プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

ALPSの末路と新ALPSの行方

2014-08-29 11:05:18 | 日記
 (報道によると)27日に開かれた規制委員会の定例会で、来月にも2台目のALPSの試運転をすることを認めたそうです。これまでの試験では、ヨウ素など4種類の放射性物質の濃度が十分に下がっていないそうです。また、12月からは、改良した新型のALPSも運転を始めるそうです。只々、上手く行くように願うだけです。

 最初に導入された浄化装置は、アレバ社の技術を導入したものでしたが、これは全く機能せず、すぐに使えなくなりました。1台目のALPSは(ウェスティング・ハウス&)東芝の技術で製造されましたが、これも試運転を終えるまでに1年半以上掛かり、本格稼働してからはトラブル続きで、(残念ながら)増え続ける汚染水をまともに処理することはできませんでした。(結果、高濃度に汚染された2台の巨大な放射性廃棄物が増えただけかもしれません)

 (余り悲観的なことを書いてはいけないとは思うのですが)これまでの流れを見ても、同じような試行錯誤の道を辿りながら汚染水が増え続けるしかない、という見通しになります。それでもやり続けるしかないというのが絶望的な現実のようです・・・

P.S. 開始から3ヶ月が経過した「地下水バイパス」ですが、3つの井戸の水位は20~30センチ下がってはいるのですが、建屋内の水位には明らかな変化は見られないそうです。東電は、「効果が現れるにはあと数ヵ月掛かる」との見通しですが、地下水位が1メートルほど下がらないと効果は見えて来ないとのことで、(東電の見通しより)まだまだ時間は掛かように思います・・・

P.S.2 (NHKが行なった)愛媛県と伊方原発から30キロ圏内の7市町へのアンケート調査で、原発事故時の避難計画について、「地震や津波などを伴う(原発)複合災害に対応できますか?」との質問に、「対応できない」(西予市、内子町)、「どちらかというと対応できない」(八幡浜市、宇和島市)、「(対応できるか)分からない」、(大洲市、伊予市)など、殆どの市町が避難計画の実効性に疑問を持っているとの結果が出ました。またその理由としては、道路が被災すれば、計画通りにできないなど「避難ルートの確保」に課題があるとのことです。自然災害に対応すら出来ない状況で、原発を稼働させ、さらに重大な「複合災害」を招く危険性を高める必要性がどこにあるというのでしょうか?・・・

P.S.3 県の後押し(と言うと言葉は良いですが、実際は圧力で)原発から30キロ圏内の社会福祉施設などの避難計画作りが、37施設(13%)から142施設(50%)へと大幅に上がりました。しかしこの集計では計画の「内容」までは問うておらず、実効性には甚だしい疑念が持たれます。実際に、福祉施設側から、そうした疑問の声が上がっています。(米国のように)実効性のある避難計画がなければ原発を稼働できない(その審査体制がある)というのが、危険な原発を稼働するための最大の要件ではないかと思うのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月29日)

志賀原発「フィルター付きベント」なき過酷事故対策

2014-08-27 10:04:57 | 日記
 北陸電力が今月12日に審査申請した志賀原発2号機で、過酷事故時に放射性物質の放出を減らす「フィルター付きベント」の設置を不要としたことについて規制委員会は、新規制基準に基づいて厳しく検証する方針を示しました。(参照・引用は『朝日新聞』) 福島第1原発事故後、規制委員会は、過酷事故対策を電力会社に義務付け、フィルター付きベント機能については、PWRは一系統、圧力容器の小さいBWRは2系統のベントラインを設置するよう求めています。

 義務付けられている「フィルター付きベント」の設置を不要とした北陸電力は、「冷却用のポンプや電源などを充実させ、炉心損傷を最小限に食い止めれば、放出する放射性物質の量を減らせる」と説明しているそうですが、規制委員の更田委員は、「炉心損傷防止と、(メルトダウンなど)損傷が起きた場合の対策を混同している」と指摘、規制庁の担当者も「排出時に、放射性物質の低減を図ることが基準の要求」であり、新基準を満たすのは難しいとの見解です。

 メルトダウン対策として規制委員会は、電源設備の分散配備や、原子炉1基につき複数の消防車、電源車の配備すること、非常用発電機や貯水タンク、ポンプの高台設置などを、「フィルター付きベント」の設置とは「別途」求めており、メルトダウンが起きてからの対策とは明らかに別の対策であって、北陸電力の言うようなことは、求められた設備を免れんが為の余りにも稚拙な「詭弁」に過ぎません。実際に過酷事故が起こり、膨大すぎる量の放射性物質が放出された事故の教訓として、ベントする際に出来るだけ放射性物質の放出を減らすという趣旨の対策の意味を、全く理解していないとしか思えません・・・

P.S. 連続朝ドラの「花子とアン」で花子が、「ごきげんよう」の思いを吐露する場面が(2度)ありました。「全ての人が元気に無事に、明日を迎えられるように」との思いを込めた「祈り」なのだと。災害が相次ぎ、不幸な事件や事故が多発するこの世で、明日もまた元気に迎えられることは稀有なことなのかもしれません。接する人が元気であるように願い、相手の安寧を祈ることは、とても大きなことだと(私は)思っています。祈りには「力」があると(私は)信じているのです。或いは、祈るしかないという現実もあると思うのです。「ごきげんよう」は、なかなか私には言えない言葉ですが、「如何ですか?」と思いを込めて(これからは)発したいと思います。(書くことはできますので、皆様に)「ごきげんよう」、「さようなら」・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月27日)

甲状腺がん確定は57人に

2014-08-25 11:52:09 | 日記
 約30万人を対象に行なわれた甲状腺検査を受診した福島県内の子どもたちのうち、今年6月30日までの集計の結果(暫定値)、甲状腺がんと確定した子どもが57人(内、良性1人)に、がんの疑いがあると判定された子どもたちも104人となりました。収容の大きさは5~41ミリとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

今年の3月までの暫定結果では、甲状腺がんとの診断が確定していた子どもは50人でしたから、集計に連れて(残念ながら)がんの子どもたちは漸増しています。被曝の影響については、影響を否定する専門家の方が多いとのことですが、放射線の影響を指摘する専門家もおり、意見は分かれています。東北大学の細井教授は、「現在のがんは、精度の高い検査で調べて見つかっていると考えられるが、被曝の影響がでるかどうかは今後、注意深く見ていく必要がある」と述べています。

今は国内において比較できる信頼性のあるデータがなく、被曝の影響を明らかには出来ていません。同教授の言うように、精密な検査だからがんが発見できているのかもしれません。だとすれば、チェルノブイリ事故時のデータとも、単純比較できないように思います。(福島事故後と同じく精密検査をしていれば、もっと多くの甲状腺癌が発見できていたかもしれません)チェルノブイリでは、事故後4年目以降にがんが急増していますが、(当時の検査体制が分からないのではっきりとはいえませんが)本当に4年目以降に増えたのか、それまでに増えていたけれど、見つからなかったのかどうかは分かりません。

がんの成長速度にも年齢差や個人差があるでしょうし、人種による差もあるかと思います。単純にチェルノブイリと比較するのは無理があると思うのです。チェルノブイリで分かっていることが、原発事故による被害の全てではなく、分からないことの方が多い、(傾向や発症する様々な疾病などに共通するものはあるのは当然ですが)チェルノブイリと違った結果が出る(がんが早く発症する)こともあるのではないかと思います。兎に角、福島原発事故からもう既に3年5ヶ月経過していますから、もう一度検査をして比較検討すれば、また新たな知見が得られるものと思います・・・

P.S. がんを発症した子どもやその親御さんにとっては、被曝の影響かどうかよりも、子どもの健康が何より心配で、気に掛かることだと思います。(私は被曝の影響だと考えていますが)被曝云々を問わず、甲状腺がんの検査・治療を、(大小問わず事故で被曝したはずですから)福島県内外問わず、無料で行なう体制をとって戴きたいと思います。原発事故による被害者への重要な支援だと思います・・・

P.S.2 (以前も書きましたが)チェルノブイリから約2,000キロ離れたフランス領コルシカ島では、子どもだけでなく大人にも甲状腺がんが増加し、また、甲状腺がんだけでなく、甲状腺の機能が低下する「橋本病」や悪性リンパ腫、白血病なども高率で発症しています。これらの検査も同時に行なって、必要な治療をして戴きたいと思います。兎に角、国が「安全」だとして推進していきた原発事故による被害です。(私はそう考えています)その被害の「賠償」は国が為すべきものだと思います・・・

P.S.3 SPEEDIの予算が半減されるそうです。(予算額が書かれていないので分からないのですが)維持費は年間数億円ほどでしょうから、無駄な核燃リサイクルをやめれば、いくらでも予算はあります。2013年には、改定した原子力災害対策指針で、「参考情報」に格下げされていたそうです。では、それまでは避難等に利用されるべき非常に重要な情報だったということになります。何故、格下げしたのでしょうか?(表向きの)理由としては原子炉等の情報が得られないと、正確な放射線量を予測できないということのようです。ならば、電力会社に対して、原発事故の情報の公表を義務付ける「公開法」を制定すべきです。一刻も早く情報を出させ、迅速な避難ができるようにすべきだと思うのです・・・

P.S.4 SPEEDIの代わりに、政府は原発周辺のモニタリングスポットを増やすなどして、実測システムを強化するとのことです。(代わりじゃなくて)事故の前からもっと増設しておくべきでした。余りにもモニタリング(監視)体制がお粗末過ぎたと思います。事故が起こらないことを前提としていた証左だと思います。いずれにしても、SPEEDIの予測図は素人でも(ぱっとみて)分かり易いもので、汚染ぐあいだけでなく、風向きなどを考慮して、自分で避難する方向を考えることができます。「格下げ」ではなく、もっともっと活用すべきものだと思うのですが、(SPEEDIに覆いをするのは)国民に余り情報を与えたくないからなのかもしれません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月25日)

「吉田調書」公開

2014-08-23 11:00:41 | 日記
 (報道によると)政府は、「政府事故調」が吉田F1元所長から聴取した所謂「吉田調書」について、公開する方針を固めたとのことです。これまで政府は、吉田氏が提出した「上申書」を理由に公開を否定していましたが、同「調書」の内容の一部が報道され、「内容を正確に国民に示す必要がある」として方針を転換、来月のできるだけ早い時期に公開する方針とのことです。

 「吉田調書」については(当時の政権幹部の多くが公開を認めているだけでなく)、原発周辺の当時の13市町村及び福島県知事に公開の是非を問うたところ、(判断を保留した3名を除く)11人の内8名が同「調書」の公開を求め、また自身が受けた聴取の調書の「公開」を了承しています。(引用は『朝日新聞』)3号機の爆発で全村避難を決断した川内村の遠藤村長は、政府からの情報提供のない当時の情況を「恐怖感でしびれるような時間を過ごしてきた。今回の災害はある意味で情報災害」だ、「国や東電が何をどう判断してきたのか、知りたい」と訴えていました。

 事故発生から半月以上も経って「自主避難」を要請された浪江町の馬場町長は、「政府からの指示が何もなかった」、「(吉田調書は)きっちり公開しないといけない。どう事故に向き合っていたのかしりたい」と公開を求めていました。こうした、事故に直接関わらざるを得なかった方々の開示要求に加え、東電株主訴訟の原告等が6月、同「調書」を含む「聴取書」の情報公開請求が、不開示決定されたため、「事故原因の解明に必要であり、公益的開示の必要性が非常に高い」として東京地裁に開示を求める訴訟を提起していました。「現地で指揮を執った最高責任者の対応を直接検証することができる資料は『吉田調書』以外に存在しない」との主張でした。

 政府はまた、公開に同意した他の聴取者の調書も早期に公開するとのことですが、吉田氏の、他の関係者に対する「評価」に関することなどは除くとのことです。真に個人的な「評価」は非開示にしても構わないと思いますが、「など」とあり、他の重大な情報が「隠蔽」されることがないようにと思います。ちなみに、吉田氏の「上申書」にある「全てがあたかも事実であったと一人歩きすることが危惧される」との言辞は、事故の状況を正確に説明しなければならず、自分の言辞に責任を持とうとする吉田氏の非常に強い思いを感じますが、772人の他の関係者の発言もあり、蒐集された全ての情報と照らし合わせれば、同氏の「危惧」は霧散するだけでなく、(調書の公開が)事故の詳細な把握と原因究明に資することは明らかだと思うのです・・・

P.S. 汚染された地下水を「サブドレン」から汲み上げ、浄化した後海へ放出する計画で、東電は12~16日に、42本ある「サブドレン」の内10本から汚染された地下水を汲み上げ、浄化試験を行ないました。浄化前の放射性物質の濃度は、(水1ℓ当たり)セシウムが247ベクレル、(Stなど)ベータ線を出す放射性物質が290ベクレルでしたが、浄化後はどちらも検出できないレベルに下がったとのことです。只、除去できないトリチウムは670ベクレルとのことです。東電は、「浄化装置の性能は確認できた」として、今後漁業関係者に説明、放出の理解を求めるそうです・・・

P.S.2 広島市が出した避難勧告、避難指示の対象者は約16万4千人、でも実際に避難しているのは全体の1%余りの約2,200人だそうです。避難できるのにしない方は「自己責任」ということになるのだと思いますが、避難所での不自由な生活を考えると、避難を躊躇するという気持ちも分かります。只、体が不自由な方や、移動手段を持たない方もおられるようです。(警察、消防、自衛隊など努力されていると思いますが)避難支援が必要な方もおられます。しかしながらこれもまた、自治体だけで対応できる数でもないと思います。住民、行政とお互いが協力しながら今後の対応を考えていかなければいけないと思うのですが、(52万箇所ですか)これだけ危険箇所がある中で、対応すると言っても、本当に大変なことだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月23日)

広島市の土石流被害

2014-08-22 11:22:59 | 日記
 広島市では記録的な豪雨による土石流が(一昨日)発生し、亡くなった方が既に39人、行方不明の方が51人にも上っています。ご冥福を祈ると共に、不明者の生還を祈りたいと思います。ある専門家のお話では、こうした土石流は、日本全国何処で起こってもおかしくない、とのことでした。現在、避難されている方々は16万人を超えています。また、床上・床下浸水の被害も多数に上り、停電や断水などで生活に支障が出ている世帯も多くあります。

 しかし、集中豪雨(天災)はどうにもできなくても、(福島原発事故からよく耳にするようになった)「減災」はできなかったのか?強い疑問を感じます。広島市では15年前にも、被害の甚大だった安佐南区の西の地区での土砂災害で31人が死亡、行方不明者1人の大きな被害を出しています。そしてこの被害をきっかけに「土砂災害防止法」が制定されています。しかし、今回、もっとも被害が多きかった安佐南区八木は「警戒区域」には、(15年経った現在も)指定されていませんでした。危険箇所が3万箇所を超す日本一多い広島県が、この15年間で危険区域に指定できたのは4割ほどだそうです。(予算や人員が足りなかったそうですが)危険箇所が2万箇所を超え、全国第2位の島根県では、危険箇所の1,4倍に当たる3万箇所以上を警戒区域に指定できています。この(大きな)差に、土砂災害への「認識」の違いがあったのではと思います。(人災の要因①)

 (専門家の話では)なだらかな(事故現場のような)地形は、何度も何度も土石流が起き、それによって流された土砂でできているそうです。つまり、これからも、何度も何度も起きる危険性があるということで、(専門家の方の厳しい発言でしたが)そういう土質(マサ土)のそうした(土石流が繰り返されてできた)地形の上に暮らすということを「覚悟」して住まなければいけないと仰っていました。しかし、住民の方には、「安全な地域とばかり思っていた」、「危険だとは思っていなかった」、「防災認識が足りなかった」「(過去の市内の土砂災害を)ほとんど記憶にない」との声が相次いでおり、自分の住んでおられる地質の知識がなく、その危険性をあまり「認識」せずに暮らしていたというのが本当のところのようです。(人災の要因②)

 その危険な土質や地形の上に、(皆さんもご覧になったと思いますが)山すそを這い上がるようにして、宅地開発が行なわれています。「土砂災害防止法」では、「警戒区域」では、新築や宅地開発の(「特別警戒区域」でなくては)規制ができず、法の整備が追い付いていないとの指摘もあります。というよりも、(人口の減少する田舎とは逆に)人口の増加する都市部では、「規制」が甘くなり、指定できない事情もあるのではないかと思います。宅地を求めて、本来なら不適切(危険)な山肌の斜面に、どんどん家が(実際に)建っているというのが現実のようです。(人災の要因③)

 そして、今回の被災で最も気になるのが、「もっと早めに避難できていれば、被害はもっと少なく済んだろうに」という被災者のみならず、多くの国民が感じた疑問です。広島市も認めていますが、「避難勧告」が遅過ぎたのです。被害が出てから出された「勧告」に何の意味があるのでしょうか?実は前回の台風で大量の雨が地中に含まれていたそうです。そして今回の(大雨が降る前の)19日の夕方(6時過ぎ)には「大雨注意報」が出て、9時過ぎには「大雨特別警報」が出ています(が、発表されず)。1999年の豪雨災害時に避難勧告を出せなかった反省から作成した(5つの)基準に当て嵌まるのです。(専門家は)この時点で「勧告」を出すべきだったと指摘しています。(人災の要因④)

 実際その後、1時過ぎには(「基準」の一つである)「土砂災害特別警戒情報」が発令、少なくともこれが(実際の避難を考えると)最後の「勧告」のデッドラインだったと思います。そして午前3時、安佐南区、阿佐北区では、(やはり「基準」の一つである)土中の雨量が避難基準を超す値が出ました。これで「勧告」を出さないことは、最早「無作為」の謗りを受けても仕方がありません。やっと北区に「勧告」が出たのは4時15分、南区は4時30分、しかもそれぞれ副区長と区長によって出されたものです。松井市長はご自宅にて待機、登庁は7時、その約1時間後、やっと「避難指示」が出ました。最早、被害は取り返しのつかない状況でした。(詮無いことですが)多くの人の命は救えたのじゃないのか?そういう思いが募ります・・・

P.S. 20日、休暇中の安倍総理は、(災害の一報を聞いていたにも拘らず)ゴルフを強行、しかし一転休養地から被災地へ、直ぐにとんぼ返りをして、またゴルフ場にてゴルフを。義理は果たした、というところでしょうか?「義理」は果たしても、(休暇中とはいえ)災害本部長としての総理の職責を「果たした」とはお世辞にも言えません。またまた「義理」を果たすために、被災地を訪れ、被災者の迷惑も鑑みることなく避難場所を訪れる「パフォーマンス」だけは(被災者の方は当然ごめんでしょうが)見たくないと思うのです・・・

P.S.2 大雨が降り始めてからでは、設置された防災無線や、車からのアナウンスも聞こえないと思います。夜間、冠水した道路を避難するのは、徒歩は勿論、車でも危険です。今は詳細な気象情報が分かる時代で、土中の水分含有量まで(推計ですが)分かります。夕方の時点で、「勧告」を出しておけば、雨の様子を見ながら避難の準備や心の準備も出来ます。避難して、被害が出なければ、良いことだと思います。「空振り」になったからと、腹を立てる方などいるとは思えません。意味のない平日の避難訓練など止めて、こうした危険に面した状況での「訓練」が(本当は)必要だと思います。勧告を出すことで、避難ルートや避難手段、場所の確保など、課題が見えてきます。(揚げ足など、絶対に取りませんから)恐れずに「勧告」、「指示」を出して戴きたいと思うのです・・・

P.S.3 未だ山の雨水含有量が多い上に、雨が断続的に降り、大雨の予測もあります。2次被害も懸念され、捜索も中断せざるを得ません。非常に厳しい情況です。マサ土は粘着性が高く、作業が進まないだけでなく、生存者の可能性を著しく低下させていると思います。(ご家族にとっても)祈るしかない、それが現実だと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月22日)

凍土壁「典型的泥沼式アプローチ」

2014-08-20 11:15:53 | 日記
 「典型的に泥沼式アプローチ」(会津大学角山前学長)の言葉です。東電が作業中のトレンチと建屋の間の「氷の壁」が、3ヶ月経っても、ドライアイスをいくら投入しても(東電は9割凍っていると言っていますが)凍りません。これに対して東電は、凍らない部分にセメントなどの充填材を流し込んで埋めようとしていますが、詰め物のセメントや水ガラス、高分子吸収剤、砂鉄など、どれが使えるのか9月半ばまでに実証実験を進めるのだそうです。(引用は『朝日新聞』)

 こうした後手後手の対応に角山氏は(規制委員会の検討会のメンバーだと思います)、「泥縄式の対応でズルズルいっている。準備をしていればできたはず」と指摘。(NHKニュースでは)他のメンバーの福島大の渡辺教授からは、「(充填剤を入れて)本当に止水できるのか疑問」、同教授によると、建屋からトレンチに流れ込んでいる高濃度に汚染された冷却水は、東電の予想よりも温度が高かったようで、この高温水が、凍らない最大の原因なのではないかと思われます。

 同教授は、「これはトレンチの問題だけではなく、凍土壁問題についても同じこと。きちんとした対応をしないと、同じように凍らないという現象が起こる」、「凍土壁にこだわらない対策を、次のステップとして考えていく必要がある」と指摘しています。実質的に「凍土壁」に代わる代替策を考えるようにとの提言だと思います。規制委員会は今後、充填材の効果を見極めた上で、投入を認めるかどうか判断するとのことです。いずれにしても、「泥縄」の対応が今後も続くように思います・・・

P.S. 規制委員の更田委員は、「充填剤を入れて止水できるのか、氷が溶けないのか?」と充填剤投入に疑問を呈しています。また、「凍土工法が十分有効性を持っているのか」と、やはり「凍土壁」そのものへの疑念を表明しています。「凍土壁」の実現可能性への疑念の声が挙がる中、(上手く凍ったとしても)来年9月以降に効果が現れるそうです。しかしその効果に、多くの専門家から疑問の声が挙がっているのです。しかしながら東電は、「凍土壁」に執着し、邁進しています。とても不安を感じます・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月20日)

『少年H』にみる原爆投下

2014-08-19 12:55:00 | 日記
 先日、映画『少年H』を観て、妹尾河童著の『少年H』(下巻)の「原子爆弾」の章を読み返してみした。神戸で戦争を体験した著者の、『少年H』にみる原爆投下の記述を、以下、引用しながらご紹介します。

広島への原爆投下翌日の新聞、「大本営発表・・・昨8月6日午前8時過ぎ、B29少数機が広島市に侵入、少数の爆弾を投下・・・敵はこの攻撃に新型爆弾を使用したもののごとく・・・その威力に関しては目下調査中であるが、警視を許されぬものがある」→(少年H)「大本営発表で『相当数の被害』というのは初めてや」

 2日後、ソ連が不可侵条約を破棄し「宣戦布告」、その同じ日の紙面に、「東京にB29が百機、北九州に二百六十機が来襲し爆撃を受けた」、「我が方の被害は目下調査中なるも軽微なる見込みなり」→(少年H)「いつまで『被害は軽微なり』といっているつもりなのだろう」

 8月9日、アメリカの予告どおり長崎に原爆が投下される、翌々々(12)日の新聞の「見出しは・・・『長崎にも新型爆弾』と小さな活字だったし、記事の文章はたったの7行で、・・・「西部軍管区司令部発表・・・敵大型2機は長崎市に侵入し、新型爆弾・・・らしきものを使用・・・詳細目下調査中なるも被害は比較的僅少なる見込み」→(少年H)「広島に続いて恐るべき威力を持つ原子爆弾が投下されたというのに、『らしきもの』とはいったいどういう認識なのだ。そしてまたまた『被害は比較的僅少なる見込みだという』、「Hはこの記事が、軍部のウソを証明する代表的なものだと思った・・・文字数を数えてみた。(二段組の)たったの93文字だった。長崎の人たちの苦しみが93文字で表現されてしまった」

 そして、「『長崎にも新型爆弾』よりも大きな見出しで、(三段抜きで)『新型爆弾に対する心得』」と。「これは広島の現地を視察した陸海軍および防空総本部の専門家の調査に基づくものという」、
1、落下傘のようなものだ降下するから、これを目撃したら確実に退避すること
2、鉄筋コンクリート造りの建物は安全度が高いから、これを有効に利用すること・・・壁、窓下、腰壁を退避所としてとして有効に利用すること
3、破壊された建物から火を発することがあるから、初期消火に注意すること
4、障害は爆風による傷と火傷であるが、その内でも火傷が多いから火傷の手当てを心得ておくこと・・・火傷には油類を塗るか、塩水で湿布すればよい
5、横穴式防空壕は堅固な退避所と同様有効である・・・蛸(たこ)壺式防空壕には板一枚の蓋でもしておくと有効である
6、白い下着の類は火傷を防ぐために有効である・・・
 →(少年H)「本当に原子爆弾の威力は火傷程度で、『白衣を着て、蛸壺式防空壕に入り一枚の板の蓋』をすれば、原子爆弾の被害から逃れられるというのか?」、「火傷に塩水で湿布をすればいいといっているが、・・・医学的根拠はあるのか?」、「さらに気になるのは、『原子爆弾』という表現を前日には使いながら、ここではまた『新型爆弾』という意味不明な表現に後戻りしていることだった」

 大本営発表は決して「笑い話」などではありませんが、著者の渾身の「アイロニー」によってどれほど馬鹿げた報道が為されていたかが良く分かります。当時の新聞には「特に広島の写真は一切公開禁止」だったそうで、情報統制、情報隠蔽が徹底しておこなわれていたようです。妹尾さんは他の章でも、「都合が悪いことは徹底的に隠している」と国や新聞のあり方を批判しています。「何でも『秘密』にして公開しないのは、この戦争が始まる前からだったが、・・・天気予報さえ『軍の機密』扱いをされることになったのには驚いた」と書いていますが、わが国も(何でも「隠蔽法」ができましたし)近々そうなるかもしれません・・・

P.S. 映画の中で少年Hは、「自分ら何も知らされんと、どんどん死んでいっとる」、「みんな、何も知らんと、戦争しとったんや」と叫びます。それは決して過去のことではなく、公害や薬害、アスベストやB・C型肝炎患者の方も、知らないうちに被害を受け亡くなって行ったわけです。原発事故も自動車による犠牲も、同じ社会の、世界の構造の中から生み出されたものです。知らないうちに戦争に加担し、或いはさせられ、傷付け、傷付けられているのだと思います。私はこの世の「戦争」を完全に放棄することもできずに、或いはこの世界から逃げ出すこともできずに、逡巡しながら生きています。できることなら、あの少年Hのお父さんのように、踏まれても忍耐強く耐え、慈愛に満ち、家族を愛し、不幸な状況でも幸せを感じられる人間でありたいと思うのですが、あのお父さんからは程遠いというのが現実のようです・・・

P.S.2 原子力規制委員会は、原発周辺にある火山の巨大噴火への対応を検討する専門家チームを作るとのことです。(『朝日新聞』)火山の巨大噴火に関して、川内原発の審査において九電は、「稼働期間に(噴火が)起こる可能性は十分小さい」とし、観測を強化して噴火の徴候をとらえれば運転を止めて核燃料を取り出す方針を示し、規制委員会はこれを大筋で認めましたが、複数の火山学者から前兆の見極めは難しいとの指摘が出ていました。現実的に、前兆をとらえ燃料を移送するなど不可能なことで、その危険性(可能性)がある場所に、原発を建設、稼働すること自体が非常識、非科学的だと思います・・・

P.S.3 (ニュースによると)凍土壁が上手く行かないようです。それで、砂を粘着材のような物と一緒に入れて凍結させるそうですが、さらに上手く行かない気がしてなりません。汚染水、地下水対策を、最初から、抜本的に(対応するメンバーも含めて)見直すべき時なのではないかと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月19日)

川内村の避難指示解除

2014-08-18 10:24:38 | 日記
 田村市都路地区に続き、川内村東部における「避難指示解除準備区域」(139世帯275人)の避難指示を(10月1日にも)解除、「居住制限区域」(18世帯54人)を「避難指示解除準備区域」に指定する方針を政府は決めました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 同村で開かれた住民懇談会で原子力災害現地対策本部長の赤羽経産副大臣は、「憲法で定められた『居住の権利』があるのに避難指示は(区域内に住まないよう)無理強いしている。命に関わる状況がなくなれば解除を考えなければならない」と説明しました。放射能汚染された地域に、住民の帰還を「無理強い」するほうが「憲法」に違反していると思うのですが、「命に関わる状況ではない」とのご認識には、(短期的にはそうかもしれませんが)今後のことを考えれば、異議があります。

 住民からは、「まだ子どもを安心して育てられる場所ではない」など、解除反対の声が相次いで挙がったそうですが、遠藤村長は「解除を望む住民もいる。10月1日の解除は止むを得ない」と解除受け入れを表明しました。しかし、解除を望まない住民の方々もおられるわけで、しかも(アンケート調査でも)「帰還しない」との人の方が圧倒的に多いなかで、帰還を「無理強い」することは道理に反すると思います。

(私自身は)年間追加被曝が1mSvを超える地域に一般住民が住むことは法律により禁じられているわけですから、政府が帰還させるというのは、法に反する違法行為だと思っていますから、帰還すべきでも、帰還させてもいけないと考えていますが、(無理強いされる以上仕方がありません)せめて、帰還する、しないの「選択」は、住民の意思に委ねられるべきで、帰還しない住民への賠償も(国は認めないでしょうが)当然継続されるべきだと思うのです・・・

P.S. (懇談会で)赤羽副大臣は、「帰りたい希望がある中で、避難指示を継続するのは妥当ではない」、(2次除染などが終わる)「遅くとも、10月1日のタイミングで解除するのが妥当」だと述べています。帰還したい方の思いまで否定する積もりも権利もないと思いますが、放射線への不安を抱えて帰還したくても帰還できない方が多くいるなかでの「解除」には、どうしても反対せざるを得ません・・・

P.S.2 電気料金を原資に、政治献金や官僚への料亭接待を重ねたことを認めている元関西電力副社長の内藤氏は、「地域独占で得た利益で子会社を作り、不動産投資までやった。ゴルフ場の法人会員権も持ち過ぎた」と述べています。また、「原子力はセキュリティーにかこつけて隠し事が多すぎる」、「電力会社だけでなく、指導する役所も悪い。学者もいかん」と反省を込めて語っています。「村社会」と言われますが、本当に(オウムよりも)閉鎖的で、独善的な社会(「村」)が、事故を経ても今尚存続しているように思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月18日)

「戦争のススメ」?

2014-08-17 12:45:01 | 日記
 今年も、戦後69年を記念する追悼式典が開かれ、「不戦の誓い」が唱えられました。多くの国民が「平和」を願い、戦争を永遠に放棄することを誓ったのだと思います。只、(これまで何度も申し上げてきましたように)私は、戦前から戦中、戦後といった差別(しゃべつ)をしていません。未だ(沖縄が占領されているように)「戦後」などなく、戦争は今も尚続いている、「平和」な世界は未だなく、その「戦争」を生み出す世界の「構造」は何ら変わらず今も厳然としていると考えています。

(概要しか憶えていませんが)福沢諭吉は「文明論之概略」で、西洋(欧米)の「文明」は真の(学ぶべき)文明ではないとしながらも、(有り体に言えば)その(贋の)文明(武器や生産技術)を取り入れなければ、(「半開」の)日本は世界の中で生き残れないといった趣旨のことを説いています。そして世界は、平時には交易を通じて「利」を求め争い、一旦有事となれば武器を持って戦争にて殺し合いをするものであると観ています。しかしこの「平時」とて、実際の争いは熾烈を極め、まさに「利」を求めての「経済戦争」に他ならないことを、つまり、平時も有事もない、争いの世の中(「戦時」)であることを福沢は指摘しています

 世界中の先進国と言われる国々、開発独裁の国々、或いは開発途上国であろうと、軍隊を持たない国はありません。「平和憲法」を標榜する日本でさえ、世界有数の軍隊と装備を持っています。福沢は、「戦争のススメ」を(あからさまには)口にはしませんでしたが、戦争のできる国にならなければ、日本は「半開」から「野蛮」へと陥落し、植民地化されることを「暗」にと言いますか、(実質的には)「明」らかに述べています。工業を発達させ、そのための資源を侵略によって得、軍隊を増強させる「国策」の思想的なバックボーンを説いたのです。(その功績で1万円札の「顔」になったのだと思います)

 戦争が常時行なわれている世界の中で、福沢は、戦争をするしか(仕方)ないと言っているのです。したくなくても、逃れようとしても、常に戦争に巻き込まれているのだと。(原発であろうと、自動車であろうと、あやゆる)経済活動、貿易もまた「戦争」行為であって、常に相争っているのだと言っているのです。その「犠牲」が如何に多大なるものであっても、やめること(放棄)などできないのだと述べているのです。私も戦争を「放棄」できないでいる人間です。仏陀の教えからは、180度背いて生きているのです・・・

P.S. 先週「金曜ロードショー」で『硫黄島からの手紙』を観ました。米兵が日本兵を殺すシーン、そして日本兵が米兵を殺すシーン、そして、日本兵が日本兵を殺すシーン、どのシーンも悲惨なものでした。圧倒的な戦力で迫る米軍に為す統べなく、本土防衛という名目で見捨てられる硫黄島の日本兵、その末路は過酷過ぎるものでした。このような、戦争というより米国への無謀な「抗い」は、多くの日本兵と日本国民を(必要もない)死に追い遣りました。同じ属国状態となるとしても、多大なる犠牲を出さずに済ますことはできたと思うのです。詮無いことですが・・・

P.S.2 陸軍の歩兵として中国の内陸部で戦った堀内さん(98歳)は、上官の命令で食料を奪ったり民家を焼き払ったりしたそうです。「人間として、やってはならない残虐な行為に関わった」掘内さんにはできなかったとのことですが、捕えた中国の兵士を木に括(くく)り付け、銃剣で刺し殺した殺戮に関わったことを、そう述懐されています。その状況に置かれれば、その立場に立たされれば、誰もがこのような残虐なことができる、それが人間だと思います。(しなければ自分が殺されるとなれば、正当防衛も同じです)私自身も同じことをする(人を殺す)のではないかと思うのです。そんな自分が怖ろしいのです・・・

P.S.3 オウム真理教の事件が起きた時、オウムの思想や犯罪が、社会の中で「異常」なものとして捉えられていた「風潮」に対して非常に違和感を覚えていました。自分がオウムの信徒だったかも知れない。自分があの「犯罪」を行なったかもしれない。教祖から命じられれば、私も殺人に加担したかもしれないと感じたからです。しかし、日本の社会は彼らをこぞって異端な異分子とし、自分たちをまともな存在として彼らを切り離しました。しかし私にとっては、彼らは社会の「雛形」であって、私たち自身の「映し鏡」だと感じていました。オウムを巨大化し、厳格な統治システムと軍隊組織を加味すれば、りっぱな国家になると思いました。オウムが目指したのも国家内「国家」だったと思います。私はオウム(のような組織)には入信しません。(これは可能です)しかし、巨大化した「国家」に加入しないことなど、個人としては(現実的に)不可能なことです。(たとえ)日本を出ても、同じく私を拘束する国家があやゆる所に存在し、或いは(それと敵対する)組織があります。(どちらにも加担したくない私には)何処にも逃げ場はありません。否が応でも、この世界の中で戦うことから逃れることはできないのです。それでも、上官や上司、教団や国家から命じられて、どのような形であれ人を殺すことだけは拒否したいと思う(願う)のです。それを、(自分が殺される状況でも、或いは家族が殺される状況でも)貫けるかどうか、それが(私に)問われているのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月17日)

原発の「無期限凍結」を求める函館市長の意見陳述

2014-08-14 10:46:21 | 日記
 地方自治体として国と事業者(Jパワー)を相手に原発(新設)の是非を問う裁判を提起した函館市、その函館市長の第1回口頭弁論における意見陳述は、東京地裁103号法廷で行なわれました。原発の是非を広く全国に問うためです。

同市長は、「私自身も福島第1原発事故が起こる前は、安全神話を信じておりました」と反省を述べ、「国や電源開発に住民へ説明責任を果たすように要望しましたが、福島の事故直後にも拘わらず反省もなく、建設継続の必要性を説く国や事業者の対応に落胆し」た、「地域の不安に何ら配慮して戴けず、・・・函館の街を守るために、やむを得ず訴訟を提起しました」との(財政的には国に頼らざるを得ない自治体としての立場もあり)苦渋の思いを語っています。

そして、「地震や津波のような自然災害も大きな被害をもたらしますが」、「放射能というどうしようもない代物をまき散らす、原発の過酷事故は、これまでの歴史にない壊滅的な情況を、半永久的に周辺自治体や住民に与える」、「函館市民は、承諾もなく近隣に原発を建設され、いざという時に避難もままならない状況の中に置かれることにな」るとし、現在の国や事業者の原発政策について、「原発事故を起こした我々世代の責任として、最低限立ち止まって考えるべき」であり、「原発建設の無期限凍結」を訴えました。
陳述の趣旨からすれば、当然原発再稼動の「無期限凍結」に繋がるものと思います。ご意見ごもっともで、至極まっとうなものだと思います。只同市長は、「私は反原発、脱原発の立場で原発を論じたことはありません」と述べています。原発が現実に存在し、それを生み出す世界の構造と状況があり、それを支える巨大な(利権の)ネットワークがあるということをご存知だからでしょう。自動車が存在し、それを生み出す構造があり、それを支える巨大なネットワークがあるのと同じです。市長は、取り合えず立ち止まって、考えよう、それまでは「凍結」しましょうと、本当に理に適った道理を説いているわけです。(反論など全くありません)しかしそれと同様に、毎年100万人の死亡者を出す自動車もまた「凍結」すべきだという声が挙がらないのが、私には不思議なのです・・・

P.S. 昨年末に唯一お呼び戴いた忘年会の席で、私はこの年間100万人もの犠牲者が出ている自動車の製造・販売・その使用(廃棄物の問題もあるのですが)についての疑問を(人前で初めて)話しましたところ、I寺さんのご住職さんが、私も同じ考えを持ち、以前からそう言ってきたとお答え戴きました。(ブログでは何度も書いていますが)人に対して、自動車のことを初めて話し、肯定的なご意見を伺い、非常に嬉しく思いました。(私の)ブログを読まれている方々も、やはりそのように思われているのでしょうか?そうだと有り難きことなのですが・・・

P.S.2 原発の問題同様、それ以上に深刻なこの問題が、実は原発と同じ社会の、同じ世界の構造から必然的に生み出され、それが「利(権)」となり、多くの国やその産業、膨大な数の企業やその下で働く人々と巨大なピラミッド構造を作り出していると私は思っています。そしてその(必要な原材料となる)資源開発の段階から、使用している段階、そして使用後の廃棄物の問題と、その規模の程度は異なっても、高度の危険を伴い、現実に(環境破壊による被害も含め)多大なる人的犠牲者を生み出し続けています。しかも、「結果的」に犠牲者が生み出されているのではなく、犠牲者を「前提」とした構造があるのだと思います。犠牲がなければ成り立たない「構造」になっているのです。それを「放棄」できるのか、それが問われているのだと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月14日)