顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸八景 青柳夜雨(あおやぎのやう)

2016年08月30日 | 歴史散歩
国道349号万代橋(よろずよばし)が架けられているこの付近は、当時は水戸城下と常陸太田間を結ぶ交通の要所、那珂川には渡し場があり舟で人や荷物を運んでいました。今は堤防ができて川は直接見えませんが、大きな柳の木が当時の風情を醸し出しています。
碑は何か動物が蹲っているような形の石で、しかも土の中から直接出ているため元々そこにあったような自然石そのままの感じです。二行に並べた隷書体の配置もよく、当時の感性が偲ばれます。雨の降る夜、川向こうの水戸の台地上の灯りを見て感傷に浸り、詩歌を詠む気持ちが芽生えてくるのは何時の世も同じ感情のようです。

夜さめに小舟くだせば夏陰の柳をわたる風のすずしさ  徳川斉昭

なお、水戸八景すべてについては、拙ブログ「水戸八景…斉昭公選定の水戸藩内景勝めぐり 2020.8.18」に載せさせていただきました。

茨城県きのこ博士館 (那珂市)

2016年08月29日 | 日記

茨城県民の森や茨城県植物園の真向かいにある、塔を備えて全体がキノコのような建物が「きのこ博士館」です。気になっていたので、ちょっと寄ってみました。キノコを中心に、山菜や炭焼きなどを紹介している博物館で、全国でも有数のキノコ生産量を誇る本県の椎茸などのキノコ類に親しんでもらおうと平成10年にオープン、紹介されているキノコ類は90種類にもなるそうです。

外観もさることながら、中に入ると巨大な木が迎え、キノコたちがライトアップされてまるでメルヘンの世界…その幻想的な空間には8つの展示室があり、映像や模型などで「キノコ」についてわかりやすく展示してあります。小中学生には楽しい施設、しかも無料というのが嬉しい限りです。
シーズンには持ち込んだキノコの“鑑定”も行う日もあるようですが、実に年間500件以上の持ち込みがあり、そのうち3割程度が毒キノコとか。仙人もキノコ採りにはよく行きましたが、断定できるキノコはほんの数種類、その節はぜひお願いしたいものです。

今年は、トマトの豊作!?

2016年08月28日 | 家庭菜園

借りている畑に毎年植えているミニトマト、今年は中玉とミニトマトのアイコを計4本植えてみましたが、病気にもかからず、見事に生りました。ただ脇芽摘みも最初のうちだけ、俄か百姓はその後放置主義なので茂り放し、奥の方は見えない始末です。

一度の収穫で食べきれないほど採れるため、知り合いにも配り切れず、湯剝きしたものを酢漬けにして冷凍したり、折角実ってくれたので大事に処分していますが、週明けの台風10号がこの地方を直撃したら全滅するかもしれません。

赤々とトマトに名あり桃太郎  和田絢子
朝摘みは畳二枚のトマト畑  顎鬚仙人  

水戸八景 水門帰帆(みなとのきはん)

2016年08月27日 | 歴史散歩
この碑は那珂湊漁港を見下ろす高台の突端にありますが、建立当時は今よりもっと崖際にありしかも那珂川が蛇行してこの下を流れていたので、船運で栄えた那珂湊に帆掛け舟が出入りする様子をしっかと見られたようです。
碑の海側には小さな東屋があり、海に向かってせり出した高台のため海風が天然のクーラー、一日何回も涼みに来ると近所の方が話していました。
碑は水戸藩御用石の寒水石(常陸太田産の大理石)、左上が山型になった形が自然のままの感じですが、碑面は平らに削ったようにも見えます。斉昭自筆の特徴ある水戸八分という隷書体を地元の石工、大内石了が彫ったとされていますが、石了は弘道館の弘道館記碑を彫ったことでも知られています。
帆という字は「馬+風」の古典文字、音が「はん・へん」で、本来は馬が風のように「はしる」という意味、転じて「帆」の意味にも使われています。
左隣りには昭和13年建立の藤田東湖の七言絶句(七文字×4行の漢詩)の碑があります。
周りを囲む柵は大正15年に整備したのでしょうか、その寄付者名と寄付金額が彫られていました。

夕凪に帰る白帆の打続き水門間近に櫓の音ぞきく  徳川斉昭

なお、水戸八景すべてについては、拙ブログ「水戸八景…斉昭公選定の水戸藩内景勝めぐり 2020.8.18」に載せさせていただきました。

ひまわり畑(那珂市)

2016年08月26日 | 季節の花

最近あちこちで見かけるひまわり畑、ここ那珂市は約4ha(40,000㎡・12,000坪)の畑に25万本のひまわりが咲きます。(市のホームページ)
仮設の見晴らし台から見ると倒れているひまわり多数、関係者の話では台風9号の影響でしかも今年はあまり背が高くならなかったとか、背が低い畑はそれほど倒れていないので、かえって良かったのかも知れません。

毎年8月最後の土曜日はひまわりフェスティバル、どうやら週明けには逆戻り台風10号の襲来が予想されていますので、明日27日は間一髪でセーフになりそうです。
写真でよく見るスペインのアンダルシア地方などのひまわり畑は、成人病にいいとされるひまわり油を採るためですが、このひまわり畑は、最後はブルドーザで整地してしまうということで、何かもったいない気もします。