスの購入額、17ドル、1ドル下げれば1,700億浮くそうです。関電は、燃料費と(他者からの)電力購入料で約5,200億が不足していることを理由に値上げを主張していますが、3ドル購入価格を下げればその穴埋めはできます。電気料金にコストとして計上できるから、今まで何のコストカットの努力もしてこなかったのです。(原発に依存し続けた挙句)勝手な言い分で、それこそ関西圏の経済をぶち壊すことだけは許容できはしないのです・・・

P.S.3 電気料金を値上げする関電は、(過日書きました)議員となっている社員「社員議員」への給料を依然として払い続ける方針です。(引用は『朝日新聞』)なんと、東電が廃止した、議会活動等で会社を休んでも給料が貰える「特例」措置も続けるそうです。関電には県議、市議合わせて15人の「社員議員」がいるそうです。(歳費を貰っている上に、さらに)彼らの給料まで、電気料金で払わなければならない「義務」が、利用者にあるのでしょうか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月27日)

リトアニアの原発の行方

2012-11-25 10:26:59 | 日記
 リトアニアの国会では、アルギスダス氏率いる社会民主党が労働党、「秩序と公正」の党と3党の連立で政権を奪取しました。(参照は『朝日新聞』)同新首相は、「新原発計画の停止は国民の意思」だ表明しており、「秩序と公正」のパクサス元大統領も「新原発は必要ない」(ちなみに、労働党党首は、判断を先送りするとの考え)としており、反対が6割を超えた国民投票、そして総選挙の結果示された国民の「意思」に沿った判断が下される可能性が高まりました。

リトアニアはこれまで、(旧ソ連時代)ヴィサギナスに建設されたイグナリア原発の2基の原子力発電に80%のエネルギーを依存していました。EU加盟の条件に、チェルノブイリと同じ型の同原発の停止を求められ、(1号機は2004年)2009年には2基とも停止し、ロシアやウクライナから電力を輸入、同年には(前年比で)電気料金は家庭向けで30%、企業向けで20%値上がりしています。

この間に、ヴィサギナスに新たな原発建設計画が立てられ、2006年のバルト三国首相会合で(投資を含めた)新規建設が合意され、2007年(同国国会は)新原発建設のための新法を成立しています。そしてその新規の原発を(仮契約ですが)受注したのが日立・GEグループの改良型沸騰水型軽水炉です。(勿論、アメリカの軍事及び経済戦略の下ではありますが、)日本政府も(原発村をはじめとする)産業界も、(私は望んでいませんが)この原発輸出に、低迷した日本経済の建て直しの命運を掛けているのです。

私自身はこのような原爆(原発)が無ければどんなに良いかと思いますが、そうじゃない人々が、たとえ少数でも軍事・経済・政治の全てを握っているわけで、多数の国民がそれを望まなくても、推進していく考えであることに変わりはないのでしょう。また、リトアニアの政権交代で原発は新設されなくても(それで原発ゼロの国になっても)、原発大国のロシアから、実質的に原発の電力を買って使っている(8割の依存率)という実態では、(本当に出口の見えない問題ですが)それが「脱原発」とはどうしても思えないのです・・・

P.S. 山下正寿氏の『核の海の証言』という本があります。(書評によると)「ビキニで被災したのは第5福竜丸だけでは」ない、「1954年3月に第5福竜丸は被災した後、5月までの間に、米国は6回の水爆実験を・・・繰り返し、のべ約1千艘の日本船が被曝」、その「乗組員の多くが、若くして倒れ、補償も受けられないまま亡くなって」いますが、「日本政府は、船員の健康状態の追跡調査ひとつ実施することなく、問題を放置」してきています。(勿論、こうした事実さえ、隠蔽され続けてきました)日本政府は、その「海域で水揚げされたマグロの放射線検査を、その年の12月末で打ち切」り、「翌年1月、米国が日本に(僅か)200万ドルの見舞金を払うことで合意し、事件に幕が引かれた」とのことです。こうした対応は、政権(与党)こそ違いますが、フクシマの対応と何ら変わらないものだと思わざるを得ません・・・

P.S.2 (『朝日新聞』によると)電力会社の社員で、労組に推されて立候補し地方議員に当選、議員報酬だけでなく、そのまま社員として電力会社から給与を貰っていた「社員議員」が91人いるそうです。(社員議員の総数は99人)また、(兼職自体は認められていますが、)議会活動で欠勤すれば無給となるのが通常ですが、有給扱いする「特例」が52人いたとのことです。(現在は廃止されているそうです)この91人の給与を含めた人件費は、「総括原価方式」のコストに含まれ、電気料金から徴収されています。さらに、これらの議員90人に対する労組からの献金は、(10年までの)3年間で約6億円だそうです。これもまた、結局は電気料金から出たと言っても過言ではありません。こうした仕組みがある限り、「原発村」は永遠に不滅ということなのでしょう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月25日)

線引きされる原発労働者の命

2012-11-23 11:23:25 | 日記
 高線量の中で作業している福島第1原発の労働者の命が、無慈悲な形で線引きされています。(以下、引用・参照は『朝日新聞』)厚労省はこれまで、福島第1原発で働く作業員を「緊急作業に従事する作業員」とし、100mSvを超えて被曝した人の(年一回の)癌検診を一生涯無料とする制度を昨年10月に設けていました。(検診費約5万は、雇用主の会社が負担、作業員が会社を辞めた場合は国が負担)しかし野田政権の「収束宣言」を機に、「緊急作業は原則的に終了」として、この制度の適応を打ち切りました。(対象者は167人)これに対し東電は、収束宣言までに50mSv以上浴びた作業員663人も対象とし、さらに一部東電社員は収束宣言後でも、50mSv超えで無料にする措置を設け、これまでの対象者は74人となっています。

 依然として放射線量は高い状況で、現場では何ら「収束」などしておらず、原子炉がどのような常態かすら分かっていません。そのような無意味な宣言によって、線引きする根拠は全くないのです。また、事故直後は線量計すらなく、その後も線量隠しが横行している中で、いくら被曝しているのかすら把握されていません。JCOの臨界事故ですら、作業員約170人全員が無料癌検診の対象となっているそうです。事故後、危険な事故処理作業を行なった、福島第1原発全ての労働者が、無料で検診を受けられるようにすべきだと思うのです・・・

P.S. 無慈悲と言えば、(正しく)「暴力」の応酬で多くの死者が出たガザでの戦闘が、(いつまた始まるかは分かりませんが)一端停止となりました。8日間で、(パレスチナ自治区の)ガザで少なくとも161人か死亡、イスラエル側も5人が亡くなっています。(イスラエルの)大規模な空爆と(パレスチナの)ロケット弾では、その暴力も圧倒的な差があります。どちらが正しいとか言うことではなく、やはり(無慈悲な)鉄の扉で囲まれたパレスチナの子どもたちの過酷な状況に心が痛みます。(アグネスチャンさんによれば)「壁」の中では(機材の運び込みも制限されており)浄水場や下水処理施設が作れず安全な水が飲めない、トイレも満足に無い学校が多いそうです。(パレスチナの)ハマス等のテロに脅えるイスラエル市民同様に、いつも苦しむのは一般の人々です。この「停戦」が今後も続くことを(何の力にもなりませんが、心から)祈っています・・・

P.S.2 この「停戦」に大きく寄与したのはエジプトのムルシ大統領、一方イスラエルを支持する米国は、停戦の仲介には関与できなかったとか。実はこの停戦、2日前の20日には合意、署名が為されていたけれど、クリントン国務長官が到着する昨日まで、イスラエル側が公表を拒否していたそうです。米国の威を借りたかったのか、米国抜きでは米国の面目丸潰れだとの配慮なのかは分かりませんが、(「アラブの秋」以降)中東における米国のプレゼンスが随分と低下したと感じざるを得ません・・・

P.S.3 電気料金値上げを申請する予定の関電が、同申請と同時に、高浜原発3・4号機の再稼動を含む事業計画書を国に提出するそうです。規制委員会の新基準ができるまでは、(いくらなんでも)国としても(認めたくても)認められないとは思うのですが、自民党政権に逆戻りすれば、(張子の)「脱原発依存」すら破り捨てられることになるでしょう。元々(人気取りの為に)脱原発を唱えていた橋下さんも、あっさり宗旨替えをしてしまいました。さらに今度は、(来日している)IAEAの事務局長が、「脱原発は容易ではない」、「包括的な判断をして欲しい」と(かなりハードな)「口先介入」をしてきました。(聖母ならぬ)同マリア事務局長の「脅し」を振り切って、日本が足抜けする(できる)とは到底思えません。「脱原発」を実行することが、どんなに困難なことか、日本国内を見ても、海外の動静を見ても、痛感せざるを得ないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月23日)

財政再建なき消費増税

2012-11-21 09:45:41 | 日記
 自民党の安部総裁は、政権を取ったらインフレターゲットを2%、3%にするとか、輪転機を無限に回して、国債は全部日銀に買ってもらうとか、無責任なことを放言しています。しかし巨額の赤字を抱える日本は、財政再建が急務なはずです。しかしながら、消費増税では財政再建は叶わないと主張されているのが、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口氏です。(以下、引用は『週刊新潮』)以下、要約しながらご紹介します。

 野口氏によると、消費増税による増収額の半分は地方に回り、社会保障費等の自然増で、増税後数年で元の木阿弥に戻ってしまうと言われます。まずプライマリーバランスを黒字にする為には、社会保障制度の見直し、特に年金の見直しに手をつけなければなりませんが、野田政権は増税だけを決めて、本当にやらなければならない「一体改革」は放棄しました。本来なら、こうした「見直し」をやった後に、増税を国民に問うのが筋だと思うのですが、増税が先となれば、「改革」は結局やらないということになりそうです。

 また、たとえ(今年度の)歳入の54兆円でやり繰りして、プライマリーバランスが黒字になったとしても、1,000兆円もの借金は残っているわけで、この赤字が残る限り、(利払いがありますし)新規国債の発行は続き、雪達磨式に赤字国債の残高は増え続けるのです。増税すれば景気は悪くなりますし、税収はさらに増えるという悪循環です。日本は未だ国債の殆どを国内の生保等の機関投資家が買っていますが、いつまでも国内で消費できるはずもありません。

10年を超えるスパンで見れば、いずれ外資に頼らざるを得ない状況となり、国債の暴落が来る可能性は否定できません。逆に言えば、財政破綻している国の国債がこれほど低利回り(つまり国債が高い)ということは、今は異状に暴騰している状態、「国債バブル」が起こっているということなのです。暴落すれば、金利の支払いだけでも最早日本は耐えられない「破綻国家」となり、ギリシャやスペインのようにIMFの管理下(経済的占領)となることを甘受するしかなくなるのです。しかし、この地獄の未来から脱却する道は最早無い、というのが日本の現状だということのようです・・・

P.S. 原発という巨額不良債権から、日本の子孫が永遠に逃れられないように、この巨額の赤字からも、未来の日本と日本人は逃れられません。(もしあるとして)逃れる(最悪の)道は只一つ、「戦争」という最大の「徳政令」に打って出て(原発同様、絶対に止めて欲しいですし、止めたいのですが)、借金をチャラにすることです。戦争がなくならないのは、こうした理由もあるようです。只、国は滅びても、その間に甘い汁を吸ったお金持ちは(日本は世界中で一番多いのですが)日本を捨てて悠々と生き延びていくわけです。一方(核廃棄物と借金を)残された未来の日本人は、どうのように生きていくのか、それを今から模索していく必要があると思うのです・・・

P.S.2 東電は原発事故直後の3月15日の9時から、それまでHP上で10分ごとに発表していた放射線量を3時間に1回に制限していたそうです。(保安院には報告していたそうで、保安院のHPには掲載されています)最も情報が必要な時期に、情報量が36分の1となっていたわけです。原発の事業者として、被曝や避難に関わる重大な情報を意図的に制限した理由はなんでしょうか?それは、テレビ会議の録画データの不開示にも共通の東電の「姿勢」のようです。責任を回避し続ける事業者に、事業を継続させる資質があるとは到底思えないのです・・・

P.S.3 関電は、これまで原油価格と連動して決まっていた液化天然ガスの価格を、3割安く買えるようにイギリスの石油メジャーBP(ブリティッシュ・ペトロリウム)の子会社「BPシンガポール社」と契約を結びました。ただ、年間購入量の7%ほどだそうで、(世界一高く買っている)LNGのコストを下げていく必要があります。結局は電気料金に跳ね返ってくるわですから、もっともっとコストカットの努力をするべきではないかと思います。ちなみに、交渉は2年前からやっていたそうですが、いくら石油メジャーの力が絶大だと言っても、買う側の関電が、事故が起こって、LNGの需要が膨大となる状況の中で、よくもまあ悠長に話し合っていたものだと思わざるを得ません。電気料金に(ほぼ)自動的に賦課できる、そこがもっとも問題のようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月21日)

キウイ収穫祭-福島被災者への思い-

2012-11-19 11:24:50 | 日記
 この数日は、非常に忙しく、ブログを更新できませんでした。(申し訳ありません)先日書きましたように、フクシマへの思いを抱いたOさん主催の「キウイ収穫祭」として、福島や福島から避難されている方(7ヶ所へ)、或いは癌と闘っている患者さんとそのご家族へお送りするキウイを収穫しました。天気も良い中、徳島や高知など20人を超える方々が参加され、2トン近いキウイを収穫しました。(発送はまだですが)無事に終わり安堵しています。

 夜の交流会には、広島から「ジュノーの会」のKさんも加わって、和やかで楽しい時間を過ごしました。厳しい現実はなんら変わることはありませんが、そうした思いを引き摺りながらも、こうした活動や集まり、そして繋がりが何にもまして大切なものだと実感します。只、やはり現実は余りにも過酷だと、Kさんのお話を聞きながら痛感したのです。

 Kさんのところには、(原発)事故で被曝し、様々な症状に苦しんでおられる沢山の方々からの声が届いています。特に気になるのことが、チェルノブイリ事故の5~6年に、汚染地域の学校で日常的に発生していた、(さらさらとした)大量の鼻血による出血だそうで、それも頻繁に起こっていたとのことです。その症状を呈している方々が、既におられるとのことなのです。その他にも、(ある方の症状では)食欲低下、風邪を引きやすくなって長引いたり、記憶力の低下や、大量の痰や舌の痺れ、下痢や脱毛そして身体のだるさなど、原爆症や(原発労働者の)もやもや病と似た症状が出ています。放射能障害が確実に進行しているは間違いがありません。

 Kさんによれば、こうした症状は、福島だけでなく、千葉などの関東圏から、岩手などの東北まで、また高線量地域だけでなく、低線量の汚染地帯でも生じているそうです。チェルノブイリでは、避難をした家族の半分が、癌や心臓、或いは血管障害やその他の病気で家族全員がなくなった家が半数に上り、たった一人しか生き残らなかった家族も沢山あったとのことです。日本の現状に鑑みると、その被害はチェルノブイリを超えると考えざるを得ません。こうした被曝された方々は、この身体的な症状だけでなく、周囲の無理解による精神的な苦しみに経済的な苦境と、何重もの負担に喘いでいる、そうした現状があるのです・・・

P.S. チェルノブイリの事故後、チェルニゴフ地区のミハイル・コツビンスクは村の一部が「放射能監視強化地区」に指定されています。「放射能監視強化地区」とは、年間被曝線量が0.5~1mSvの汚染地区です。これを日本に当てはめれば、関東から東北まで、膨大な範囲の地域が、監視強化しなければいけない地区と言えます。これは、明らかに国家による「計画殺人」です。直ちに、(少なくとも年間)5mSvを超える地域に避難命令を出し、1~5mSvの地域は(住居と雇用を保証する)「自主避難」の自己決定権を認め、さらに0.5~1mSvの地域を「放射能監視強化地区」に指定すべきです。それ以外に、多くの日本国民を放射能障害から守る道はないと思うのです・・・

P.S.2 以前にもご紹介しましたが、「ジュノーの会」のKさんたちの被曝者への治療は、(ドクダミや梅干、味噌などの)「梅ドミ」を食べること、また入浴剤や「漢方貼剤」によって体内の放射性物質を体外へ排出する、その作用を促進するというものです。これで、(個人差はあるでしょうが)重大な放射能障害の7~8割程度を防ぐことができるとのことです。また、外部、及び内部被曝の心配のない地域で、一定期間(例えば一ヶ月でも)避難、保養することで、かなり放射能レベルを下げることができます。こうした活動や治療をもっともっと広げて、被曝者の方々の健康を守ることが急務です。どうか、皆さんにも、こうした情報を1人でも多くの方に広げていって頂きたく、お願い申し上げます・・・

P.S.3 (『朝日新聞によると』「福島市など福島県北部で(場所が特定されていませんが)、(屋外にいた時間が長かった為)事故後4ヶ月で(最大)11mSvの外部被曝(内部被曝は含まれていません)をした方が1人いるとのことです。これまでの最大は、飯舘村の住民で25mSv、(原発作業員を除く)10mSv以上の被曝はこれまで(分かっているだけで)約120人(殆どが飯舘村及び浪江町の住民の方です)、まだ調査は終わっていませんが、福島北部でもかなりの放射性物質が降り注いでいたことの証拠です。この現実から目を背けずに、今後の内部被曝を限りなく小さなものにすべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月19日)

国民置き去りの「談合解散」

2012-11-15 11:12:14 | 日記
 訳の分からない「解散騒ぎ」が永田町に吹き荒れています。党首討論の最中に、口先で「解散」が決まってしまいました。根回しのできない民主党政権では、公の場でしか「談合」ができないようです。復興増税の流用を談合したのも、自・公・民の「3党合意」ですが、今度は(現国会ではなく)議員も政権も与党さえ変わる可能性のある中、定数削減の公約を言質(げんち)に解散するなど、聞いたことがありません。正直、こんな年の瀬に、内患外憂の最中、そんな空手形でもって解散などされては国民は堪りません。信を問うなら、やらないと言っていた(これまた3党合意で)消費増税の法案を通す前に解散をするべきでした。

 田中秀征氏はこの解散を、「思い付きの自己陶酔」的であり、財務省の意思だと言われてました。また景気が下ぶれする中、消費増税が怪しくなった今、自・公・民の談合政治で景気対策を打つ、半官僚体制の第3極がまとまる前に選挙をやりたかったとの(やはり財務省の)思惑どおりに野田総理は動かされたとの評論もあります。実際、議員定数など小さな話です。(TVを観てると)国会議員の数は、欧米に比べて日本は多い方ではないそうです。また、議員を半分に減らしても、70億ほどしか節約できません。それよりも、世界で一番高い議員の歳費を半分にするとか、やはり世界一高い政党助成金をなくしてしまうとか、本当に身を切るやり方はいくらでもあるのです。

 それよりもっと酷いのは、自・公・民による「談合」で合意した、(2015年度までの)今後4年間、自動的に赤字国債発行が「特例公債法案」が修正されて通ったことです。復興予算と同じパターンで、国民に知らせないうちに、こんな重大な(無茶苦茶な)「合意」が為されていたのです。正に、国民を正面から裏切る背信行為です。巨額の赤字にどっぷり浸かっている財政を、立て直すという名目で、消費税も上げることにしたのではないのでしょうか?(無駄だらけですが)無駄をなくして少しでも赤字を減らす努力をするのではないのでしょうか?(どこが政権を取るのか、どのような枠組みになるのかも分からないのに)自動的に巨額の赤字国債だけは発行する、財務省は大喜びでしょう。(消費税のさらに5%UPとか)その付けは、やはり国民にということになるのでしょう・・・

P.S. 街頭インタビューである男性が、自民党はこりごり、民主党はがっかり、第3極は訳が分からないと言われていました。正しくそんな感じです。只、末期の自民党は最悪でしたが、(最悪の最悪の)民主党よりはまだましだったという評価は下せます。さらに、第3極となると、最悪の最悪の最悪という観測が見えています。これでは、投票する先がありません。選挙後、自・公・民の枠組みに、さらに第3極も加わった、(本当に)最悪の「談合政権」が誕生するかもしれません。日本と日本国民の「不幸」は、もっと深刻なステージへと突き進んでいるように思えてなりません・・・

P.S.2 今私の部屋には、「キウイ収穫祭-福島被災者への思い」と書いたダンボールが立ててあります。Oさんが丹念に世話されたキウイを収穫し、福島へ送ろうと企画されました。農薬や除草剤は一切使われていませんから安心ですし、キウイには免疫力を上げる効果もあるそうです。私も参加させてもらいますが、こうしてお手伝いができるのが私には喜びです。少しでも(被災者の方のために)何かができるということに感謝の思いです。まだ何人の方が来られるのか分かりませんが、沢山の方と一緒に汗をかいて、交流できるのも、(私のように引きこもりがちな者には)楽しみなことでもあります。天気が守られ、怪我や事故がないようにと願っています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月15日)

「福島人権宣言」

2012-11-14 12:08:12 | 日記
 「福島人権宣言」が宣言されているそうです。同宣言は、福島で法律相談を行なっている東京の弁護士、野村さんが草案を書き、賛同者145人の方で発せられたものです。(以下、骨子をご紹介します。引用は『朝日新聞』)

「私たちは今、大いなる不安の中で生活しています。日々困難な選択を迫られ、精神的にも傷ついています。済み慣れた場所から避難している人も多くいます。原発事故により私たちは多くのものを失いました。もうこれ以上失いたくありません。」
(私たちは)
・健康な体を持ち、福島の自然を愛し、楽しむ生活を送る権利があります。
・財産が放射能汚染で侵害された場合は、完全な補償を求める権利があります。
・私たちが愛した元の福島を返して欲しい。そう主張する権利があります。
・元の福島に戻すことが無理ならば、納得のいくまで、その償いを求める権利があります。
・放射能被害について、納得いくまで情報を得る、知る権利があります。
・避難する、しないを自分で選択する自己決定権があります。
といったものです。

 至極当然の権利の主張であり、(極めて困難ではありますが)その実現を強く願いますし、私たちも支援の声を挙げなければならないと感じます。実は同弁護士が、この「宣言」を書くきっかけとなったのが、仮設住宅の住民の方から、「自分らの被害を言ってはいけないと思っていた」からだそうです。被害を口にさえできない、言ってはいけないと思い込んでいる状況は、水俣をはじめとする公害や原爆症など、被害を受けた人々の共通した特徴だと思います。

言えないのです。だからこそ、こうした「宣言」が極めて重要になってくるのです。私なども、これだけ好き放題書いてはいますが、実際は、外で自分の考えや主張をすることは余りありません。(逆に人の言われるのを聞くことのほうが多いのです)被害を受ければ(尚更)ショックで論理的に冷静な批判などできるはずもありません。物言えず、抑鬱的な状況の中で、(私なら)鬱病になってしまうでしょう。ご本人が言えなければ、誰かが代弁することも非常に大事です。

(私なども、)自分のことは中々言えませんが、他人の苦しみや困窮状況なら、(痛みや苦悩が伴わないからではありますが)言えるのです。(逆に言って欲しくないという気持ちもあるかとは思いますが)そうした「代弁」を聞くうちに、(被害を受けた)ご本人自らの「言葉」も少しづつ出てくるのだと思います。そうした、寄り添いが大切だと思いますし、実際に傍にいて耳を傾ける人がとても必要だと思います。(色々な制約があって)私は現地には行けませんが、ほんの僅かでも現地の方々の気持ちになって、ほんの僅かでも代弁できればと思うのです。福島の、或いは被災された、避難されている全ての方々の「思い」が、多くの日本人の共通した「思い」になればと願っています・・・

P.S. 日本原子力学会は、1996年から教科書への提言を行なっているそうです。2003年、東京書籍の原発に関する記述で、「原子炉の解体、放射性廃棄物の管理費用は膨大なもので、これを算入すると、発電コストは他のものに比べてかなり高いものになる」という、至極理に適った記述が「問題」とされ、同学会は「間違っている」と提言、(同学会の会員であった)公明党の斉藤議員が衆議院文部科学委員会で質問をしています。その後の、2005年度の教科書検定で意見が付託され、同記述は削除されました。「本当」のことがまた一つ、子どもたちから隠蔽された経緯です。こうしたことがあらゆる分野で行なわれ続けている中で、真実は常に闇の中に隠されていくのでしょう・・・

P.S.2  柏崎・刈葉原発の再稼動の是非を問う「県民投票条例」の署名が、直接請求に必要な数の倍近くとなったそうです。署名集めに関わった方々のご苦労を思うと、条例制定をと思いますが、これまで東京、大阪、静岡と、住民の意思を聞くことを、行政は拒んできました。ただ、(確か)新潟ではこれまでに原発(MOX燃料でしたか、最近忘れ易くて自信ありませんが)の是非を問う住民投票は行なわれた過去がありますから、実施される可能性はあります。ただ、それを決めるのは議会であり、県知事ですから、余り大きな期待は持てませんが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月14日)

水素爆発は起こらない?

2012-11-12 11:53:18 | 日記
 原発へ向かうヘリの中で、水素爆発の可能性を聞かれた斑目前原子力安全委員長は、「その可能性はない」と答えています。だから暢気に、現地に視察に行ったのかどうかは分かりませんが、公開された東電のテレビ会議の映像によると、政府官邸だけでなく、当の東電も、如何にもお粗末で暢気な対応だったことが分かります。(以下、引用は『アサヒ芸能』)(しかし、こんな大事な「情報」を、芸能ネタとしてしか出せないとは、『朝日新聞』の底が見えるというものです)

 1号機が水素爆発した後の13日午後、官邸に詰めていた黒武フェローとの勝俣会長の電話での遣り取りでは、(水素爆発について)「それはまあ、確率的に少ないと思う・・・国民を騒がせるのがいいのかどうかの判断だけど・・・次の社長記者会見でそれを聞かれたら否定するよ、それはやっぱりあり得ないと」。勿論この後、(あり得ない)水素爆発が起こるのですが、水素爆発どころか、14日午前6字35分には、格納容器内の圧力が設計上の限界値を超え、(5重の壁の最後の砦である)格納容器自体が爆発しかかっていたわけです。

 この政府官邸、電力事業者、原子力安全・保安院の官僚諸共、(ど素人の私が言うのも変ですが)これでは(全くの)素人の集まりに過ぎません。水素爆発すら予測せずに対応していたのなら、これは明らかに誤った対応だったのです。(過失はその責務が問われます)今更なんでこのようなことをまた書かねばならないかと言えば、政府は原発を依然稼働させようとしていますし、電力会社も同様です。安全を規制し、担保するはずの規制委員会も、全く規制の名に値しないような代物です。彼らの体質は何一つ変わっておらず、(過酷事故への)実質的な対策も(例えば、バグフィルターつきベントの設置や水素逆流を防ぐベントライン、或いは使用済燃料プールの位置や配管自体の耐震性、また活断層の問題など)何一つ解決されたものはありません。

 このような状況で、このような人たちが、再び原発を「安全」に運転できる、或いは、過酷事故に適切に対応できると思う人がおられるでしょうか?(これは政府にも言えますが)依然として続く電力会社の隠蔽体質、これで何を信用せよというのでしょうか?ちなみに、この公開されたテレビ会議の録画150時間のうち、音声のあるのはたった3分の1の50時間だけです。後はみんな都合が悪いのでしょう。都合の悪くない、最初に音声で登場した録画では、官邸を慮って注水中止を指示した黒武氏が、それに異議を唱えた吉田所長に「お前、うるせえ。官邸がもう、ぐじぐじ言ってんだよ」と怒鳴り付けています。

そしてさらに、(まさに3月12日の夜、危機的な状況の最中にも拘わらず、)その後も長々と黒武氏の「独演会」は続き、最後は「今回の印象ですけども、大変皆様にとっても大きな大きな地震で、会社にとっては大きな重荷を抱えてこれからまた取り組んでいかないといけない訳ですけども、荷の重さに負けないでどうあるべきかっていうことをいつも考えながらやっていただければという風に思います。引き続き皆さんのご活躍を期待しています。有り難うございます」という言葉で終わっているのです。全く、他人事にも聞こえるような、危機感の無さです。彼らに、私たちの生命と財産をお任せする気持ちには露なれない、それが本当のところです・・・

P.S. そんな原発管理及び事故対応のできない東電ですが、同録画映像では、(1号機、3号機が危機的な状況の中の)13日の午前、「TBSの関口宏のサンデーモーニングでですね、『東京電力は何もやっていない』というような言いっぷりが出されたようですので、営業ルートで今すぐ抗議しておきます。・・・その他にも目に余る部分があればきちんと厳正に対処したいと思います」とあるそうです。メディアのコントロールだけはお得意のようです。しかし「目に余る」というのは一体何を指し、誰のことを言うべきなのでしょうか・・・

P.S.2 今は辛うじて、大飯原発(3,4号機)を除いて原発が停止しています。やはりこれは、現に過酷事故が起き、(慙愧に耐えませんが)甚大な被害が生じ、また今後も極めて深刻な被害が生じるであろうことを、多くの国民が知り、さらに原発の再稼動を望んでいないからです。きちんとした活断層評価が行なわれれば、実質稼働できる原発は(渡辺先生のお話では、玄海原発を除けば)ありません。勿論、安全を担保できる原発など、世界の何処にもないのです。それでも、原発(原爆)を推進する潮流は抗することのできない程の巨大なものです。それでも、その流れを万分の1秒でも止めることができないだろうかと願うのです。また現在のように、(原発の)停止状態を少しでも維持できるように、(手段は限られていますが)やれることをやっていくしかないのだと思うのです・・・

P.S.3 昨日NHKで(再放送でしょうか)「明日へ」という、飯舘村からの避難住民の方々の仮設住宅での暮らしを特集していました。(私が言ってはいけない言葉なのですが)正直、見ていてとても辛かったのです。見るのを止めようかとも思いました。でも、皆さんの現実から目を背けることは、原発事故がなかったことだと言うに等しいことです。(ただ、とても憂鬱でした。何とも言えず、涙が止まらないのです)(禁止されているのですが)お盆に帰った(年配の)女性が、「仮設には戻りたくない。1人でも残りたい」と話された言葉が重く心に残りました・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月12日)