プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「フクシマ・リーク」

2013-08-31 12:06:56 | 日記
 CNNは、今回のタンクからの汚染水漏れを「フクシマ・リーク」(福島の漏洩)と呼んで大きく伝えています。海外メディアからは、総じて東電や日本政府の対応への厳しい批判が見られます。一方、日本のメディアの取り扱いが概して小さいと指摘するのは、ニュース解説で人気の池上彰さんです。どうもメディアの(今回の漏洩を小さく見せようとする)その姿勢も、政府や国会の姿勢に倣ったもののようです。

 レベル3の異常な事象や「フクシマ・リーク」が、タンクから漏れた300トンの高濃度汚染水だけを指しているのだとしたら、1~3号機の建屋等から駄々漏れ状態の汚染水や、建屋地下等から流入する地下水や汚染されて海へ流出する地下水、それにトレンチに溜まった超高濃度の汚染水の漏出を合わせれば、自己評価のレベルはどこまで上がってしまうのでしょうか?

 放射能汚染水のことを考えると、夜も切れ切れの睡眠しか取れない、3.11直後の状態に戻ってしまいました。突っ伏して目をつぶったまま、憂鬱な思いが鉛のように背中に張り付いてゆくのです。(某雑誌を立ち読みすると)実は亡くなられた吉田元福島第1原発所長は、レベル3から4の汚染水漏れ事故を予告していたそうです。しかし、お金のことしか言わない(東電)「本店」には、吉田所長の言葉は届かなかったのでしょう。

 汚染水問題については、与党からも「汚染水は国際的問題とされつつあり、海外で訴訟も起きるかもしれない」、「危機感が足りなさ過ぎる」(塩崎元官房長官)との声が上がる中、汚染水問題についての(国会閉会中に開かれる)衆議院産業経済委員会の審査が先送りとなり、対応の鈍い政府の姿勢を国会が追認する形となっており、如何にも汚染水問題への腰の引けた対応が鮮明になっています。

 こうした状況に、試験操業目前に計画を延期せざるを得なかったいわき市漁協組合長は、「汚染水対策が遅れてもいいと思っているなら、とんでもない問題意識の低さ」だと怒りを隠しません。生活が掛かっているのですから、当然ですが、世界的な環境汚染とその影響を考えると、莫大な賠償金が請求される可能性すらあります。(既に有事であって)最早、手を拱いている時ではないことは間違いがないと思うのです・・・

P.S. (某週刊誌では)冷却水に(融点の低い)鉛の粉を少しづつ混ぜて、溶融デブリを鉛でコーティングする方法を紹介していました。小出先生も、こうした方法を取り入れてやって行かなければいけないとコメントしていました。(全体を上手くコーティングするというのは難しいと思いますが)冷却水がデブリに触れ難くなればなるほど、冷却水の汚染度合が低くなるわけで、やってみる価値はあるかと思います。兎に角、考え得る全ての方法、技術を使って、汚染水問題に取り組まなければならないということだと思うのです・・・

P.S. お金のことしか言わない(東電)本店にとって、実は財政支援は大きいのです。その(後方)支援すら、政府は自らの責任が問われることを嫌がって、これまで見て見ぬ振りをしてきたわけです。国内外の批判の高まりで、やっと一番後ろに立ったのではありますが、ALPSの増設にも予算が付くそうです。只、汚染水対策は待ったなしで、一刻を争う事態だという(地元の方と同様の)認識を持って頂きたいと思うのです・・・

P.S.2 300トンの汚染水漏れに関して東電は、長さ2.5センチ、幅1ミリの隙間から汚染水が漏れたとの推定を、規制委員会の汚染水対策作業部会で報告しました。東電協力会社の会長が、「タンクは工期が短く、金もなるべく掛けずに造った。長期間耐えられる構造ではない」と証言していますが、この程度の隙間でも、漏れ出るタンクだったということです。また、(汚染水の)漏洩時期を、「約20メートル離れた場所で働いていた作業員の被曝線量が7月から上がっているため、漏れ始めは発覚の1ヶ月以上前としている」とのことですが、(先日も書きましたが)作業員の方の被曝管理をきちんとしていれば、もっと早く「漏洩」(リーク)に気が付いたはずだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月31日)

「除染より移住」

2013-08-29 10:48:32 | 日記
 (某テレビ局の)「そもそも総研」で「除染より移住」という、今こそきちんと議論しなければならない問題を特集していました。(以下、要約してご紹介します)

 浪江町の馬場町長は、除染は「今の技術では難しい。現実的に生活するのに、何ミリシーベルト(が安全)なのか聞いても、(政府は)明確な基準を示さない」、政府は「(住民を)戻そう、戻そうという発想」で、「戻れば、事故は無かったことにしようとしているように思える」発言、同町の住民へのアンケートでは、「戻りたいけど戻れない」(40%)、「戻らない」(30%)となっており、(月10万円の補償以外にも)移転の為の補償を求めて行きたいと(インタビューに)答えています。

 また(南?)相馬市で、本当に除染ができるのか、その確認を目的とした民間の除染プロジェクト「安心・安全プロジェクト」に関わった吉田さんは、「屋根の瓦の除染は(吸着していて)殆ど落ちない」、「風が強いと(放射性物質が飛んできて)線量が高くなる」、除染は「地域住民を県外に逃がさない為の口実」で、政府は「除染という魔法を住民にかけた」と発言、(既に1兆円使われてますが)除染にお金を使うのではなく「住民の避難にお金を使うべき」だと言われています。

 さらに、北海道がんセンターの西尾医師は、現在20mSv以下なら居住して良いという政府の方針について、「その値はとんでもないこと。チェルノブイリ事故後の『ウクライナ法』では5mSV以上は強制移住、1~5mSvの地域は、選択権を与える『移住権利ゾーン』」となっており、20mSVという数値は、「5年間で100mSv、ICRPでも発がん性を十分認めている」値です。また、「5mSV以下の地域でも、線量が1mSv上がるごとに、発がん性が1%上がる」とのレポートもあり、「せめてチェルノブイリ並に、5mSv以上の地域は移住をさせて、国有化し、そこに放射性廃棄物の保管施設を造る」ように提言しています。

 (出演していた女優さんが住む)栃木県那須町では、除染のメニューが(高線量向けではなく)低線量メニューしか選べない、しかも簡素化した除染にしか補助が出ないそうです。そもそも、(チェルノブイリ並でいくと)最早帰れない、帰してはいけない5mSv以上の地域の除染をし、住民の帰還を促していること自体が、世界基準からすると違法行為だということです。その違法行為のお陰で、現在住民が住んでおり、本来徹底的な除染を行なうべき地域が、簡素な除染しかできないというおかしなことになっています。

 ちなみに、文科省が原発作業員に行なった疫学調査では、(100mSvどころか)10mSvの被曝で、(全体の)癌が4%、肝臓癌で13%、肺癌は2%増加したというデータがあるそうです。5mSvの汚染地域で2年、1mSvでも10年住めば、癌に罹患するリスクがここまで高くなることが、既に(政府の調査でも)分かっているのです。今政府が決定すべきことは、5mSv以上の汚染地域の移住と、1~5mSvの地域の徹底除染だと思います。(プロジェクトに携った)吉田さんが最後に言われた言葉は、「せめて子どもは県外に出したい」というものです。本当に、せめて(夏休み等を利用した)長期の「保養」プログラムぐらいは、直ぐに実行して頂きたいと思うのです・・・

P.S. 国の除染は、家の外側はしても、家の中はしてくれないそうです。飯舘村のある家の場合、家の中は約0.8mSv、窓際で2.1mSvで、(数値が分からないのですが)寝室が一番高たったと言っていました。これでは安心して眠れることはできません。帰還はすべきではないと思うのです・・・

P.S.2 浪江町の「戻りたい」30%の方々は、やはり高齢者の方々が多く、終の棲家として(故郷で)人生を全うしたいと思われている方々が多いようです。「ウクライナ法」で言えば、1~5mSvの地域で、住民の方々が居住する、帰還することを選択されるならば私に反対する権利は(全く)ありません。只、その地域で住むことで、(癌や白血病だけでなく)脳疾患や心臓疾患などが多発しているという事実だけは知っておいて戴きたいのです。また現実として、70%以上の住民の方々が帰還しない中、高齢者の方々だけで、地域を支えていくというのは非常に困難だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月29日)

タンクの高濃度汚染水漏れは7月から?

2013-08-28 12:09:14 | 日記
 (放射線量が高いから非常に困難でしょうが)タンク漏れでた場所や原因は特定されていません。昨日の報道では、別の場所(タンク)からも漏れていたとありましたが、どうも(複数のメディアで)漏れ出た時期は、7月前半頃だと東電は言っているそうです。(1ヶ月以上も隠していたということになります)もう、(事故処理能力・管理能力のない、しかも嘘つきの)東電の判断は良いですから、持っているデータを全て出して頂きたいと思うのです。

 また、別のメディア(ANN)によると、福島第1原発にある約930基のタンクの点検は、実質たった2人の職員が行なっていたそうです。見回り方法も、タンク1つ1つを点検するものではなかったそうです。セキの排出口だけ見てたのでしょうか?それだけでも、(排出口で)放射線を測れば、汚染水漏れは発見できると思うのですが、余りにも杜撰過ぎます。

 (人数は分かりませんが)規制委員会は常駐の検査官を同原発に置いており、これまでに人員を増やすよう指導もしていたそうですが、それに東電が従わなかったとコメントしています。規制委員会も(もっと人員を派遣して)自ら点検するなど、何かできたはずだと思うのです。(責任逃れのように聞こえます)いずれにしても、政府がフロント・ライン(前線)から遠く離れたところで、傍観している間は、汚染水問題に解決の兆しは見えては来ないと思うのです・・・

P.S. ちなみに、タンクの周辺には様々な配管やケーブルが地下に走っており、汚染した場所の土壌を取り除くのも非常に困難だそうです。しかし、(一番後ろから)国費を投じると豪語した国は、「タンクの汚染水漏れは「東電の杜撰な管理が原因」だとして、国費をタンクの汚染水漏れ対策に使うことは認めていないそうです。原発を推進してきた、そして過酷事故を招来させた国として、(事故の実態は東電のキャパシティイーをはるかに超えているですから)余りにも無責任で冷たい対応だと感じるのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月28日)

また別のタンクからも放射能汚染水漏れ

2013-08-27 17:32:17 | 日記
 300トン漏れたタンクの反対側に当たる南側の排水弁の周辺で、22日、高い放射線が計測されていたそうです。(計測はしていたけれども、隠蔽していたようです)政府は当然知っていたと思いますし、規制委員会もそうでしょう。(もし知らなかったとしたら、こちらの方がもっと大きな問題ですが)これまで報道してきたことも、本当かどうか分かりませんが、兎に角、他のタンクからも少なくない量の汚染水が漏れているということのようです。

 正しく緊急事態だと思うのですが、茂木大臣が言われるところの「国が前面に出る」という意味が掴みかねています。研究費名目だった予算が、今度は予備費から、前倒しで出るようになっただけで、前面どころか、やっと後方に姿を現しただけのようにしか感じられません。フロント・ライン(前線)で、命懸けで闘っている作業員の方々のことを思うと、腰の引けた東電役員や、一番後ろにやっと立った(これまで原発を推進してきた)国のお偉い方々に本気になって戴きたいのです。

 昨日のイギリスBBC放送では、「原子力規制委員会が原子力事故の深刻さを表す評価を引き上げることを検討していると伝えたうえで、この状況は、おととし福島第一原発の原子炉でメルトダウンが起きて以来の深刻な状況」だと報告しています。メリカのCNNテレビも、「現場は高濃度の放射性物質のため、なかなか近づくことができず、事態を収拾するためにどれだけの時間がかかるか分からないなどと、事態の深刻さを伝えて」います。

 実は(タンクからでなく)海に漏出している地下水は1日300トンといわれており(タンクからの漏出で、汚染される地下水はもっと増えそうですが)、海の放射性物質の濃度も上がっています。トレンチ(坑道)に溜まった超高濃度の汚染水も(1日10リットルほど)漏れ出ているとも言われており、(規制委員会の言うように)最早レベル3を超える放射能汚染水漏出事故であり、(BBCの言う通り)メルトダウン以来の深刻な事態」と思われます。予算だけ付けて、後方で佇んでいるだけでは、もうこの事故を終息させることは不可能だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月27日夕)

「原発事故被害者の救済を求める全国運動」

2013-08-27 12:11:51 | 日記
 福島第1原発事故の被災者や支援者、消費者団体からなる実行委員会が、「原発事故被害者の救済を求める全国運動」を始めたそうです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)民法上、(最短で)来年3月に時効が消滅する福島第1原発事故による損害賠償請求権の問題の解決することや、全ての被害者に十分な権利の行使期間が認める「特別立法」を求める請願への署名を、500万人を目標に集めて11月に国と国会に提出するそうです。

東電のこれまでの対応を見ると、時効が切れれば最早賠償などするつもりはないように思えます。被害を受けながら、賠償すら得られない方々が出ないように、やはり支援が必要だと思います。(どれだけ力になれるかは分かりませんが)この署名運動にはできるだけ協力できればと思っています。

また、同実行委員は、「原発事故・こども被災者支援法」の「基本方針」の早期策定も求めていくそうです。先日も、「支援法」ができて1年2ヶ月が経過しても、「基本方針」すら策定しないのは、国の不作為(違法)だとして、訴訟を起こされました。(原告は福島市、伊達市、郡山市、いわき市、宮城県丸森町、栃木県那須塩原市の19人)また、原告が「支援法」の対象であることを確認することも訴訟の目的だそうですが、汚染地域も、対象住民も特定してない同「支援法」のままでは、到底支援を得られるとは誰も思われないでしょう。裁判自体の成果は厳しいかも知りえませんが、誰かがこうした裁判を起こし、署名運動をしていくしか、如何ともし難いのも現実です。できる範囲で、可能な限り支援できればと思うのです・・・


by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月27日)

福島第1原発に地下水対策のダムを!

2013-08-26 11:32:39 | 日記
 24日、東電の相沢副社長は、フランジ型のタンクを溶接型の置き換える「リプレース」計画を検討していると述べたそうです。(以下、参照は『朝日新聞』)これは多分、350基全てのタンクを交換するということだと思うのですが、やはり直ぐにということにはならないと思います。また、汚染水が漏出、或いは漏れた3基のタンクについては、(実は)2011年6月に一旦設置し、水漏れがないか水を張って点検した際に、20センチほど地盤が沈下、その影響がないか一度解体したあと、現在の場所に同年10月に設置し直したとのことです。(こうした使いまわしも、後から聞くと、非常に不信感を増幅させます)

 移設の際には、地盤沈下の影響を施工会社に計算させ「問題がない」との報告を受け、水漏れがないかも確認しています。しかしながら、実際は地盤沈下の際に、ゆがみや損傷が起きた可能性があります。1,000トンにも及ぶ水圧で、かすかな亀裂が拡大したのかもしれません。いずれにしても、突貫工事で設置場所を造成しており、(汲み上げたり、遮水したり、流れが変わったり)地下水の影響などもあって、地盤沈下は今後も起こる可能性があります。

さらに、造成地の上に張ったコンクリートも、十分に乾く前に、タンクを設置している可能性が指摘されています。このような状況では、フランジ型のみならず、溶接型を設置した地盤でも、沈下が起こる可能性は否定できません。沈下によってゆがみが生じ、(水漏れ試験の時点では漏れがなくても)時間の経過と共にゆがみが拡大し、タンクに亀裂が入る危険性は、溶接型でも同じことだと思います。少なくとも、沈下があった場所に設置していたタンクを使い回すことは、安全の点から止めるべきです。

いずれにしても、抜本的な地下水対策がなされないと、(その場だけの対応では)増え続ける汚染水問題は解決できません。(現場の対応も限界ではないでしょうか?)規制委員会でも地下水を上流で汲み上げるようにとの意見が出ているそうですが、汚染される前の地下水を溜める小さな「ダム」を造って、海に放流するプロジェクトを、国が先導して実施して頂きたいと思います。(世界有数のダム建設の技術を持つゼネコンを使って)福島第1原発に地下水対策の為の小さなダムを、できるだけ早く造って頂きたいと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月26日)

移送できない「フランジ型」タンクの汚染水 

2013-08-24 13:24:52 | 日記
 タンクを1日2回も見回りながらも、今回の大量の汚染水漏れに気づかなかったことが問題になっています。規制委員会の調査で、点検しても記録すらつけていなかったことが判明しましたが、(私が思うに)目視だけで通り過ぎていただけで、放射線の測定すらしていなかったのではないかと思います。記録などなくても測定していれば、高い線量が一度でも出れば必ず漏れ出ていることが分かるはずですし、そもそも線量計を付けていれば、(セキを一周すれば)漏れている場所の近くを通過するはずで、(きちんとした被曝管理をしていれば)かなりの被曝をしていることで異常が分かるはずです。

 政府には、「(放射能)汚染水処理対策委員会」というものがあるそうです。昨日開かれた同委員会で、東電はタンク周辺の土壌汚染の調査計画を説明したそうですが、(これもまた何度も書いてきましたが)東電に汚染水をコントロールする能力はないと思います。東電がどうするかではなく、政府が実態を調査し、どうすべきかを決定し、自ら汚染水の問題解決に動くべきです。その為に必要な人員を確保し、予算を付けて為すべきことを実施すべきです。

 原子力規制委員会も同様です。原子力災害対策本部の副本部長である規制委員長は、それだけの職責と権限があるはずです。東電の杜撰な管理の責任は、規制委員会にもあるのです。(規制委員会も)漏れるだろうと思っていたタンクから漏れ出た以上、東電だけにその責任を押し付けることはできません。政府とともに、この汚染水対策に身を投じる役割が課せられているのです。杜撰な管理のその「管理責任」が問われているのです。

 また、東電が「フランジ型」に保管されている汚染水を「溶接型」に移すとしていた計画ですが、(理由は出ていませんでしたが)規制委員会が不可能と判断しました。(当然ながら)移送するタンクに、350基(35万トン)分の余裕がないということだと思います。溶接型のタンクは、(猛暑の中、完全防備の作業員の方が)現地で溶接する必要があり、出来上がるのに数ヶ月掛かるそうです。増え続ける汚染水を保管する為に急遽利用したのが「フランジ型」のタンクだったわけですから、現時点では(移送しようにも)どうしようもないということのようです。

 まだ、どれだけの汚染水が海に漏出し、土壌汚染がどれほど広がっているのか、地下水の汚染状況も何も分かってはいません。地下水まで汚染されていれば、汚染されていない地下水を海に流す計画も頓挫してしまいます。もっと上流から地下水を汲み上げる必要があるとの指摘も(規制委員会から)出ています。やれることは全てやっていくしかないと思います。国、規制委員会、東電、関係者全ての力が結集されなければ、最早この汚染水問題はどうにもならないところまできていると思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月24日)

続くタンクからの高濃度汚染水漏れ

2013-08-23 13:42:26 | 日記
 (場所は分かりませんが)高濃度の放射能汚染水を保管している「フランジ型」の別のタンク2基の底部から70~100mSv/時の放射線が検出されました。タンクの水位は下がっていないとのことですが、漏れ出ていることは明らかです。東電は今後、「フランジ型」のタンクに保管されている汚染水を全て、「溶接型」のタンクに移送する予定です。

 タンクには、汚染水が漏れ出た時に溜まるように「セキ」が設けられていますが、東電はこの「セキ」(堰)の排水弁を全て開けていました。開けていれば漏れ出ても、そのまま排出されますから、何の為に「セキ」を設置しているのか分かりません。(いくら手間でも)雨が降ったときに、放射線を測定した上で排出するべきで規制委員会も排水弁を全て閉めるように指示しました。この他にも、5基に1つしか設置していなかった水位計を全てのタンクに付けること、これまで1日2回だった見回りを、3時間に1回するようにとの指示も出しました。

 今回点検で見つかったタンクの漏れは、底部でしたし、300tも漏れ出したタンクも、底部に亀裂が入って漏れた可能性があります。1、000の水圧はかなりなものだそうで、何らかの理由で亀裂が入った可能性があります。また、これまで4回漏れているボルトの接合部分や、(ある専門家によると)パッキンが(夏は暑さで)膨張、(冬は寒さで)縮小して漏れた可能性も否定できないそうです。本日は、規制委員会が現場調査を行い、漏出箇所の特定や、地下水層へ到達しているかどうか調べるとのことです。

 私が一番危惧するのは、300t漏れたタンクは4号機の山側にあり、(量は分かっていませんが)汚染水の一部は海へ、残りは土壌に滲み込んでいるようです。これまで、汚染せずに海へと流れていたとされる(1日)約300トンの地下水も、今回の高濃度汚染水が滲み込んだ土壌に触れて、汚染水となって海へ出てしまうことです。汚染の範囲と地下水への汚染の影響が、非常に気になります。

 (気になっているのは私だけではなく)海外のメディアでも大きく取り上げられています。CNNは「技術的にも政治的にも解決が難しい」と、問題の困難性を指摘しました。「汚染水のコントロールができていない」との論調のコメントもありました。IAEAも、この汚染水問題を「最大の難題」だと指摘しています。最早放射能汚染水問題は日本国一国の問題ではなくなってきているということです。日本にはアルプスと同程度の(水処理)施設もあるそうです。(安倍さんの言われるように喫緊の問題なのです)まずは、日本として為し得る最大の努力を傾注し、また海外の国々の協力を要請しながら、是非とも問題の解決に向って頂きたいと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月23日)

レベル3高濃度放射能汚染水漏出事故

2013-08-22 09:41:25 | 日記
 原子力規制委員会は昨日、タンクからの高濃度放射能汚染水漏出事故をINESレベル3「重大な異常事変」と評価しなおしました。300トンもの大量の放射能汚染水が海へ漏出するという、新たな原発事故が生じたのです。(溶接型でない)「フランジ型」のタンクは、簡易タイプで対応年数も5年(もっと短いとも)と言われ、増え続ける汚染水に急遽対応する為に用いられたのですが、継ぎ目が漏れる危険性は導入当初から指摘されており、これは正しく人為的なミスであって、起こるべくして怒ったヒューマン・エラーです。(水位計すら付けていませんでした)

 只、この汚染水問題は、今回のタンクからの漏出事故に留まりません。そもそも冷却水を掛け流すしかないこの3基の原子炉の、建屋やタービン建屋の地下から極めて高濃度の汚染水が漏出している事故自体が解決できない以上、最終的な解決にはなりません。さらに、敷地内に流れ込んでいる地下水です。約1,000トンの内、400トンが建屋などへ流入し、汚染水となって漏出、また約300トンは建屋周辺に(漏出し)滲み込んだ放射性物質に触れて汚染水となりやはり海へ漏出しています。この地下水対策も根本的な対策が講じられない限り、汚染水問題は収束しません。

 さらに、増大する放射能汚染水の保管の問題です。現在タンクの総量41万2千トン、約8割に当たる34万6千トンも汚染水が既に保管されています。この汚染水は増え続けていくわけで、その保管場所とタンクの設置だけでも大変な作業です。(2015年には70万トン、16年度中に80万トンにする予定)7つ造った地下貯水槽からも汚染水漏れ事故が起きて、使えなくなり、今回簡易タンクから大量の高濃度汚染水が漏出、海へと漏れ出てしまいました。レベル3の異常事変です。

これは破綻というよりも、最初から管理などできていない、事故がさらに事故を呼び、対処できてない状態がどんどん膨れ上がっている状況で、国家として総力を挙げて対処しなければならない国難で、正しく「有事」以外の何物でもありません。もし日本だけで対処し切れないというのならば、米国をはじめとする核大国の支援を得なければならないのではないかと思います。至急、原子力災害対策本部に放射能汚染水対策チームを作って、総力を上げて対応すべき重大な危機だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月22日)

18人の子どもに甲状腺がん

2013-08-21 12:39:06 | 日記
 (『朝日新聞』によると)「(原発事故当時18歳以下だったこどもの)これまでに結果が判明した約19万3,000人のうち18人が甲状腺がん、25人が疑いありと診断された」とのことです。診断の結果が出てくるに従って、がんの子どもたちの数も、残念ながら増えてきているようです。通常100万人に1人から2人の発症率と言われていますから、100倍近い数字になります。実に1,1000人に1人の割合です。(疑いのある子どもも含めれば、4,500人に1人です)ドイツのコーブレイン博士の、甲状腺癌が3,800人に1人の割合で発生するとの推測に、(恐ろしい現実ですが)既に非常に近い状況になりつつあります。

 福島県は、「複数の検査でがんやしこりの大きさがほとんど変わっていない」ことや、進行のゆっくりしたタイプだということで、「被曝の影響は考えられない」、「事故以前からできていた」としていますが、チェルノブイリ事故後2年で思春期の子どもが甲状腺がんを発症しており、被曝の影響がないなどとはどうしても考えられません。(以前も書きましたが)放射能汚染地域は福島県内だけにとどまりません。線量の高い全ての地域の子どもたちを検査し(被曝との関連性を明らかにして)、適切な治療が受けられるようにして頂きたいと思うのです・・・

P.S. タンクから漏れた汚染水300トンは、1ℓ当たり約8,000ベクレル、300トンで約24兆ベクレルだそうです。東電の調査では、海には漏出していつ可能性は低いと言っていますが、タンク自体からは未だ漏れており、実は長期間にわたって漏れ続けていたとのことです。(過去4回の漏出の全てとなる)「フランジ型」と呼ばれるタンクは、ボルトで締めているだけですから、どうしても継ぎ目から漏れる構造のようです。同型のタンクは敷地内に設置された約1,000基のうち約350基あり、同様の漏れが既に出ているものもあるかと思われます。極めて重大なトラブルだと思います・・・

P.S.2 東電は、高濃度汚染水が滲み込んだ土壌を撤去し、さらに土嚢を積んで汚染水が漏れ出ないように対策を講じるそうですが、最早原発内の汚染水対策全てが(最初から)「破綻」している状況です。福島県の佐藤知事は、「(放射能)汚染水対策は、国家としての非常事態」であると国の認識と関与を強く求めていますが、まさに「緊急事態」が事故直後からずっと続いているのです。国としてどのように対処するのかが問われているのです。民主党政権の対応は実に酷いものでしたが、自民党(公明党)政権になっても、余り対応に変化は見られません。緊急事態だとの認識、危機感が感じられません。(大きな余震が指摘されている中)一体どうなるんだろうかと、本当に恐ろしく感じます・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年8月21日)