プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

火山噴火リスクと原発

2014-09-29 10:07:09 | 日記
 御嶽山が(水蒸気)噴火し、高熱の降灰や降石、ガス(或いは低温の火砕流)などによって40人以上の登山者が亡くなりました。痛ましい限りです。しかし、突然の自然災害とばかりは言えないようです。御嶽山は1979年にも同規模の水蒸気噴火が起きており、その後も2度、小規模の噴火が起きており、活火山であること、再び噴火が起きることは、十分予想できたとことだと思います。「火山噴火予知連絡会」の藤井会長によると、(マグマ噴火と違って)水蒸気爆発を予知することは難しく、学問的には限界なのだそうです。しかし、予知は困難でも、火山性の地震が増えていたこと、地下での火山活動を反映していると見られる体に感じない「低周波地震」が起きているなど、「異常なことが起きているといことを、自治体に、場合によっては直接、登山者に知らせるなど、情報伝達の工夫はあってよかったのではないか」と指摘をしています。

 今月に入って御嶽山では、10日に52回、11日は85回の火山性の地震が起こっており、その後、15日に27回、18日に24回と段々回数が減ってきていましたが、11日の85回というのは、79年の噴火時を超えており、「入山規制」(警戒レベル3)を出す水準だったと思います。気象庁は11日に、「平常」(警戒レベル1)という(警報でなく)「予報」を出しています(自治体には報告、HPにも載せていると言っていますが)が、「平常」という予報を出せば、逆に安心してしまうというのが常人ではないかと思います。(TVに出ていた防災の専門家は)せめて「火口周辺規制」の「警戒レベル2」を出すべきだったとコメントしていました。登山口で(上記のような)「情報」が得られていれば、登山しなかった方も沢山いたのではないかと。情報をきちんと発信するシステムが必要だと思います。

(これまでに書いたことと同じなのですが)原発に関する火山噴火のリスクについては、およそ3万年前に、巨大噴火による火砕流が(現在の)川内原発の敷地内まで到達、また7,300年前には鹿児島県沖の海底火山が噴火しています。さらに川内原発周辺には、桜島など活発な火山が多く、過去に巨大噴火を起こした痕跡(カルデラ)も複数あり、(万一)大規模な火砕流が起きれば、原発が壊滅的な被害を受ける可能性は否定できません。九電は火山噴火リスクについて、「巨大噴火の可能性が現れれば、原子炉を止め、核燃料を運び出す準備を始める」と嘯(うそぶ)いていますが、(上記の)藤井会長(東大名誉教授)によれば、「我々は巨大噴火を(これまで)観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるのかは誰も知らない」と「予知」を否定しています。

九電は、桜島の噴火では火山灰が原発の敷地内に最大15センチ積もると想定していますが今回の小規模の噴火でさえ、山頂には50cmもの火山灰が降り積もっています。灰も御嶽山東方向に1,000キロ地点で確認されています。(やはり繰り返しになるのですが)灰の重みで電線が切れたり、換気設備や非常用発電機のフィルター或いは取水口が灰で詰まる恐れもあります。今回の捜査も湿った灰で足が取られていますが、道路に積もれば数ミリでもタイヤがスリップしたり、アクセスでできずに原発が孤立する恐れもあります。

こうした大噴火の跡が周辺にあり噴火のリスクのある原発は、(北海道)泊原発、(青森県)東通原発、(建設中の)大間原発などがあるそうでう。火山の専門家からは、巨大噴火によるリスクがあり、「本来建ててはいけない場所」と指摘されています。また、約9万年前に噴火した(熊本県の)「阿蘇カルデラ」の巨大噴火では、噴出した火砕流が(九州の左端の)長崎県や山口県までも到達しており、110も活火山のある「火山大国」日本において、川内原発をはじめ、本来建ててはいけない所に沢山の原発があるわけで、非常に危険なことだと思います。いつ噴火が起こるか分からないこの国で、原発の再稼動などあってはならないと思うのです・・・

P.S. 110かる活火山の内、監視体制か敷かれているのは47の火山で、地震計や傾斜計などが1箇所しかないところもあり、本格的な体制が取れているのは2つしかないとのことで、藤井会長は監視体制の強化が必要だと指摘されています。東日本大地震以降、今回の噴火は「日本の地下が不安定になったことを示すもので、今後、どこかで火山活動が活発化することもあり得る」と述べています。原発の火山噴火リスクを、もっと重く受け止めるべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月29日)

「マイクロ・プラスティック」汚染

2014-09-27 10:50:50 | 日記
 死んだウミガメの胃の中を開けると、ビニール袋が一杯に詰まっていた、もう随分と前にこうした問題がニュースで流れていましたが、今はもっと深刻な「マイクロ・プラスティック」汚染が進行しているようです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 捨てられ海に流出したペットボトルなどのプラスティックは、波や朝晩や季節による温度差、或いは紫外線によって砕け、細かくなり、所謂「マイクロ・プラスティック」になります。この他にも、研磨剤として使われる歯磨き粉や化粧品に含まれるポリエチレンの粒子や、プラスティックの粒である「レジンペレット」など、大きさ5ミリ以下のプラスティックはそう呼ばれているそうです。

 石油から出来ているマイクロ・プラスティックには元々有害な物質が含まれている上に、PCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有害物質を吸着し易いとのことで、これを魚や海鳥が餌と間違えて食べてしまいます。東京農工大の高田教授によるベーリング海での調査では、死んだ海鳥の脂肪からプラスティックに添加される難燃剤「PBDE」が見つかりました。摂取すると神経障害を引き起こす有毒物質です。

またベルギーの研究チームが、北海の養殖ムール貝やフランス産の牡蠣の身から、マイクロ・プラスティックが検出しています。同教授によると、「日本近海の海産物に含まれていると考えてもおかしくない」、只「どういう影響があるかは未知数」だと言うことですが、それ自体有害な物に、さらにPCBなど猛毒なものを吸着しているのですから、安全であるはずがありません。最後は食物連鎖の頂点にいる人間の口に入ってくるものですから、世界一魚を消費している日本人にとっては特に看過できない問題です。

米国のイリノイ州では、今年6月、マイクロビーズの製造や使用を禁止する法律が成立、ジョンソン&ジョンソンなどの企業も使用を段階的に止めていくなど、「マイクロ・プラスティック」汚染への対応に動き出していますが、日本国内の動きは鈍いそうです。プラスティックは軽くて耐久性が高く、全世界で年間2,8億トンも生産、利用されています。「UNEP」(国連環境計画)による試算では、「マイクロ・プラスティック」ごみによる生態系や漁業、観光への影響、清掃活動費などで、少なくとも毎年130ドル(約1兆3,000億円)の経済的損失が出ているとのことです。経済的損失も問題ですが、やはり人体への影響が懸念されます。(アスベストのように)利便性があるからと使い続ければ、結果、多くの被害を生むと思うのですが・・・

P.S. 一旦、川や海に流出した「マイクロ・プラスティック」は、回収がほぼ不可能なのだそうです。本来は、製造せず、使わないようにすべきだと思いますが、被害が懸念されても、危険でも、相当の被害が出て、因果関係が明らかにならない限り、(この世の中では)そうはなりません。UNEPの事務局長は、「プラスティックの減量(reduce)、再利用(reuse)、再資源化(recycle)が対策の第1歩」だとコメントしています。やらないよりいいのですが、それは製造・使用が「前提」ということです・・・

P.S.2 「おかげさまで生きる」東大医学部、救急医学の矢作教授の本のです。(同氏によると)「自分の人生を全(まっと)うすること」「すなわち自分を知ること」、「生きている間にあれこれ自問自答し、様々な経験を経た後にあの世へと還るのがこの世のルール」なのだそうです。「過去はどうであったにせよ、今を生きることが大切」、「今を楽しむこと。たったそれだけで、人生は変わ」るとのことです。その通りだと思います。(自分自身の)課題にもしています。只、全て私には極めて難しいことばかりです・・・

P.S.3 同氏は、「死後の世界はいつも私たちの身近にある別世界であり、再会したい人とも会えます」とはっきり述べておられます。正直、(私には)良く分かりません。江原さん(のご本)によると、死後、魂は、やはりある世界に戻って、(自我は消えていると思いますが)長い長い「内観」の時を過ごすそうです。(嫌だなー)自殺すると、最下層に行って、暗く長い時間を耐え忍ばなければいけないそうで、(よく分かりませんが)これだけでも「自殺」だけはしないでおこうと思いました。魂が、あるのかないのか、これも良く分からないのですが、ないとははっきり言えない、という感じです。あるのかもしれない、(私のような)懐疑的な人間ですら、そんな「気」がするように最近はなってきました(歳のせいかもしれません)・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月27日)

「暫定保管施設」の確保を、再稼動の要件に!

2014-09-25 13:42:14 | 日記
 原発事故後の2012年、学術会議が核のゴミに関して「これまでの政策方針や制度を原点に立ち戻って考え直す」提言を行ないましたが、事故前の民主党政権時代に、原子力委員会から高レベル放射性廃棄物についての報告書を求められていた同会議の「報告書案」がほぼまとまったとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 「報告書案」では、使用済燃料を含め、再処理後に出る高レベル放射性廃棄物を、約30年間、空冷式の地上の施設で「暫定保管」するというものです。保管の事業者主体は、核廃棄物を排出し続けてきた電力会社の「発生者責任」にあるとして電力会社とし、各電力会社の管内ごとに施設を設けて保管するとしています。

 また原発の再稼動についても、「暫定保管施設」の確保を稼動の条件とすべきだとし、(規制委員会の安全審査とは別に)中立的な委員会で再稼動の合意形成を主導するように提案をしています。分科会の委員長だった故舩橋氏は、「行き当たりばったりではなく、責任を持って考えるべきだ。倫理や負担の公平性の問題を考えないと、打開できない」と、同報告書の趣旨を述べられていたそうです。道理だと思います・・・

P.S. しかし、原発再稼動に邁進する安倍政権では、4月閣議決定の「エネルギー基本計画」ではこの「暫定保管」に触れることもなく、6月に為された自民党小委員会でも「これ以上最終処分を先送りすべきではない」として「暫定保管」を否定しています。しかし、候補地というか、調査候補すらない現在、今後最終処分地が決まるとは到底思えません。ドイツの地下保管所では、地下水の浸透に悩まされています。多雨で地下水の豊富な日本の300メートル以深の地下で、地下水の影響を受けないなど考えられません。そのような最終処分場など「絵空事」だと思います・・・

P.S.2 やはり、出来うる限り津波の影響のない岩盤のしっかりした場所を選んで、空冷式で地上で管理・保管していくしかないのかもしれません。只、10万年掛かるといわれる高レベル放射性廃棄物の保管ですから、どこまでし続けられるのかは、正直誰にも分からないというのが本当だと思います。同会議の言うように、核廃棄物の保管一つとってもできない状況で、原発の再稼動云々の話をすべきだとは思いません。「暫定保管施設」の確保を、再稼動の要件に加えるべきだと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月25日)

慰謝料打ち切り延期の検討

2014-09-23 10:11:31 | 日記
 原子力損害賠償審査会は、昨年12月の指針で、避難指示解除(当面)1年後に打ち切られるとした慰謝料の打ち切り時期について、避難生活の現状を調査した上で見直すかどうか検討するとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 そのため原賠審は、既に解除されている田村市都路地区や10月に解除が決まっている川内村、来春にも解除が見込まれる樽葉町などを、明日訪れ、避難生活や避難による失業や転職による減収、農産物などの被害の状況の実態調査を行うとのことです。

 約半年後の来年3月に慰謝料打ち切りの方針となっている都路地区の住民からは、「1年では短すぎる」と打ち切り時期の見直しを求める声が上がっています。来春以降の帰還を目指す樽葉町の松本町長は、「少なくとも3年間ぐらいはないと困る」と述べています。

 修繕の必要な家が1,800世帯に及ぶ同町では、人手不足などにより工事が大幅に遅れる可能性が高く、川内村でも(二重生活によるものだと思いますが)交通費などの生活費が嵩むなど懸念されており、また事故までの主要な収入源だった農林業も再開は厳しい情況とのことです。解除後1年で元の生活を取り戻すには無理があると思います。

 そして(記事の最後に)避難指示解除後の「慰謝料が続けば、(同じ町民、同じ村民でも)避難指示を受けていない自主避難者らとの経済格差が広がり、『地域の分断が激しくなる』、「自立が遅れる」との懸念も地元にはある」とありました。(自分も多分賠償が貰えなければ不満を感じると思いますが)何故、そうなるのだろうと・・・。

P.S. 線量低くても、(帰還したくない方には)実質的強制的に帰還させられるのならば、被曝という被害を受け続けるわけですから、やはり賠償は必要になると思います。被曝をし続ける限り賠償することはできないとすれば、こうして「打ち切り」の時期が問題になります。3年なら良いのか、復興がなれば被曝の被害は無視されるのか、本来帰還させるべきなのか・・・地域の自立と復興のために、帰りたくない人まで、帰還せざるを得ない状況に追い込む、それで良いのか、避難先で何もすることなく、慰謝料を貰って生きているよりは、自宅に帰って暮らしたほうが良いのか、(私には)よく分かりません・・・

P.S.2 自主避難者に関しては、指示による避難者と同じだけの賠償が為されるべきだと思います。被っている被害に違いがなければ、当然同等の賠償を受ける権利があると思います。しかし、現在の「原賠審」指針では、殆ど賠償されませんから、やはり「裁判」ということになるしかないのかもしれません。いずれにしても、避難している全ての方々が、帰還する、しないにしても、厳しい現実に向き合わざるを得ないということだと思います・・・

P.S.3 今朝の「花子とアン」で、花子が子どもたちを戦場に送ったことを悔いるシーンで、蓮子は「時代の波に飲み込まれていたのは私も同じなの」と告げます。憲兵だった兄やんも、ラジオを通して戦争のニュースを読み続けた花子も、教師として教鞭をとった「あさいち」も、時代に抗った蓮子も(抗うという形で)、皆同じく時代の波に飲み込まざるを得なかったのだと思います。哀しいことだと思います。致し方がないことだとも思います。辛いことだと感じます。それは、いつの時代にも、言えるのだと思います。どのように生きても、逃れられないものがあるように思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月23日)

原子力防災専門部門?

2014-09-20 11:12:48 | 日記
 安倍政権は、原子力防災の態勢を強化する為、内閣府に新しく担当部門を設ける方針です。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)現在は、規制庁の職員(約20人)が、内閣府内の原子力防災担当部署と兼任していましたが、(実質的に幽霊部署だった)同部署を廃止し、新たに設ける部門に局長級の政策統括官ら専任の職員を数十人常駐させるとのことです。

新部門では、自治体の避難計画作りや、(某報道では、緊急時の対応の確認とありましたが)事故など緊急時の対応にあたるとのことです。内閣府ではこれまでも、原発がある13の地域にそれぞれ作業チームを設け、自治体を支援してきたそうです。川内原発にも、規制庁の職員や規制委員が駆けつけて、自治体の避難計画及び再稼動合意への「支援」を行ってきていますが、内閣府でも(再稼動推進への)専門部門を設置して、本格的に動き出した感じです。新部門設立は、原子力防災会議で安倍首相が指示、原子力「利用」の安全に関する「3年以内の見直し検討チーム」のだ1回会合にて了承されました。再稼動への最後の後押し、というところだと思います。

(これまでにも何度も何度も書いてきましたが)本来なら、1基(プラント)毎に、電力会社内の「原発事故対策班」を常駐し訓練を行ない、それを統括する政府の担当職員を配置し、政府内には原子力防災の(本当の意味での)事故に対応できる専門の職員を常駐し、同時に、緊急時には自衛隊など原発事故に特化した「特殊チーム」を設けて、いつでも現場(フロントライン)に送り込める態勢を取るべきだと思います。そうした最も肝心な「備え」は放置して、再稼動のために必要な「備え」だけを行なっているように感じるのです・・・

P.S. 日本原燃は、来月としていた再処理工場の「完成」時期を、約1年半延期する方針です。規制委員会での審査で、内容が不十分で審査が出来ないとの意見が相次ぎ、審査の終了の見通しが立たないからだそうです。実に、今回で22回目の延期になります。最早、「完成」の見込みがあるとは思えません・・・

P.S.2 その再処理工場などへの技術的助言をし、謝礼を貰っていた田中元東京大学教授が規制委員に就任されました。「審査は別の立場からしっかりやる」と話されている田中会員は、「全ての事業者が安全性を考慮する必要があり、それをできない事業者は原子力に関わる資格がない」と述べられました。一見、その通りだと勘違いしてしまいそうですが、安全を「考慮」するなどという気休めで、原子力事業を、そしてそれを監視する原子力規制行政を行なって戴きたくはありません。原発を稼動させるということは、日本と日本人を巻き込んだ「原発戦争」そのものなのですから・・・

P.S.3 スコットランドでの独立を問う住民投票で、独立反対派が辛うじて過半数をとりました。(ご存知のように)賛成派が過半数を取った最大都市のグラスゴーにはクライド海軍基地があり、ここにだけ核弾頭を搭載した潜水艦「トライデント」が配備されているそうです。仮にスコットランドが独立し、(ウクライナのように)非核化を宣言すれば、トライデントは移転しなければならなくなり、移転費だけで3兆5千億も掛かるとのことでした。しかも、その移転先が、(当然住民の反対があるでしょうから)イギリス国内には現在の所ないと言われていたそうです。独立がなっていれば、イギリスの「核大国」としての立場が揺らぎ、常任理事国としての地位も危うかったと(記事には)ありました。(想像の翼を広げると)グラスゴーがイギリス国軍によって占領される「クリミア化」といった事態にもなり得たかもしれません。(私がスコットランド人ならば、独立を望むでしょうが)良いとか悪いとか、正しいとか間違っているとか(どちらにも思いと主張がありますから)言えないように思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月20日)

「国富流出」の嘘

2014-09-19 11:03:11 | 日記
 (これまでも何度も書いてきたと思いますが)原発を止めているから「国富」が流出しているという「嘘」に、(私などは)暴力的なものさえ感じてしまうのですが、(原発コストの正確な試算で有名な)立命館大学大島教授の記事をご紹介します。(参照・引用は、今朝も謝罪文を朝刊に入れていた『朝日新聞』)

 「経済産業省は、火力発電の燃料が13年度に3,6兆円も増加する見込みという試算を発表」、「だが、この試算はおかしな点がある」、「この『3,6兆円』の詳しい根拠は公表されていないが、基準になった原発の発電量には、事故を起こした福島第1原発も含まれている」とのことです。廃炉が決まり、発電することのないF1まで含まれているということはおかしいですし、すると廃炉となる可能性が高いF2も当然含まれているということになります。

 「また、国内の発電などに使う化石燃料の費用は、10年度に比べて2、3倍なっているが、輸入数量は4割しか増えていない」、「つまり、化石燃料自体の価格上昇と円安が費用増の大きな原因」で、「原発が停止していることによる直接的な影響は費用増のうち3分の1程度である」、「裏を返せば、福島以外の全ての原発を稼働させていたとしても、2兆円以上燃料費が増えていた計算になる」、「何もかも原発停止のせいにして、原発を再稼動すれば巨額の貿易赤字が解消されるかのように言うのはおかしい」と。(*円安誘導した「アベノミクス」が、国富を流出させている原因でもあるわけです)

 「確かに、電力会社にとっては安いかもしれないが、それは立地対策費や事故対策費など社会的コストを、税金や電気料金に上乗せする形で国民に転嫁しているからで、それらを含めたコストは決して安くない」、「電力完全自由化の下でも原発を維持できるように、原子力で発電した電気の価格を保証すること」は、「国民には『原発の電気は安い』と言っておきながら、一方で原子力の膨大なリスクとコストを国民に負担させようとするものに他ならない」、「これはとんでもない二枚舌」だと、「国富流出」の嘘を指摘されています。

 最後に、「本来『原子力は経済性もなく、リスクも大きい。事故を起こせば巨額のコストがさらに発生する。それでもかくかくしかじかの理由から、原発は稼働させる』と国民にきちんと説明してこそ、説明責任を果たすことになる」と指弾されていますが、結局その説明も「嘘」にならざるを得ないというのが本当のところではないでしょうか?石破幹事長のように、いつでも核兵器が造れるということが「抑止力」になるなんて(本心を)言ってしまいましたが、米国もロシアも中国も許さないでしょうし、テロの格好の標的になりうる原発やプルトニウムが、日本と日本人を守ってくれるなんて、余りにも非現実的な「夢物語」だと思うのです・・・

P.S. 大島教授は、今夏、数値目標のない節電要請でお茶を濁したことに対して、「さらなる省エネ機器の導入を企業や家庭に促すためにも、政府は数値目標付きの節電要請をすべきだった」と述べています。原発を停止すれば電力が足らなくなると、あれだけ騒ぎ立てたのですから、(ちょっと皮肉が過ぎますが)きちんと「数値目標」を出して戴きたかったと思います。でも経済のことを考えれば、「アベノミクス」に最も欠けている「設備投資」が、こうした「節電」を機に企業でも家庭でもじわじわと回復する見込みはあると思います。原発と切り離しても、「節電」、そしてそれへの「投資」は、日本経済に良い影響を与える選択肢の一つだと思うのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月19日)

子宮頸がんワクチン、重い副作用約2倍

2014-09-16 09:25:37 | 日記
 (TBSだと思います)報道によると、国が617件だと発表していた子宮頸がんワクチンによる重い副作用が、実際には約2倍の1,112件だったとのことです。

 東京医科大や順天堂大学など6つの大学などの研究チームが独自の調査を行い、分析の結果、歩行障害や視力低下など、のべ7,600件以上が確認され、3分の1以上が「中枢神経」に関するものでした。

 また、「NEWS23」で報道された記憶障害などを持つ患者7人全員について、同研究チームが脳を検査したところ、「血流が悪く中枢神経の異常を示した」ととのことです。厚労省は「基準が違う」との見解で、因果関係も認めていません。

 さらに、症状の顕われる時期について、「慢性的」な症状を訴える患者44人を調べたところ、接種後から平均8,5ヶ月経過した後に症状が現れているとのことです。(1年近く経ってから発症している人もいます)厚労省は追跡調査を行うとのことですが、同研究チームは、徹底した調査の必要性を訴えています・・・

P.S. 国は未だ因果関係を認めておらず、副作用を「副反応」と呼んでいます。(余りに欺瞞的です)確かに因果関係を証明するのは困難ですが、ワクチン接種による副作用と考えるのが理に適っていると思います。子宮頸がんを完全に予防できるどころか、殆どその効果がないとの結果が出、逆に世界中で重篤な副作用が報告されている現在の(2種類の)ワクチンの接種を(副作用を知らずに受けてしまう方もおられるかもしれません)即座に中止すべきだと思います・・・

P.S.2 「基準が違う」ということですが、違うとしたら被害に対して「甘い」見方をしているということではないかと思います。もっと穿(うが)った「見方」をすれば、被害を過小評価しようとしている、意図的に少なく見せようとしているといるように見えてきます。時間の経過と共に重症化して慢性化しているようにも思え、(まともな審査もせずに、国会議員の後押しで「推奨」された同ワクチン、国の責任として)適切な治療体制を整えるべきだと思います・・・

P.S.3 世間では3連休だったそうですが、私は「あきたこまち」の稲刈り、乾燥、そして籾摺りをしていました。昨日も夏野菜を片付けて、畝を作り、冬野菜の種を蒔きました。他の人の半分も仕事がはかどりませんが、「自己肯定」です。今日も、ぼちぼちやろうと思います。ごきげんよう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月16日)

「危惧感説」による原発の過失責任

2014-09-15 14:05:33 | 日記
 元京都地検検事正で、内閣法制局の元参事官でもあった古川氏は、検察が福島第1原発事故の刑事責任を、危険を具体的・確実にできることが必要だとする「具体的可能性説」に基づいて問えないとした不起訴処分にしたことに関して、高度の注意義務が課せられている事業者については、不確実であっても、合理的・科学的に危険が危惧される程度で罪に問えるとする「危惧感説」を採用することを主張されています。(参照・引用は『朝日新聞』)

 この「危惧感説」は、1955年の森永ヒ素ミルク事件や、68年(発覚)のカネミ油症事件の裁判で採用された「説」で、「今回こそ危惧感説」を採用する方が国民の常識にかなう」、「『絶対安全』を標榜し、国策として推進された原発が起こした被害を、想定外を理由に不問に付すのは余りにも疑問が多い」と指摘されています。韓国のセウォル号のような感情論で「法」を曲げろとは言いません。理になかった刑事責任の追及が為されるべきだと思います。

 この(東京)地検の不起訴処分に関して検察審査会は7月末に、東京電力の勝俣元会長ら元幹部4人を業務上過失致死傷罪による起訴が相当、或いは(検察による)不起訴を不当とする議決を行っています。彼らは当然、事業者として業務上の過失を問われるべきだと思いますが、それまでの国策として主導してきた国の(審査体制も含めて)過失が問われるべきだと思います。また、当時の政権の事故対応に関しても、過失があれば当然問われるべきですし、それらの過失が二度と起きない「システム」を構築することが、刑事責任を問う以上に大切なことだと思います・・・

P.S. 「誰も助けに来なかった」、吉田元所長の言葉です。最も欲しかったのは人的支援であり、また(ポンプやバッテリーなど)機材の搬入だったと思います。吉田元所長や50人(でしたか)最後までF1で命を掛けて作業をした「前線」にいる戦士に、(駆けつけた消防隊や自衛隊などいましたが)実質的に同氏にとって「助け」は来なかったわけです。これでは絶対に過酷事故は防げないと思います。本当に事故を防ぐのならば、1プラントごとに緊急時に動ける「事故専門班」が原発内に必要ですし、事故の一報を聞いた政府からは、即座に原発事故に特化した「特殊部隊」を派遣すべきです。安部さんの言う「国民」を守る為には、(原発を稼働させる以上、まだまだ課題はありますが)最低限の「守り」ではないかと思うのです・・・

P.S.2 NHKで広島「ドーム」に向き合う72時間という番組を観ました。地元のある女性は、訪れた方が歌を唄われるのも(今は大丈夫だけれど)「胸が痛かった」と証言されていました。「反核」「反原発」というスローガンを高らかに掲げて、広島に来られても、土足で踏み入られるのと同じなのだと思います。それでも、受け入れられるようになったとのことですが、非常に長い時間が掛かったのではないかと思いました。自転車で4時間掛けて来られた男性は、「ただ見て」おられました。そうなのだと思いました・・・

P.S.3 (「アンと花子」の脚本家の)中園さんとの対談で美輪さんが、「自己肯定すれば人生が楽に生きていける」と仰っていました。非常に難しい課題ですが、今日から取り組みたいと思います。それでは、ごきげんよう、さようなら・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月15日)

「吉田調書」の真実

2014-09-12 11:51:38 | 日記
 朝日新聞社は昨日、9割の所員がF1から「命令違反」で「撤退」との記事を取り消し、謝罪しました。吉田(元)所長の「発言」を聞いていなかった所員もいたとのことです。以下、(簡単ですが)検証したいと思います。(参照・引用は『朝日新聞』)

 まず、「撤退」という言葉は、吉田(元)所長も、東電本店も1度も使っていません。「退避」という言葉を使っています。吉田(元)所長は、2号機が危機的状況になってから、職員を免震重要棟に「退避」させています①。また、F1の所員の数を確認させ、バスを手配させ、F1の敷地内の線量の比較的低い場所での「待機」(一時退避)を命じ(或いは指示し)ています②。しかし、吉田(元)所長の真意は伝わっておらず、所員の殆どがF2に「退避」していたわけです③。私は、①及び②は、「退避」行動だと思いますが、遠く離れた(全く違う別個の原発)F2への移動は、明らかに「撤退」行動だとしか思えません。

 菅首相(はじめ官邸)が、本店からの「退避」要望を、「撤退」を受け取ったことも当然のことだと思います。「命令」に違反したかどうかについては、(誰からも聞いておらず、知らなかった所員には当て嵌まらないと思いますが)、吉田(元)所長はテレビ会議で(上記の)「退避」を発言していますから、多くの所員が聞いて知っていた、また又聞きで耳にしていたと思います。その「命令」に反して(少なくとも吉田(元)所長の意に反して)、ある上司が命じてバスをF2に移動させたことは事実だと思います。

 その「撤退」の判断を、吉田(元)所長は聴取で(歴史的検証が必要だと思いますが)「はるかに正しかった」と、自らの判断の誤りを認めています。判断の是非は兎も角、所員の9割が自らの「判断」で撤退したわけです(心情的には理解できます。私なら真っ先に逃げるでしょう)。吉田(元)所長自身も官邸から「海水」の注入を中止するよう命じられても、自らの判断で命令に反して注水を続けました。この「判断」は、正しかったわけです。現場でしか「判断」できないことがあるのも「当然」だと思います。

 兎に角、今朝の新聞にも、沢山事故の状況や問題点、(またまとめたいと思いますが)教訓となることがありました。政府も、吉田(元)所長や菅首相など19人分の「聴取書」を公開しました。情報が出、多くの人の目に触れることで、明らかになること、今後に繋がることが出てくると思います。東電のTV会議の録画映像も公開して戴きたいと思います。事故を二度と起こさない為にも・・・

P.S. 吉田(元)所長は聴取に対して、複数のプラントでの過酷事故に関して、「運用側で同時に今回のような事象が起こるかということを・・・残念ながら、3月11日までは私も考えていなかった」と述べています。事実は、3つのプラントがメルトダウンし、メルトスルーしてしまったわけです。F1に残った職員や作業員のお陰で、何とか水蒸気爆発のような炉ごと吹っ飛ぶような爆発は止められましたが、吉田(元)所長が懸念していたように、1基がそうした状況になると、他のプラントまで注水ができなくなる、たった1基の壊滅的な状況が、他のプラントまで巻き込んでしまうという状況があったわけで、(昨日も書いたばかりですが)1原発で複数のプラントを稼働させるなど絶対に避けるべきだと思います・・・

P.S.  吉田(元)所長はベントに関して、「要するに、大臣命令が出れば直ぐに開くと(官邸は)思っているわけですから、そんなもんじゃないと」述べています。電源喪失の中、手動で重いバルブを開けなければいけない作業、線量が高くて近づくことすら出来ないで帰ってこなければいけない状況だったと述べています。正直、ベントを想定した訓練もしておらず、その時の被曝管理など考えてもいなかったのだと思います。(100歩譲って)事故前はそうだったかもしれませんが、未だにまともな訓練が行なわれたとも聞きません。フィルター付きベントラインが完成していなくても(川内原発は)新基準審査に通りました。未だに過酷事故に対応できるとは思えない状況だと思います。そうした点を一つ一つ立ち止まって検証して、原発を稼働させるに足る基準なのか糾すべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月12日)

川内原発の再稼動

2014-09-11 10:49:09 | 日記
 九州電力川内原発の規制委員会による主要な審査が終了し、規制委員会は同原発1,2号機は新基準を満たしているとの判定を行ないました。審査はそれなりに慎重に行なわれたと思いますが、新基準自体が安全性を保障するものからは程遠く、現在の体制で原発を稼働させれば、再び事故が起きることは否定できないと思います。せめて、メルトダウン・ドミノを(不幸にも)経験したのですから、1原発1基の基準ぐらいは作っても良さそうなものですが・・・(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 立地自治体と薩摩川内市は、これまで同様原発の運転には前向きなのだそうで、避難計画作成を義務付けられた30キロ圏の殆どの自治体の意向は無視されたまま、「地元合意」は得られる見通しで、年明けには(残念ながら)同原発1,2号機は再稼動という流れです。政府も再稼動に向けて、内閣府の原子力防災専門官と経産省の職員を派遣、今後住民説明会には規制委員からも職員が出向くそうで、さらに菅官房長官まで出張って再稼動まっしぐらな状況です。無力感は拭えません。

 (先日も書きましたが「電気事業法」が改正され「電力自由化」に晒される原発を維持するために、経産省が電力会社の利益を確保する為の「価格保障」が「原子力小委員会」で検討されていますが、(今朝のTVでは)「差額決済契約」というものが結れて、結局は電力消費者(利用者)に負担させる目論見(もくろみ)なのだそうです。小委員会の委員でもある(原子力資料室でしたか)伴さんによると、単なる「維持」のためだけのシステムではなく、原発を新しく建てるための制度であると指摘されていました。原発メーカーは、5年に1基は造らないと儲けられないそうで、そのような「理由」から、(経済界が求めている)原発が今後新設される「システム」は着実に出来上がっていっているようです・・・

P.S. 元経産省官僚の古賀さんによると、原発は実はコストが高いが国は安いと言ってきた、安いから大事なもので維持しなければいけないという「レトリック」を官僚は使ってきたと言われます。火力が高いから原発を稼働しなければいけないというのも「レトリック」です。原発より火力の方が安いのです。原発を維持するコストが負担になっているから「高く」なっているだけなのです。さらに、「新設」すればもっと高いコストを利用者は払わなければいけなくなります。そういう制度が出来上がろうとしているのです。決して、官僚の「レトリック」というか「嘘」なのですが、騙されないようにしたいと思います。ちなみに、イギリスの原発維持の為の「補償価格」は市場の2倍だそうです。(ここで、勝手に美輪さんに、ご登場戴きます。べらんめい口調で)いい加減にしろい!ごきげんよう、さようなら・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年9月11日)