プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

阪神大震災でのアスベスト被害調査

2014-12-24 12:42:27 | 日記
 阪神大震災で被災した建物などから飛散したアスベストによる被害の実態を、NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」や神戸大・立命館大の研究者らが調査しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 神戸、西宮、芦屋などに1995年から2年間居住、或いは通勤・通学していた3万戸対象にアンケート調査を実施、「震災との関連は不明だが、可能性は否定できない」方が22名、アスベストを吸う事で発症する疾患を抱えていました。(内、中皮腫は1人)研究者によると、「回答者の1%に疾患があるというのは通常の発生率よりかなり高い印象」とのことです。
 
 当時の大気の状況としては、「非常に粉塵がひどかった」、「いつもほこりっぽかった」とした人は計63,7%、しかし防塵マスクなど粉塵対策をしていた人6,7%に過ぎず、特に何もしていなかった人が41,1%だったとのことです。当時、ガレキを積んだトラックがカバーも掛けずに走っており、粉塵がまき上がっていたとのことです。

 また兵庫県が行なった、(当時の)環境庁や市町とのアスベストの飛散状況調査では、震災直後は住宅街など一般的な環境でも、「通常よりやや高い濃度の飛散が確認され」(担当者)ており、神戸市須磨区の男性は、「街には常にガレキのほこりが舞っている状態で、・・・あらゆる人が吸っているはず」だとのことです。

同「センター」によると、(一般の方でなく)震災の復旧作業によって中皮腫を発症したとして労災認定されたのは、2008年以降4名です。中皮腫は「閾値」がありませんので、僅かの吸引でも発症する可能性があります。震災から19年、潜伏期間は数十年と言われていますから、一般の方への今後の(こうした)調査がさらに重要になってくると思います・・・

P.S. (同アンケート調査では)アスベストの危険について「全く知らなかった」25,4%、「聞いたことはあるが良く知らなかった」34,2%と計6割近い人がアスベストの危険性を余り認識していません。また将来の健康不安も「ほとんどない」38,4%、「全くない」7%となっています。心配しても仕方ないわけですが、まだまだ実態すら分かっていないアスベスト被害、その危険性が周知されればと思うのですが・・・

P.S.2 東日本大震災後の2011年6月から、環境省は被災した8県の解体現場やガレキ置き場などでのアスベストの飛散状況を調査、(閾値がないのですから、基準など意味がありませんが)7ヶ所で国の「基準」を超える濃度のアスベストの飛散が確認されています。しかしNPO法人「東京労働安全衛生センター」による被災者への聞き取り調査では、アスベストを含むガレキや建物があると「知っている」人は半数以下、被災時にマスクを付けたことがある人は3分の1余りだったとのことです。同センターは、「アスベストの名前は知っていても、身近に存在することや危険性への理解は不十分なまま」だと指摘しています・・・

P.S.3 国土交通省の推計(実態すら分かっていないということです)では、アスベスト使用の可能性がある民間の建築物は、全国で約280万棟で、(現在も危険ですが)約15年後には解体のピークを迎えるそうです。しかも1万6,000棟でアスベストの(容易に飛散してしまう)「吹き付け」が確認され、その内1,000棟は除去などの飛散防止対策がすんでいないとのことです。(どちらも危険ですが)放射性物質よりも、(私は)アスベストの方が怖いです。一刻も早く対策を講じて欲しいと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月24日)

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