プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

移住(避難)基準の見直しを!

2013-11-15 11:57:08 | 日記
チェルノブイリ事故から5年後に成立した「ウクライナ法」では、年間被曝量5mSV以上が『強制移住』、そして1~5mSvの汚染地域は移住するかどうかの選択権を与える『移住権利ゾーン』に指定されています。確かに日本でも「被災者支援法」が成立しましたが、未だに対象となる放射能汚染地域の範囲と被災者の定義が曖昧なままです。

(過日開かれた)被曝線量の基準を空間線量から個人の実測値に緩和した原子力規制委員会の検討会では、除染の基準となる年間の追加被曝の長期目標は1mSvとしながら、年間20mSvを下回れば帰還できると提言しています。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)「ウクライナ法」は、経済的な破綻状態にあったウクライナでは、その実施は困難であったとのことでした。ただ、その法の主旨は、同じく過酷事故を起こした日本が指針とすべきものだと思います。

自公政権は先日、「放射線量の高い地域を中心に避難者の帰還が困難な実態を明らかにし、避難住民に(避難先および他の地域への)移住の選択肢を示」し、移住先での住宅支援を含む新たな支援策に踏み出す」との見解を閣議決定し、(民主党政権時代の)「原則帰還の従来の方針」を転換しました。素晴らしい決断だと思います。

只、危惧されるのは、移住を決める基準です。現在の避難指示区域は、「帰還困難区域」と「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」というように、恣意的に3つに区別されています。この区別は(精神的慰謝料など賠償において)現実的な「差別」を生んでいます。それもこれも民主党政権時代の避難基準の20mSvという途方も無い被曝基準が招いたものです。自公政権には、この差別を解消し、(旧ソビエトですら実現した)年間被曝5mSvという移住基準の見直しを行なって戴きたいと思うのです。年間5mSvを超える地域における移住と住宅支援を実現して戴きたいと思うのです・・・

P.S. 伊達市の除染責任者である半沢さんは、「効果の無いアリバイ除染は中止すべき」、「必要な政策の財源枯渇も招きかねない」と指摘されています。除染を「公共事業化」してさらに数兆円つぎ込もうとしている(自民党などの)動きは、復興の進まない被災地、或いは原発事故による避難者をなおざりにしたものです。移住(避難)基準を見直し、新たな汚染のない地での住宅取得のための支援を、(少なくとも5mSvを超える地域から自主避難した家族も含めて)差別無く実施して戴きたいと思うのです・・・

P.S.2 「被災者支援法」では、被曝と発症した疾病の因果関係に関しては、主張立証責任は政府にあるとされていますが、これまで政府にそうした動きはありません。(過日の)福島の子どもたちの甲状腺癌に関しても、政府が関与して検査なり実態把握をしようとする姿勢は見られません。勿論、福島第1原発で過酷な作業をしてる(3,000人でしたか)作業員の被曝管理も、(国が全面出ると言われるのならば)現地に厚労省の職員を常駐させて行なうべきです。でなければ、国が因果関係を証明するためのデータは、得られないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年11月15日)