プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

フクイチ4号機の使用済燃料の取り出し

2013-10-31 10:44:49 | 日記
 (報道によると)来月8日にも、福島第1原発4号機の使用済燃料など(確か)1,533体を来年1年掛けて取り出すとのことです。燃料プールには(3号機から逆流してきた水素による)爆発の結果、ガレキが落ちていますが、作業はそのガレキを避けながらの作業になります。

 (某週刊誌によると)水中で燃料棒を(何十本か忘れましたが)キャスクに入れ、そのキャスクをクレーンで引き上げ、それから共用プールまで移送、今度は逆の行程を経てプールに入れられます。その全ての間に、燃料棒や(100トンある)キャスクの落下、その損傷の危険性があり、燃料棒が露出したり、損傷すれば、大事故になる可能性があります。

しかもこの息の詰まるような作業が(最短でも)1年間続くわけで、地震や竜巻、落雷など自然災害に見舞われる可能性と、唯でさえ困難な作業ですから、人為的なミスが破滅的な事故を誘発する危険性すら孕んでいます。ちなみに、燃料プールにある放射性物質の総量は、チェルノブイリ事故時に放出された10倍にもなるそうです。

また、共用プール自体も、今後大きな地震でヒビが入ったり、損傷する恐れがあり、広瀬隆さんは、(空冷の)乾式キャスクに入れて、陸上で管理することを提言し続けていますが、どうも東電は聞く耳を持ってはいないようです・・・

P.S. 台風26号による被害は甚大なものがありましたが、(同誌によると)福島第1原発でも、1号機近くの主要道路が、20メートルほどの土砂崩れに見舞われ、通行止めになったり、(場所は分かりませんが)タンクの近くで陥没があったそうです。同原発ではこれまで、地盤沈下によってタンクを移設していますが、タンクの下で同じく陥没や地盤沈下が起これば、(固定していませんので)タンクが容易に転倒してしまう危険性があります。上記の情報も、東電は公開していないとのことです・・・

P.S.2 さらに同原発では、錆の問題が深刻化しているそうです。(海風に含まれる塩分で)様々な設備が錆びてしまっているそうで、過日折れてしまった(ガレキ撤去に使われた)巨大無人クレーンも、錆による腐食が原因だったそうです。さらに、ベントに使われる排気塔にも8ヶ所の腐食が確認されており、懸念されています。(以前書きましたが)タンクや原子炉自体も注水に使われた塩水による錆や腐食、さらには放射性物質による損傷が生じますから、いつ腐食部分から汚染水が漏れるのか分かりません。しかも、その速度が思っていた以上に速そうで、その点も懸念されるところです・・・

P.S.3 (双葉町から避難され、仮設で暮らす男性は)原発輸出に関して、「自分の国の事故を収束できてもいないのに、よく海外に原発を売れるものだ」、「被災した国民のことをどう思っているのか」と怒りを表現されています。福島第1原発事故では、使用済燃料プールを原子炉の上に置いてはならない、独立したベントラインを1基ごとに設置する、(メルトダウンしたデブリを受け止める)コアキャッチャー付の圧力容器の必要性、大地震や大量の地下水のある場所には原発は設置しない、(過酷事故の連鎖を防ぐ為)敷地内に1基の原発にとどめる、など様々な「教訓」を得ました。今後輸出するならば、こうした要件を満たさなければ、また過酷事故が起きてしまう可能性は否定できません。安倍総理、「世界の原子力安全の向上を図っていくことは、我が国の責任」と仰るのならば、(他にも沢山ありますが)こうした要件は決して外せないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月31日)

福島の教訓と原発輸出

2013-10-30 13:43:56 | 日記
 トルコを訪問中の安倍総理は、トルコ政府と原発を含めた経済協力の必要性を強調し、正式に原発の受注を合意、調印しました。受注したのは三菱重工とアレバの企業連合で、黒海沿岸に4基原発を新設、事業費は2兆円を超えるとのこと。総理はまた(以前も同じことを言われていましたが)、「福島第1原発事故の経緯と経験と教訓を、世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上を図っていくことは、我が国の責任」だと述べられました。

 原発を輸出することが、その「責任」を果たすことになるというのでしょうか?寧ろ、この危険で犠牲を生み出す、現在の政治・経済・軍事の絡み合った世界の構造を維持すること、その為には原発を世界に(軍事基地のように)配置し、原発の危険性は無視する、というのが本当のところではないかと思うのです。本来ならば、(日本のように)地震大国のトルコに、原発を造ってはならないというのが、福島第1原発事故で得た「経験と教訓」だと思うのですが・・・

P.S. 茂木経産大臣は、賠償支払いや汚染水問題が遅れるとの理由で、東電を「破綻処理する選択肢はない」と発言されました。また、除染費用について「費用を国が分担」するとの考えを示しました。確かに、日本一の企業を破綻処理すれば、大きな混乱を招くかもしれません。只、実質上もう既に破綻していますし、賠償も遅れていますし、事故処理は遅れているだけでなく、最早対応できない状態です。きちんと破綻処理した後で、賠償部門や汚染水対策や廃炉など、分社化し、国が対応すべき部門は国が担うとして責任を明確にすべきだと思います。新しいスキームで、新しい組織を作り、迅速に適切に対処していかなければ、今の状況を脱することはできないと思いますし、国ではなく、国民の負担だけが30年、50年、さらに長期に続くことになると思うのです・・・

P.S.2 腐食による穴が開いて汚染水漏れを起こしていたALPSの1系統が試運転を再開したとのことです。先月、別の系統が再稼動、来月にももう1つの系統が再開の予定で、(この3系統に加えて)さらに3系統の増設をするそうです。実際、これまで思うように行っていないALPSです、(残ながら)余り期待はできない、というのが正直なところです・・・

P.S.3 新党改革の荒井代表は、(東京での講演で)「原発事故で避難している人たちの移住を考えなければいけない」、「移住が円滑に進むよう、政府が支援していくべき」だと述べられたそうです。また、自民党の福島復興への提言案でも、放射線量の高い地域の避難者への賠償金を増やして、新たな生活を始められるよう支援する内容」だそうです。こうした提言が、政府の施策として取り入れられればと思います。ちなみに人口減少に悩む四国4県は、他県からの移住を促進する為に、支援策を行っています。我が愛媛県では、移住協議会を設けて、空家バンクによる情報発信や他県と合同の移住フェアを行なっているそうです。雇用も含め、もっと具体的な支援があれば、移住したい人も増えるのではないかと思うのです・・・

P.S.4 先程(NHKニュースで)、原子力規制委員会の田中委員長が、汚染水の「環境への影響はコントロールされている」と発言していました。(安倍総理に)コントロール(支配)されているのは、田中委員長のように感じました。規制する(元々ないのでしょうが)権威と権限をかなぐり捨てた発言のように感じ、非常に残念です・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月30日)

「水俣条約」の実効性と水銀汚染

2013-10-29 10:55:27 | 日記
 水銀の鉱山開発を禁じ、輸出入や工業利用、排出などを包括的に規制する「水銀に関する水俣条約」が採択され、91カ国とEUが署名をしました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)日本史不の提案で「水俣」の名が使われ、条約全文には「水俣の教訓」を生かすことも盛り込まれました。只、教訓とは、ある事件や事故が終結し、解決した後に、その被害を二度と繰り返さない為のものですが、「胎児性水俣病」など、その痛みは癒えずに未だに続いているのが現状です。

 こうした状況で、安倍首相が、「水銀による被害と、その克服を経た我々」と発言したことに、違和感を感じた方は多かったと思います。それどころか、被害が分かっても尚、排水規制を怠った国、また被害の実態調査すら一度も行なわなかった国が、克服という言葉を使うことには納得できません。「水俣病被害者互助会」の佐藤会長は、「今も被害者が補償を求め裁判が続き、患者認定を求める人も何百人もいる。問題が続いているのに『克服』とは言えない」と述べられています。

 熊本大学の富樫教授は、「水俣の教訓は予防原則の重要性」、「被害が出てから・・・対策を講じても手遅れ。如何に事前に食い止めるか」だと指摘されています。ただ、この「水俣条約」に実効性があるのか、(予防どころか)水銀の利用と排出を本当に止めることができるのか、その影響が懸念されているのです。例えば、大気中に(2010年)全世界で排出された水銀は1960トン、その25%(約500トン)が石炭などの化石燃料の燃焼だそうです。(ちなみに、最大排出源は金の小規模採掘で、全体の37%です)

 (日本もこれまで膨大な量の石炭を燃やしてきましたが)現在は、中国が世界の水銀排出の3分の1を占め、その影響(水銀)は既に(富士山頂、乗鞍岳、屋久島など)日本に達していることが(滋賀県立大の永淵教授らによって)確認されています。勿論、中国をはじめとする国々が、石炭利用を止めることはないでしょうから、今後もその影響が非常に危惧されているのです。2006年に(米国で)開かれた水銀国際会議では、大気中の水銀が「雨と共に湖や海に落ちると、微生物の働きで猛毒のメチル水銀に変わる。プランクトンから小魚、大型魚と食物連鎖を介して濃縮・蓄積され、妊婦や胎児に健康被害が及ぶ恐れがある」と警告されています。

 しかし、その後に環境省が設置したモニタリングポイントは沖縄の(本島最北端の)辺戸岬1ヶ所だけ、やっと来年度はもう1ヶ所増やすとのことで、全国規模での(大気だけでなく、河川や海の)モニタリングが必要だと思います。中国からのPM2.5の汚染とその飛来もしばしば報道されますが、水銀による汚染、そしてその影響(被害)は今後ますます深刻になっていくのではないかと思われます。また、日本自体がこれまで、大量の水銀を消費し、水銀汚染されているのも知られています。(私が関わった)今治市桜井の処分場直下の海では、環境基準の5,400倍の水銀が検出されています。(残念がら)今も垂れ流され続けています。日本全国の何百という最終処分場が、こうした状態であると「ゴミ弁連」会長の梶山先生は警告されています。「水俣」は「克服」どころか、依然として懸念される状況にある、ということだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月29日)

ベントの真実

2013-10-28 10:55:01 | 日記
 古賀茂明元経済産業省官僚が、当時大臣官房付として仕事を与えられず干されていた現役時代に書かれた『日本中枢の崩壊』という著書に、ベントなど原発事故に関する章があります。要約・引用しながら、ご紹介します。

 ベントについては、大震災の3月11日深夜には官邸で方針が事実上決定しており、菅総理は東電にベントの「指示」を出します。しかし、実施されたのは翌日、12日の午前10時過ぎ。古賀氏は、「東電は、時の総理の『指示』を相当軽く考えていたのではないか」と言われています。その主な理由として、

①東電が経済界では断トツの力を持つ日本最大の調達企業であること
②他の電力会社と共に、自民党の有力な政治家をほぼその影響下に置いていること
③全国電力関連産業労働組合総連合という組織を動かせば、民主党も言うことを聞くという自身を持っていること
④巨額の広告料でテレビ局や新聞などに対する支配を確立していること
⑤学会に対しても直接・間接の研究支援などで絶大な影響力を持っていること
(書かれていませんが、立地自治体にも巨額の「寄付」を続けています)
 「簡単に言えば、誰も東電には逆らえない」状況だったというわけです。

 古賀氏は、「だからこそ官邸は、一刻も早く伝家の宝刀である、法律に基づく『命令』を出す必要があった」と述べています。「指示」ではなく、(原子炉等規正法の)法的強制力を伴ったに「命令」です。一国の総理に求められる「リーダーシップとして重要な要素は、危急時にこそリスクを取って判断し、責任を取る姿勢」だと、しかし菅総理は決断できませんでした。

 古賀氏が緊急時に「すべき」こととして挙げたのは、
①まず、現場に総理直結のスタッフ、最高の能力と体力と度胸も兼ね備えた、総理が無条件で信頼できる者を送ること
②官邸との直接の通信手段確保の為、基地局を設け、(東電が持っていたような)テレビ回線で常時会議が現地との間でできるようにすること
③テレビ画面の前で、閣僚や軍の幹部が一堂に会し、スタッフが情報を、画像で示されたデータを駆使しながら詳細に報告、対応策のオプションについて議論し、方針を『総理』が決断する」ことで、情報と認識が幹部や主要スタッフの間で共有され」、「その後の行動に不整合が生じず、迅速な対応が可能となる」
 と言われます。

 ①に関して言うと、一国の総理が自ら前線に突撃しています。古賀氏は、「総理が現地に飛んだことは、初動対応で極めて負荷が高くなっている官邸スタッフにさらなる負荷をかけた」と言われていますが、現場であるフクイチの負荷は、菅総理の視察で、極限まで高まったはずです。負荷だけでなく、混乱と初動の一番大事な時期を逸してしまったわけです。(事故後一貫してその責任を逃れる発言に終始している菅さんですが)やはり一国の総理が責任を取る覚悟を持って、「命令」を出すべきだったということだと思うのです・・・

P.S. 伊豆大島の町長が、避難指示どころか避難勧告すら出さなかったことで、メディアを始め相当叩かれていました。(さらにバッシングはしたくなかったのですが)あれだけ予報で大雨が予想され、土砂災害のまさに危険地帯だった、その為に100億もの予算で砂防ダムなどを造って警戒していた大島で、何故あの日、沖ノ島に出張に出かけたのかが、私には理解ができませんでした。たとえ出張するにしても、今ならパソコンでテレビ電話のように、随時会話ができ、状況も把握できるはずだと思うのです。(こういう記事が必ず出てくると思っていたのですが、某週刊誌によると)午後の会合の後、お酒も出たとか。会合が終わった後も、9時から11時まで(地元の接待で)お酒を飲みに行っていたとか。その間の連絡はなかったそうです。心配性な私には、到底このようなことはできません。本来なら避難指示が出て、その避難準備に取り掛かっていなければいけない時間帯には(夜間の大雨に備えて一時帰宅していて)、町の役場には担当職員がおらず、避難を求める国や都のファックスさえ見られていません。(パソコンのシステムで)見てないのを都の職員は知っていながら、これまた何のアクションも取っていません。防げない災害と、防げていたはずの災害があると思います。本当に沢山の方が亡くなられ、惨事となってしまいました。亡くなられた方々、未だ亡骸の見つからない方々のご冥福をお祈りしたいと思います・・・

P.S.2 古賀さんは、(事故当時)「私には最も大事な初動の数時間、政府の危機感が伝わってこなかった」と述懐しています。総理以下官邸の動きを、「危機対応のための具体的な措置ではなく、政権浮揚のためのパフォーマンスではないか」と。私はそこまでは思いませんが、パフォーマンスに見えるほど、中身が無かった、緊急時に為すべき具体的な行動が取れていなかったと思っています。またその為に必要な統治能力に欠けていたと。その結果、(取り返しの付かない)大惨事となってしまいました。そして今も、その事故は続いています。古賀さんは、「政府は当初、『事故』ではなく『事象』と言い続けた」と書いています。そうでした。そして、安倍さんも、現在続発している『事故』を、『事象』と言い続け、放射性物質かその影響か知りませんが、ブロックされているとか、コントロールされているとか言われています。国が「全面」、「全面」と連呼はしていますが、これでは、「危機対応のための具体的な措置ではなく、政権浮揚のためのパフォーマンス」と言われても、仕方がないように思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月28日)

東電病院の売却

2013-10-27 11:11:31 | 日記
 (某週刊誌によると)巨額の資産を抱えながら、国の支援を得ていることで批判された東電は、東電病院を売却する方針を決定しました。同病院は、一般の患者さんの治療は受け付けず、東電の社員や職員専用の病院で、空いている病床も多く、無駄との指摘が出ていました。

入札の結果、東京建物が1位となり、2位の慶応大学付属病院の約2倍の入札額だったそうですが、東電は売薬の決定をせず、入札結果の公開もしていないそうです。(同誌によると)東電病院には慶応大学付属病院出身の医師が多く、東電は慶応大学付属病院の購入を望んでいるそうです。どうも医師たちがリストラされるのを、慮っているからだそうです。

巨額の赤字に国費の投入、電気料金の値上げ、国民や利用者に多大な負担を掛けている(事実上国有化している)企業が、2倍の額で買うと言っている企業への売却を渋り、その結果(情報)すら公開していないのは、非常におかしなことだと思います。本来なら最もコストカットに資するリストラを望まない、それほど人間味のある企業ならば被害者への賠償の対応にも、もっと配慮があってしかるべきだと思うのです・・・

P.S. (『朝日新聞』によると)国(環境省)が除染で掛かった費用の請求(404億円)のうち、東電が支払ったのは67億円、残り337億円は支払いを拒否しているとのことです。東電は2回目の請求分も含めて、支払わない理由を列記しています。確かに、あのように杜撰な除染、殆ど効果のない除染に対して、お金を支払いたくないというのは理解できます。また、東電の言うように「除染に関する普及啓発活動」など「放射性物質汚染対処特別措置法」の規定にないものや、中間貯蔵施設の現状把握・調査事業など、(拒否するに)もっともだと思われる理由も多いように思われました。ただ、「除染」というのは、放射性物質という廃棄物を撒き散らした東電が本来すべきものですし、東電が拒否している支払いの項目は、これまで東電が発注してきた事業や活動と同じレベルで無駄なものが多いかと思います。急にコストカットの意識に目覚めたのか、(東電の職員には示した)ヒューマンな気持ちは(最終的に負担の掛かる、国というより国民に対して)ないように感じられるのです・・・

P.S.2 東電は、2月21日付で第1回目の請求を拒否、環境省の説明を求める文書に対して同月27日には回答をしています。国は「特措法の解釈権は国にあり、東電に支払いの責任がある」との文書を送ってはいますが、(東電が提案した)原子力損害賠償紛争センターへの申し立てもせず、これまで放置してきました。問題なのは、こうした事実を東電も政府も公開しなかったことです。(東電も国も)何か形だけの遣り取りだけをして、それも国民には知らせずに、最後に付けは国民に(税金にしろ電気料金にしろ)押し付けようとしているように思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月27日)

排水溝下流でストロンチウム2,500ベクレル

2013-10-26 11:14:52 | 日記
 外海から150メートルの地点の排水溝で、(24日採取の)汚染水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質の濃度が1リットル当たり2,500ベクレル検出されました。この観測地点では、(13日採取の汚染水から)1,400ベクレルが検出されており、濃度が上昇しています。東電によると、排水溝に土嚢を積んでいますが、「完全にはせき止められず、一部は下流がわに漏れている可能性がある」とのことです。

 また、排水溝上流で(23日採取の汚染水から)24万ベクレルを検出したすぐ南の観測地点では、24日採取の汚染水から11万ベクレルのβ線を出す放射性物質を検出しています。東電は「事故時の爆発で周囲の地表に降った放射性物質が雨水ともに排水溝に流れ込んだ為に値が上がった」としています。ちなみに、24万ベクレルを検出した観測地点は、高濃度汚染水300トンが流出したタンクのすぐ近くです。

P.S. 原子力損害賠償紛争審査会は、慰謝料の支払期限を、避難指示解除後1年と正式に決めました。年内の解除は来年以降に延期されましたが、一番最初に解除される可能性が高い田村市の都路地区の住民には、「賠償をいつまでも受け取っていては、自分の力で前に進めない」(61歳、地区の役員)という方も、「1年は短すぎる。我々の思いを聞かず、どうして一方的に決めるのか」、スーパーや病院は大熊町にあり都路地区だけ解除されても「元の生活には戻れない」(68歳、仮設で暮らす男性)と言われる方もおられます。私はどちらの方の思いも理解できますが、(同じ立場に立たされれば)後者の方の気持ちに近いだろうと思います。いずれにしても、どうやって生活していけばよいのか、重い課題だと思います・・・

P.S.2 NHKのETV特集取材班及び専門家が、原発事故直後に福島に入り、放射能汚染地図を作っています。採取されたサンプルは、京都大学、広島大学、長崎大学、金沢大学などに送られ、様々な核種の放射性物質の濃度を測定、データを共有しながらクロスチェックを行い、非常に精度の高い汚染地図を作っています。(番組としても放映されています)例えば、セシウム(134と137)に関して見ると、(3月15日に換算したもので)双葉町山田(原発から4.4km)で1㎡当たり2,120万ベクレルで群を抜いて汚染度が高いのですが、大熊町(1.7km)が897万ベクレル、浪江町赤宇木(26km)で400万ベクレル、飯舘村蕨平(29km)349万ベクレルなのですが、原発から60km離れた福島市の新浜公園で採取されたサンプルからは、822万ベクレルという大熊町の汚染に匹敵する値が検出されています。福島市の中通りからは、(特に)お子さんのおられる家族が沢山自主避難されておられるそうですが、明らかに国が「避難」を指示すべきレベルだと思います。自治体による除染も進んで、農家の方々も必至で除染や検査に取り組んでいるのは(詳しくは分かりませんが)知っていますが、(東電と国が悪いのではありますが)本当に避難しなくて良いのだろうか、という思いは消えません・・・ちなみに、チェルノブイリ原発事故で、立入りが禁止(強制退去)されている第1ゾーンは148万ベクレル以上、さらに移住が義務付けられている第2ゾーンは55万5,000ベクレルです。800万を超える数値は尋常ではないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月26日)

排水口の放射性物質の濃度14万ベクレルに

2013-10-25 10:34:00 | 日記
 (既に昨日のNHKニュースの速報どおり)山側から外海に直接通じている排水口の(24日採取の)汚染水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質は1リットル当たり14万ベクレルを検出、汚染の広がりを示すデータとなっています。

 また原子力規制委員会は、東電が発表した、堰に溜った汚染された雨水をマニュアル外の手続きで排出することを(今年に限って)了承しました。20日の時点で、2回続けて排出基準を下回っていたエリアに限り、堰の汚染雨水を4ヶ所で測定し、基準以下なら敷地内に排出してもよいとの「例外措置」を認めました。測定こそしますが、この「排出」と「溢れ出る」のと、(濃度が低いとはいえ)汚染雨水が敷地に放出されるという意味では全く同じことです。

 規制委員会はまた、「緊急的措置」として使用された地下貯水槽に関して、「東電の判断に委ねる」として、利用を事実上承認しました。(緊急措置とはいえ)東電の言うままに汚染雨水は排出され、汚染水漏れの危険性がある貯水槽は使用させるということです。(これまでの対応を見るかぎり)既に管理能力、対応能力を欠いている東電に、規制する側が判断を「委ね」てしまっては、最早、規制委員会は存在意義を失ってしまうのではないかと思うのです・・・

P.S.  堰は全部で23あるそうです。現在東電は、台風27号の大雨に備えて、8つのエリアから汚染水を移送しているそうです。(参照は『朝日新聞』)これは、濃度が高い場所だということだと思います。やはり(しつこいですが)、(移送する汚染水も減りますから)堰の汚染水の濃度の高いエリアだけでも、屋根を設置していくべきだと思うのです・・・

P.S.2 昨日の参議院予算委員会で、みんなの党の小野議員が、国直轄の除染は山や森は対象外(全面積の大体8割)で、国による除染が100%終わったとされる田村市でも、除染された面積はわずか5k㎡だけで、全体の面積でも10k㎡終わっただけだそうです。これまでに掛かった費用は1兆円、僅か1k㎡除染するのに、なんと500億円も費やしています。しかし下がった線量は1割ほどで、殆ど効果は見られていないのです・・・

P.S.3 同議員は「除染で広大な地域の汚染が解消されることはないのでは?」と質疑、石原環境大臣は「住民が帰ったときの被曝量を減らすため」だと答弁されました。(帰りたい方はおられるとは思いますが)現在住民が避難してる(高線量の)地域に、住民を帰還させるべきではないと思います。帰還という前提を見直して、現在行なっている国の除染は止めるべきです。効果もなく、巨額の公費が浪費されてしまうからです。それよりも、(資金援助はしても)自治体任せにしている、本来住民に避難を指示しなければいけない汚染地域の除染を、国が主体で(自治体と協力しながら)やるべきです。既に福島市や二本松市など、手探りで除染を進めてきた自治体もありますが、(福島県外も含め)まだまだ住民が住み続けるには不十分でないかと思います。「被曝を減らす」その通りだと思います。住民が住み続けている地域こそ、最優先で徹底した除染が行なわれるべきだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月25日)

海に繋がる排水口からストロンチウム5万9,000ベクレル

2013-10-24 10:25:26 | 日記
山側のタンク付近から海へと繋がる(多分上流のどこかの観測地点だと思うのですが)排水口に溜まった水から、ストロンチウムなどベータ線を出す濃度が、これまで最高値の1ℓ当たり5万9,000ベクレル検出されました。(参照は『朝日新聞』)また今朝のNHKニュースでは、1リットル当たり14万ベクレルとの報道でした。これまで、この排水口では(確か15日)、上流で1ℓ当たり(それまでで最高の)2,300ベクレル、下流地点でも1,400ベクレルを観測していました。

 タンクから漏れた放射性物質が、このところの雨で流されて、少しづつ排水口へ移動し、海へと流れ出ているのだと思います。東電は昨日(23日)事前の計測で放射性物質の低いと見られる区画は、豪雨の場合、堰内で直接汚染水を採取、分析して排出すると発表しました。(マニュアル破りを公言したわけです)濃度が低いというよりも、大量の雨水で希釈されただけで、確実に放射性物質は存在しているのですから、排出する分だけ海が汚染されることは確実です。

 また(雨水対策に窮している)東電は、先日汚染雨水を移送した地下貯水槽に加え、さらに2つの地下貯水槽を使うことを公表しました。この貯水槽は、4月に高濃度汚染水漏れが発覚し、その原因が解明はしていません。ただ、移送する3つの貯水槽は(合計8,700トン)今までに汚染水漏れは確認されていません。(規制委員会は使用を了承しました)、只、同じような汚染水漏れが起こる可能性があり(その為に利用を中止していました)、東電の言う「一時的な運用」とはいえ、(この貯水槽に入れることで、汚染の濃度も高くなってしまいますから)不安は消えません。

P.S. IAEAの調査団がまとめた報告書は、「年間1mSv以下の被曝線量は、除染だけで短期間に達成できないと住民に説明する努力をすべき」だとし、原子力規制委員会の田中委員長は、「全体のリスクを考えた時、年間20mSv以下までを許容した方が良いというのが世界の一般的な考えだ」と発言しました。(薄識の私は)年間20mSvが世界的基準だとは知りませんでした。知っているのは、旧ソビエトが年間被曝5mSV以上の汚染地域の住民を移住させたこと、日本の法令では、一般の国民の被曝限度が年間1mSvだということです。「全体のリスクを考えた時」、(これも別に安全の基準ではありません)年間1mSvは最低限の目標で、達成できないのなら(責めてソビエト並みに5mSv以上の所は)「避難」を指示すべきですし、長期的な問題ならば、やはりその間は一時的にでも避難すべきだと思うのです・・・

P.S.2 (今週号の『女性自身』は)福島原発沖で獲られた魚が、産地偽装された上で出荷されているとのことです。実際、茨城県では、マダイから130ベクレルの放射性物質を検出、1,000ベクレルを超えるスズキも見つかっています。只、福島沖では漁は「自粛」となっているだけなので、獲っても違法ではなく、取り締まれないそうです。日中は「自粛」しても、夜になると北上して福島県沖で獲り、それを産地偽装して(これは違法だと思います)流通させているとのことです。また茨城県では、放射性物質の検査は週に1度、それも魚種は限定されており、これまで基準を超えた魚でも、その後線量が下がったものに関しては検査すらしていないそうです。海に境はありませんし、魚も回遊しているものなど、どこ産とは区別できず、もっと広範囲の漁港で、水揚げされた魚の放射性物質検査をしなければ、「放射性物質の影響はない」とか、「安全」などとは言えませんし、食の安全を守ることはできないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月24日)

東電 放射能汚染雨水対策放棄?

2013-10-23 10:18:29 | 日記
 福島第1原発の小野所長は、同原発を視察した福島県の担当職員に対して、堰に溜った汚染された雨水を、規制委員会が了承していない手続きである、汚染雨水の放射性物質の濃度をその場で測って排出する方法について、「現実的にはこの方法しかない」として、「今後も同様の処理をする可能性がある」と述べたそうです。(引用は『朝日新聞』)

 県の担当者は、「この方法の安全が担保されていない」として、堰の嵩上げを求めたとのことです。しかし現実は、マニュアル外の手続きどころか、只々、汚染雨水を溢れるに任せている、何もできずに放置しているのに等しい状況です。現在も、堰の汚染水は溢れる寸前まで溜っているとのことで、この状況で台風27号、28号、さらには秋雨前線まで来ている中、降った雨は堰の中で汚染され、そのまま溢れて海に流れ出る以外にないということのようです・・・

P.S. 雨水対策すらまともに対処できない東電ですが、再稼動を申請した柏崎・刈葉原発では、7号機にフィルター付きベント設備の本体工事に入ったそうです。(年度内に6号機にも設置するとのこと)しかも、この設置費用は今年度ではなく、来年度以降に繰り入れるとのことで、広瀬社長は「コスト削減を粛々と進めることで黒字化できる」としています。しかしこれは、コストカットではなく、「粉飾決算」という犯罪ではないかと思うのです。資金を借りている銀行にも、今年度は黒字になると言って資金の借り換えするそうですが、(屋根を設置すれば堰に雨水は溜らないのに)雨水対策は放棄して、フィルター付きベントを設置するのは、優先順位が違うのではないかと思います。やはり、(東電を)破綻処理しない限り、本気で事故処理は行なわれない、そう思うのです・・・

P.S.2 再稼動の審査申請を認めた泉田新潟県知事は、「再稼動の議論をするよりも、福島第1原発の事故の検証・総括をする方が先。それをしないで再稼動すると、また同じ事故が起きる」と批判しました。しかし現在も事故は未だ収束しておらず、新たな事故が起きている状態で、検証・総括などできる段階ではありません。再稼動の審査申請自体、論外だと思うのです・・・

P.S.3 法学・政治学・社会学などの研究者191人が、文科省の原子力損害賠償紛争審査会に意見書を提出しました。同意見書では、「避難生活が長期化する中、(月10万の慰謝料など)『中間指針』は実態に即していない」として指針の改訂を求めています。また、賠償の「調査方法も内容も十分とは言い難い」として、(文科省は聞き取りはしているとしていますが、極僅かの方々でしょう)「仮設住宅の避難者から、審査会の委員が直接聞き取りするなどして、被害者の生活環境や被害実態を正確に把握するよう求めて」います。(国が自らどのような被害でも、その実態を調査したことは今までにありません)現実は「不十分」どころではなく、(私なら)見捨てられているとすら感じるでしょう。それだから、勝算は薄くとも苦渋の思いで、裁判に訴えるしかないところに、避難住民の方々は追い込まれているのだと思うのです。裁判などしなくても、十分に賠償がなされる、そういう指針の改訂が望まれますが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月23日)

雨水対策 タンク・堰に屋根の設置を!

2013-10-22 10:46:53 | 日記
 放射能汚染水が溢れ出た(『朝日新聞』によると)11ヵ所の堰の内、6ヶ所の汚染水が(暫定)排水基準を超えていたとのことです。(濃度の低い所から)1リットル当たりのストロンチウム90が21ベクレル、26ベクレル、32ベクレル、160ベクレル、300ベクレル、最大で710ベクレルです。排水基準(ST90で10ベクレル)以下の5ヶ所でも、2.3ベクレルから7.2ベクレルのST90が検出されており、雨が降れば汚染水が増え、その対応に追われる状況にあるようです。

 また、東電の(20日)降水量の予測では30~40ミリ、しかし実際に敷地内に降ったのは120ミリを超えており、台風26号によってまだ移送できずに汚染水が大量に溜っていた堰が7区画もあったとのことです。そこで、濃度の高い区画を優先して移送作業を行ないましたが、1日で下げることができた水位は数センチがやっとだったとのことです。

東電は、1時間に60トン移送できるポンプを19台増設し、全体の能力を4倍にし、ホースも口径の大きなものに換え、人員も増員して対応するそうですが、台風27号の上に28号まで発生し、更なる大雨が降れば、やはり溢れ出て海へ流れ出るしかない状況は余り変わっていないように思えます。

 昨日の衆議院予算委員会で自民党の塩崎議員が、「モグラ叩きのモグラが出ないようにしなければいけない」と言われていましたが、今のままでは、永遠にモグラが次々と出てくるように思います。また、(無所属の)玉木議員が、「工法が確立していて、容易なものの予算が付くのか」、「高度か高度じゃないか、主計局が認めるかどうかではなく」やっていく必要があると述べられていました。その通りだと思うのです。

まずはタンクや堰に屋根を設置し、(汚染されていない)新しい排水溝から雨水を全て海に流して、モグラを1匹叩いて戴きたいのです。そうやって1匹、1匹叩いていかなければいけないと思うのです。塩崎議員は、「モグラを叩くのが、東電から政府に代わっただけではダメ」だと言われていましたが、東電が1匹のモグラも叩けずにいるだけでなく、モグラがどんどんどんどん増え続けている以上、(明らかに原子力災害が拡大しているわけですから)それを黙って政府が見ていることは、許されないと思うのです・・・

P.S. 塩崎議員は、廃炉を始め汚染水対策など、「東電1社では力不足」だとして、責任を明らかにした上で分社化し、新たな組織、体制を作る必要があると指摘しました。(茂木経産大臣は賛意を示しましたが)同じく、玉木議員が、「上場会社として『利益追求』をしながら、(事故の)当事者として事故対策を行なうのは酷である」、「国と東電の責任と役割を明確化」する必要を訴えましたが、安倍総理は「現在のスキームの中で、頑張って頂きたい」(将来的には検討してもいいが)現在は、新たな組織やフレームを作る必要性も、その気もないようです。(完全にという言葉は取り消しましたが)「全体としてコントロールされている」、「(海洋への)放射性物質の影響はない」との認識は変わらないようです・・・

P.S.2 参考人として招致された広瀬社長は、東電の職員がこの2年間で(事故前の5.3倍に当たる)600人が退職した、現場を知らない公務員を入れてもどうにもできない、と訴えました。社長に同情する積もりはありませんが、現場で危険な作業をしている方々のことを考えると、国家の存亡を左右する緊急事態と認識して、専門の知識と経験のある実働部隊を派遣すべきだと思います。このまま放置すれば放置するだけ、事態は悪化する、そう思うのです・・・

P.S.3 さらに塩崎議員は、世界の専門家に時々意見を聞くのではなく、疑いを持たれているところに(世界の専門家を)入れて常駐してもらう、「国際共同プロジェクト」化して、対応すべきだと訴えました。これに対して安倍総理は、「前例のない事象」、世界の専門家を「公募中」で、「世界の英知を結集したい」と言いながら、「米国、フランスの技術は既に使われている」、「海外の技術者を顧問として迎えている」と答弁し、最早これ以上積極的に世界的な協力を求める意思は示されませんでした。非常に残念で仕方がありません・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年10月22日)