桜はやはり青空が似合いますね。といっても出かけるタイミングと晴天がうまく合わないのがこの世の常でございまして…そういうわけで偕楽園下の偕楽園公園の桜を撮ってきました。
この桜山は昔から白雲岡とも呼ばれていた景勝の地で、徳川斉昭公はここに偕楽園を造ろうとしましたが狭いために断念、この岡には数百株の桜を植え休息所として一遊亭を建て、好文亭と相対させました。今は水戸の桜の名所になっています。
ソメイヨシノばかりでなく、人気の陽光桜などいろんな桜が植えられるようになってきました。
あまり手を加えていないのが魅力です。公園内を縦断する桜川は、光圀公が古来より「西の吉野、東の桜川」と並び称されるサクラの名所、櫻川磯部稲村神社を度々訪れ、持ち帰った苗を植えて名付けたと伝わります。
水戸城の南を守る堀の役目をしたという千波湖です。周囲を約750本という桜並木が囲んでいます。
水深は平均で約1mのため分類上は「沼」ですが、昔から「千波湖」と呼ばれています。幕末水戸藩の中心人物、藤田東湖の「東湖」という号は、生家が千波湖を東に望む台地上にあったことに因んだといわれます。
ところで公園の一画、月池の東側にレストランやカフェ、結婚式場…迎賓館としても利用できる建物が現れました。この事業は、都市公園に民間が施設を造り、その利益を公園管理に生かすという国の「パークPFI制度」を県内で初めて活用したものだそうです。
名称は「The 迎賓館 偕楽園 別邸」で、運営するのは佐賀県にある「IKKホールディングス」、東京や大阪など全国で婚礼施設を展開している企業です。
せっかくの自然を残した風景の中の人工物建造には反対意見も多く聞かれましたが、偕楽園から眺めても(3月7日撮影)、近くで見てもあまり違和感は感ぜず、反対意見の仙人も飲食の場が少ないこの一画にはあってもいいかなと納得してしまいました。
今年の秋に予定される先進7か国首脳会議(G7サミット)の関係閣僚会合の利用も予定されているそうです。
この迎賓館から見た偕楽園公園の借景です。台地上の偕楽園と好文亭が見えます。
月池にかかる木の渡月橋、その先に緑丘の森が見えます。
ガラス張りの施設なので、まるで四季折々の自然の中にいるような感覚になることでしょう。
この広さがあるからこそ、自己主張の少ない建物は周りの風景に溶け込めるのかもしれません。
少し宣伝臭のする紹介ブログになってしまい、湖畔に建つ大きな銅像の光圀公も戸惑い気味なお顔のようでした。なおオープンは4月7日(金)の予定です。
さて、水戸駅の東側付近の桜川の土手も桜並木が満開でした。10日くらい早い今年の桜満開、春は一気に列島を駆け抜ける勢いです。