顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

秋の実七題…散歩道から

2015年10月06日 | 散歩


ナツハゼはツツジ科スノキ属の落葉低木、ブルーベリーの仲間です。そんなことは知らずに少年時代、山遊びの貴重なおやつでした。呼び名は「はちまきぼんぼ」、実の下方に鉢巻のような模様があるからでしょうか…口が紫色になった懐かしい思い出。(偕楽園四季の原近く)



8月29日の当ブログに掲載したクサギ(臭木)の実。「天然のもので、青い色が出せる染料は、藍とクサギの2つしかない」といわれるほど、きれいな青が出るそうです。追羽根のような形をした瑠璃色の実は、名前のマイナスイメージをすっかり回復しています。(偕楽園公園・もみじ谷)



どんぐりの仲間はいろいろあって、コナラ属・クリ属・シイ属・ブナ属など・・・これらブナ科の木に育つ種子を総称してどんぐりと呼んでいます。日本でも20種類以上あり、森林を構成する重要な木です。図鑑で見ると、これはアカカシの実のようです。(高速道の側道付近)



ガマズミはスイカズラ科の落葉低木、名前の由来は「蒲染め」が訛ったもので、果実が染料として用いられたからという説もあります。これも少年時代の山のおやつ、「よつずみ」と呼んで、霜が降りると実が透明になり、酸味が柔らかく美味しくなりましたが、いま食べてみても昔の味はしません。(偕楽園公園・もみじ谷)



山葡萄に似ているこの実はキレハノブドウ(切葉野葡萄)、写真には実の周りにいろんな葉が写っていますが、左上の深く切り込んだ葉がこの葡萄の葉です。葉の形だけが違うだけとありますが、見た感じは普通のノブドウ(山葡萄)とはっきりと違いがわかります。
果実にはいろんな薬効があるようですが、有毒という記事と、無毒だがまずくて食べられないという両方の記事がありました。
いずれにしても、このきれいな紫はどんな絵の具でも再現が難しい気がします。(高速道の側道付近)



秋の実はなぜか紫色が多い、その極めつけはムラサキシキブ(紫式部)。
名前の由来に諸説があり、紫色の実が敷き詰められたように付く「むらさきしきみ(紫敷き実)」や紫色の実が茂る「むらさきしげみ(紫茂実)」が訛ったものとされる説、江戸時代の植木屋が平安時代、源氏物語を書いた女流作家『紫式部』になぞらえて付けたという説、ムラサキシキブと聞くと、率直にそちらの方をイメージしてしまいます。(偕楽園公園のもみじ谷)



柿の実が数個なっていました。まだ青さが残っていますが、付いてる葉の一枚が紅葉していました。柿紅葉(かきもみじ)という季語があるくらい、柿の葉の紅葉には朱、紅、黄などの秋の色が混じってきれいです。(偕楽園公園・もみじ谷)

柿紅葉マリア燈籠苔寂びぬ  水原秋櫻子
降つてすぐ乾く瓦や柿紅葉    長谷川櫂

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