プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

石綿での「周辺住民死亡」問題

2014-10-30 11:05:57 | 日記
 (被害者の支援団体・関西労働者安全センターによると)自宅がアスベスト用の麻袋のリサイクル業者の裏にあった(当時50歳の)堺市の女性が2009年に死亡、また事業所近くで暮らしていた大阪市港区の女性(当時57歳)が2010年に亡くなった「周辺住民死亡」問題で、新たにリサイクル事業者の近くに在住していた男性1人が死亡していたことが判明しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 男性は堺市の元職員で、事業者から約160メートルのところに自宅があり、生まれてから(大学時代を除いて)定年まで自宅で暮らしていました。リサイクル業者は、1970年代まで操業しており、操業停止から30年近く経った2012年に腹痛を訴え、石綿特有のがんである腹膜中皮腫と診断され、数ヵ月後には(65歳で)亡くなっています。

これまで、堺市内の5つのリサイクル事業所の従業員が8人、中皮腫や肺癌などアスベストに起因する病気で亡くなっています。(以前にも書きましたが)同「センター」と「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」は、麻袋リサイクル業者周辺の住民に被害が広がっている可能性があるとして、堺市に実態調査を、国には国が実施する健康リスク調査の対象地域に堺市を加えるように申し入れていますが、実態調査は進んでいません。

アスベストは「静かな時限爆弾」と言われていますが、その被害の実態が良く分かっていません。つまり、知らずに亡くなっている方が多いと推測され、「見えない時限爆弾」ともいえるかと思います。(私には戦前から戦後に渡る最大の「公害」だと思うのですが)関心も薄く、そうした意識や自覚を持たない患者さんが多いのではないかと思っています。同「センター」では、被害者はまだまだいると見ており、相談を受け付けています。連絡先(電話番号)は、06-6943-1528です。

P.S. 日本は(戦前から)世界最大のアスベスト消費地ですが、特に近畿地方には1970年ごろまで、麻袋リサイクル業者が100業者以上あったそうです。さらに大阪や兵庫、奈良などアスベストの関連産業が集積し、国内最大級のアスベストの消費地だったとのことです。事業者従業員やその家族だけでなく、その周辺の住民にも被害者がおられますが、なかなか認定されません。ちなみに、同男性が「石綿健康被害救済法」で救済認定されたのは、死亡後の今年10月ということです。(堺市で)3人目ということですが、その意義は大きいと思います・・・

P.S.2 建材メーカーのニチアスの前身である「日本アスベスト」の王寺工場で1年から11年勤務した3人の男性が、胸膜プラークなど「アスベスト対策に不備があったために健康被害を受けた」として損害賠償を請求していた裁判で奈良地裁は、呼吸機能の低下は「喫煙の影響」、がんを発症する精神的苦痛に関しても、「法律上の請求権が発生する損害が生じているとは言えない」と請求を棄却しました。(精神的苦痛に関しては、さて置いても)国が粉塵対策の通達を出したのが1958年、それ以前に働いていた従業員へのニチアスの注意義務はないとの判断です。その国のアスベスト対策の不備を最高裁が認めているわけですから、本来なら「注意義務」はあったわけです。被害それまでに既に出ていたわけで、それをニチアスが当然知っていたわけですから、責任がないはずはないと思うのですが・・・

P.S. 泉南の裁判での最高裁判決を受けて政府は、塩崎厚生労働大臣が原告に「謝罪」、早期解決に向けて「和解」を申し出ました。共同代表で原告の岡田さんは、「国が和解のテーブルに着くのは嬉しい」と語りました。しかし、記者会見での岡田さんの表情は重く、暗かった。亡くなったご両親の被害を裁判は認めたけれど、ご自身の被害については認定されませんでした。また、亡くなった原告の方も多くおられます。また、裁判に訴えられなかった患者さんはもっと多いはずです。別の原告の男性は、「石綿の被害者が裁判をしなくても救済されるよう制度を整えて欲しい」と訴えられています。ちなみに、認定されなかった岡田さんは、よく工場に遊びに行っていたそうです。そこでアスベストを吸引、曝露したと思われます。被害者の方は、もっともっと多いと思うのです。岡田さんは酸素吸入器を携えて謝罪会見場に行かれていますが、体調から行けなかった患者さんもおられます。謝罪に来て欲しいとの声もありました。(職務が忙しいと思いますが)これより重大な「職務」など厚労相にあるでしょうか?呼吸すら困難な被害者を呼び立てる謝罪など、謝罪の体を為しているとは思えないのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月30日)

原発輸出「推進」条約

2014-10-27 10:14:19 | 日記
 米国やアラブ首長国連邦など5カ国が加入している「原子力損害の補完的条約(CSC)、加盟国において原発事故が起きた時に、共同で賠償金を「補完」する仕組みだそうですが、その内実は原発メーカーの責任を問わない、原発輸出を促進する「原発輸出推進条約」のようなのですが、安倍内閣は、条約の承認案と関連法の改正案を既に閣議決定、臨時国会に提出する予定です。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 同条約は1997年に採択されたものですが、条約発行の条件が「加盟国の原子炉の熱出力が40メガワット」と設定され未達成なために現在は未発行の状態で、日本が加盟すれば40メガワットを超えるため、米国は強く働きかけています。臨時国会で承認を得れば、90日後には条約が発効されます。同条約は、事故が起きた場合に、最低でも470億円の賠償を義務付け、損害がそれを上回った場合には、加盟国がその一部を引き受けなければなりませんが、その「協力金」は原発の熱出力などに応じて計算される仕組みです。この「協力金」は、電力会社などが毎年積み立てるとのことですが、結局は電気料金に付けは回ってきます。

 事故への備えが出来るので、途上国で原発を建設する、そのための関連法の整備を後押しするとの狙いがあり、原発を輸入する国と、原発を輸出する国に利益があるわけですが、そのための「負担」は、加盟国の電気利用者に圧し掛かってくることになります。しかも、日本などの原発を稼働させてきた国では、原子力施設での事故の責任については、電力会社や核燃料会社などの「原子力事業の運営者」にあると国内法で定めており、原発機器の製造や建設をしたメーカーには責任が及ばないようになっています。同条約も同様です。

最も利益を享受する原発メーカーに事故の責任がなく賠償の義務もない、また核廃棄物処理の製造者責任もないわけで、利益だけを享受できるシステムになっています。本来なら、原発を推進する国、そして事業者の電力会社、そして製造・建設する原発メーカーや建設会社が、その責務に応じて事故の責任を負い、賠償すべきところだと思います。(現実的には誰も責任を取っていません)日本弁護士連合会は今年8月、CSCの加盟は、メーカーのモラルハザードを招き、事故防止への取り組みがおろそかになる」と同条約加盟に反対する意見書を出しています。原発事故が起きても尚、浄化装置や除染、ガレキ撤去等々、利益だけを享受するメーカーに、最早、崩壊する「モラル」があるのかどうかは疑わしいものがあると思いますが・・・

P.S. 「CSCが発行されないと、原発機器を安心して途上国に輸出できない」、米国側の思惑です。「国内での(原発)新規建設が絶望的な中、原発輸出に弾みがつく条約はありがたい」日本側(メーカー)の思惑です。途上国側も安心して原発を輸入できるわけです。本当に良く出来たシステムです。ただし、「負担」だけは加盟国の国民が負担するという、やはり良く出来たシステムのようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月27日)

サブドレンの地下水から88万5,000ベクレルのセシウム検出

2014-10-25 10:47:20 | 日記
 (NHKニュースによれば)福島第1原発の建屋周囲から地下水を汲み上げる「サブドレン」40ヶ所の内、2号機建屋から数メートル西側の2ヶ所の井戸から、(22日)採取した地下水から放射性セシウム137が(1ℓあたり)46万ベクレル、134が42万5,000ベクレル計88万、5,000ベクレル検出されました。(他の放射性物質の値は分かりません)

 これまで最も高かったのが500ベクレル程度だったということですから、急増しているわけですが、東電は台風の影響の可能性を示唆、しかしはっきりした原因は不明です。この「サブドレン」からは、8月から試験的に地下水を汲み上げ、先週の18日からは本格的に汲み上げ始めていましたが、このトラブルで汲み上げは停止です。東電は汲み上げた汚染水を処理した後、海へ放出する計画でしたが、これまで地元の漁協などが反対していました。今回、高濃度の放射性物質が検出されたことで、(当然ながら)海へは放出はできないということで、汚染水問題の抜本的解決は遠いようです・・・

P.S. 汚染水を処理しているALPSは、既存の3系統が運転、9月に完成した増設3系統も始動、今月導入された改良型ALPS1系統も運転を開始し、現在7系統、処理能力は1,960トンになりました。稼働率は現在70~80%でまずまずなのですが、今年1月~8月の稼働率は35%~61%で、いつトラブルで停止する系統が出てくるかは分かりません。実際、改良したALPSで既に新たな不具合が出て一時止まっています。現在、セシウムだけを取り除いて、ALPSでの処理が必要な汚染水は35万、5,000トン、東電社長が2014年度中に浄化完了を約束した計画は達成からは程遠いようです・・・

P.S.2 達成困難な「約束」を、形だけでも達成しようと東電は、ストロンチウムだけ取り除く追加計画を打ち出してきています。その為、移動式の設備を今月導入、また年末までには1日500~900トン処理できる設備も稼働させる計画です。只、この処理したあとの汚染水ですが、(量的には大半なのでしょうが)セシウムとストロンチウムを除いただけの汚染水を、東電は「処理済み」の汚染水として扱う方針だそうです。残りの60数種の放射性物質はないことにして、「処理済み」にしてしまうということです。これでは、ALPSを導入した意味がありません。その60数種の放射性物質を取り除くために、これまで苦闘を続けてきたわけですから、それを放棄するようなものだと思うのです・・・

P.S.3 (凍土壁の前提となる)トレンチ内の汚染水が凍らないトラブル問題で、海の近くに超高濃度の汚染水があること自体を問題視している規制委員会は、「いつまでもだらだらやれない」(更田委員)として、11月上旬に判断する方針だそうです。凍土壁用の配管を来年1月までに埋めないと、予定している来春の凍土壁の完成に間に合わないからだそうです。先日の海側の観測井戸からの超高濃度の汚染水検出、今回のサブドレンからの高濃度の汚染水検出、(根拠はないのですが)何か凍土の工事と関係があるのではないか、そんな気がするのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月25日)

1号機カバーの解体作業開始

2014-10-23 11:14:57 | 日記
 3号機の建屋カバーの解体で放射性物質が飛散し、野外の作業員が被曝、南相馬以遠の米にも汚染が生じた解体作業が、1号機でも開始されました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)水素爆発した3号機は、使用済燃料を取り出すためには、(プール上部に散乱している)ガレキを撤去しなければならず、その為、建屋を覆っているカバーも外さなければいけません。

 昨日は、放射性物質の飛散防止のための樹脂をまく作業をしたそうです。その後、内部の調査をし、来年3月から本格的な解体作業に入ります。しかし、2号機では、ロボットによる建屋内の調査が難航、ガレキを撤去中の3号機では、燃料プールにガレキが落ちるトラブルが起きて作業は中断したままだそうで、調査やガレキ撤去も容易には進まない状況です。
 
 放射性物質の飛散ついては川俣町で4年ぶりに(通いで生育して)稲を収穫した(原発から北に10キロの)浪江町の男性は、「放射性物質が水田や畑に飛散して、農業再開に影響が出ないか、心配が残る」と話しています。また、村の一部が避難指示解除された川内村村長は、「解体作業やガレキ撤去が心配で、『少し様子を見たい』と言う人もいる、と述べています。風向きや強い風が吹けば、さらなる汚染の心配があります。解体に伴う放射性物質の飛散には、慎重の上に慎重を期して戴きたいと思うのです・・・

P.S. (知らなかったのですが)「もんじゅ」は、約20年間運転停止中ですが、冷却材のナトリウムは常に循環させているそうです。えっ!?そして、ぞっ!?としました。20年間何もなくて良かったと言うべきなのか、地震や何かでナトリウムが漏れて(空気に触れて)火災が起きればと思うと、気が気ではありません。消化に水が使えない、こんな危険な原発を、一刻も早く廃炉にすべきだと思うのですが。そんな危険な原発を管理している日本原子力研究開発機構が、1万件に近い点検漏れ(というか、意図的なものだと思います)、発足した規制庁から来た安全規制調整官の森下さんはこの事態に「唖然」としたそうです。危機意識がこれほど欠けている組織に、もうこれ以上こんな危険な「代物」を管理させ続けるべきではないと思うのですが・・・

P.S.2 「報道特集」で、薩摩町での住民説明会の様子を観ました。一方的な「説明」に参加者からの怒号、九電社長の言う「フェイス・トゥ・フェイスで丁寧に説明する」ものからは程遠いものでした。規制庁の役人は、「巨大噴火は十分小さい」と根拠のない「安全」を主張していました。しかし、鹿児島教授の井村准教授は、「(アイラカルデラでしたか)500度を超す火砕流が80キロ以上も届いている」と話していました。川内原発までは50キロです。東大の中田教授は、「確率が低いからといっても、3・11のようなことがある」と述べています。新燃岳の噴火も、御嶽山の100倍の規模でしたが予測できませんでした。(朝刊にも)巨大噴火が100年以内に起きる確率は1%だとの算出結果が出ていました。火山噴火予知連絡会の藤井会長は、「巨大噴火はいつ起きてもおかしくない。しかし、どのような対策が出来るのかも検討されていない。・・・国は対策に向けた議論を始めるべき」だと指摘しています。1万年に1回程度起きる巨大噴火、最後の噴火は7,300年前、鹿児島沖の海底火山が噴火したそうですが、(正直起きて欲しくないのですが)「いつ起きてもおかしくない」そういうことのようです・・・

P.S.3 九州中部で巨大噴火が起きた場合、700万人が住んでいる3万平方キロに火砕流が広がり(考えただけで怖ろしいですが)、火山灰が4,000万人が住む西日本に50センチ(最早歩けません)、東日本にも20センチ積もるそうです。最早、交通網は完全麻痺です。火山灰は1~2センチでも車での移動が困難になり、30センチで建物の倒壊が出始めるそうです。(私の家も)灰を落とせなければ、家が潰れてしまうのです。最早、起こらないように祈るしかないようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月23日)

甲状腺がん「検査」の問題

2014-10-20 10:41:55 | 日記
 福島第1原発事故による被曝に対する健康対策を提言する「専門家会議」の中間取りまとめの概要が出たとのことです。同会議は、「原発事故子ども・被災者支援法」に基づき、昨年11月に設置され、福島県内外の住民に対する当面の健康対策や医療支援を政府に提言するものだそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 「概要」では、福島県民の被曝線量は、チェルノブイリ原発事故と比べ「はるかに小さい」とし(*少なくとも放射性ヨウ素についてはF1事故での放出量の方が多かったと記憶していますが)、甲状腺がんについては一部の子どもでリスクが若干増加する可能性が理論的にはあるとして(*ということは現在発見されている子どもたちの甲状腺のがんは、被曝の影響ではないと見ているということになります)、甲状腺検査を実施して見守る必要があるとしています。(*同意見です)また、それ以外のがんに関しては、増加は予想されないとの見解を示しました。(*しかし、チェルノブイリから2,000キロ離れたコルシカでは、甲状腺がんだけでなく、悪性リンパ腫や白血病も高率で発症しています)

 さらに「概要」では福島県が実施する甲状腺検査について、無症状のまま問題にならないがんを見つける可能性(*近藤医師の言われる「がんもどき」のことでしょうか?それとも良性の意味でしょうか?済みません、良く分かりません)や、がんではないのにがんの疑いがあると判定される「擬陽性」の増加、それによる精密検査や精神的不安や恐怖などの心身への負担(*これは他の検査でも同様に問題になっています。現在の検査自体の持つ大きな問題だと思います)、また、手術で合併症が起きる可能性を指摘(*これも手術自体の持つ問題だと思います)、こうした不利益も踏まえて、県民にとっての最善の検査のあり方を議論するよう求めています。(*同感です)

 さらに、福島県外に移住しても継続して検査を受けられる体制を整備すること、検査で見つかった甲状腺がんの費用については、現在は通常の保険検診になっているとのことで、「国や県の協力が不可欠」としています。(*当然ながら、無料で治療が受けられるようにして戴きたいと思います)また、福島県外の住民については、当面は個別の健康相談などで対応し、甲状腺検査を希望する人には専門の医療機関の情報を提供する、としています。(*やはり、同じように検査や治療が受けられるようにして戴きたいと思うのですが・・・)

P.S. (超音波)検査を受けた29万5,689人の子どもの内、B判定、C判定でがんの疑いありとして(精密な超音波検査や血液、尿検査などの)2次検査を受けたのは1,848人、さらに甲状腺に針を刺して細胞を採取した子どもが485人いますが、がんと確定したのは57人、良性と分かったのが382人です。非常に強い不安や恐怖感に苛まれたのではないか、身体的な負担も大きかったのではないかと思います。これは被曝や甲状腺がん自体の問題ではなく、検査自体が持つもので、以前から問題視されていました。被曝の不安なども含めた心理的なケアが必要だと思います・・・

P.S.2 (私自身は)検査や検診、所謂「人間ドッグ」と言われるものも余り信用していません。(以前NHKの特集を観ましたが)女性のがん第1位の乳癌でも、検査自体がいまだ未熟で、(超音波やマンモグラフィーなどの)検査で見つからないもの、見逃されているものは少なくないようで、がんでないと判定され、後にがんと診断された方は非常に辛い思いをされていました。逆に(上記の)「擬陽性」と判定され、がんではないと分かるまでに非常に強い心理的な負担を強いられた方々の声も深刻なものでした。(確か米国だったと思いますが)検査を受け続けた人と一切受けていない人の平均寿命(でしたか)は変わらない、逆に少し後者の方が寿命が長いそうです。お金と時間、肉体的精神的負担を考えれば、(100%否定はしませんが)検査は受けない方が良い、そういう結論になりそうです・・・

P.S.3 所謂、検査が「病人」を作っている状況があると言われています。血圧やメタボなどの「基準」もそうです。病院や薬品会社が儲ける「仕組み」に乗せられて、必要もない検査をし、「病人」にされ、薬を飲まされては堪りません。(どこかに異変や痛みを感じたら、当然病院に行きますが)本当は検査などしない方が良いと(私は)思っています。でも、原発事故による被曝、その影響を知るためにも、またその治療体制の整備の為にも、(残念ながら)子どもたちの検査は必要になってくると思います。(東電や国は認めようとしないと思いますが)因果関係を証明する為にも、賠償を受けるにも必要になってくると思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月20日)

太陽光発電の「買取中断」問題

2014-10-18 11:32:36 | 日記
再生可能エネルギー「再生エネ」を電力会社が買取を中断している問題、国会でも質疑され、経産省でも問題の検討が為されていますが、(私なりに)問題の概要を整理したいと思います。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 まず、(水力、風力、地熱、太陽光などの)「再生エネ」を普及する為に、事業者が発電したコストに利益をプラスして電力会社が買い取る、「固定買取制度」(FIT)が導入されました。その財源は、私たち利用者に課せられる「賦課金」です。(一般家庭で月225円)しかし、その買取を北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力、沖縄電力が中断し、「買取」を前提に投資をした事業者は、(収益が上がらなくても金利は払わなければいけませんし)「長引けば投資を回収するのは難しくなる」との声が上がっています。

 買取を中断した理由として(電力会社は)、①天候で発電量が変わる太陽光発電の申請が急増、需給の調整が難しい②やはり太陽光発電のパネル設置のための土地が安い地方に発電設備が集中して、送電能力が不足、送電機器の故障や停電の恐れがあるというものです。(何か言い掛かりをつけて、サボタージュしているように聞こえるのですが)同様の買取制度があるスペインでは、気象状況をもとに風力や太陽光の発電量を事前に予測し、需要に応じて出力するシステムを導入して、同国内の電力消費量の約4割に達する「再生エネ」を利用して安定的に電力を提供しています。

 日本の電力消費に占める「再生エネ」の割合は(2013年で)11%弱ですから、上記のシステムを構築するだけで①の問題は解決できます。また、「再生エネ」を25%まで高めたドイツでは、発電に適している北部から、電力需要の多い(同国)南部に送るため、送電網を整備しています。東電や関電には電力需要が大きく、融通できる送電網が既にあるのですから、送れないはずはありません。送電設備が不足しているというのならば、(数千億から数兆円掛かるそうですが、それこそ設備投資で景気を喚起できるのですから)設備を増強すればいいと思います。これで問題②も解決です。(経産省のWTもそうした検討は既にしています)

 太陽光発電は(発電効率も向上)パネル自体も安くなっていますし、土地さえあれば直ぐに設置できますから、同制度によって急速に普及し始めています。一般の住宅を除いた参入した事業者が既に運転開始したもの(6月末時点)でも848万kW(一般住宅で240万kW、合計すると原発10基分になります)、また既に申請が認定されたものは事業者だけで6,600万kWを超えています。(実に原発66基分に当たります)原発の発電なしでも電力需要は足りていますが、石油や天然ガスなど化石燃料に頼らなくても、電気が足りるようになりそうです。(沖縄電力以外は)どうもそこのところが「気に入らない」、そのための「買取中断」ということだと思うのです・・・

P.S. 只、FITの買取価格なのですが、太陽光発電は(当初40円から下がってはいるのですが)現在32円(1kW時)、ドイツやスランスの約2倍だそうです。陸上風力22円、地熱26円からしても高いように思います。現在経産省は自動的に買取価格を下げたり、「入札制度」を導入して、価格を下げる検討をしています。また、(大規模なものは)開発や環境影響評価に10年も掛かる地熱などは安定的に安く電力供給でいるそうですから、もっと普及の為には(逆に)価格を上げても良いのではないかと思います。いずれにしても、原発は要らない、という結論になりそうです・・・

P.S.2 「福島原発避難者訴訟」の原告団長の(ご住職の)早川さんは、第1回口頭弁論で、「どう考えても、ふるさとが元に戻ることはない。ふるさとは消滅したという思いです」、「地域での暮らし、地域のコミュニティーそのもの、ふるさとそのものを失い、現在も原発事故からの避難生活を続けているのです」、「今の樽葉町は、除染と原発事故復旧の前線基地と化し、元の穏やかな温かい町ではありません」と陳述されました。原発ゆえの被害です。悲劇です。「再生エネ」では(利権構造はあっても)こうしたことは起きません。それでも、(いくら犠牲が多大でも)世界の「核」の権力構造から足抜けすることは、やはりできないのでしょう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月18日)

25万1,000ベクレルのセシウム検出

2014-10-15 11:13:34 | 日記
 (報道によると)福島第1原発2号機の海側にある観測井戸から(13日に)採取した地下水から、事故後最高の(セシウム137、19万ベクレル、134、6万1,000ベクレル)計25万1,000ベクレルの放射性セシウムを検出しました。その他、マンガン54など(セシウムを含む)4つの放射性物質で最高値を観測したとのことです。

 これは、事故後に地中に流出した超高濃度の放射性物質がトレンチに溜っていたものが、台風18号による大雨で地下水へと流れ出したものと見られています。今月に入って、汚染水タンクの周辺の地下水や同護岸の地下水から、高い濃度の放射性物質(多分、8万ベクレルほどのセシウム)が観測されていたそうです。

 今後も大雨が降れば高濃度の放射性物質が流出する恐れがあるとして、東電がトレンチ周辺(3ヶ所)で週2回行なっていたモニタリングを、毎日実施していくとのことです。東電は、海側の井戸で地下水の汲み上げを行なっているので、海への流出はないとしていますが、正直、非常に心もとなく感じます。汚染の広がっている範囲など実態は把握できておらず、根本的な対策は取れないとのことです・・・

P.S. 台風19号による大雨の影響も懸念されますし、今後も同様です。何故、フェイシングをして降雨対策を行なわないのか、理解が出来ません。手間もお金もそれほど掛かるとは思いませんし、作業も難しいとは思えないのです。地下水を減らし、海への流出を少しでも遅らせることが出来ると思うのですが。(閉鎖されていない)港湾内の放射性物質の浚渫(しゅんせつ)など、東電の対策には問題が多すぎると思います・・・

P.S.2 うつ病対策などに取り組む、松山市内にあるNPO法人「こころ塾」が、東日本大震災により四国4県に避難している273世帯に対するアンケート調査を実施、回答した64世帯の64人全員が、うつの状態にある可能性が高いと判定、この内14人は重度のうつ状態にある可能性が高いことが分かりました。また、必要としている「支援」(複数選択)に関して、「住居」、「情報提供」が16,3%で最も多く、「就労」が15%だったとのことです。同NPOは、アンケートの結果を愛媛圏内の全ての市町、他3県の担当課に通知、支援に役立ててもらうとのことです。さらに今月から同NPOでは、避難者の家を訪問して、生活と精神の両面で支援を行うそうです。代表の村松さんは、「避難者の心の問題はこれから顕在化していく懸念がある。避難者を孤立させない取り組みを進めたい」と話されています。本当にその通りだと思います。頭が下がります・・・

P.S.3 今日は地区の秋祭りです。私は中学の時に1度だけ神輿を担ぎました。それ以来参加していません。やはり、人と顔を合わせるのはキツイことですから。神輿が通り過ぎたら、庭木の剪定でもしたいと思います。それでは、ごきげんよう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月15日)

南相馬「避難勧奨」解除

2014-10-13 11:35:24 | 日記
 国の避難指示区域以外で、年間積算放射線量が20mSvを超える恐れがある、所謂「ホットスポット」の世帯に対して出されている「避難勧奨地点」である南相馬市の152世帯に対する同指示が今月末に解除される方針とのことです。既に伊達市や川内村の計129世帯に出されていた「指定」は、除染等によって線量が低減したとして解除されています。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 政府の原子力災害現地対策本部は、11日に住民説明会を開きましたが、「線量がまだ高い」との住民の反発が出ているそうです。各家庭の線量は記載されていませんが、やっと年間被曝線量が20mSvを下回っただけで、(帰りたい人は別ですが)自宅に帰れとは本当に酷い仕打ちだなあと思わざるを得ません。歯科でレントゲンを一瞬撮影するだけでも、放射線を遮断した個室に入れられ、あの重くて分厚いベストを着せられるのですから、このような高線量の中で暮らせとは・・・。最終決定は今月下旬だそうですが、(帰還する自由もあるかと思いますが)帰還しない「自由」、それを保障する支援(住宅取得や雇用提供など)体制をとって、新たな生活に向うことが出来る選択肢を是非作って戴きたいを思うのです・・・

P.S. 「帰還困難地域」の住宅買取価格が、事故前の評価額を基準にして設定されるようになったはずでしたが、(過日の記事では)その半分ほどだったとありました。(勿論、僻地で中古住宅ぐらいは買えるでしょうが)これでは新たに住宅を取得するのは難しいし、住民からはこれでは到底売れないとの声が上がっています。樽葉町で8年前にマイホームを建てた男性(49歳)は、(当然ローンも残っているのでしょうし)「何のために家を建てたか分からない」とこぼしています。天災なら(僅かの支援はありますが)自己責任と諦められますが、原発事故による「人災」なのですから、生活が再生できるだけの賠償が必要だと思います。東電にも、政府にも賠償責任があると思います。(またこれまでに何度も書いていますが)「帰還困難地域」だけでなく、「帰還準備区域」や「自主避難」家族など、戻らない「選択」をした人にも、等しい賠償が為されるべきだと思います。そこに「差別」があってはならないと思うのです・・・

P.S.2 上記の男性の住んでいた樽葉町は帰還する地域に再編されていますが、戻るのか、別の場所で暮らすのか答えが未だに見つからない、堂々巡りの状態だそうです。復興庁の同町民に対する調査では、「すぐ戻る」は僅か8%、「条件が整えば戻る」が32%、「戻らない」が24%、「判断できない」が35%だそうです。やはり、迷っている方が多いのが覗えます。多分実際には帰れないと思っているのだと思いますが、今の支援額だと難しいというのが現実だと感じます。「条件」というのも、(線量や生活インフラ、コミュニティーの形成など)中々整うようには思えず、実際には帰れないというのも、また現実だと思うのです。無駄な公共事業など止めて、避難生活を強いられている被災者を、何故全力で支援しないのでしょうか?(自分が被災しても同じだけ求めたいと思いますが)結局、電気料金(国民負担)でまかなう賠償なのですから、生活再建できる額を提示すべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月13日)

放置される「地下の水銀、地上の放射能」

2014-10-12 10:06:16 | 日記
 作家の池澤夏樹さんの「地下の水銀、地上の放射能」というコラム、(突っ込みながら)ご紹介します。(引用・参照は『朝日新聞』)

 「かつてチッソは、ここ(水俣湾)に70トン、ないし150トン、またはそれ以上とも言われる水銀を放出した」(*東電も膨大な量の放射性物質を放出、今も垂れ流し続けています)、「約20年後に、水銀を含むヘドロは湾の底から回収され、『14年の期間と485億円をかけて』護岸の内部に埋められた」(*知りませんでした)、「今そこは、58ヘクタールの『エコパーク水俣』になってスポーツ施設などが造られている」(*「エコ」とは真逆の存在です)

 「今も薄い槌の被覆の下に、151立方メートルの(最大600ppmの有機)水銀を含有するヘドロがある。海との距離は100メートルと少し」(*ご存知のように、有機水銀は常温でも蒸発し易く、有機水銀中毒の恐れがあります)、「有機水銀は合成化学工業の産物であり、作ったのと同じ技術で無毒な金属水銀に還元できる」、「毒物のまま、形ばかり(で)埋めておく理由はない。専用のプラントを現地に造ればいいだけの話」(*化学的な知識がないのではっきりとは言えませんが、事実なら当然無毒化すべきだと思います)

 「そもそも毒性のある産業廃棄物を埋めるだけで処理済みとするのは、廃棄物処理法ならびに・・・『水銀に関する水俣条約の精神に反するのではないか』(*「反する」のですが、哀しいかな「違法」ではないのです。こんな最終処分場が日本中、何百とあるのです。やはり、「違法」なのだと私は思いますが)、「かつて、香川県の豊島に不法投棄された91万トンの産業廃棄物は、隣の直島に運ばれて専用施設で正しく処理されている」(*有機水銀を適正処理すべきという意見に賛同します。只、直島での処理が「正しい」というのは誤りで、異論があります。後述します)

 政府は、福島第1「原発事故で生じた放射能を帯びた・・・(福島)県内の汚染土を大熊町と双葉町に集めてしばらくの間そこに貯蔵する」、「2,200万㎥の汚れた土・・・10トンダンプ2、000台で運び続けて3年掛かるほどの量」、しかし「水銀と違って放射能は化学的に始末できない。どうやっても消去は不能、人体に有害な放射線をいつまでも出し続ける」(*正に、高レベル核廃棄物と言わず、これらの廃棄物も、最低でもガラス固化して保管しなければいけないのですが、この技術が全く確立できません)

 F1に「隣接する港湾では、海底に溜った放射性の『浮泥』が外洋に流出するのを防ぐために、上からセメントで覆う工事が始まるという」、「陸地と海底の違いはあるが、手法は水俣とよく似ている」、「工事を進める東電は、『将来、海底の土を回収するかどうか決まっていない』と言っている」(*こんな杜撰な「海底石棺」が用を成さないのはこれまでも書いてきました。当然浚渫して、厳重に保管・管理すべきものであることは言うまでもありません)最後に池澤さんは、「今のようなやり方で『繁栄』を維持するコストは、我々に知らされているよりもずっと大きい」との警句を発せられています・・・

P.S. 火山の噴火リスクについても池澤さんは、「再稼動が取り沙汰されている川内原発は桜島から50キロのところにある。政府は『桜島の破局的噴火は9万年毎だが、前回は3万年前なので、まだ大丈夫』と言っているがこれは火山学では通用しない粗雑な論らしい」との指摘をしています。はっきり言っていつ噴火するのか分からないということで、この潜在化する「リスク」に対処する方法があるかと言うと、それは「ない」という他ないのです・・・

P.S.2 川内原発に影響を与えかねない霧島の新燃岳は、水蒸気噴火を起こして2年半後にマグマ噴火しています。田中規制委員長は、川内原発の火山リスクについて、「水蒸気噴火とマグマ噴火はレベルが別物」みたいな発言をしています。これは怖ろしい発想で、実はマグマ噴火は水蒸気噴火以上に「予兆」を捉えるのは困難なのです。(ど素人がオコガマシイのですが)新燃岳の「前例」に倣えば、水蒸気噴火はマグマ噴火の「予兆」とも捉えることもでき、その可能性を否定する科学的データはありません。「予兆」の基本的要件、基準すら決められない、それが現在の科学の限界なのです・・・

P.S.3 豊島の産廃を直島で溶融、スラグ化していることに関してですが、(私の余りにも乏し過ぎる化学の知識から見ても)幾つかの「正しくない」点があります。まず廃棄物の溶融過程でどうしても有害重金属が「気化」することです、まあ燃えることで減量化もできるわけですが、その分、気化した重金属も大気中に放出されているということです。その有害物質は、関西圏に運ばれて降下しているでしょうし、海に落ちて海洋を汚染していることでしょう。2点目は、猛毒のダイオキシン類の問題です。高温で廃棄物を燃やすとダイオキシンが発生しないというのは「迷信」で、高温でも(芳香族)ダイオキシン類などが発生し、また、(まだまだ知られていない)新たなダイオキシン類が発生していると言われています。実際、そこのところは化学(科学)的には全くの未知であって、何も分かっていないといっても良いのです。3点目は、溶融固化しスラグとすれば、廃棄物に含まれる有害重金属を閉じ込められるという発想(「幻想」)ですが、それは化学(科学)的には「事実」ではないと思います。永遠に有害物質を閉じ込めることなどできません。50年後か100年後かは分かりません(もっと早いかもしれません)が、(ガラス固化でも同じだと思いますが)必ず有害物質は溶け出してくるはずです。スラグは有害重金属の塊であって、決して「無毒」なものなのではないのです。ほんの暫くは無毒だという「神話」(「まじない」)に過ぎないのです・・・

P.S.4 実は、豊島の産廃を直島で処理していることが、最大の「構造的」問題です。何故、隣の直島で、環境汚染のリスクを甘受しながら処理してなければいけないのか。実は産廃を処理しているのは三菱マテリアル、その(400億とも500億とも言われる)事業で莫大な利益を上げています。その三菱マテリアル、当初は豊島に来るはずでした。しかし豊島は(キリスト教)信仰に熱く、住民の団結力も強く、また(働き者の島民が多いのだと思いますが)「豊な島」でもあったのです。結局、より貧しい地域に、産廃処理業者が林立するのは、日本中同じ構造です。(過疎地や地区など、原発の立地地域も同じです)低きにゴミ(汚染)は流れるのです。それでも、自動車のバックエンド廃棄物は都会から(低き)豊島に「流れ」てきて、環境汚染を生み出しました。その処理(と汚染の負担)は、さらに「立場」(ポジション)の弱い(低き)直島が担わされるわけです。「利益」だけは大企業がさらって行く、そういう「システム」(構造)なのだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月12日)

「アスベスト禍」の最高裁判決

2014-10-10 10:21:08 | 日記
 最高裁第1小法廷は(全員一致で)、(泉南の)アスベスト加工工場内での排気装置斧設置に関して、「規制は・・・できる限り速やかに適時・適切に行使されるべき」だった、「1958年には石綿の健康被害は相当深刻だと明らかになって」おり、「速やかに排気装置の設置を(罰則をもって)義務付けるべきだったのに、71年まで行使しなかった」として、健康被害に関する国の責任を初めて認めました。(参照・引用は『朝日新聞』)

 一方で、工場内での防塵マスクの使用に関して、「マスク着用の徹底が不十分だった」との原告の主張に対しては、国の規制の不備を認めませんでした。防塵マスクに関しては、1947年にマスクの設置が義務付けられ、95年に(なってやっと)企業が労働者に使用させるよう義務付けされていますが、如何にも遅過ぎます。防塵マスクをしなければいけないような危険なものを、製造・販売・流通・使用させたことに(この社会の、この世界の根本的な)問題があると思います。

 (原発の使用済燃料の問題や廃炉もそうですが)使用したものは廃棄しなければいけません。バックエンドに出る廃棄の過程と廃棄物の問題が残ります。アスベストによる紡績が始まったのは戦前の約100年前、主なアスベスト製品の製造・使用が「原則」禁止されたのは2004年(2006年に規制強化、原則として全面禁止)、この間に使用されたアスベストは膨大な量で、殆どが未だ日常生活の中に存在しています。全国の建物で使用されていると思われているものだけでも約280万棟もあるそうですが、実際にどれだけ使われているのかの「把握」はできていないとのことです。

 今後の建物の解体のピークは2028年ごろで、完全に解体されるのは55年ごろだそうで、これまでの被害に加え、解体による「アスベスト禍」が本格的に顕在化するのはこれからです。(何度か書きましたが)解体されるビルを迂回して通るSさんの話は「笑い話」などではありません。(これも誇張ではなく)そばを通るなら、防塵マスクを付けて通行するぐらいの「リスク管理」は必要なのです。曝露に「閾値」(いきち)のない中皮腫など、(ある意味)放射性物質より怖いと思うのです・・・

P.S. 東日本大震災後の被災ビルの解体で、仙台市のホテル解体時にアスベスト除去を怠り、環境基準の36倍のアスベストが飛散するなどの事例が相次いで発覚しています。解体によるアスベスト飛散への注意喚起がされていた為に表に顕われたものだと思いますが、それまでも義務付けられた飛散対策をせずに、或いは故意に除去せずに解体されてきた経緯があるものと思っています。(違法投棄もよく耳にします)その後、ビル解体の発注者に事前調査や除去作業の届出などの規制強化となりましたが、実際、どれだけの事業者がこれを守っているのか、甚だ疑問です。肺癌の増加にアスベストが大きく関わっていると疑っている私には、怖ろしいばかりの解体の実態です・・・

P.S.2 解体業者の作業員は、防塵マスクもせずに作業に当たっているのだと思います。原発労働者と同じく、危険に身を晒し、健康被害のリスクをしょって働いているのです。(造る時の)建設労働者の健康被害の訴訟も、現在各地で行なわれていますが、今後は解体作業員の健康被害、訴訟が(残念ながら)続くことになると思うのです・・・

P.S.3 楽しい話題、嬉しい話が一つでもないだろうかと考えるのですが、思い浮かばないのです。逆に憤りを覚えずにはいられない出来事が多過ぎて、(皆さんもそうでしょうが)シンドイです。台風被害で亡くなった方々もおられ、週末の19号も心配です。何とか無事に稲刈りを終え、あと1回籾摺りをすれば、作業が終了するのでほっとしています。有り難いばかりです。そう感謝しながら、今日も過ごそうと思います。(心より)ごきげんよう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月10日)