プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

尖閣をめぐる米国の思惑

2012-09-30 10:46:25 | 日記
 1971年の沖縄返還協定署名の直前、CIAによる尖閣諸島に関する報告書である「尖閣諸島紛争/荒れる海底の石油」と覚書「尖閣諸島紛争の政治的意味」が発見されました。(以下、引用は『朝日新聞』)両(極秘)文書によると、「当時の中国は、石油の国内需要が高くなかったことなどから比較的穏やかな」主張だったとし、一方「沖縄返還時に尖閣諸島の領有権を台湾に渡すよう・・・強く求めて」おり、当時の両国の姿勢の違いが覗われます。

台湾は、米国の統治下であった1968年には、尖閣諸島に漁民が上陸、米国の抗議に対して「米国の施政権を認め」ていますが、返還後の尖閣についての領有権問題では、「短期的な争いの規模は日本と中華民国(台湾)の間が最も大きい」、「台湾軍による尖閣上陸などの可能性も『排除できない』」とCIAは見ていました。また(そうした日本と台湾の状況の中で)中国が、「尖閣諸島問題を使って日本への接近を試み」、「日米間に・・・くさびを打つ」可能性を警戒しています。

こうした中、米国は沖縄と共に尖閣諸島を日本に返還することを「決定」するわけですが、「(尖閣の)日本への返還は、(領有権の)主張に対し米国が何らかの立場をとることを意味しない」として、「中立」の立場をこの時点から表明していたことになります。実は1951年のサンフランシスコ平和条約においては、「米国が引き続き統治する沖縄などの一部として尖閣諸島は明文化されていなかった」そうで、ここに米国の思惑があったことは間違いありません。

つまり、状況次第で日本にも、台湾にも、或いは中国にも、尖閣が「返還」できる布石が打たれていたということです。この尖閣の領土(領有権)という「カード」を持ったまま、米日、米台、米中関係を、米国の望む方向へ動かすことができる権利を手にしていたということです。米国は自ら「決め」ながら、領土(領有権)問題には関わらないと公言しています。主役(米国)は陰に隠れ、中国や台湾の矢面に立たされているのは日本です。沖縄を実質的に(軍事)占領しながら、領土(領有権)問題には関与しない、安保条約の適応範囲だと公言しながら、巡洋艦一隻も出そうとしませんし、米国統治下の時のように、抗議すらしません。日中或いは日台両国が「平和的に解決」するようにと、偽善的な物言いをしているだけなのです。

 (私などは)経済的には抜き差しならない(まさにウインウインの)関係となった日中が、(チャイナスクール「親中派」というより)「チャイナパーティー」(中国党)とも言える民主党政権となり、さらに政治的にも抜き差しならない関係にならないよう、「・・・くさび」を打つ為に尖閣を利用したようにしか思えないのです。いずれにしても日本は、(竹島問題も含めて)中台韓の三国と、非常に厳しい外交問題を抱えているわけですが、その(官僚も政治家も含め)「外交」が全く機能していないように思える点が、非常に危惧されるところです・・・

P.S. (世界で唯一)尖閣に関して領土問題はないと言うのなら、(野田首相は)その主張を一貫して、国連で発言などしなければ良いのです。「無い」のだから、言及すべきではありません。それを、遠まわしに批判などをするから、「盗人」扱いされるのです。(正直、腹が立ちました)尖閣は盗んだのではありません。実力(暴力)を行使して奪い取ったのです。ですから敗戦直後の日本政府は、(沖縄も含め)尖閣諸島を「占領地」として、日本固有の領土(「本邦」)でないことをはっきりと規定しているのです。やはり最終的には、領土は「切り取り次第」であって、実効(実力)支配以外にはあり得えないのです。「口先」で国際社会に訴えたからといって、誰も(暴)力など貸してはくれないと思うのです・・・

P.S.2 (妄想だと思って読んで下さいね)米国(CIA)はやはり、日中が「政治的」に接近するのを望んでいないように思います。中国に100人以上の国会議員を引き連れて「参拝」した小沢さんを、(証拠など何もありませんが)検察を動かしてまで画策、とうとう小沢さんが首相になる芽を摘んでしまいました。もし民主党政権が、(例えば)尖閣を「共同管理」した上で、領土問題を解決し、さらなる経済的な結びつきを深め、政治的にも急接近する動きを見せれば、間違いなく(民主党政権の)「討幕」に取り掛かるでしょう。そうならないように、今回は「尖閣国有化」のカードを切らせたように思えるのです。(あくまで妄想です)兎に角、米国とも中国とも「仲良く」しなければ生きてはいけない日本は、どちらとも「親し過ぎない」関係を保ち続けなければならないという、困難な状況にいるということなのです・・・

P.S.3 食品に含まれる放射性物質の基準を超える物が、4月から検査した約11万4千件件の1%、1,394件に上り、(青森、宮城、福島、茨城では、スズキなど延べ52種類の魚で基準を超えて出荷停止)計10県で延べ108品目が出荷停止に追加されました。岩手県の一関市では、今月ホウキタケから基準の14倍(1400ベクレル)が検出され、出荷停止になっています。流通品からも5ヶ月で(基準超えが)14件あったそうですが、行政の検査は出荷前の検査が主で、流通検査は月100件ばかり、サンプルをすり抜けた汚染食品が流通していても、誰も分からないのです。また、缶詰などの加工食品や外食産業に汚染食品が流れているとの指摘もあり、(放射性物質だけに限っても)食の安全を確保するのは容易なことではないようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月30日)

原発稼働でも電気料金は1.7倍?

2012-09-29 12:23:36 | 日記
 原発をゼロにすると、2030年代には電気料金が2倍になるという政府の試算、(政府や官僚の試算がまともに当たったことなどありませんから、正直言って)そうはならないと私は思います。ただ、原発を稼働し続けたとしても、電気料金は1,7倍になるという試算もあります。(以下、引用は『朝日新聞』)慶応大の野村准教授は、稼働して1.7倍、ゼロで2.1倍の約24%割高、地球環境産業技術研究機構は、稼働1.7倍、ゼロで約18%割高、大阪大の伴教授は、稼働1.2倍、ゼロ1.5倍の25%割高、稼働してもゼロでも電気料金は1.4倍だとしたのは国立環境研究です。(全て政府の資料を元にした試算です)いずれにしても、稼動しても料金は1.5倍程度は上がるとの試算で、それも2割強割高であるだけのことです。(危険なものでも使い続ければ、その分減価償却費に差が出るのは当然です)

 また、「原発をゼロにしても、電気代は現在の半分に減る」と試算したのは、科学技術振興機構の低炭素社会戦略センターで、(2030年代までに)「家電製品や住宅の省エネが進めば、消費量は大きく下がる」、その分電位料金は下がると見ているわけです。政府の試算にはこの省エネ効果は計算に入っていませんし、昨年・今年と浸透した節電意識とその効果、企業の自家発電や他業者による参入、(アメリカのアーティスト達は環境汚染を理由に反対していますが、シェールガス革命による)液化天然ガスの大幅な低下、何より20年もすれば国内産業の空洞化はさらに加速して、電気需要そのものが激減し、電力不足どころか、電力がだぶつく可能性のほうが高いのであって、電気料金は上がらないのではないかと私は考えています。

 兎に角、原発は止まれば巨額な不良債権ですが、稼働していても、かなりの税金を突っ込んでいるわけで、さらにいずれにしても、廃炉費用や使用済燃料の処理或いは核廃棄物の保管等で、莫大な費用が掛かり続けるのです。ですから、(私たちが電力会社の経営など心配する必要などないのであって)経営上云々で、原発を稼働するという企業の論理は、この余りに大きな危険性と想定される被害に鑑み、到底許容できるものではないということなのですが、(多くの国民の願いとは裏腹に)世界の流れも、政府の方針もそうじゃないということのようです・・・

P.S. 石油と連動して液化天然ガスの価格が決まるアジア(特に日本と韓国)の値決め慣習を見直そうとの(政府の)動きがあります。世界で(ダントツで)一番、安定的にガスを買っている日本、買い手市場なのですから、(ロシアも日本に天然ガスを売りたがっていますし)かなり安く輸入できるよう改定できるはずです。これまでは、いくらコストが掛かっても、電気料金に追加すればよかったわけですが、国民が厳しい目を注ぎ続ければ、こうした慣習も少しは改善されるものと思うのです・・・

P.S.2 建設中の原発の工事再開決定を見ても、2030年代に原発をゼロにしようとは全く思っていない野田政権ですが、やっと発足した規制委員会を、その再稼動を自動的に決定する為の「稼働推進機構」にする思惑のようです。再稼動を「稼働推進機構」が決定し、地元の了解を取り付けるのは電力会社に丸投げし、政府は責任を放棄しようとしています。その「規制」をしない「稼働推進機構」は、政治判断で再稼動した大飯原発には関与しない方針です。規制をするというのなら、まずは稼働している原発から、その「危険性」を精査・検証するのが当たり前のことです。その「政治判断」を重視する姿勢こそ、完全に政治に服しているという証左ではないでしょうか・・・

P.S.3 福島の1人の子どもが甲状腺癌が発症した問題で、政府は発症までに1年半は掛かるから原発の影響ではないとしています。しかし、(済みません手元に資料がないのですが)1年以内に発症している例は(少なくても)あるそうです。また、あるはずです。(放射性物質に対する)感受性の強い子、(放射性物質を吸い込む)地上からの距離が近いという子どもの物理的な点や、(事故直後に)ホットスポットなど非常に高い線量で放射線を浴びてしまったり、内部被曝した放射性物質が突出して多い方は、1年半など経たなくても症状が出たり、発症しても何もおかしくはありません。それを証明することができないからといって、逆に否定できるわけではないのです。それは単に、事実を隠蔽しようとしているだけではないかと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月29日)

チェルノブイリ事故「ウクライナ報告書」

2012-09-27 12:50:41 | 日記
 過日のNHKのETV特集、今回は、今尚4~5μSv/時という高線量のウクライナからの報告書です。(要約してご紹介します)

 事故から26年、汚染地域で育った子どもたちの75%に甲状腺に障害が見られ、その他にも、脳血管障害、白内障、心筋梗塞、、白血病、気管支炎等、様々な症状が出ています。ウクライナでは、住民の健康の為、236万人が登録して、病名と既往歴の検証を行なっています。その結果、事故による放射性物質の影響は、単に癌や白血病だけでなく、9割が心臓や血管の病気として現れています。心疾患では、一般の人の実に3.2倍から4.8倍も発症率が高くなっているのです。

 コロステンという町では、5mSv以下の場所には住民が住み続けており、住民に様々な疾患が出ています。牛乳や肉、キノコやベリーなど、やはり食物からの内部被曝が原因で、肝臓や胃、脾臓など、あらゆる組織にセシウムが蓄積しているとのことで、白内障では、線量との比例的な関係が見られるとのことです。しかし、こうした事実に対して、国際機関は「因果関係を証明する為の疫学調査が必要」だとして、認めようとはしません。疫学調査を行うにも、それまで政府はデータを隠蔽してきています。移住により住民も拡散し、現実的には不可能な状況です。

現在認められているのは、甲状腺癌だけです。事故直後の放射性ヨウ素なくなっても、事故後、大人も、その後生まれた子どもたちも、甲状腺癌の発症率は上がり続けているのです。ウクライナでは、5mSv以上は強制移住、それ以下の地域では緻密な放射性物質の測定を行い、徹底した除染を行ないました。5年間で120億ドル、一軒当たり300万円を掛けて実施しましたが、効果は薄かったそうです。その後の経済危機で半分が中止となっています。汚染地帯に住み続け、被曝した住民の子ども32万人に内分泌疾患や脊椎が曲がったり、慢性疾患が非常に増加しているとのことです。しかも、こうした病気の治療費は自己負担なのです。

こうした状況がある中、低線量被曝の事実を認めようとしない政府や国際機関に対して、コロステンの市民は「チェルノブイリの教訓が無に帰してしまう」、「私たちの失敗を繰り返して欲しくない」として声を挙げ、闘っています。未だに「ウクライナ報告書」は、国際社会から認められていないというのが現実なのです。フクシマでは避難基準が20mSvとウクライナの4倍です。これが意味する事実を、私たちは無視し続けることはできないのです・・・

P.S. 胆管癌の死亡率が平均の2,900倍だった大阪の印刷会社「SANYO-CYP」、まさに異常な値ですが、この洗浄剤に使われていた化学物質、1-2ジクロロプロパンは、1986年米国でのマウス実験で発がん性があるとして使用が制限されています。(参照は『クローズアップ現代』)これを厚労省は認めず、2006年まで使い続けること20年も放置してきました。規制をしたのはやっと昨年です。米国では、有害情報を発表しないと莫大な罰金が科せられるそうです。薬害エイズも水俣もアスベストも、重大な危険情報が無視、或いは隠蔽されて被害者が増加しました。米国が指摘した1-2ジクロロプロパンの危険性が国民に知らされなかったことは、厳しく断罪されるべきだと思うのです。ちなみに、同会社で亡くなった方の遺族は、「会社に良くして貰った」と話しているそうです・・・

P.S.2 東大の児玉教授は、「専用の焼却炉でガレキを燃やして放射性セシウムを凝縮させた上で、それが漏れ出さないようにコンクリートで覆われた専用施設で管理するように提唱」されているそうです。武田先生ではありませんが、100ベクレル/㎏が法律で定められた放射性廃棄物の基準ですから、法律に則ってこうした管理が行なわれるのは当然のことだと思います。「広域処理」を御旗にして、強引に各地に放射性物質を拡散している環境省は、「環境破壊省」と呼ぶべき役所だと思います・・・

P.S.3 石巻市のガレキを受け入れた北九州市への搬入では、「(ガレキを積んだ)コンテナ船の周囲を海上保安庁の巡視船や巡視艇、ヘルメットを被った海上保安官が乗るゴムボートが取り囲」んだそうです。市民の反対運動は今尚続いているそうですが、(運搬費にさらに膨大な経費を掛けて)放射性物質を無用に国内に拡散させる政府の方針に、強い憤りを感じざるを得ません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月27日)

伊方原発運転差止訴訟 第2回口頭弁論

2012-09-26 12:37:12 | 日記
 「伊方原発運転差止訴訟」の第2回口頭弁論が開かれましたが、前回同様、傍聴の抽選にはずれ、報告会での説明を受けました。そもそも、原告が法廷に入れないこと自体がおかしいのです。何故、原告が傍聴の抽選を受けなければならないのでしょうか?弁護団との折衝で、原告枠32名はやっとのことで確保していますが、600名を超える原告の20分の1しか入ることはできません。申し入れはしましたが、大きな会議室や別の場所で行なうことを裁判所は拒否しています。また、かつての「伊方原発訴訟」で認められた録音も、今回申請はしましたが却下されています。

 一方被告である四国電力は答弁書で、「福島第1原発事故で発生した事象が、本件発電所にも発生しうるかのような原告等の主張は誤りである」としながら、その主張を立証する為の(証拠となる)書証や資料の類を一切出そうとしません。(県警の裏金裁判と全く同じです)原告側が、被告の主張の不明な点を問いただしても、これまた一切答えようとしないのです。いわんや、争点が定まっていないとして、兎に角、裁判の進行を遅らせる作戦のようです。

被告は、未だに5重の防御があるから「安全」だとする四国電力に対して、原告側は既に第25号証までの「危険性」を示す証拠を提出しており、原発の「安全」を主張する被告と、原発は危険だとする原告との主張の違い、「争点」は全く明らかなのです。被告は、(弁護団の中川弁護士によると)「私が安全であるから安全だ」と言っているだけなのです。(大抵の国を相手取った裁判がそうなのですが)非科学的な論理に終始して、まともな答弁をしようとはしません。こちらの剛拳(暴力)を、のらりくらりとかわす「戦法」なのでしょう。最後は「最高裁」でひっくり返せば良いとの「戦術」(最大の暴力)を持っていますから、これで十分との思惑なのです。

 こうした経緯が5年、10年と続けば、(暴力を振るうどころか)原告は精神的にも金銭的にも肉体的にも疲れ果て、下手すると裁判所にも行けない、そのうち命も限りが訪れるということになりかねません。それがまた、最大の「戦略」なのでしょう。その点、四国電力は企業としても「永遠に不滅」ですから、何十年経っても問題はありません。ここにも、原告の勝てない理由があるのです。皆さん真面目な方ばかりで、(私のような原告がいると憤慨されるかも知れませんが)真剣に勝訴を勝ち取るとの強い思いで望んでおられます。(私の思う逆の結果が出れば良いのですが)しかし結果は見えている、(正直、裁判所にも、四電にも、そして政府にも憤りを覚えますが)そう思わざるを得ないのです・・・

P.S. (30年代)原発ゼロの政府の「閣議決定」の動きにアメリカは、クリントン国務長官は野田総理に圧力を掛け、安全保障センターのクローニン上級顧問は、「閣議決定をして政策を縛れば、見直せなくなる」として米国として強い反対を行なっています。世界の原発推進(建設)の流れの中で、5大国についで、唯一ウランの濃縮と再処理を認められている日本が、ここで足抜けすることは許さない、との強いメッセージ(とい言いますか「命令」)です。この「命令」には逆らえないわけで、事故後の世論に向けて、(選挙のこともありますし)とりあえず「ゼロ」は表明したけれど、米国の圧力に閣議決定すらできなかった、それが日本の現状なのです・・・

P.S.2 一方で、尖閣の国有化は「閣議決定」しています。勿論、米国とは折衝済みで、きちんと「許可」を得てのことでしょう。「国有化」に反対する胡主席からは、「日本は事態の重大性を十分認識し、間違った決定をしないように」と圧力を受けていました。昨日は台湾の漁船団が尖閣に向かっているそうですが、実効支配している尖閣の「国有化」には、何のメリットもないのです。中国外務省は、「野田政権は国家主席・・・の言葉の重みも理解しなかった。せめてタイミングを遅らせる配慮ぐらいできただろうに」とぼやいています。(妄想ですが)ひょっとしたら米国は、こうした事態を予想して、「閣議決定」を認めたのかもしれません。日中の紛争を高みの見物とし、(いずれ)調停に入って漁夫の利を得る、そうした戦略なのかもしれません。(腹を痛めずに)米軍の存在感を示し、「リップサービス」だけでオスプレイの配備を呑ませ、中国にも圧力を掛けることができる、1石3鳥です。(あり得ない話なのでしょうが)こんなシナリオをCIAが書いて、それにまんまと乗せられたのだとしたら、泣くに泣けない現実です。いずれにしても、明るい未来は展望できない政権であることだけは間違いのないことのようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月26日)

第4回「原発事故避難住民100人調査」

2012-09-24 12:20:47 | 日記
 朝日新聞が行なっている避難住民の方への面接による調査、(ご購読されている方はお読みでしょうが)フクシマの声です、ご紹介します。

 住んでいた地域に(できればも含めて)「戻りたい」方は24%、昨年の6月と比べると半数以下になっています。除染については、「あきらめる」が39%でトップ、続いて「森林を含め年間1mSv」を望む方が36%となっています。除染は現実的に無理、帰るなら年間1mSvが(最低)条件とのお考えだと思います。(年間50mSvを超える)「帰宅困難区域」をどうして欲しいかとの問いには、(以外だったのですが)「放射性廃棄物の貯蔵場所」がトップの34%、続いて「元の生活の場に戻す」となっており、戻れないなら、処分場を造ることを容認される方が多いということだと思います。

 復興の遅れの最大原因については、「政府の判断や決定の遅さ」が27%、「政府の責任が曖昧」が24%、「政府に新しい発想がない」が14%、「首相の指導力不足」が14%と、やはり政府の対応の拙さ、遅さが復興を妨げているとのお考えです。(私も全くの同感です)仕事の復帰見通しについては、「ない」が44%と「ある」人の9%と比べても、再就職の困難さ、厳しさが覗われます。「現在の収入源」は68%が東電からの賠償金であり、やはり、政府の緊急の雇用対策が不可欠だと思うのです。

 最後に「今後の原発」については、「やめるべきだ」49%、「減らす方が良い」39%と、脱原発を望む方が増えてきているとのことです。しかしながら、事故が起きても尚、事故がなかったかのような政府の対応を見るにつけ、或いは世界の(原発を含む)「核」の現実を見るにつけ、(キリスト教では大罪だそうですが)絶望的な感慨を持たざるを得ないのです。戻りたいけど戻れない、というのは、「核」の世界も同じなのです。一旦踏み入った以上は戻れない、それが「核」の現実だということだと思うのです・・・

P.S. 「帰れないなら、別の土地に行っていくらでもがんばる。いつまでも『仮設』では前に進めない」と50歳の男性は行っています。帰れないなら帰れないと、はっきり言うべきだし、その方が被災者の為だと思うのですが、それを政府は逃げている、そのように思います。また、責任を逃れたい(或いは、持つつもりすらない)政府に、それを期待するのは無理なことかもしれません。まさに「自主」的な判断を求める、ということなのでしょう。しかし、「『戻らない』と決めた人への支援策は、現時点ではほとんどない」というのが(過酷な)現実のようです・・・

P.S.2 福島第1原発から110キロ以上離れた、宮城県石巻市のガレキですが、昨年10月のサンプル調査では、同市工業港地区で116bq/kg(可燃ガレキで101bq/kg)、これでも測定した県内11市町村では下から4番目だったそうです。「市内では、がれき焼却反対の動きは全くない」(ほんとですか?)そうですが、市民としては、「一日でも早く片付けて欲しい」との思いなのでしょうが、100ベクレルを超える放射性廃棄物は、(日本の甘い法の基準でも)厳重に管理しなければならない「危険」な物なのです。それを(まともなバグフィルターもついていない)普通の焼却炉で燃やすというのは、法律違反だと私は思います。正直、正気の沙汰ではないと思うのですが・・・(私の方がおかしいのかなあ・・・)

P.S.3 明日は「伊方原発差止訴訟」の第2回口頭弁論です。福島から避難されている渡辺さんも含めて3人の方が意見陳述をされます。私も原告の1人として裁判所には行きますが、抽選がありますので、傍聴は多分無理でしょう。報告集会がありますので、参加したいと思います。原告でなくても、少しでも原発をなくしたいとの思いのある方は、松山地方裁判所に来られて下さい。(1時半です)裁判もまた、デモ同様「暴力」の一種ですが、(もっと頭の良い方は、違うやり方、生き方があるのでしょうが)これもまた(少なくとも私のような者には)他に為すべき術が見つからないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月24日)

日系企業は日本の企業?

2012-09-23 14:13:57 | 日記
 日系何世と言えば、通常外国にいる日本人の血を受け継ぐ(アメリカ人だったりブラジル人だったり)日本国籍でなく外国国籍の方が殆どだと思います。じゃあ日系企業は、外国にある日本の資本を元にした外国の企業が大部分ということになります。尖閣国有化で被害を受けたトヨタやパナソニックは、既に「多国籍企業」として、言わば日本の企業というよりも、日本の「血」(資本)の混じった外国(無国籍)企業といっても過言ではないわけです。

 現在中国では、2万社が進出し、日本企業(?)によって雇用されている中国人は160万人に上るそうです。(参照は『朝日新聞』)今年度前半の中国への直接投資は、前年同月比で2割近い伸びでした。また、中国に進出する際には、中国政府の要望で(というか絶対的な条件として)、合弁会社として工場を設立しています。トヨタの天津工場も中国の「第一汽車」との合弁です。従業員も殆ど中国人ですから、(どちらかと言わなくても)日本の技術や資本を投下した「中国企業」と言えます。

 ですから、私たち日本人が、(暴動は論外としても)日系企業への制裁措置を不安に思う必要はないのです。ただ、その痛みが中国労働者や日本の下請けに出る「構造」が問題なのであり、発展の中で取り残され、「格差」に喘ぐ中国人が、日本の、外国の資本が中国を蹂躙することに怒りを抱くのは尤(もっと)もなことです。

 また今回の反日デモも、外資の3分の1を日本が占め、約16万人の現地雇用を生んでいる(かつての日本の租借地であった)大連では、「デモへの参加や反日活動の提起を禁じる指示」を地元当局が出しており、デモは起こらなかったそうです。デモはいつでも止められる、或いはコントロール下でのデモを容認するという中国政府のあり方は、デモを政治的に「利用」しているわけです。一方で、そのデモが暴発し、本来の政権批判や共産党批判に転じることを恐れてもいるのです。利権を持つ者の当然のあり様ということなのでしょう。いずれにしても、一般の多くの民衆は、大きな流れの中に飲み込まれ、流されていく、そういうことなのかも知れません・・・

P.S. そもそも、尖閣諸島の国有化、誰が何処で、どのような形で決まったのでしょう。尖閣を係争地を思っていないのは、世界で日本だけだいうことですが、それほどの重大な問題で、議論がどれだけなされたのでしょうか?その「決定」のプロセスが全く見えないのです。どんな戦略の下でその決定をしたのか、その「説明」すらありません。民主党政権のいつものやり方です。国の方向を左右する問題が、まともな議論すらなされず、いつの間には決まってしまう、(自民党政権時代にもなかった)本当にあり得ない政権のあり様だと思うのです・・・

P.S.2 オスプレイ配備に伴って、「日米合意」がなされましたが、これまでも沖縄基地に関しては、1996年と2007年に幾つかのルールが「合意」されています。しかしながら、その合意は事実上守られてはいません。と言うよりも、その「合意」そのものが米軍の「御心」に委ねるルールとなっているのです。勿論、ルールは支配者が決めるものですから、それに黙って従えばいい、(米国が)従う必要などない、ということなのでしょう・・・

P.S.3 原発関連のことを書かなければと思うのですが、他の問題同様、余りにも絶望的な状況に、手が止まります。まあ、どの問題を取り上げても、本質は同じ、同じ壁にぶつかりますし、私たちのポジションが炙り出されることは間違いはないのですが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月23日)

米中と日本の力関係

2012-09-21 11:47:08 | 日記
 8月の貿易統計は2ヶ月連続の貿易赤字(参照・引用は『朝日新聞』)だそうです。欧州危機で中国の輸出が伸びず、中国が最大の輸出先である日本の輸出も落ち込む「不景気ドミノ」です。中国へはICなどの電子部品や車の部品などの中間財が輸出され、それを中国で組み立てEUはじめ世界へ輸出するビジネスモデルが確立しており、EUや中国の景気動向が、日本経済を直撃する構造です。(ちなみに、今月の中国への輸出額は9,663億、第2位の米国への輸出額は8,869億です)

 この米中への輸出が、日本経済の生命線であることは、言うまでもありません。その中で中国は、(前回の尖閣事件同様)「尖閣国有化」に対する報復措置に出てきました。従来1割ほどの税関での検査を5割まで上げて、日本製の部品の流れを遅らせる意図です。当然、(中国国内での)製品化が遅れ、日本の輸出に影響が出てきます。勿論中国の輸出にも影響は出るわけですが、(過日書きましたように)、日本への依存度が8%そこそこの中国と、輸出の20%を中国に依存する日本では、その影響は格段に違います。日本の部品は技術の高い物が多いので、そう簡単に代替できるとは思いませんが、貿易総額から見て、最早日本なしでやれるところまで、中国は来ているのです。

 現在の日本と中国の力関係は、日本と米国の力関係と(残念ながら)かなり似通ってきています。米国は日本を、沖縄の基地を通して軍事的に(実質)支配し、政治的、(輸出相手国として)経済的にも優位に立っています。中国も戦後5大国となり、いち早く原爆を持ち(日本も原発を持ちましたが)、さらには(日本をはじめとする外資を導入し)経済的に発展、その経済力を背景に軍備の近代化を急速に行なっています。日本の有り様が、米国だけでなく、中国によってかなり左右される力関係となってきているということは、(正直、日本人としては認めたくはありませんが)事実です。
 
 正直、多国籍企業という名の(雇用にも貢献せず、税金も落とさない)「無国籍企業」であるトヨタがどうなろうと、私には関係ないのですが、中国で約80万台を生産(うち約50万台を天津で組み立てた)トヨタにも、天津の税関検査の影響は出てきそうです。こうした日系企業への「報復」の影響は、今後9月以降の貿易統計に表れると思いますが、少なくとも抜き差しならない関係に、米国同様中国とも、日本はある、しかもかなり厳しい力関係の元にあるのだということを、静かに冷静に見ていく必要があるのだと思うのです。(日本の)実行支配に何らプラスにならない「尖閣国有化」が、政治的、経済的に悪影響を及ぼしている、さらに(双方にメリットがないので、無いと思いますが)軍事的衝突という最悪のカードが切られないように、細心の注意を払うべきだと思うのですが、東京都に引きづられて、「国有化」せざるを得なかった民主党政権に、それは望むべきもないのかもしれません・・・

P.S. 領海(12海里、約22キロ)から200海里まで認められている排他的経済領域(EEZ)ですが、日本は中国との中間線を主張、一方中国はそれを超える尖閣諸島の周辺海域をもEEZと主張しています。日本だけでなく、フィリッピンをはじめとする東南アジア諸国とも紛争中の中国ですが、やはりこの境界も、最終的には「力関係」で決まってくるということになります。その力関係には、軍事同盟も加わってくるわけですが、中国の軍幹部は、尖閣の「安保適用」発言に関して、「同盟国である日本へリップサービスに過ぎず、(米国は)本気で介入してこない」と発言しています。この発言そのものも、米国の介入を警戒する「口先介入」に過ぎないのですが、米国が本気で日本を守る気がない、ということには私も同感です。中国と他国の領土領海問題で、砲火を交えるつもりは、米国には露ありません。(逆の立場であれば、日本だって関わりあいたくはありません)しかし、「同盟」関係がある限り、リップサービス(口先介入)ぐらいはしてもらわなければ、飛行訓練の始まったオスプレイの配備や訓練飛行ルート下にいる日本国民は堪らないと言うものです・・・

P.S.2 欧州中央銀行がギリシャやスペイン等の国債の「無限買い入れ」を表明、米連邦準備理事会も住宅ローン関連の金融商品を無期限で買い入れる第3弾の「量的緩和」に踏み切り、日銀はさらなる金融緩和をせざるを得ませんでした。安住財務大臣は、「10兆円という規模はサプライズ」とか、意味不明の発言をしていましたが、これまで6回にわたる追加緩和資金総額は70兆円、今回7回目の追加緩和額は10兆円、欧米に追随するしかない緩和策に、最早誰も驚かないというのが本当ではないでしょうか?いくら市場にお金を流しても、それは国債を買うだけに使われ、設備投資も使われず、景気を上向きにさせる動きは全く見られません。世界的な景気後退状況の中、無節操な緩和競争だけが続く状況となっているようです・・・

P.S.3 聖書の話をされに来られる方が、私が原発のブログを書いているというので、資料を持ってきて下さいました。(要約しますと)ドイツで放射能汚染したイノシシの(個体数が増えたため)捕獲数が急増、政府が捕獲したハンターに出している「補償額」が4倍に増加したというものです。勿論その汚染源は、26年前のチェルノブイリ事故によるもので、ドイツだけでなくヨーロッパ全土に広がった放射能汚染は、「向こう50年は続く」との見通しで、フクシマの放射能汚染も同様に、少なくとも100年単位での影響が免れないと思うのです・・・ 

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月21日)

「デモ」という(小さな)「暴力」の行使

2012-09-20 11:08:36 | 日記
 中国漁船の(確認されているだけで)約700艘の大船団は、尖閣諸島100~150キロの洋上で(中国政府の監視の下)「静かに」漁をしているそうです。日中漁業協定で日本中国双方の操業が認められているのですから、別に何も問題は無いわけです。ただ、突然収束したデモは、やはり中国政府の「容認」という名の「扇動」によるものであり、(突発的な暴動は除いて)完全に「コントロール」されていたということです。多くの中国人の気持ちが弄ばれ、「利用」されたということでしょう。

中国でのデモには、学生でも就職もしてない、20代から30代の所謂「95後」世代の若者が多かったそうです。経済成長下の中、「一人っ子政策」で甘やかされて育てられた世代のようです。決して「解放後」の恩恵を受けてきた(日本車を乗り回す)「金持ち」の子息ではないようです。彼らもまた、社会構造の中では、「格差」という「差別」を受けてきたということです。また米国での「格差」を批判する「Oqupied」のデモは、どうもじりじりと「収束」してしまいつつあるようです。

 デモは暴力です。政権に向かえば向かうほど、その暴力が大きければ大きいほど、政府は敢然としてより強大な「暴力」で対抗してきます。政権ドミノの起きた北アフリカや中東のように、(強大な暴力を持った)権力側が2分(或いは民主に「加担」)して戦う場合は、その民主のデモが「利用」されその挙句、(トップの)首がすげ替えられることはありますが、基本的に「デモ」のような小さな暴力自体で、国や政権を打倒するようなことはありません。ただ、「政策」が動くことはあり得ます。

 私自身は、「非暴力」という名の「暴力」(デモ)を行使することを良しとする「暴力主義者」であって、ガンジーやキング牧師を偉人であると認めています。ですから、「デモ」にも参加しますが、それが何を変え得るのか、どういう意味(位置付け)があるのかを、考えることなく参加することはできません。勿論、その結果も「想定」しながら、逆に「暴力」を行使する以上、「想定外」のことが起こらないように細心の注意を払うことが肝要だと思うのです。最終的には、この社会の、この国の、そしてこの国が置かれている「ポジション」に鑑み、政府や国が採れる選択肢は(残念ながら)「決まっている」ことを確認しながら・・・

 私のような悲観的でネガティブ・シンキングでは、何も変わらないと多くの方はお考えになるでしょう。(私もそう思います)ただ、私は「革命」のような馬鹿げた世迷言で、多くの人々の血が流れることに加担することも、扇動することにも関わるつもりは全くありません。この「革命」で、世界のシステムが変わるのなら別ですが、現在の「利」をめぐる世界の構造は、いくら血を流そうと、決して変わるものではないからです。ですから(私は)、そのような世迷言には耳を貸さず、静かに「暴力」(デモ)を行なうだけです。

もし本当に「革命」を起こそうと心底お思いなら、例えば共産主義者であれば、私有財産権を放棄し、全ての持ち物を分かち合えば良いだけの事です。(聖書によれば)針の穴を通って天国にさえ行けるのです。世界を変える必要などありません。ご家族をお持ちなら、ご自宅の、ご自分の家族の中に、愛の溢れる団欒を作れば良いだけの事です。でも(私には)、それができないのです。持てるものを放棄することも、家族を幸せにすることも、こんなことすらできないのです。(そのような愚かな私などには)血を流す「革命」に血眼になるなど、論外なことなのです。

 「原発」政策は変わりません。変わるはずもありません。それは私が変わらないからです。それでも私は小さな「暴力」を行使することを止める事はできません。それは(他の方のことは分かりません)私自身が愚かで傲慢で弱いからです。煩悩にのた打ち回り、我欲に縛られているからです。崇高な信念や正義感に打ち動かされているのではありません。逡巡しながらもやむなく、重たい体と心を引き摺りながら、のろまな亀のように惨めな姿を晒しているだけなのです。こんな惨めな私ですが、私を見守り笑ってくれる友人が何人かいるのです。まあ、それで、何とかやっているといういことでしょうか・・・

P.S. 自分自身のことを考えても、世情や社会のことを考えても、余り前向きで明るいことを考えることができません。私が若い頃は、「暗い」という言葉が流行りましたが、暗いという意味では、底抜けに暗い青春時代を過ごしたと思います。今もそう変わって(成長して)いないということなのでしょう。若い頃は社会や政府に対して強い憤りと怒りをもっていましたが、デモや集会に参加することは皆無でした。今は時々参加して、(小さな)「暴力」を行使し、(他の方はそうではないと思いますが)ガス抜きを行っていると言うことです。少し生き方が「楽」に、つまりいい加減になってきたということです。(自殺はやめ、その代わりに)呼吸を深く、ゆっくりと吐き、少しでも健康で長生きしようと思っているのです・・・

P.S.2 早稲の「あきたこまち」の収穫が終わりほっとしています。今年も無農薬でできました。有り難いことです。できれば福島の方とか、避難されている方に食べて頂きたいとの思いが強くなっておりますが、私の人間力では中々難しい感じです。ブログの方も、(憂鬱でパソコンの前にも座れない時もあって)休みがちで、(毎日のようにチェックして下さっている)読者の方々には申し訳がないです。本当に前進するというのは難しいです。その場にじっとしがみ付いているだけで精一杯の感じです。(かく言う)皆さんはどのように、毎日を過ごされているのでしょうか?私に出来ることといえば、(読者の)皆さんのことを思いながら真言を唱えることぐらいのこです。どうか、お健やかに今日一日をお過ごし下さい。(感謝を込めて)

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月20日)

オスプレイの「安全宣言」

2012-09-18 12:47:12 | 日記
 今朝の『朝日新聞』の1面には、「オスプレイ安全宣言へ」とありました。オスプレイが、その広域を高速で移動できる機動性の性能を得る為に、操縦性という難点を抱えた危険極まりない機体であることは、過日、防衛大臣が「安全宣言」をした直後に、(これまでの数々の事故に加えて、)フロリダの市街地に緊急着陸したことでも、さらに証明されたと思います。

 しかし野田政権は、日米合同委員会での(飛行ルールの)合意を受け、明日にも「安全宣言」を出すそうです。同委員会では、「回転翼を前傾させる『転換モード』への切り替えは、飛行場の上空で行なう」ようになったそうですが、これではやはり「危険」であるから、そうせざるを得ないということで、オスプレイそのものの「安全」は担保できないということのようです。

 そもそも、こうした重大な在日米軍の装備の変更やその配備に関して、何故「事前協議」の対象にすらならないのか、日米安全保障条約の「事前協議制度」に不備があるのではないのか、それが現在の日米の力関係なのかと、思いが巡ります。しかしこの事前協議の対象云々は、実は「密約」に基づくものであるとのことなのです。(以下、引用・参照は『サンデー毎日』)

 その文書とは、1960年に「藤山外相とマッカーサー駐日大使が頭文字署名した、『相互協力及び安全保障条約討議記録』」であり、その「討議記録」には、「核弾道及び中・長距離ミサイルの持ち込み、並びにそれらの基地を建設」(これは国会での政府答弁です)することのみが、事前協議の対象であって、「核兵器を積んだ米艦船・航空機の日本への寄港・飛来」すら、「事前協議」の対象になってはいないのです。(所謂、「核持込の密約」)

 核兵器の持ち込みすら協議する必要がないのですから、オスプレイの配備など問題になることすら心外だと、米国は思っているに違いありません。(核戦略の下の)原発のプレゼントに、喜んで飛付いてきた日本に対して、あれだけ危険な原発を50基も造っていながら、核を持ち込むことを拒否する道理がないと憤慨しているかもしれません。原発を受け入れたということは、核を受け入れたということなのです。それを「平和利用」の名の下で、誤魔化し続けてきただけのことなのです。原発(核)を受け入れたときから、オスプレイ等の配備を拒否する権利はとうに放棄していたのですから。

 仮に日本政府がオスプレイの事前協議を求めるとすれば、この「討議記録」を密約と認めた上で、廃棄しなければなりません。勿論、日米の力関係からすれば、そんなことができるはずもありませんが、米国どころか財務省の「パペット」に成り下がっている野田首相の心中には、そのような気概も信念も露存在していないと思わざるを得ないのです。かくして同機配備と飛行による危険は、沖縄県民と(少なくとも7つのルートの下に住む)全国民の上に押し付けられるということのようです・・・

P.S. 尖閣問題で、中国から(実は「平和的」でも、デモ自体が「暴力」なのですが)デモによる暴力の「対象」となっている日本としては、やはり中国の「暴力」に勝る「暴力」の後ろ盾が必要ということなのでしょう。(老いたりとは言え、或いは軍事費大幅削減の苦境にあるとは言え)やはり世界で現在、圧倒的な軍事力を持つ米国の「協力」は欠かせないと言うことです。来日しているパネッタ米国防衛長官に、日米安全保障条約の防衛義務は尖閣諸島に適用されると、はっきり言って貰うためには、やはりオスプレイの「安全宣言」は欠かせないということなのでしょう。しかし、沖縄県民及びルート下の国民の生命と安全は犠牲の上でということのようです・・・

P.S.2 政府が昨年6月、年間20mSvを超える地域に「自主避難」を求める「特定避難勧奨地点」に指名する際、伊達市では地上1メートルとした(放射性物質の)観測点を、南相馬市では「妊婦や子どものいる家は地上50cm」で測定していたそうです。また、福島市や郡山市の20mSvを超える地域の住宅は、「集中除染による『力業』で線量を下げ、結局、(避難)指定せずに済ませた」というのです。この国民の生命への「差別」化は、やはりできるだけ事故の被害を隠蔽し、汚染の実態を知らせたくない、そしてその被害の賠償を最小限に抑えたいとの思惑が働いてのことなのでしょう。こうしたフクシマ人災事故に対する政府の対応には、被災者への、被曝者への目線は、何処にも感じられません。未だに5mSvを超える地域に住む住民すら避難させない政府の対応は、余りにも冷酷なものとしか思えないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月18日)

チェルノブイリ事故26年後のベラルーシ

2012-09-17 14:30:20 | 日記
 昨夜NHKで、事故から26年経ったチェルノブイリの現状を特集していました。フクシマから25年後を占なう上でも、(チェルノブイリ)事故の影響等検証することは大切なことだと思います。(要約してご紹介します。)

 事故が起こったウクライナの北に隣接するベラルーシは、(事故時の北風により)国土の4分の1が汚染されました。移住者は14万人で、移住者には住居と、それに伴い仕事が提供されます。それでも、移住者が最も求めるものは「健康」だとの証言がありました。汚染地域は「ゾーン」と呼ばれ、立ち入りが制限さています。(費用対効果を考慮し)てでしょう森林の除染はせずに、放射性廃棄物の処分場が造られています。放射性物質の再飛散が生じないように、山火事等厳しく監視されています。

 当時の旧ソビエト政府は、放射線の測定を秘密裏に行い、当初、避難指示基準は100mSvだったそうです。しかも、汚染の実態が政府から住民に知らされることはなく、何が起こっているのか分からないまま、住民は「指示」に従うしかなかったのです。土壌や食品の検査も行われ高濃度の汚染が検出されましたが、(当然ながら)極秘扱いでした。

 (ベラルーシの)自治体による子どもの健康診断では、甲状腺肥大や目や消化器官、心臓に障害が現れています。こうした中、(独裁強権国家では)異例の情報開示を求める「デモ」が、事故処理作業員(所謂ルクビダートル)や市民によって行なわれ、その結果汚染地図が初めて公表されました。結果、避難指示のない年間5mSvを超える汚染地帯に、10万人以上の住民が住んでいることが発覚します。(日本では、100万人を超えているかもしれません)

 その後、(ベラルーシの)科学アカデミーが新たな提言を行い、デモやストライキが広がり、「チェルノブイリ法」が制定されます。同法では、5mSv以上の地域は移住し、住居と仕事が与えられ、1mSv以下の地域は、移住の自由と仕事が保障されます。その移住の経費や医療費等が補償され、1mSv以下でも医療費の一部は国が負担することとされた。汚染地域の4割の人が、それによって移住をしました。しかし、2割近い国家負担に耐え切れず、財政破綻の1994年に支援策の見直しが行なわれ、(甲状腺癌等増加する中、)その補償は大幅に縮小されています。

 放射能被害を受けた地域の人々には、「被災者証明書」が渡されましたが、(現在のフクシマ・ヒバクシャと同様に)厳しい「差別」があったそうです。病気と差別に苦しみ、財政的にも支援が削られていく、これもまた、日本のフクシマの先行きを見るようです。汚染地帯で農業を続けている方もおられますが、(コストが掛かるので)農地の除染はされておらず、(放射性物質が移行しにくいバターとかに加工されてはいますが)なかなか食用とはなり難いようです。

 但し、汚染の調査だけはされているようで、セシウムやストロンチウム、プルトニウム、それにアメリシウムが検査項目となっています。(吸収を阻害するカリウムをまいて)セシウムによる土壌汚染が低減しても、ストロンチウム汚染によって穀物が作れないとのことです。(現在セシウムしか、検査を行っていない食品のストロンチウム汚染が懸念されます)また、セシウム・レベルが一旦下がっても、隣接する「立入り制限区域」からと思われる放射性物質の移動で、再び汚染濃度が上がるという現象もおこっているそうです。ある移住者の女性が、「子どもや孫に綺麗な大地を受け渡す役目がある」との思いを吐露されていましたが、チェルノブイリ事故の現実は、非常に厳しいもののようです・・・

P.S. 「デモ」では、国家の首長までは変えられても、国家の構造(システム)は変えられません。ましてや、世界の国家の力関係と利権構造を変えられるはずもありません。しかし、ベラルーシではデモによって「チェルノブイリ法」が制定されました。一矢ぐらいは報いることはできるのです。それも(経済的な理由で)長くは続きません(これが現実です)が、何もしないなら、この「一矢」も「スズメの涙」も得られないのが、過酷な現実です。暴徒になれとは言いません。(寧ろなってはいけません)暴動(や略奪)などしてはいけないのです。逆に、国家に盲従し、罪も無い他国を侵略したり、自国の利益のみを追いかけてはいけません。(そうなると殆ど全ての経済活動もできなくなりますが)奇麗事だけを言っても始まりませんし、現実を見て、只憂えているだけでも何も始まりません。(正直、どうすれば良いのか、私には分からないのですが)憂鬱でも「デモ」には参加して(暴動が始まれば静かに退却し)、できれば(日本版)「チェルノブイリ法」ぐらいは制定したい、汚染地帯にいる人々に(勿論、住居も雇用も用意して)避難してもらいたいのです。(馬鹿な奴だと思われるかもしれません、何も変わらないと罵られても)この巨大な世界の「利権構造」、「利のシステム」に一矢ぐらいは当ててやりたい、そう思うです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年9月17日)