顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

12月なのに、もう梅の花が…

2015年12月24日 | 季節の花
暖かい日が続き、スキー場も雪不足のニュース、地球温暖化とエルニーニョ現象のせいなのでしょうか、梅の都-水戸でも早咲きの梅たちが急かれるように咲き始めました。12月10日頃、一輪二輪咲き始めたという情報はあり、偕楽園公園のオフィシャルサイトでも15日、18日付けで八重寒紅、八重冬至、虎の尾の開花写真が載っています。


出かけた21日には何本かの開花が確認できましたが、偕楽園下の猩猩梅林の一角、ここの八重寒紅が五分咲きでした。遠くに好文亭を入れての写真、とても12月の撮影とは思えません。早咲きの梅の種類、寒紅梅ですが花が八重なので、八重寒紅といいます。
今頃咲きはじめて、肝心の梅まつりにはどうなるかは、年明けての気温と雨次第でしょうが、何とかまつり期間中に最高の状態でお見せしたいものです。


さらに県庁敷地内の公園でも開花している情報があり、行ってみると、確かに八重寒紅が数輪開いていました。地上25階、高さ116mの茨城県庁も1999年の竣工ですからもう16年経ち、林木育種センターの跡地に建設されたので、既存の樹木も活用しながら敷地全体にほどこした植栽も大きくなり、緑ゆたかな公園の中の庁舎となっています。


梅一輪一輪ほどの暖かさ  服部嵐雪
一輪の色をほどきて梅匂ふ.  稲畑汀子
魁けて梅一輪の命かな  顎鬚仙人

近世の教育遺産、日新塾跡

2015年12月20日 | 水戸の観光
今年4月に近世の教育遺産群「学ぶこころ、礼節の本源」として日本遺産に登録された水戸市の遺産群の構成には、一張一弛を教育方針に掲げた「旧弘道館」と「偕楽園」、「大日本史」とその史局「彰考館」跡、そして加倉井砂山の私塾「日新館」跡が含まれています。


幕末、日本を訪れたペリーを初めとする外国人が驚いたのは、その識字率の高さ…武士はほとんど100%、江戸の庶民男子では50%、女子でも20%くらい、当時のロンドン下層庶民では10%くらいですから、もちろん世界一と言っていいでしょう。
維新後、明治5年にはもう鉄道が開通している驚くべき近代化のスピードで、外国に追いついていったのも、そんな教育を支えた、藩校、郷校、家塾、私塾、寺子屋など日本独自の就学施設の充実があったと思います。


水戸市成沢地区にあった加倉井砂山の日新塾、農村部の私塾ではおそらく北関東随一の規模、寄宿舎もあり門人の数は延1000人を超え、激動の幕末に身を挺した者、維新後の新しい国の原動力になった者など多種多様の人材を育て上げました。
当時の建物は、明治10年に火災で焼け、再建された母屋も平成16年には取り壊され、いまは更地となって残っているだけですが、眼をぎらぎらさせた若者達が新しい日本を夢見て勉学に励んだ同じ空間にしばし佇んできました。

涸沼  冬に入る

2015年12月12日 | サイクリング
秋の鯊シーズンもとっくに終わり、いま涸沼の広浦周辺は人影が見当たりません。今年のハゼ釣りも秋の始めは良かったようですが、その後は不漁となり自転車止めて話を聞いても、半日で2,3匹だと淋しい釣果を報告されるばかりでした。


そういえば、11月のはじめ、ボラの子どもの群れがこの場所に大量に押し寄せて水面が盛り上がっていたのが上の写真です。去年も下流の涸沼川沿いに何十万匹と言われる大群が押し寄せて、大地震の前触れとか言う話まで出たことがありますが、科学的には解明されてはいないようです。


家族連れなどで賑わうこのあたりも閑散として、シャッターを押す仙人の影が冬の陽に長く伸びています。シジミも今の時期は端境期にあたるのか、物産店にもあまり出てなく、あっても一人1パックの制限付き販売だと聞きました。これからしばらくは、静かに水鳥の楽園となる涸沼です。

なお、鯊も鯔も秋の季語です。

夕暮は何度も描く鰡の波紋   ミル
冬ざれや鯊を眠らせ沼眠る   顎鬚仙人

福来蜜柑の五味とうがらし

2015年12月04日 | 食べログ
11月13日のこのブログでご紹介の「福来みかん」を使った薬味のとうがらしができ上がりました。
低い位置で射してくる晩秋の陽を、蜜柑の皮にたっぷり当てて乾燥させます。日に何度も太陽を追いかけて場所を移動しました。


主役の陳皮はもちろん地元の福来蜜柑、我が家の収穫では到底足りないので、郊外の農産物直売所で購入したり、実家で成ったのをもぎってきたり、推定300個以上あったのを2回に分けて作業しました。七味を目指しましたが、スーパーで買い揃えられたのは、唐辛子、青海苔、白胡麻、芥子だけなので、正確には五味とうがらしです。


辛さ控えめですが、香りが高く、うどんなどに抜群と毎年評判をいただき、つい調子に乗って、今年も自作シールを貼った1袋25gのとうがらしを、何軒かに貰っていただくことになります。