プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

東電の「賠償指針」破り

2014-02-28 13:19:17 | 日記
 東京電力は、福島第1原発事故による避難で、失業したり転職をしそれまでの収入を失ったり、減収した避難者への「減収分」の賠償を来年2月で打ち切ると発表しました。(原則、延長もしないそうです)その理由として、「雇用環境が改善した」ことを挙げているそうです。(以下、引用・参照は『朝日新聞』)どの地域で、以前の仕事を上回る収入を得られる「雇用」が改善しているのでしょうか?

 実は、原子力損害賠償紛争審査会が、昨年にまとめた「追加指針」では、(既にご存知でしょうが)避難指示が解除された場合、月10万の「慰謝料」が得られるのは解除後1年まで(例外的に延長あり)と決められました。この「打ち切り」時期を決める際、「減収分」の賠償を当面続けることが「前提」とされた経緯があるそうです。これは東電による「審査会」の「指針」破りとなります。

 「指針」を決める「審査会」では(上記の経緯から当然ながら)、「減収分」の賠償の「打ち切り」時期には未だ決めていません。東電は、この「指針破り」に関して、「指針を踏まえてはいないかもしれないが、これまで、事故の特殊性を考えて十分に対象期間を長くしてきた」と主張しています。また、避難指示解除後、1年以内に帰還した人が、(震災前でなく、減収した)現在の収入を下回った場合は、(減収した収入から)「再減収」した分だけは最大1年間賠償するとのことです。「賠償」期間を自ら勝手に決め、「審査会」があってもその「指針」にすら従わない、約束事も守らない、これが加害者側の態度とは思えません・・・

P.S. 避難指示解除の見込みとする基準は、帰還困難区域が事故後6年、居住制限区域が5年、避難指示解除準備区域が3年だそうです。私の感覚では、「帰還困難区域」は半永久的に人が住んではいけない土地だと思います。居住制限区域も数百年は立ち入らない方が良いと思います。避難指示解除準備区域についても最低数十年は経過を見て、その結果によって(帰還ではなく)どのようなあり方が可能なのか考えるべきだと思います。「帰還」などあってはならない、そう思います・・・

P.S.2 ロンゲラップ環礁では僅か3年後には米国政府によって「安全宣言」が出され、島民を帰還させましたが、健康被害が相次ぎ、とうとう島民は(20年以上も放射能被害に苦しみ)「自主避難」を余儀なくされています。同じことを、福島で繰り返すのですか?政府にも、多くの国民の方々にも、私は訴えたいと思います・・・

P.S.3 (確かNHKの番組だったと思いますが)「帰りたいけど帰れない」状況と、新天地での厳しい現実があるとのことでした。また、「補償があるから、そんなに頑張って仕事しなくても」という方がおられる一方で、「帰りたくないけど(それまでの顧客から仕事を貰う為には)帰らないとやっていけない」方もおられました。また、(自治体名を忘れましたが)現実的に元の町に戻すことは出来ませんから、「廃炉」のための町を、苦渋の決断でやっていこうと模索している自治体もあります。多くの方、自治体も、悩みながら模索されているのだと思います。これが原発事故の(東電が欠片も理解してない)真の「特殊性」なのです。「何が良いのか分からない」これが原発事故に晒された人々の現実ではないでしょか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月28日)

原発事故の避難シミュレーション

2014-02-27 10:51:38 | 日記
 愛媛県が、伊方原発で過酷事故が起きた場合を想定し、30キロ圏内の約13万人が自家用車で避難した場合にどれくらい時間が掛かるかをシミュレーションしました。18パターンの内、4パターンをご紹介します。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

①30キロ圏内の住民が一斉に自由なルートで避難する場合
 →5キロ圏内の住民 18時間、5~30キロ圏内の住民 14時間半
*実質的に避難計画がないことが前提で、こんなことが起きてはいけませんが

②5キロ圏内の住民がまず先に避難、その後5~30キロ圏内の住民が避難するという順序で、推奨ルートを使って避難する場合
 →5キロ圏内の住民 8時間45分、5~30キロ圏内の住民 7時間45分
*計画的に避難するのが良いのは分かりますが、5キロ圏内の住民を先に避難させるという前提が、理解できません。推奨ルートを使って、全地域の住民が、同時並行的に速やかに避難すべきだと思います。でも、そのパターンをシミュレートしているのかいないのか?(新聞には記載されていません)

③上記の前提で、さらに車の乗り合わせをした場合
→5キロ圏内の住民 3時間半、5~30キロ圏内の住民 7時間
*5キロ圏外の人は余り変わりませんが、5キロ県内の方は乗り合わせた方が、避難時間がかなり短縮されるようです。

④やはり②の前提で、さらに警察官が手旗誘導する場合
→5キロ圏内の住民 3時間半、5~30キロ圏内の住民 6時間15分
*5キロ圏内では全く変わりませんが(何故でしょう?警察官が原発近辺に居たくないからでしょうか?)、5~30キロ圏内では1時間45分も短縮できますから、手旗誘導は有効ということになります。

 また県は、「渋滞を避けるため、市町には避難指示が出た区域外(30キロ圏外)の住民には自主避難を控えるよう広報することを求める」そうですが、実際、福島での原発事故では60キロどころか、何百キロの距離を放射性プルームは移動してきていますから、(確かに混乱しますから、問題ですが)「自主避難」をしないでというだけでは、ダメだと思います。30キロ圏外、少なくとも60キロ圏内での推奨ルートを決めて、整然と避難できるようにすべき(計画を立てておくべき)だと思います。

 只、最も大切なのは、正確な情報が速やかに住民に伝えられるかです。電源喪失の時点で、(福島では電源喪失から5時間半後にはメルトダウンが始まっています)住民には広報すべきです。メルトダウンが始まったら、直ぐに避難指示を出して、最悪ベントをしなければいけなくなるまでに、避難が終了しているような体勢が取れるだけの避難計画が必要だと思います。ただこの際、風の方向や強さは刻々と変わりますから、避難方向にプルームが来ないとも限りません。福島での原発事故では、30キロ圏内については線量の高低はあっても汚染されましたから、風向きを勘案しながらも粛々と避難を行い、30キロから60キロ(それより遠い場所でも)プルームの状況を見ながら、留まった方が良い場合は自宅待機し、避難すべき地域は国の「指示」を待って避難しなければいけないと思います。ただ、国や電力会社が、本当に情報を出し、正しい「指示」を出すならば、という前提ですが・・・

P.S.  (新聞には)上記の④パターンしか記載されていませんので、はっきりしたことは申し上げられないのですが、例えば地震で道路が寸断された場合とか、津波で移動できない場合とか、台風や豪雨、雪など、悪条件が生じたり、その複合的な災害が起きた場合に、避難にどれだけの時間が掛かるかがシミュレートされていません。指示が出る場合が、昼なのか、夜なのか、季節や天候など、避難状況を左右する条件を考えているのでしょうか?あらゆることを想定し、シミュレートし、それに対応できるのかどうかを、予め考えておく必要があると思います。それでも避難など不可能だという結果が出たならば(現実的に無理でしょう)、原発を諦めるという選択肢があって良いと思うのですが・・・

P.S.2 (もう既にご存知でしょうが)福島第1原発4号機の使用済燃料プールの冷却が一時止まったことですが、建屋近くの道路を掘削中に電源ケーブルを誤って損傷したことが原因でした。しかも別系統の電源に切り替えるまでに4時間35分も掛かっています。「ヒューマン・エラー」が起きる体制に問題があることは何度も申し上げていますが、プールの電源を切り替えるのにこれだけ時間が掛かるというのはどうしてなのでしょうか?1系統が停止すれば、直ぐに別系統の電源が供給されるようになっていないのでしょうか?停止していた時間は、(プールの温度はそれほど上がっていなかったようですが)全く冷却されていないということは何故なのでしょうか?非常用電源は使えるようになっていないということなのでしょうか?良く分かりません。今のまま体制では、いずれまた重大な事故が起きるのではないかと非常に心配です・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月27日)

マーシャル諸島被爆者の健康被害

2014-02-26 10:06:03 | 日記
 委任統治していたマーシャル諸島で、1946年から58年の間に実に67回もの「非人道的な」核実験を行なった米国ですが、被曝による健康被害を認めず、汚染された島に島民を(実施的に)強制送還する「再定住計画」を行なってきました。それまでの生活環境を奪われ、被曝とその不安にに苦しむ島民の実態をまとめたいと思います。(引用は「原水禁」のHPから)

米国による「再定住計画の実施は、ロンゲラップ環礁にある約60の島々のうち、たった一つの本島(ロンゲラップ島)に限られ」、「そのためこの再定住計画では、環礁全域の生活空間を再生することは不可能であり、人々が一時滞在できても帰島定住できる見通しは立っていない」、「核実験場跡に帰島できたエニウェトク環礁民は、とりわけ核実験によって生活環境が激変させられ不自由な生活を余儀なくされている」、「あるエニウェトク環礁の帰島者は、「戻れてうれしかったが、そこには以前と違い何もない。ヤシもパンノキも、タコノキも、そして離島も……。エニウェトク環礁は、変わってしまった」、「人々は本来環礁空間全域を使って生活をしてきたが、今もエニウェトク環礁の北半分の島々は、放射能汚染レベルが高いために活用できない」、「取り除いた放射能汚染物をコンクリートで格納したルニットドームもある」が「住民の多くは、ルニットドームを恐れている」とのことです。

「『死の灰』による被害者からは、『あの爆弾の前には、(あまり)見られなかった新しい病気やいろいろな体の不調が出てきた』との声が、また「甲状腺腫瘍やガンの発症も」発症、「これらの症状は、マーシャル諸島全体的に高い発症率が確認され、医学的見地からも放射線による晩発障害との関連性が疑われ」、「高橋達也医学博士らは、1993年から97年まで全国規模で甲状腺疾病に関する医学・疫学的調査をおこない、マーシャル諸島住民の甲状腺結節性病変と甲状腺ガンの有病率は高いと結論付け」、また「N・パラフォックス医学博士らは、1998年にマーシャル諸島では、米と比べガンの発生率が高い」と指摘、「流産や死産をしたり、先天性障害を持った子を産」んでいる情勢も少なくないようですが、差別を恐れて話したがらないとのことです。

こうした中、「マーシャル諸島共和国政府は、度重なるアメリカ政府の調査報告書の被曝の実相を無視した結論に」対して、「1994年に・・・国際原子力機関(IAEA)に放射能調査を依頼」、1998年の(原発を推進する)IAEAの報告書ですら、「同環礁に定住しそこで得られる食料を摂ると年間15mSvに達すると推定され『永住には適さない』」と結論付けています。

しかし、ビキニ環礁が世界文化遺産に登録された当時、「米国政府は、ビキニ環礁の別の島で暮らしている核実験被害者に、核実験当時暮らしていた島に戻るよう要求」、さらに「ロンゲラップから250キロ南のクワジェリン環礁で暮らしている約400人の元住民に2011年10月までにロンゲラップに再定住しなければ資金援助を停止すると圧力をかけてい」ます。「核実験被害者団体「エラブ」(ERUB、団体名はエニウェトク、ロンゲラップ、ウトリック、ビキニの4つの環礁の頭文字を組み合わせた)のレメヨ・アボン会長は、ごくわずかな農地の除染や50棟しかない再定住者向け住宅だけで住民への帰島を押し付ける再定住計画に反発」しています。「また、2023年には核実験の実施国であった米国政府の支援が打ち切りになる」のですが、これは「日本の東電福島第一原発の事故の計画的避難区域の再編等による住民帰還、再定住計画と事情が酷似している」とのことです。正しく、日本政府も、米国政府と同様の、冷酷な被爆者を汚染地域に封じ込める政策をとっているということのようです・・・

P.S. 米国が1954年に行なった水爆は「ブラボー」と名付けられていたそうです。何が「ブラボー」なのか・・・この時、日本のマグロ船「第五福竜丸」の乗組員23人が被曝し、半年後には無線長の方が亡くなっています。(参照・引用は『朝日新聞』)ご自身肝臓ガンを患った大石さんは、40~50代の働き盛りで死んでいく同僚を見て、現在は被曝の「語り部」として活動されています。大石さんは、「放射能の恐ろしさを政治家たちは隠している」、「60年前にビキニで起きたことが、静かに福島で繰り返されている」と指摘されています。被曝に対する偏見や差別にも晒されています。マーシャル諸島の島民や福島の避難者に対しても同じ「差別」が起きました。当時米国からの200万円の「見舞金」で政治決着したため、その後の補償はないそうです。これが被害を受けた者の現実と諦めるしかないのでしょうか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月26日)

放射能汚染マーシャル諸島の帰還政策

2014-02-25 10:38:55 | 日記
 米国の水爆実験場となったマーシャル諸島、放射能汚染された島を除染して、帰還政策がとられましたが、余り進んではいないようです。福島の帰還政策を占なうことができるように思いますので、要約してご紹介します。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 核実験場の1つだったビキニ環礁では、1954年に(広島型原爆の1,000倍の威力を持つ)水爆実験が行なわれています。実験前に167人の島民は約600キロ離れたエジット島に避難しました。しかし、(当時の)ジョンソン大統領は(全ての核実験を終えた10年後の)68年に「安全宣言」を出して「再定住」を進め、(当時放射線の測定は極秘任務だったそうですから、当然島民には何も知らせずに)100人の島民が帰還しました。しかし77年には井戸水から(米国の)基準値を超えるストロンチウム90が検出、78年には米国内務省が、セシウム137に関して「(定住を)許可できないレベル」として、住民は再び避難を余儀なくされます。

 その後米国政府は、1991年から基金を作り、本格的にビキニ島の除染を開始、居住地については表土を約40センチ剥ぎ取り、農地などはカリウム肥料をまいて作物がセシウムを吸収するのを防ぐなど実施しました。除染の基準は年間被曝1mSv(日本の基準は20mSv、目標値が1mSv)で進められていましたが、2001年に環境保護局が、米国内での放射線の被曝基準を0.15mSvとの目安を打ち出したことで、(同島での)除染はストップ、核実験から60年経った今も、島民の「帰還」は実現していません。

 そのビキニ環礁から(地図で見ると)100キロも離れていないロンゲラップ環礁(この沖合で第5福竜丸が被曝しています)では、54年の水爆実験で(米国政府が避難させなかった)胎児を含む島民86人が被曝、別の島に移住させました。しかし、(僅か3年後の)57年には「安全宣言」を出し、多くの島民を「帰還」させました。しかし、(初期被曝の影響もあるとは思いますが、帰還後の被曝の影響も大きいかと思います)流産や死産、甲状腺障害などの被害が相次ぎ、とうとう85年には島民自ら「自主避難」せざるを得なくなっています。

 しかし米国政府やロンゲラップ地方政府は「再定住」計画を進め、1998年以降は基金を作り除染を実施、住宅なども建設しましたが、島民の「帰還」は進んではいません。同島選出の国会議員は、「かつて再定住で被害が拡大したという歴史を忘れてはいけない」と警告、前国会議員も「米国は再定住を完了させることで、問題から手を引きたいだけだ」と米国への不信感を顕わにしています。「帰還」政策を進める日本でも、米国と同様の、被災者(被曝者)と政府の関係があるように思います・・・

P.S. 除染基準もそうですが、米国内での放射線の被曝基準が0.15mSvというのは(知りませんでした)驚きです。日本の基準もこれぐらい低ければと思いますし、日本以上に国民を核実験の「モルモット」扱いしている米国ですらこの基準ですから、日本も米国の基準に倣う(「修正」す)べきです。この基準を当てはめれば、少なくとも原発事故で汚染された殆どの土地が、基準を超えることになると思います。この現実を、私たちはもっと深刻に受け止めるべきだと思うのです・・・

P.S.2 もう1つの核実験場だったエニウェトク環礁では、1980年以降に避難していた島民が、除染後に集団で「再定住」しているそうです。汚染度の高い北部では、立入りが禁止され、食材の採取なども制限されているそうですが、(汚染状況が分からないのですが)本当に大丈夫なのでしょか?
(記事には書かれていないので)「再定住」後34年経っていますから、(当時及び)現在の汚染状況や、現在の島民の健康状態など、(線量によっては、帰還してよいかどうかの判断が付きますから)詳しく知りたいと思うのです・・・

P.S.3 昨日の衆議院予算委員会で、(お名前は忘れたのですが)維新の会の議員が、(要約ですが)国が土地を買い取り、福島に核廃棄物の最終処分場を造り、一方住民は移住を進め、本当の自立、復興を行なって欲しい。今のままでは時間が掛かり過ぎ、人生選択が出来ない」と訴えられていました。私も同じように思います。(福島の方には申し訳ありませんが)放射能汚染の酷い地域には絶対に帰ってはいけないと思います。(上記のように)汚染された土地は国が買い上げ、その上で最終処分場を造るべきです。その代わり、住居を補償できるだけの賠償金を払って、新たな場所で生活を再出発できるだけの支援を行うべきだと思います。雇用に関しても、例えば、地方局にいる公務員などは、避難者の中から優先的に採用したり、各自治体においても、移住者の職員への採用枠を設けるなどしてして(国が自治体に)支援を求めるべきだと思います。農業従事者として入植してくれる移住者には、住居の無料提供や、例えば軌道に乗るまでの5~10年間は年間100万の補助金を出すなどして、今尚仮設に暮らす多くの避難者が前向きに生きていける方策を講じて欲しいと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月25日)

都路地区の避難指示解除

2014-02-24 10:19:19 | 日記
 田村市都路地区の避難住民に対し、「国としては4月1日に解除させて頂きた」いと、赤羽経産副大臣は、「意見交換会」で「通告」しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)意見を交換する場で、「通告」で終わる。しかも何故、経産副大臣が行くのでしょうか?(復興大臣の役職のように思いますが)その復興庁の幹部は、「住民の前に仁王立ちになってでも、話をしてきてほしい」と副大臣に会の前に念押ししていたそうです。話をするのでなく、「通告」することを「念押し」したのでしょう。

 都路地区は、事故後約3,000人の住民全員が避難しましたが、20キロ圏内の358人を除く約2,649人の避難者は、2011年9月には「緊急時避難準備区域指定」が解除され(実質的な避難指示解除です)、1年後の12年8月には月10万の慰謝料が打ち切られています。そして残る358人も、4月で避難指示は解除され、賠償を得られるのは1年となります。赤羽副大臣は、「市民の生活の再建を遅らせられない」と述べられていますが、東電の経営を慮り、賠償金を減じる為に避難指示を解除した側面は否定できないのではないでしょうか?(ちなみに、2月までに避難住民へ支払われた賠償金は約1兆5,000億円です)

 同地区の住民への住民意向調査では、「戻りたい」という方が7%弱です。帰還するかどうかは住民の「選択」にまかされるわけですが、戻りたいというのは高齢者の方が多いと思いますから、(国が整備する)コンビニだけでは、(十分な)買い物もできませんし病院への通院など実際には課題が残ります。「条件付で戻りたい」という方も約35%おられ、「十分に線量が低下している」というのが条件で、低線量でも被曝への不安があれば、中々戻るということにはならないのではないかと思います。

 「死ぬ時は自分の家で死にたい」という方の帰還を引き止める権利は私にはありません。只、私の考えはこれまで書いてきた通りです。帰還させるべきところでない場所に住民を帰す、その選択の「自由」を住民に押し付ける国のやり方に憤りを感じます。自分の自由意志で選んだのだから、病気になっても「自業自得」とでも言われているように(私なら)感じます。勿論、被曝との因果関係すら国は認めないでしょうが・・・

P.S. 住民の求めていた再除染ですが、(実質的な効果が薄いというのもあるのでしょうが、本音は費用が掛かるからなのでしょう)「再除染」はしない、個別に対応するということになったそうです。実際に帰還する方は少ないでしょうから、そのように対応するのでしょう。線量計をぶら下げさせて、被曝の「自己管理」をさせるのです。これも「自由選択」の結果、ということなのでしょうが・・・

P.S.2 (細かい地域の汚染の程度は分かりませんが)田村市の場合、(福山市など)避難先の方が線量が高い避難者がおられます。避難になっていないどころか、被曝量が増えているという、これもまた、(特に当時の政府の)誤った(出されなかった)避難指示による被害だと思います。出されるべき場所に出されなかった「避難指示」、当然賠償もなく、国による除染も受けられないわけです。都路地区にも、20キロ圏内と圏外で、「賠償格差」が生じ、住民の間に不平等感が広がっているそうです。その賠償を受けていた住民も(実質強制的に)「避難解除」されます。また、「指示」の出なかった住民には、同じく被曝に晒されながら(線量計すら配布されません)何もないわけです。理不尽なことだと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月24日)

「汚染水漏れ事故」の嘘と隠蔽工作

2014-02-22 10:09:27 | 日記
 (4号機近くH6エリアのタンク群で)100トンという大量の高濃度放射能汚染水が流出した事故で、東電の発表と事実が食い違う点が出てきました。

(某報道によると)閉じていなければいけなかった3つの弁の内、「閉じていた」と発表されていた弁(バルブ)が実は「開いていた」とのことです。東電は(先日)、閉じていたのに汚染水が入ってきたので「壊れている」可能性を示唆、調査をすると述べていました。しかしこの弁は、事故を起こした午後には実は「開いていた」のです。つまり、(満タンなので入れてはいけない)H6のタンクへ通じる3つの弁「全て」が開いていたわけです。

 一方、移送すると発表していた別のタンク群へ繋がる配管の弁(バルブ)は(開いていなければいけないのに)「閉じていた」とのことです。これが意味することは、(別のタンク群へ移送するのではなく)満タンの入れてはいけないタンクに、最初から「入れる」操作をしていたということです。移送しようとして操作を誤ったのではなく、「移送」ではなく、満タンのタンクに汚染水をさらに入れてしまった「事故」なのです。東電の「移送していた」というのも、(開けてはいけない3つの内)「1つの弁だけは閉じていた」というのも「嘘」だったのです。

 しかも、この「高濃度放射能汚染水漏れ事故」が起きた後に、「閉じていた」と嘘を付いたけれど実は「開いていた」弁Aと、移送するから「開いていた」と嘘を付いたが実は「閉まっていた」弁Bを、事故後に本来あるべき状態、つまりAの弁は閉じ、Bの弁は開けるという、(嘘に合わせるための)隠蔽工作を行なっていました。単なる四重の「ヒューマン・エラー」どころではなく、最初の所から完全に誤ったことを行った上に、嘘と隠蔽を重ねるという、余りにも悪質な「実態」が浮き彫りになりました。最早、言葉はありません・・・

P.S. 私は(ラージヒルの団体戦以外)ソチ・オリンピックのTV放送を観ていなかったのですが、昨夜、(ショートで不本意な演技になったという)浅田選手が気になってTVを観ました。正直、どのようなスポーツでも、試技を見ながら涙を流したのは初めてでした。お顔が「観音様」に似ているのは別にしても、(実は私はハラハラして、こうした試技は中々みられないのですが)演技が始まって直ぐに、非常に穏やかな気持ちに満たされました。(江原さんなら見えたでしょうが)金色(こんじき)のオーラのようなものを彼女は発していたように感じたのです。私は思わず「合掌」をして、溢れる涙をこらえることができませんでした。新聞には、浅田選手と会場に一体感があったと書かれていましたが、間違いなく、彼女の波動と会場の人々との波動は一致していたに違いありません。会場全体を、温かな「祈り」のようなものが満ちていたのだと思います。素晴らしい演技を見せてくれた浅田選手には、本当にありがとう、と感謝の言葉を捧げたいと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月22日)

H6エリア100トンの高濃度汚染水漏出

2014-02-21 10:16:25 | 日記
 昨年300トンの汚染水が漏れたH4エリアの南側、(海から700m離れた場所にある)H6エリアのタンクから、(19日午後)高濃度汚染水が100トンも流出したとのことです。(以下、引用・参照は『朝日新聞』)漏れ出た汚染水は、ベータ線で(1ℓ当たり)2億4千万ベクレル含まれ、空間の放射線量は(やはりベータ線で)毎時50mSvの高線量です。

 原因は非常に単純な「ヒューマン・エラー」です。同日午後には、H6エリア経由で他のエリアのタンクへ汚染水を(3回)移送していますが、H6に繋がる配管の(3つのうち)2つの弁が開いていました。当然ですが、(H6のタンクに入れないためには)この弁は閉まっていなければいけないのですが、作業員のミスで弁を開けた(或いは閉めていなかった)可能性があるとのことです。また、残りの閉じていた弁からもH6エリアへ汚染水が流れ込んでおり、弁が壊れている可能性があるとのことです。

 実は同日午後2時過ぎに、タンクの水位が危険水域になったことを示す警報が鳴っていたのですが、(水位計の不具合と判断して)水位を確かめなかったそうです。警報が鳴っても確かめないのなら、(昨年の汚染水漏れ事故でやっと設置した)水位計の意味がなくなってしまいます。二重の意味で「ヒューマン・エラー」が起きたことになります。しかも、汚染水が漏れたのは、満タンになったタンクの天井から漏れた高濃度汚染水が、昨年、雨水対策として設置した「雨樋」に流入して、堰の外、土中へと染み込んでいます。

 (批判ばかりで申し訳ないのですが)そもそも、(図で雨樋の位置を見ると)汚染水が漏れた場合に樋に流れ込む構造になっています。しかも樋は堰の外、敷地へと流れ込む構造です。これでは、汚染水が(漏れた場合)直で堰の外に出てしまいます。(以前のように)堰に漏れ出たのならば、堰に溜った汚染水は回収できますが、これではわざわざ汚染水を堰の外に流し出しているようなものです。雨樋は、(汚染水が漏れ出る可能性のある)天板との隙間より上に、設置すべきものです。しかも、雨樋で受けた雨水を、敷地にまた流すのなら、敷地内で降る降雨量を減らすことにはならず、地下水の量は変わりません。増え続ける地下汚染水対策にはなりません。

また、当然ながら雨樋で受けた雨水は、(汚染されていませんから)直接海へと流すようにしていなければいけないはずなのです。どうしてこうなってしまうのでしょうか?正直言って、信じられません。杜撰すぎます。人為的なミスが、三重、四重と重なる、余りにも初歩的で、本当に酷い「ヒューマン・エラー」だと思います。これは単に作業員のミスというようなものではなく、作業環境や事故対応の体制そのものが、(様々なトラブルや事故を受けても)未だ改善されるどころか、酷くなっているということだと思います。これでは、同じことがいつまでも続くということだと思うのです・・・

P.S. ちなみに、現在約1,000基のタンクに溜められている汚染水は52万トン、その内、ALPSで処理を待っている高濃度汚染水は34万トンで、今年度末までに全量処理する計画だそうです・・・

P.S.2 値上げをちらつかせて審査を早めるように圧力を掛けている北海道電力と経済産業省ですが、泊原発の申請資料では、1,2号機での過酷事故対策の有効性を評価するのに、構造が違う3号機の解析を流用していたそうです。これに対して規制委員会は、「審査しようがない」としています。さらに津波の想定に関しては「不適切」、火山の噴火の影響評価も「不十分」との評価です。このような杜撰な審査資料を提出すれば、審査が遅れるのは当然だと思います。その審査終了(再稼動)の見通しが付かないから「値上げ」とは・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月21日)

帰還住民支援対策

2014-02-19 10:25:30 | 日記
 政府は春以降に、約3万8,000人が避難している福島県の6市町村への避難指示を「解除」する予定だそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)しかしながら、住民への「意向調査」では、放射線リスクへの不安などから「帰らない」、「判断できない」との回答が多数を占め、政府は帰還を推進するための対策に2014年度予算案に数十億円を計上しました。

 具体的には、福島県での個人線量計による外部被曝や子どもの甲状腺検査のデータ、(WHOによる)事故後の福島での癌発生リスクのを予測した報告書などを記載した「冊子」を作成したり、福島県立医科大に放射線の専門家を養成する講座の創設を支援、保健福祉や教育関係者に研修を行い、住民向けの相談員を配置するとのことです。

 こうして、住民の「不安」を和らげて、帰還を促したいというのが政府の本音のようです。(私はこれまで何度も書いてきましたが)今避難している地域は(低線量といわれている地域も私にとっては)余りにも線量が高すぎる放射能汚染地域です。そこに(効果の薄い除染が終わったからといって)住民を帰還させるべきではないと考えます。住民の多くの方々も、そう考えられているのも道理ですし、(もう既に被害は顕在化してきていますが)被曝と健康被害の関係が科学的にはっきり解明されていない以上、リスクを冒すべきではないと思います。

 また、ウクライナやベラルーシ、或いは先日の(チェルノブイリから1,000キロも離れた)コルシカ島での被害のように、その実態が(各国の)政府によって調査すらされていない状況で、日本政府としても、帰還云々を議論すべきではないと思います。まずは、これまでに民間の病院や市民団体等の報告書や調査を取り寄せて、事故から28年経過したチェルノブイリ周辺の住民の実態を把握し、その上で日本政府として(ウクライナやベラルーシと協力の上で)疫学調査を実施すべきです。(チェルノブイリ事故によって)放射能汚染した線量に合わせて、実際にどのような疾病がでているのか(因果関係も含めて)一定の結論を出し、それを日本の汚染状況と照らし合わせて、どれだけのリスクが潜在的にあるのか、出来る限り正確な情報を住民に提供すべきです。原発の「安全神話」同様、被曝の「安全神話」によって、住民を帰還させる政策は受け容れ難いと感じます・・・

P.S. 現在、電力会社10社によって原発の安全対策の工事等が行なわれ、合計費用が約1兆6,000億円に上るそうです。でも、フィルター付きベントを備えたぐらいでは、到底安全とは言えませんし、(中後電力の)22メートルの防潮堤が巨大津波に対して機能するとも思えません。それでもこれぐらいの「安全対策」は、事故が起こる前に当然実施しておかなければいけなかったはずですが、お手盛り事業の発注はしても、政治家に付け届けはしても、この「安全対策」には支出を惜しんできたのです。今度は再稼動のために、最低限の「対策」は行なってはいますが、北海道電力のように、再稼動に見通しが付かないからと、電気料金を「再値上げ」すると言い出します。余りにも虫が良過ぎると思うのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月19日)

「般若心経」はマントラ?

2014-02-18 11:48:19 | 日記
 般若心経は「お経」(スートラ)だと思っていたら、どうも「マントラ」(真言)なのかもしれないようです。一般的には、「空思想」や「心経」が如何に素晴らしいお経であるかを説く「前経」があって、その後に本体である「般若心経」がありますよね。大(マハー)般若(プラジュナー)心(フリーダヤ)経(スートラ)偉大なる智慧の「お経」であると思っていましたので、事実だとしたら衝撃的な話です。

 (今)原田和宗氏の「般若心経成立史論」を読んでいるのですが、「心経」はじめ様々なお経をサンスクリット語の原文に当たりながら、「般若心経」の成立史を辿った同氏によると、「小本・心経」は「『空思想』を・・・教示するために編まれた・・・圧縮型の『般若経典』の一種ではなく、本体である『般若波羅蜜多』に対して、その『効能書き』を記す散文が前書きとして付加された『マントラ文献』」で、「要するに、『心経』というテキストは『心真言』(*核心的なマントラとでも言う意味なのだと思います)に、その心真言の『効能を説く散文部』が前書きとして添えられた・・・極めてシンプルな『マントラ文献』だそうなのです。

 (これまで私も)ひろさちや先生の解説本など「般若心経」に関するものを5、6冊読みましたが、このような「話」は初めてです。何よりサンスクリット語の原典を原文で読み、緻密に比較、精査しながら「心経」を解き明かしている同氏の主張には「理」があります。かつて空海も、「『小本・心経』の『真言』は般若菩薩の『大心呪』であ」ると説かれているそうです。「般若心経」は「心経」(お経)ではなく、「心呪」(真言、マントラ)だということのようです。(どちらでも良いという声が聞こえてきますが)

実は原田氏が若い頃最も衝撃を受けた著書が、佐保田鶴治先生の「般若心経の真実」という本だそうです。(故)佐保田先生は、京大の元教授で、ヨーガの第一人者です。「ヨーガ・スートラ」や「ハタ・ヨーガ・ブラディーピカー」などサンスクリット語の原典を(私も読みましたが)「ヨーガ根本経典」として翻訳された方です。(以前にもご紹介した)「ヨーガシュ・チッタ・ビリティーニ・ローダハ」(ヨーガとは心の作用の死滅である)というのは、「ヨーガ・スートラ」の最初に出てくるヨーガの定義です。「禅」の目指すところも同じく「心の死滅」だと聞きました。「スートラ」は「お経」という意味ですから、(薄博の私が言うのもなんですが)仏陀の教えはヨーガの教えに限りなく近い、同源のものだと私は思います。

ちなみに、原田氏が衝撃を受けた佐保田先生の著書には、「『心経』は「般若波羅蜜多」(パーラミッタ、日本では観世音菩薩)という女性の菩薩の心臓「hydaya」(フリーダヤ)であるマントラを解き明かした経典であり、この経典の根本の目的が万能薬である明呪を授与することにある」と書かれています。同氏の主張に、佐保田先生が大きな影響を与えたことが分かります。(再びですが)ちなみに、「ヨーガ根本経典」(平河出出版)のカバーの内側に、先生のヨーガを行じる姿が拝見できます。(あの銅版でしたっけ)仏陀の骨と皮だけの姿に近い(究極の)身体をしています。限りなく、果てしなく、(私からは)遠い遠い境地に達しておられたように思います・・・

P.S. マザー・テレサは、シスターやボランティアに対して、「イエスがあなたを愛したように、あなたも隣人を愛しなさい。沈黙の果実は祈りです。祈りの果実は信仰です。信仰の果実は奉仕です。奉仕の果実は平和です」と述べています。このように、神の子であるイエスから愛されていると感じられる、それが源泉となって、マザーは倦(う)み疲れることなく、奉仕することができる。気(エネルギー)を常に自らの身体中に満たすことが出来るのだと思います。私には、神の概念も分からず、信仰も持てません。神に愛されているなどと、到底思えません。でも(自分なりに)、精一杯「気」を「元」に戻す、「元気」になろうと努力しているのですが、中々「気」を満たすことはできません。正直言って、僅かばかりのエネルギーを節約しながら、日々、何とか凌いでいるという感じです。それでも、そんな自分で「上等」だと思うようにしています。「生きてるだけで丸儲け」(思わず笑ってしまいますね、まさしく「ラフター(笑い)・ヨーガ」です)、私の大切な「箴言」です・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月18日)

「浜岡原発再稼動申請」考

2014-02-17 11:00:36 | 日記
 南海トラフにおいて、今後30年内にマグニチュード8~9程度の地震が起こる可能性は約70%だそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)私が生きているうちに、この巨大地震が発生する可能性は極めて高く、地震の揺れや(想定されている高さはそれほどではありませんが)津波による被害を想像すると、空恐ろしい気持ちになります。しかし、正直、自然の猛威にどう対応すべきなのか、想定されている以上の地震が起こるかもしれませんし、思考停止状態に陥ってしまいます。

 東日本大震災では、地震と津波の複合災害に、原発の過酷事故も誘発されました。避難と被曝は(事故から約3年経っても)今尚続き、本格的な被害は時間が経つにしたがって顕在化してきています。その被害に直面されている方々には耐え難い現実ではないかと思います。私がその当事者だったらと思うと、背筋が冷たくなってきます。(実際に恐怖を覚えると、背中の温度は下がるそうです)今ある原発を再稼動させようとしている人たちには、こうした想像力はないのでしょうか?

 (同原発を政治判断で止めた菅元首相によれば)仮に浜岡原発が過酷事故を起こせば、「100万人単位の避難が必要になる。東海道新幹線や東名高速など、日本の大動脈、自動車産業も大打撃を受ける」、「浜岡は事故が起きたときの被害が特に大きい」と述べておられますが、福島第1原発事故を見ても、その被害と影響の大きさからすれば、(コスト削減のみに力点を置いて造られてきた)現在ある(脆弱な)原発を稼働させるのは、(浜岡のみならず)余りにリスクが大き過ぎると思います。

 福島第1原発事故では、実際に避難指示が出されたのはたったの8万人強でしたが、例えば(私が避難指示を出すべきだったと考えている)福島市の人口は約60万人(でしたか)、その他にも放射能プルームが通過した地域の人口も加えれば、福島第1原発事故でも、避難対象者は100万人を下らなかったと考えます。これだけの住民が実際に避難することには非常な困難があると思います。このところの寒波による大雪だけでも、首都圏の交通網は麻痺したと聞きます。地震、津波、大雪、原発事故が同時に発生すれば、日本は壊滅的な被害を被ります。それだけは、避けなければいけないと思うのです。

 兎に角、現在ある原発を再稼働させることには「反対」です。(唯一)私の認められる原発政策は、
① (もんじゅも含め)現在の原発は全て廃炉にする。その過程で「廃炉技術」を世界的に高め、その技術を「輸出」する
② (技術が確立していないので、できないとは思いますが)再処理はしない
③ (場所は分かりませんが)使用済燃料は地上で(経済が持つ限り)管理する
 というものです。原発を稼動させれば、必ずまた事故は起こります。地震を止めることはできませんが、原発は止めることが出来るのです。(安倍首相、)その「修正」をこそすべき時にきていると思うのです・・・

P.S. (仮に100歩譲って)新型の原発を新設してまで原発を稼働させるのならば、以下の条件が必須だと思います。
①原発敷地内には1基のみとすること
②使用済燃料は、敷地内の別の場所で管理すること
③(1基なので自動的にそうなりますが)独立したベントラインを確保すること
④メルトダウンした溶融デブリをキャッチしてプールに流す「キャッチャー付きの原発であること
⑤過酷事故時の(ベント時の弁の開閉などの)訓練をすること
⑥実施可能な避難計画と大規模な住民による実地訓練を行なうこと
⑦30キロ圏内全ての自治体の「合意」を取り付けること
⑧30キロ圏内全ての自治体での「住民投票」を実施し、過半数の(稼働)「賛成」を得ること
 (まだあると思いますが)最低でも、こうした条件を満たさなければ、少なくとも「稼働」に賛成することは(私には)できません・・・

P.S.2 福島県相双地域の介護施設での高齢者の避難の実態調査を行っている大学院生の野村君によると、入所者の死亡率は、事故後1年間を見ると、事故前の2、7倍になっており、慌てて避難した施設は死亡率が高く、1~2週間掛けて避難した施設では死亡率は上がらなかったそうです。彼が提言する高齢者の避難計画は、①住み慣れた環境に留まることを優先する(その方が、高齢者や病気の方には良いと思うのですが、但しこの場合、共に被曝にさらされながら留まる職員の確保が難しいかと思われます)②災害時に県内外から派遣できる応援者数を把握しておく(これもやはり、被曝のリスクをどう見るのか、問題です)③平時から、被災した施設の人材補充や物資手配を円滑に実施できるよう、関係各所との調整をしておくこと(これもまた、被曝の問題を無視することは出来ません)原発事故でなければ、彼の提言はそのまま当て嵌まるのですが、物資を運ぶ人の被曝管理も同時に考えなければいけません。ですが、現実に避難に伴う死亡者が多く出たのは事実で、高齢者や患者さんの避難については、(彼の言うように)一般の住民の避難計画とは別に考えていかなければいけないと思います。最後に彼は、「原子力災害対策指針が、実際の原発事故に耐えうるものか、(事故の)経験を踏まえた検証が必要」だと述べています。私もそう思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年2月17日)